JPH0586456B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0586456B2
JPH0586456B2 JP61214817A JP21481786A JPH0586456B2 JP H0586456 B2 JPH0586456 B2 JP H0586456B2 JP 61214817 A JP61214817 A JP 61214817A JP 21481786 A JP21481786 A JP 21481786A JP H0586456 B2 JPH0586456 B2 JP H0586456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
steel
temperature
cold rolling
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61214817A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6369922A (ja
Inventor
Hidenori Shirasawa
Takafusa Iwai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP21481786A priority Critical patent/JPS6369922A/ja
Publication of JPS6369922A publication Critical patent/JPS6369922A/ja
Publication of JPH0586456B2 publication Critical patent/JPH0586456B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、延性及び深絞り性にすぐれる板厚
0.5mm以下の極薄冷延軟鋼板を低温焼鈍法によつ
て製造する方法に関する。 従来の技術 近年、冷延鋼板の利用はますます多様化すると
共に、その要求特性もまた、過酷さを増しつつあ
る。従来、プレス成形用の軟鋼板は、板厚が0.6
〜1.0mmの範囲が大部分を占め、これが多量に用
いられている。しかし、近年においては、自動車
部材の分野において、車体の軽量化要求が一層高
まりつつあり、同時に、騒音や振動防止を目的と
して、鋼板間に樹脂層を積層した所謂制振鋼板の
利用が試みられるに至つている。このような制振
鋼板は、通常、樹脂層の厚さが約0.1mmであつて、
この樹脂層に対する鋼板の板厚比率が比較的高い
ものであるが、最近においては、鋼板の板厚が
0.5mm以下であつて、樹脂層厚さの比率の高い所
謂ラミネート鋼板又は軽量鋼板の適用も試みられ
るに至つている。このようなラミネート鋼板も、
上記制振鋼板の一種ではあるが、鋼板の板厚が極
度に薄いために、前記した自動車車体の軽量化に
好適であり、ボンネツトやトランクリツド等への
適用が試みられている。 このようなプレス成形に用いるには、かかる軟
鋼板は、深絞り性は勿論、引張試験より求まる全
伸び、n値(加工硬化指数)、更には、伸びフラ
ンジ性(極限変形能)にすぐれることが要求され
る。特に、かかる特性にすぐれるラミネート鋼板
を得るためには、その原板である極薄鋼板の全伸
び及び値がすぐれていなければならない。しか
しながら、ラミネート鋼板の原板の板厚は、通
常、0.2mm程度と極度に薄いために、従来の技術
によれば、全伸びは約40%が限界とみられてい
る。ここに、この全伸びを48%以上、好ましくは
50%以上とすることができ、しかも、値1.9以
上の極薄原板を得ることができれば、ラミネート
鋼板の成形性も著しく改善することができる。 かかる観点から、既に、特公昭52−14204号公
報には、C量0.001〜0.020%であり、Ti/C重量
比4以上にてTiを0.020〜0.5%の範囲で含有する
鋼を温度650℃以上、Ar3点以下にて二次焼鈍を
施す2回冷延焼鈍法、即ち、一次冷延、一次焼
鈍、二次冷延及び二次焼鈍を行なう方法による超
深絞り用冷延鋼板の製造方法が提案されている。 発明が解決しようとする問題点 一般に、650℃以下のような低温度にて焼鈍を
行なう場合は、冷間圧延後の加工歪が十分に除去
されない結果、プレス成形性が損なわれるので、
従来、焼鈍には650℃以上の温度が必要であると
されており、上記方法もこれに沿うものである。 しかしながら、板厚0.5mm以下の極薄鋼板の場
合には、二次焼鈍温度を650℃以上として箱焼鈍
を行なうとき、鋼板が相互に接着する焼付現象が
生じる。これを防止するために、スペーサを用い
るオープンコイル焼鈍によれば、腰折れと称され
るコイル変形による不良が生じる。他方、コイル
焼鈍によらない連続焼鈍法の採用も可能である
が、この場合は、板厚が薄い軟鋼板は、炉内通板
中に板幅が減少する所謂絞り込みが発生し、コイ
ルの破断をきたすという問題を有している。 本発明は、板厚0.5mm以下であつて、延性及び
深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の製造におけ
る上記した問題を解決するためになされたもので
あつて、焼鈍温度を650℃以下のような低温とし
ても、上記したような不良現象を生じることなし
に、高延性及び高深絞り性を兼備した極薄冷延鋼
板を製造する方法を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明による延性及び深絞り性にすぐれる板厚
0.5mm以下の極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製
造方法は、重量%で (a) C 0.001〜0.005%、 Mn 0.03〜0.25%、 S 0.001〜0.006%、 P 0.001〜0.005%、 Al 0.02〜0.06%、 N 0.001〜0.004%、 O 0.0010〜0.0050%を含み、更に、 (b) Ti 0.008〜0.020%(但し、Ti/C≧4)又
は Nb 0.005〜0.020% のいずれか一種を含み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼片を仕上
温度Ar3点以上で熱間仕上圧延し、650〜750℃の
温度で巻取り、この熱延コイルを酸洗した後、冷
延率60〜90%で一次冷間圧延し、これに引き続く
一次焼鈍を再結晶温度以上で行ない、次いで、冷
延率40〜85%にて二次冷間圧延し、タイトコイル
焼鈍にて580〜650℃の温度にて二次焼鈍を行なう
ことを特徴とする。 冷間圧延条件及び焼鈍条件の影響を明らかにす
るために、本発明で規定する成分を有する鋼A、
即ち、 C 0.002%、 Mn 0.18%、 S 0.002%、 Al 0.03%、 N 0.003%、 O 0.003%、 Ti 0.018%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼、及び
Ti量(0.030%)が異なる以外は上記鋼Aと同じ
鋼Bを仕上圧延温度920℃、仕上板厚3.2mmになる
ように仕上圧延し、720℃で巻取り、次いで、こ
の鋼板を第1表に示すように、製造方法におい
ては、冷間圧延した後、焼鈍する1回冷延焼鈍法
にて板厚0.2mmの冷延鋼板A及びBを製造し、
また、製造方法においては、一次冷間圧延、一
次焼鈍、二次冷間圧延及び二次焼鈍を行なう2回
冷延焼鈍法にて板厚0.2mmの冷延鋼板A及び
Bを製造した。このようにして得られた冷延鋼板
の性質を第1表に示す。 1回冷延焼鈍法による場合、鋼A及びB共
に再結晶温度、即ち、冷延加工組織が完全に消失
する温度が焼鈍温度よりも高いために、加工組織
が残存し、すべての性質に劣る。しかし、2回冷
延焼鈍法による場合は、Ti量による性質の差異
が明瞭に現れ、0.018%Ti鋼(鋼A)では、す
べての特性がすぐれているのに対して、0.03%Ti
鋼(鋼B)では、依然として多くの特性に劣
る。このような材質上の差異が生じる原因は、再
結晶温度の相違にある。即ち、本発明で規定する
成分を有する鋼Aは、2回冷延焼鈍法によると
き、再結晶温度が低いために、完全な再結晶組織
が得られるためである。詳細な理由は尚、明らか
ではないが、Ti量、冷間圧延及び焼鈍条件によ
つて、TiC,TiN等の分散状態が異なるためであ
るとみられる。 このように、極低C鋼に微量のTiを添加する
【表】
【表】 と共に、冷延焼鈍条件を最適化することによつ
て、最終焼鈍温度が650℃以下であつても、高延
性及び高深絞り性を兼ね備えた極薄冷延鋼板を得
ることができるが、ここに、かかる極薄冷延鋼板
を得ることができる理由は、更に、本発明に従つ
て、Cのみならず、Mn,S,N及びO量を低減
させることにもある。このような合金元素量の低
減は、再結晶温度の上昇を防止する。即ち、本発
明によれば、これら元素量を低減した極低C鋼に
二次焼鈍が650℃以下の低温焼鈍である2回冷延
焼鈍法を適用することによつて、コイル変形や破
断等の問題なしに、高延性及び高深絞り性を兼ね
備えた極薄冷延鋼板を製造することができるので
ある。 次に、本発明の方法において用いる鋼の化学成
分について説明する。 Cは、一般に、その添加量が増すとき、延性及
び深絞り性が劣化することが知られている。本発
明の方法による鋼板は、板厚0.2mmにて用いられ
ることが多いので、C量が増すときは、板厚減少
による延性の劣化を免れない。本発明において
は、冷延鋼板の高深絞り性を確保し、また、再結
晶温度の上昇を防止して、低温焼鈍を行ない得る
ように、極低C化が必要である。更に、後述する
ように、Ti及びNb量を再結晶温度の上昇防止の
観点から微量とするためにも、これらと結合する
Cの低減を図ることが必須である。従つて、本発
明においては、Cの添加量は0.005%以下とする。
しかし、0.001%よりも少ないときは、深絞り性
の改善や再結晶温度の低下効果が飽和し、しか
も、製鋼技術経済的にも好ましくない。従つて、
C量は0.001〜0.005%の範囲とする。 Mnは、その添加量を低減させることによつ
て、深絞り性に寄与する(111)面を有する結晶
粒の生成を促すと共に、粒成長がよくなるため、
深絞り性が改善され、また、延性も高められる。
本発明の方法においては、Mn量の低減は、上記
効果に加えて、再結晶温度の低下にも寄与し、か
くして、本発明によれば、低温焼鈍が容易であ
る。しかし、その添加量が余りに少ないときは、
MnSとして固定されないSによる熱間脆性の問
題が生じるので、その添加量の下限を0.03%とす
る。他方、過剰量の添加は、再結晶温度を上昇さ
せるのみならず、鋼板を硬質化して、延性及び深
絞り性を劣化させるので、添加量の上限を0.25%
とする。 Sは、前述したように、延性及び再結晶温度を
左右する成分であるので、本発明の方法におい
て、その含有量を低減規制することは重要であ
る。Sは、後述するTiとも結合し、これによつ
て、深絞り性に有害な影響を与える固溶Cを固着
するためのTi量が鋼中において低減するので、
S量が多いときは、それだけ多量のTiを必要と
する。極薄鋼板において、高延性を確保し、再結
晶温度の上昇を防止し、更に、Ti量の低減を図
るためには、S含有量は0.006%以下とすべきで
ある。しかし、含有量を余りに少なくしても、上
記の効果が飽和するのみならず、脱硫処理に長時
間を要して、鋼製造の技術経済的観点から好まし
くないので、Sの下限量を0.001%とする。 sol Alは、脱酸剤として添加される。本発明の
方法においては、後述するO量の低減のために、
添加量は少なくとも0.02%を必要とする。しか
し、過多に添加するときは、Al2O3やAlN等の析
出物の量を増加させ、フエライト地の延性を劣化
させるので、その上限を0.06%とする。 Nは、一般には、鋼中に多量に残存するとき
は、歪時効による延性の劣化を引き起こすが、し
かし、本発明においては、Nと結合力の強いTi
又はNbを鋼に添加するので、Nによる歪時効に
よる延性の劣化は生じない。しかし、N量が余り
に多い場合は、これに結合するTi及びNb量も当
然に増加するため、前述したSの場合と同様に、
固溶Cを固着するためのTi及びNb量が減少し、
固溶C量の増加による深絞り性の劣化や、析出物
の増加による延性の劣化を招く。他方、TiやNb
量を増加すれば、再結晶温度を上昇させ、また、
製造費用を高くする。従つて、本発明において
は、N量は、0.004%以下とすることが必要であ
る。しかし、余りに少なくするときは、製鋼上の
困難を生じるので、その下限を0.001%とする。 Pは、鋼板を高強度化し、また、結晶粒を細粒
化させて、延性を劣化させるので、0.010%以下
とし、好ましくは0.002〜0.005%の範囲とする。 Oは、含有量が多いとき、延性を劣化させると
共に、再結晶温度の上昇を招き、更に、O量が増
大すると、酸化物介在物が増し、その部分は、再
結晶核生成場所となるために、そこで再結晶粒が
多量に発生し、結晶粒の細粒化が生じる。しか
し、本発明の方法においては、低温焼鈍によつて
高延性を達成するため、結晶粒の細粒化は好まし
くない。通常、Alキルド鋼におけるO量は0.0030
〜0.0080%であるので、本発明においては、O量
は0.0010〜0.0050%の範囲とする。 Tiは、前述したように、主として、鋼中のC
と結合して、残存する固溶C量を低減させること
によつて、鋼板の深絞り性を改善する元素とし
て、従来より知られており、従来、知られている
通常の深絞り用冷延鋼板においては、Tiは0.05%
以上添加されている。しかし、本発明において
は、前述したように、Ti量を増加するときは、
再結晶温度を上昇させるので、650℃以下の温度
で二次焼鈍を行なつても、加工組織が残存するた
めに、延性及び深絞りを確保することができな
い。従つて、本発明においては、延性及び深絞り
性を共に確保し、再結晶温度の上昇を防止するた
めに、Ti量は0.020%以下とすることが必要であ
る。しかし、Ti量を余りに少なくするときは、
前述した効果を有効に得ることができないので、
本発明においては、Ti量の下限を0.008%とする。
更に、Tiは、C量と密接な関係にあり、深絞り
性をより向上させるためには、再結晶焼鈍前に固
溶Cの大部分をTiによつてTiC析出物として結合
させておく必要があるので、本発明においては
Ti/C重量比を4以上とする。Ti/C重量比が
4よりも小さいときは、深絞り性の低下がみられ
る。 Nbも、Tiと同様の理由によつて、深絞り性を
改善する効果を有することが知られている。本発
明においても、深絞り性及び延性を向上させ、再
結晶温度の上昇を防止するためには、Nbは、
0.020%以下の範囲で添加することが必要である
が、しかし、余りに少ないときは、かかる効果を
有効に得ることができないので、Nbの添加量の
下限を0.005%とする。 本発明においては、上記した化学成分を有する
鋼の溶製法は、何ら制限されるものではなく、転
炉、平炉、電気炉いずれによつて溶製されてもよ
い。本発明の方法においては、かかる鋼を分塊圧
延又は連続鋳造によつてスラブ化し、これを所定
の条件下に熱間圧延し、冷間圧延した後、箱焼鈍
する。 次に、本発明の方法における熱間圧延条件、冷
間圧延条件及び焼鈍条件について説明する。 本発明の方法においては、上記した化学成分を
有する鋼を、常法に従つて均熱保持し、仕上温度
をAr3点以上として熱間圧延し、650〜720℃の範
囲の温度にて巻取る。 後述する箱焼鈍において、二次焼鈍後の値を
高めるためには、可能な限りにおいて、一次焼鈍
後の値を高めておくことが必要である。ここに
おいて、仕上温度がAr3点よりも低いときは、
値に不利な集合組織である(200)面が発達して、
r値を低めることとなる。従つて、本発明の方法
においては、仕上温度は、Ar3点以上とし、好ま
しくは880℃以上とする。 巻取温度は、Ti(C,N)やNb(C,N)等の
炭窒化物を冷延焼鈍前の熱間圧延板にて析出させ
るために重要であつて、本発明においては、巻取
温度を650〜720℃の範囲とする。650℃よりも低
いときは、これら析出物の析出が起こらず、他
方、720℃を越えるときは、鋼板表面のスケール
を除去し難くなるので、酸洗性が低下する。 このようにして、巻取られたコイルは、酸洗
後、冷間圧延される。本発明においては、値
1.9以上の高深絞り性と共に、伸び48%以上及び
n値0.23以上の高延性、更には、再結晶温度の低
下を図るために、前述したように、2回冷延焼鈍
法が採用される。前述した鋼Aについて、一次及
び二次冷延率の影響を第1図に示すように、一次
冷延率が比較的高く、二次冷延率が比較的低いほ
ど、低降伏強さ、高伸び、高n値及び高値を有
して、高延性及び高深絞り性を有し、且つ、Δr
値も小さく、鋼板内の材質のばらつきも小さいこ
とが理解される。また、Tiに代えて、Nbを添加
することによつても、同じ効果を達成することが
できる。 従つて、極低C−Ti鋼又は極低C−Nb鋼を用
いる本発明の方法においては、一次冷延率は60〜
90%、二次冷延率は40〜85%の範囲とするのが最
低である。一次及び二次冷延率がこの範囲をはず
れる場合は、深絞り性が劣化するのみならず、全
伸びも劣化する。 本発明の方法においては、二次冷間圧延後及び
二次冷間圧延後にそれぞれ再結晶焼鈍を行なう。
一次冷間圧延後の一次焼鈍の温度は、再結晶を十
分に行なうために700〜850℃の範囲が好ましい。
焼鈍方法は、箱焼鈍法、連続焼鈍法のいずれかを
用いてもよい。 本発明の方法においては、二次冷延後の二次焼
鈍条件が重要である。本発明においては、板厚
0.5mm以下の極薄鋼板を対象としており、かかる
極薄鋼板の場合は、オープンコイル焼鈍を行なう
ときは、コイル形状に不良を生じるので、タイト
コイル焼鈍が採用される。しかし、このタイトコ
イル焼鈍においても、焼鈍温度が余りに高いとき
は、鋼板の焼付が発生し、操業を困難にして、生
産性を低下させ、場合によつては、製品を得るこ
とができない。従つて、本発明の方法において
は、二次焼鈍温度は、従来の深絞り用鋼板におい
て必要とされている高温焼鈍とは反対に、650℃
以下の低温とすることが必要である。好ましくは
620℃以下である。しかし、この焼鈍温度も余り
に低いときは、焼鈍による十分な再結晶が起こら
ず、得られる鋼板が成形性に劣ることとなるの
で、焼鈍温度は580℃以上とする。 焼鈍後の冷延鋼板は、形状調整、降伏点伸びの
消去のために、調質圧延、レベラー掛け等、適宜
の手段が施される。因みに、本発明の方法による
冷延鋼板は、表面処理を施されても前記したすぐ
れた特徴を何ら失なわないので、ブリキ、亜鉛め
つき、ターンめつき鋼板にも適用することができ
る。 発明の効果 以上のように、本発明の方法によれば、C量を
0.005%以下に低減し、且つ、Mn,S,N及びO
量を低減すると共に、かかる化学組成を有する鋼
片を650℃以下の温度での二次焼鈍を含む2回冷
延焼鈍法によつて、板厚0.5mm以下の極薄鋼板に
ついて、降伏応力19Kgf/mm2以下、伸び48%以
上、n値0.230以上の高延性、高い伸びフランジ
性と共に、面内異方性(Δr値)の小さい値1.9
以上の高深絞り性を有する冷延鋼板を焼付の発生
しない低温焼鈍にて得ることができる。 しかも、本発明の方法によれば、従来の2回冷
延焼鈍法と異なり、二次焼鈍を低温で実施するの
で、省エネルギー及び生産性にもすぐれ、経済性
の面でも有利な方法である。 実施例 以下に実施例を挙げて本発明の方法を説明する
が、本発明はこれら実施例によつて何ら限定され
るものではない。 実施例 第2表に示す化学成分を有する本発明鋼及び比
較鋼を実験用小型溶解炉にて溶製し、これを鍛
造、粗圧延して、30mm厚さのスラブとした。これ
を加熱温度1200℃以上で30分間保持した後、熱間
圧延仕上温度750〜930℃で板厚3.2mm又は4.0mmに
仕上げ、次いで、600℃又は720℃にて30分間の巻
取シミユレート処理を行なつた。 この熱間圧延鋼板に第2表に示す条件にて一次
冷間圧延、一次焼鈍、二次冷間圧延及び二次焼鈍
を行ない、最終的に板厚0.2mm又は0.4mmの極薄冷
延鋼板を製造し、この極薄鋼板に0.8〜1.0%の調
質圧延を施した後、材質を調査した。尚、鋼A3
についてのみ、一次焼鈍にて連続焼鈍を行ない、
その他はすべて箱焼鈍によつた。
【表】
【表】 引張試験結果、値(深絞り性)、穴拡げ試験
(伸びフランジ性)及び焼付き性を第3表に示す。
鋼A,A1〜A3及びBは本発明鋼であり、鋼C〜
Kは比較鋼である。即ち、鋼CはC量、鋼Dは
Mn量、鋼EはO量、鋼FはS量、鋼GはAl量、
鋼HはN量、鋼IはO量、鋼JはTi量、鋼Kは
Nb量がそれぞれ本発明で規定する範囲にない。
鋼A4〜A9は、その化学成分は本発明にて規定す
る範囲にあるが、製造方法が本発明で規定する条
件を満たしていない比較鋼である。即ち、鋼A4
は仕上温度、鋼A5は巻取温度、鋼A6は冷間圧延
及び焼鈍条件、鋼A7は一次冷延率、鋼A8は二次
冷延率、鋼A9は二次焼鈍温度がそれぞれ本発明
で規定する範囲にない。 第3表に示す試験結果から、本発明の方法によ
る極薄冷延鋼板は、二次焼鈍温度が600℃のよう
な低温であつても、19Kgf/mm2以下の低降伏応
力、50%以上の高い全伸び、0.250以上の高n値
及び2.0以上の高値を有し、更に、穴拡げ率
(伸びフランジ性)も高いので、延性と深絞
【表】
【表】 り性とを兼備していることが理解される。 これに対して、製造条件は本発明で規定する範
囲にあるが、化学成分組成が本発明で規定する範
囲にない比較鋼C〜K、及び化学成分組成が本発
明で規定する範囲内にあるが、製造条件が本発明
で規定する条件を満たしていない比較鋼A4〜A9
のうち、鋼A4〜A8は、各特性値の少なくともい
ずれかが所望値に達しておらず、また、鋼A9は、
特性値を満足していても、高温焼鈍のために焼付
が発生し、製品としての価値がない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、冷延鋼板の引張特性(降伏応力、全
伸び及びn値)及び深絞り性(値及びΔr値)
と一次及び二次冷間圧延率との関係を示すグラフ
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で (a) C 0.001〜0.005%、 Mn 0.03〜0.25%、 S 0.001〜0.006%、 P 0.001〜0.005%、 Al 0.02〜0.06%、 N 0.001〜0.004%、 O 0.0010〜0.0050%を含み、更に、 (b) Ti 0.008〜0.020%(但し、Ti/C≧4)又
    は Nb 0.005〜0.020% のいずれか一種を含み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼片を仕上
    温度Ar3点以上で熱間仕上圧延し、650〜720℃の
    温度で巻取り、この熱延コイルを酸洗した後、冷
    延率60〜90%で一次冷間圧延し、これに引き続く
    一次焼鈍を再結晶温度以上で行ない、次いで、冷
    延率40〜85%にて二次冷間圧延し、タイトコイル
    焼鈍にて580〜650℃の温度にて二次焼鈍を行なう
    ことを特徴とする低温焼鈍による延性及び深絞り
    性にすぐれる板厚0.5mm以下の極薄冷延軟鋼板の
    製造方法。
JP21481786A 1986-09-10 1986-09-10 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製造方法 Granted JPS6369922A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21481786A JPS6369922A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21481786A JPS6369922A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6369922A JPS6369922A (ja) 1988-03-30
JPH0586456B2 true JPH0586456B2 (ja) 1993-12-13

Family

ID=16662014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21481786A Granted JPS6369922A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6369922A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0397812A (ja) * 1989-09-11 1991-04-23 Kawasaki Steel Corp 深絞り用冷延鋼板の製造方法
JPH07110976B2 (ja) * 1989-09-11 1995-11-29 川崎製鉄株式会社 面内異方性の小さい深絞り用冷延鋼板の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5022967A (ja) * 1973-06-25 1975-03-12
JPS5250723A (en) * 1975-10-18 1977-04-23 Rollei Werke Franke Heidecke Device for measuring*controlling and indicating photographic camera exposure
JPS5540092A (en) * 1972-05-17 1980-03-21 Carborundum Co Condition adjusting instrument for granular material

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5540092A (en) * 1972-05-17 1980-03-21 Carborundum Co Condition adjusting instrument for granular material
JPS5022967A (ja) * 1973-06-25 1975-03-12
JPS5250723A (en) * 1975-10-18 1977-04-23 Rollei Werke Franke Heidecke Device for measuring*controlling and indicating photographic camera exposure

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6369922A (ja) 1988-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH032224B2 (ja)
US5582658A (en) High strength steel sheet adapted for press forming and method of producing the same
US4857117A (en) Method of manufacturing a cold-rolled steel sheet having a good deep drawability
US4908073A (en) Method of producing a cold rolled steel sheet having a good ageing resistance and small anisotropy and adapted for deep drawing
JP4177478B2 (ja) 成形性、パネル形状性、耐デント性に優れた冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板及びそれらの製造方法
CN113832386A (zh) 一种高强度热轧基板、热镀锌钢及其制造方法
JP4177477B2 (ja) 耐常温時効性とパネル特性に優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP4193228B2 (ja) 缶用鋼板およびその製造方法
CN112400033B (zh) 具有高强度、高成型性、优异的烘烤硬化性的热轧镀覆钢板及其制造方法
JP3882263B2 (ja) パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた鋼板
JPH0586456B2 (ja)
JPH06104862B2 (ja) 焼付け硬化性及び常温非時効性に優れた加工用冷延鋼板の製造方法
JPH0559970B2 (ja)
JPH05195060A (ja) 耐時効性、プレス成形性の優れた焼付硬化型冷延鋼板の製造方法
JPS62205232A (ja) 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温箱焼鈍による製造方法
JP4094498B2 (ja) 深絞り用高強度冷延鋼板およびその製造方法
JPH04346625A (ja) 耐時効性、プレス成形性の優れた焼付硬化型冷延鋼板の製造方法
JPS62294136A (ja) 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温箱焼鈍による製造方法
JPH0321611B2 (ja)
JP3716439B2 (ja) めっき特性に優れる高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPS59123720A (ja) 深絞り用冷延鋼板の製造方法
JPH0681045A (ja) 加工性および焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法
JPH0765114B2 (ja) 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温焼鈍による製造方法
JP3273383B2 (ja) 深絞り性の優れた冷延鋼板およびその製造方法
JPS6333523A (ja) 延性及び深絞り性にすぐれる極薄冷延軟鋼板の低温箱焼鈍による製造方法