JPH0590237U - 換気用ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 換気用の吸気口と排気口および空調機の配管
・配線接続用の壁体の貫通穴を集約して施工を簡略化し
室内外の外観を優れたものにする。 【構成】 壁体に貫装する所望の外形形状のダクト本体
２Ａの内側に、この内側空間を長さ方向に沿って三分割
する隔壁２ａ，２ｂを形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、室内の換気を行うために、建物の内側と外側とを連通する部位に 貫装する換気用ダクトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、空調換気を行う場合、一般に空調屋外ユニットの配線・配管と、換気 のための給気および排気ダクトとがそれぞれ個別に建物の壁体に貫通装着されて いる。

【０００３】 また、最近、ダクト内側を隔壁で二分して、吸気口と排気口とを一体で形成し た換気ダクトも一部に実用化されている。

【０００４】 図５は、その一例を示す換気ダクト付熱交換形換気装置の取付外観斜視図であ る。

【０００５】 図５において、１は屋外と室内間の吸排気を行うための換気ダクトを備えた熱 交換形換気装置、２は換気装置１に突設された断面が円形状の換気ダクト（以下 ダクトという。）、２ａはダクト２の内側を長さ方向に沿って二分割する隔壁で あり、ダクト２は壁体３を貫通する穴３ａに挿通され、外気側に開放されている 。Ｈ₁ はダクト２の内側空間を隔壁２ａで仕切って形成された吸気口、Ｈ₂ は同 じく排気口である。

【０００６】 以上の構成において、不図示の室内排気口から換気装置１によって吸引された 室内空気は、換気装置１に内蔵された熱交換器を通って、壁体３を貫通して配設 されたダクト２の排気口Ｈ₂ から外に放出される。これに応じて負圧となった室 内に外気が吸引され、吸気口Ｈ₁ から室内に吸い込まれる。この時換気装置１に 内蔵される熱交換器によって、室内から排出される排気と屋外から吸引される吸 気との間の温度差による熱交換が行われ、排気熱が有効に活用される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来は、以上のようにして換気が行われていたので、換気のための吸排気が個 別の換気用ダクトによって行われる場合は換気用ダクトの壁体の貫通穴が２箇所 必要となり、これに更に、空気調和機の室内ユニットと屋外ユニットを接続する ための配管・配線用貫通穴が加わって施工に手間がかかった。

【０００８】 また、吸気ダクトと排気ダクトを一体とした後者の場合、吸排気用のダクトを 貫装する壁体の貫通穴は１箇所に集約されるが、空気調和を行うたるめには、矢 張り空気調和機の室内ユニットと屋外ユニット間の配管と配線を行うための貫通 穴を壁体に別個に開口しなければならなず、施工に手間がかかり、いずれの場合 も壁体の貫通穴が複数必要となるために、室内外の外観を損なうばかりでなく、 例えばマンションなどでは、壁体に複数の貫通穴を設けることで窓などの開口部 分が削減されて居住性を損なうなどの問題点があった。

【０００９】 この考案は、以上のような従来例の問題点を解消するためになされたもので、 換気用の吸気口と排気口および空気調和機用の配管・配線用貫通穴とを１箇所に 集約できる換気用ダクトの提供を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

このため、この考案に係る換気用ダクトは、壁体に貫装する任意の外形形状の ダクト本体の内側に、この内側空間を長さ方向に沿って三分割する隔壁を形成す ることにより、前記目的を達成しようとするものである。

【００１１】

【作用】

以上のような構成としたこの考案に係る換気用ダクトは、壁体に貫装するダク ト本体の内側空間を長さ方向に沿って隔壁で三分割したので、換気のための吸気 口と排気口に加えて空気調和機の室内ユニットと屋外ユニットとを接続する配管 および配線の貫通穴も合わせて予め１箇所に集約される。

【００１２】 これによって、空気調和機の設置時に、改めに壁体の穴明け加工を行う必要が なくなり、施工が極めて簡単かつ容易となって、施工費が低減されるだけでなく 、建物の室内外の外観も優れたものになる。また、壁体への穴の開口が１箇所と 最少になるので採光スペースの減少などを防ぎ、居住性が改善される。

【００１３】

【実施例】

以下に、この考案の一実施例を図に基づいて説明する。

【００１４】 （構成） 図１はこの考案の一実施例を示す換気用ダクトの分解斜視図とその組立外観斜 視図、図２は上記実施例の換気用ダクトを配設した建家の部分平面見取図と換気 用ダクトのＡ−Ａ断面図である。 なお、従来例図５におけると同一または相当部分は同一符号で表す。

【００１５】 図１および図２において、２Ａは外形が円筒状の換気用ダクト本体（以下ダク トいう。）であり、このダクト２Ａ内側の長さ方向には隔壁２ａとこの隔壁２ａ と直交する方向に設けられた隔壁２ｂとがダクト２Ａと一体で形成され、この隔 壁２ａと２ｂとによってダクト２Ａ内側に吸気口Ｈ₁ ，排気口Ｈ₂ に加えて空調 機配管・配線用の貫通孔Ｈ₃ が形成されている。４はダクト２Ａに嵌合して保持 される室内側ダクトカバーであり、５は同じく室外側ダクトカバーである。６は 空気調和機の室内ユニット、７は同じく屋外ユニットであり、８は室内ユニット ６と屋外ユニット７とを接続する配管、９は同じく配線である。１０はカーテン レール上部に配設された換気装置であり、Ａは換気用ダクトである。

【００１６】 （動作） 以上の構成に基づいて動作を説明する。 先ず、建家の壁体３の所望の位置にダクト２Ａの外径に合わせて貫通穴３ａを 予め開口する。この貫通穴３ａにダクト２Ａを貫装した後、ダクト２Ａの室内側 端面と屋外側端面にそれぞれカバー４と５を嵌合して、ダクト２Ａに装着保持さ せることにより、貫通穴３ａとダクト２Ａの間の空隙をカバーして、雨水の室内 への侵入を防止するとともに、室内外の外観を整える。

【００１７】 続いて、換気装置１０の吸気ダクトをダクト２Ａの吸気口Ｈ₁ に、また、排気 ダクトを排気口Ｈ₂ に接続し、更に空気調和機の室内ユニット６と室外ユニット ７の配管８および配線９を貫通穴Ｈ₃ に挿通して、両ユニット６，７を配管８と 配線９とで接続する。

【００１８】 これによって、壁体３に対して１箇所の貫通穴３ａを開口するだけで、ダクト ２Ａによって換気用の吸気口Ｈ₁ と排気口Ｈ₂ および、空気調和機の配管・配線 用の貫通孔Ｈ₃ とをきわめて簡単に壁体３に形成することができる。

【００１９】 この結果、換気装置および空気調和機の取付施工がきわめて簡単かつ容易とな り、施工費が低減されるだけでなく、建家の室内外の外観も優れたものにでき、 複数のダクト配設に伴う採光スペースなどの減少を防ぎ居住性が改善される。

【００２０】 次に、この考案の他の実施例を図３および図４の換気用ダクトの斜視図に示す 。図３は換気用ダクト２Ｂの外形形状を長方形として、このダクト２Ｂの内側に 隔壁２ａ，２ｂによって長さ方向に沿ってそれぞれ矩形状の横長吸気口Ｈ₁ と排 気口Ｈ₂ および縦長の貫通孔Ｈ₃ とを形成したものである。また、図４は換気用 ダクト２Ｃの長方形の外形および矩形の吸排気口Ｈ₁ ，Ｈ₂ と貫通孔Ｈ₃ のそれ ぞれのコーナー部に丸味を持たせたものである。その動作については、いずれも 上記実施例と同様であるので詳細な説明を省略する。

【００２１】 なお、上記いずれの実施例も、室内側カバーおよび屋外側カバーを省略して、 一方の側端面にカバーフランジを一体で形成し、他方の側端面の換気用ダクトと 壁体との空隙部分をシーラント材などで充填する構成としてもよい。

【００２２】 また、換気用ダクトの外形形状と内側空間の隔壁の位置は上記の実施例に限定 されず、建家にマッチする任意のダクトの外形形状と、隔壁による内側空間の仕 切りの任意とを選定すればよい。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、壁体に貫装される換気用ダクトの内 側空間を隔壁で長さ方向に沿って三分割したので、換気のための吸気口と排気口 および空気調和機の室内ユニットと屋外ユニットとを接続する配管・配線用の貫 通穴が１箇所に集約でき、施工を簡単かつ容易にしてその手間と費用を大幅に節 減することができる。

【００２４】 これによって、建家の室内および屋外の外観も優れたものにでき、ダクトの増 設に伴う採光スペースなどの減少を防ぎ居住性も改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の一実施例の換気用ダクトの分解斜
視図とその組立外観斜視図

【図２】 実施例の換気用ダクトを配設した建家の部分
平面見取図と換気用ダクトのＡ−Ａ断面図

【図３】 この考案の他の実施例の換気用ダクトの外観
斜視図

【図４】 この考案の異なる他の実施例の換気用ダクト
の外観斜視図

【図５】 従来例の換気用ダクト付熱交換形換気装置の
取付外観斜視図

【符号の説明】

２Ａ，２Ｂ，２Ｃ ダクト本体 ２ａ，２ｂ 隔壁 Ａ 換気用ダクト なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁体に貫装する任意の外形形状のダクト
   本体の内側に、この内側空間を長さ方向に沿って三分割
   する隔壁を形成したことを特徴とする換気用ダクト。