JPH0586975U - ワイヤロープ長さ調整器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤロープ長さ調整器に係わり、特には、
クレーン、ウインチ等の玉掛けに用いるワイヤロープの
長さを調整する調整器に関する。 【構成】 両端に荷物を吊るナックル等を装着して吊り
フックに掛けて荷物を吊るワイヤロープにおいて、外径
の少なくとも一端側が円錐形状で、かつ、内径がワイヤ
を遊嵌して収納するクサビと、円錐形状のクサビをコ字
状の両端に収納するテーパを有するコ字状の支持器とか
らなり、荷物形状あるいは大きさに合わせてワイヤロー
プの長さを調整した後にクサビにより係止して荷物を吊
る調整器とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤロープ長さ調整器に係わり、特には、クレーン、ウインチ等 の玉掛けに用いるワイヤロープの長さを調整する調整器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として、クレーン等で荷物を吊る場合の玉掛け作業においては、荷 物Ｍの重量、形状（図示の角度θａあるいは吊る位置の長さＬの許容量）に合わ せてワイヤ径、ワイヤ長さを選択して使用している。このため、荷物Ｍの重量に 合わせて多数のワイヤ径のワイヤが必要となり、また、そのワイヤ径に応じて多 数の長さのワイヤロープが必要となっている。例えば、図６に示すように、荷物 に段差があるときに同じ長さのワイヤロープＬ１を用いる場合には荷物が傾いて しまう。また、荷物を傾けないためには、長さＬ１、Ｌ２の異なるワイヤロープ を用いるか、あるいは、中間でフックに巻付けて使用して吊るすか、を行ってい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、荷物の重量に合わせて多数のワイヤ径および多数の長さのワイ ヤロープを準備するのは経費が増すとともに、ワイヤの使用期間、あるいは、キ ズ等による寿命に関する安全面からの管理が大変になる。さらに、ワイヤロープ を作業者が用いるときにどのワイヤロープを用いたら良いか、判断に迷うことが 多々あり、ワイヤロープを間違って使用すると破損して荷物が落下し作業員が負 傷するという問題がある。

【０００４】 本考案は上記従来の問題点に着目し、ワイヤロープ長さ調整器に係わり、特に は、クレーン、ウインチ等の玉掛けに用いるワイヤロープの長さを調整する調整 器の改良に関する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では、両端に荷物を吊るナックル等を装着 して吊りフックに掛けて荷物を吊るワイヤロープにおいて、外径の少なくとも一 端側が円錐形状で、かつ、内径がワイヤを遊嵌して収納するクサビと、円錐形状 のクサビをコ字状の両端に収納するテーパを有するコ字状の支持器とからなり、 荷物形状あるいは大きさに合わせてワイヤロープの長さを調整した後にクサビに より係止して荷物を吊る調整器とからなる。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、本考案では、荷物の重量に合わせたワイヤ径に応じて、少 なくとも一本のワイヤロープを準備するだけで、ワイヤロープの長さを調整でき るので、荷物の大きさに係わらず対応することができる。したがって作業者は、 ワイヤロープを用いるときにどのワイヤロープを用いたら良いか、判断に迷うこ とがなくなり、ワイヤロープを間違って使用するということもなくなり、作業の 安全性が高まる。また、ワイヤロープを選択、あるいは、キズ等の管理の作業の 手順が容易になるため、作業性が向上する。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案に係わるワイヤロープ長さ調整器の実施例につき、図面を参照 して詳細に説明する。 図１は本考案のワイヤロープ長さ調整器の第１実施例を示す正面図であり、図 ２は調整器の拡大図を示す。図１において、ワイヤロープ長さ調整器１０は、ワ イヤロープ１１の両端に荷物に装着したフック等に係止するナックル１３、１５ が固設され、ワイヤロープ１１の中間には調整器２０が配設されている。

【０００８】 図２において、調整器２０はワイヤロープ１１を挟む一対のクサビ２１と、ク サビ２１を固定する保持器２３と、からなる。クサビ２１の中にはワイヤロープ １１が貫通され、クサビ２１はワイヤロープ１１との間に若干のスキマ（Ｓ）を もって遊嵌されている。また、クサビ２１の一端側の外径は角度θのテーパ２１ ａ（円錐形状）にて削成され、クサビ２１の他端側の外径には、段差２１ｂが設 けられている。

【０００９】 保持器２３はコ字状に形成され、コ字状の両端Ｐ、Ｑには角度αのテーパ２３ ａが削成されている。また、テーパ２３ａの内方にはクサビ２１を介してワイヤ ロープ１１が収納されている。このとき、クサビ２１のテーパ２１ａの角度θと 保持器２３のテーパ２３ａの角度αとは、角度θ＞角度αで構成されている。

【００１０】 上記実施例において、図３に示すように荷物重量Ｗを吊る場合に、吊る位置の 長さＬａが大きいときにはクサビ２１の端面２１ｃ（図２に示す。）を叩いて、 支持器２３の内方に押し込み支持器２３の端面２３ｂとクサビ２１の段差２１ｂ の端面２１ｄとを接近させ、テーパ、２１ａと２３ａとを当接させずにワイヤロ ープ１１とクサビ２１の間に若干のスキマをもって遊嵌させておき、調整器２０ は作用させずに、荷物重量Ｗはワイヤロープ１１により保持してフック３０で吊 る。

【００１１】 図４に示すように同じ荷物重量Ｗを吊る場合に、吊る位置の長さＬｂが小さく 、荷物の吊る位置に段差Ｚがあるときでも、前記と同様にクサビ２１を支持器２ ３の内方に押し込みワイヤロープ１１を図示のように支持器２３の内方で短くす る分だけ余らせた後に、クサビ２１の端面２１ｅを叩いてテーパ２１ａと２３ａ とを当接させる。当接によりクサビ２１を変形させてクサビ２１とワイヤロープ １１とを係止させる。

【００１２】 調整器２０を作用させ、長さを調整したワイヤロープ１１ａ、１１ｂを用いて 荷物を吊ると、荷物重量Ｗはワイヤロープ１１から調整器２０を経てワイヤロー プ１１により保持してフック３０で吊る。このとき、図５に示すようにクサビ２ ５にワイヤロープの軸芯方向に沿ってスリット（溝）２６をいれて変形を容易に して、クサビ２５とワイヤロープ１１の係止を確実になるようにしても良い。ま た、図６に示すように、スリット２６を円錐形状のクサビ２５の全長に渡って切 り込み、クサビ２５を分割して二つのクサビ２５ａ、２５ｂを組み合わせて使用 しても良い。さらに、図６には、二つに分割したクサビ２５ａ、２５ｂの片側２ ５ａ（あるいは２５ｂ）を示しているが、図示のようにクサビ２１の内径側にギ ザギザの歯形２９を切ってワイヤロープ１１との係止をさらに確実にするように しても良い。 このように、荷物の形状に合わせてワイヤロープの長さを調整器により支持器 ２３の内方で短くする分だけ余らせて調整すれだけで同じワイヤロープ１１を用 いて荷物を吊ることが出来る。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、荷物の重量に合わせたワイヤ径に応じ て一本のワイヤロープを準備するだけで、荷物の大きさに係わらず対応すること ができる。したがって作業者は、荷物の重量に合わせたワイヤ径を選択すれば良 く、判断に迷うことがなくなり、ワイヤロープを間違って使用するということも なくなり、作業の安全性が高まるとともに、作業の手順が容易になるため、作業 性が向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のワイヤロープ長さ調整器の実施例を示
す図である。

【図２】本考案の調整器の拡大図を示す。

【図３】本考案のワイヤロープ長さ調整器を用いて荷物
を吊る場合の説明図である。

【図４】本考案のワイヤロープ長さ調整器を用いて荷物
を吊る場合の説明図である。

【図５】本考案のクサビの他の実施例を示す図である。

【図６】本考案のクサビの他の実施例の片側を示す図で
ある。

【図７】従来のワイヤロープを用いて荷物を吊る場合の
説明図である。

【符号の説明】

１０ ワイヤロープ長さ調整器、 １１ ワイヤロープ、 ２０ 調整器、 ２１、２５ クサビ、 ２３ 保持器、 ２６ スリット、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に荷物を吊るナックル等を装着して
   吊りフックに掛けて荷物を吊るワイヤロープにおいて、
   外径の少なくとも一端側が円錐形状で、かつ、内径がワ
   イヤを遊嵌して収納するクサビと、円錐形状のクサビを
   コ字状の両端に収納するテーパを有するコ字状の支持器
   とからなり、荷物形状あるいは大きさに合わせてワイヤ
   ロープの長さを調整した後にクサビにより係止して荷物
   を吊る調整器とからなることを特徴とするワイヤロープ
   長さ調整器。