JP3882263B2 - パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた鋼板 - Google Patents

パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた鋼板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は自動車の外板等に適用される鋼板、詳細には、優れた成形性とともに非時効性で且つパネル成形時に肌荒れ等の表面欠陥が生じない性能を有し、しかも塗装焼き付け後に優れた耐デント性が得られる冷延鋼板及び該冷延鋼板を素材とする亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の外板等に適用される冷延鋼板には、優れた成形性、形状性、耐面歪性等の特性が求められるのは勿論であるが、これ以外にも車体に組み立てられた後において局所的な外力に対して凹みにくい特性(耐デント性)が求められる。このうち前者の諸特性に対しては、従来より鋼板の成形性を測る指標である伸び、r値、n値等を高める技術が数多く開示されている。一方、後者の特性に関しては、鋼板のデント荷重がヤング率、(板厚)2、降伏強度に比例して増加することから、自動車の低燃費化を意図して車体重量の軽量化を図る場合、板厚減少と並行して素材の高降伏点化が図られてきた。しかし、鋼板の降伏強度を増加させるとパネル成形時のスプリングバック量が大きくなり、このため形状凍結性が劣化するだけでなく、ドア取手周辺部等に面歪が発生し易くなる問題がある。従来、通常のプレス条件下では鋼板の降伏強度が240MPaを超えると面歪が発生し易くなることが知られている。
【0003】
このような問題を解決するために、プレス成形時には低降伏強度であり、プレス成形後の塗装焼付け処理(一般には170℃で20min程度加熱)時に歪時効現象によって降伏強度が上昇する性質(BH性)を有する鋼板、所謂焼付け硬化型鋼板(BH鋼板)が開発され、これに関しても数多くの改良技術が開示されている。このBH鋼板は、鋼中に微量の炭素を固溶状態で残留させることで、塗装焼き付け処理時に歪時効によって降伏強度が上昇する現象を利用したものである。しかし、このような歪時効現象を利用する限りにおいては、非時効性の鋼板に比べて常温保管時の時効劣化(降伏点伸びの再現)が起こり易く、このためプレス成形時にストレッチャーストレインに起因した表面肌荒れが発生し易くなる。
【0004】
そこで、時効しても降伏点伸びが再現し難い鋼板として、連続焼鈍プロセスにて鋼板組織をフェライト地にマルテンサイト等の低温変態相が分散した二相組織とした鋼板が開発された。しかし、この鋼板は焼付硬化量(BH量)が100MPaに近い高いBH性を有する反面、C量が0.02〜0.06wt%程度の低炭素鋼であるため、今日の自動車外板に要求される成形性を満足できず、加えて溶融亜鉛めっき等を行う場合に焼入れ、焼戻し処理ができないために所望のミクロ組織を得ることができない。また、二相組織鋼特有の伸びフランジ成形性の劣化等が外板への適用の障害になる。
【0005】
以上のような鋼板に対し、C量が0.005wt%以下の極低炭素鋼を素材とし、これにNb,Ti等の炭化物形成元素を鋼中C量に対する化学量論比以下の範囲で添加することによって、極低炭素鋼特有の優れた深絞り成形性等を維持しつつ残留固溶炭素による焼付硬化性を付与できるようにした、所謂極低炭素系BH鋼板が開発され、この鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板にも適用可能であることから、今日自動車外板等に広く利用されている。しかし、この種の鋼板は降伏点伸びの再現を阻止する作用を有する硬質第二相が存在しないため、実用上の観点からBH量は60MPa以下程度に抑えられているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、極低炭素系のBH鋼板に関しても数多くの改良技術(例えば、特開昭57−70258号公報等)が提案されており、例えば、BH性を積極的に高める狙いから900℃近い高温で連続焼鈍することにより、粒成長による高r値化を図るとともに炭化物を再溶解させて更にBH量を増大させる技術(例えば、特開昭61−276931号公報)、焼鈍時にAc3点近傍まで加熱して冷却することで組織を再結晶フェライト相とオーステナイトから変態した高転位密度のフェライト相とすることにより、上記した二相組織鋼と同様の降伏点伸びの再現抑制を意図した鋼板の製造技術(例えば、特開平3−277741号公報)等が提案されている。
【0007】
しかし、これらの技術はいずれも880〜900℃以上での高温焼鈍を必須とするものであるため、エネルギーコストや生産性の点で不利であるばかりでなく、高温焼鈍によって結晶粒が粗大化するためプレス成形時に肌荒れが生じ易くなる。また、高温焼鈍は不可避的に鋼板の強度を低下させるため、たとえ高いBH性が得られたとしても、パネル加工後の鋼板の降伏強度は必ずしも高いものとならず、BH性が高いことのみが耐デント性向上に寄与するとは言えない。
したがって本発明の目的は、実質的な常温非時効性と優れた成形性および成形後のパネル外観性を兼ね備え、しかも塗装焼き付け処理後には優れた耐デント性が得られる極低炭素系焼付け硬化型鋼板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような従来の極低炭素系焼付け硬化型鋼板の問題に鑑み、成形されたパネルの耐デント性を支配する諸因子について詳細に検討を行い、その結果、次のような知見を得た。すなわち、焼付硬化性の付与は鋼板の降伏強度上昇にはそれなりに有効であるが、BH量が50MPa以下の鋼板においてはパネルの耐デント性に対するBH量の寄与は比較的小さく、逆に、極低炭素鋼において固溶炭素を所定量以上残留させることによって不可避的に生じるr値やn値の低下により、プレス成形時に鋼板がフランジ部からパネル面へ流入し難くなることや、パネル面に均一に歪が伝播して鋼板が加工硬化することの障害となることの方が、耐デント性のみならずパネル外観品質に対して悪影響を及ぼすことが判った。つまり、“焼付硬化性を高めることが自動車外板の耐デント性を向上させる最良の方策である”とする従来の常識に反し、焼付硬化性を高めることが必ずしも耐デント性の向上に繋がるものではないことが明らかとなった。一方、35MPa以上の焼付硬化量を付与した場合、調質圧延後に長期間保管した場合に降伏点伸びが再現し、伸びの劣化に加えてプレス成形時のパネル面の肌荒れ等、外板として致命的な表面欠陥が顕在化することも判った。
【0009】
本発明は、このような知見に基づきさらに検討を重ねた結果なされたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
[1] C:0.0010〜0.010wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.08wt%及びTi:0.018〜0.07wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
但し Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
2%引張予ひずみ後の170℃×20min焼付け硬化量BHが10〜35MPaで、且つ該焼付け硬化量BH(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)とが下記(3a)式及び(4a)式の関係を満足することを特徴とする、パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
BH≧exp(−0.115・YP+23.0) … (3a)
0.67・BH+160≦YP≦−0.8・BH+280 … (4a)
【0010】
[2] C:0.0010〜0.010wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.08wt%及びTi:0.018〜0.07wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
但し、 Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
2%引張予ひずみ後の170℃×20min焼付け硬化量BHが10〜30MPaで、且つ該焼付け硬化量BH(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)とが下記(3b)式及び(4b)式の関係を満足することを特徴とする、パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
BH≧exp(−0.115・YP+25.3) … (3b)
0.67・BH+177≦YP≦−0.8・BH+260 … (4b)
【0011】
[3] 上記[1]または[2]の冷延鋼板において、C:0.0010〜0.0025wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.020wt%及びTi:0.018〜0.05wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする、パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
但し Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
【0012】
4 上記[1]〜 3 のいずれかの冷延鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とするパネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた亜鉛系めっき鋼板。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に至った経緯と本発明の特徴及び限定理由について説明する。
本発明ではまず、鋼板の2%BH量(2%引張予ひずみ後の170℃×20min焼付け硬化量)が鋼板の成形性と成形後のパネルの表面粗さ変化に及ぼす影響について調査した。この調査では、2%BH量が異なる板厚0.7mmの極低炭素冷延鋼板(C:0.0015〜0.0090wt%,Si:0.01〜0.02wt%,Mn:0.5〜0.6wt%,P:0.03〜0.04wt%,S:0.008〜0.011wt%,sol.Al:0.040〜0.045wt%,N:0.0020〜0.0024wt%,Nb:0.005〜0.06wt%)及び低炭素冷延鋼板(C:0.028〜0.038wt%,Si:0.01wt%,Mn:0.15〜0.16wt%,P:0.02〜0.03wt%,S:0.005〜0.010wt%,sol.Al:0.035〜0.042wt%,N:0.0025〜0.0030wt%)を用い、これら鋼板の平面歪張り出し成形性と深絞り成形性を、それぞれLDH0(限界平面歪張り出し高さ)と50mmφの円筒成形時のLDR(限界絞り比)で評価し、張り出し成形性と深絞り成形性に及ぼす2%BH量の影響について調べた。その結果を図1及び図2に示す。
【0014】
図1及び図2によれば、極低炭素系の焼付け硬化型鋼板(以下、BH鋼板という)は、低炭素系のBH鋼板に較べて優れた張り出し成形性と深絞り成形性を有している。極低炭素系BH鋼板は、2%BH量が30MPa以下の範囲ではLDH0、LDRの何れもが2%BH量には依存せず、優れた成形性が得られている。また、2%BH量が30〜35MPaの領域は遷移領域と見なされるが、LDH0とLDRの劣化量は比較的小さい。しかし、2%BH量が35MPaを超えるとLDH0、LDRは何れも急激に低下する。これらの結果から、鋼板の焼付け硬化性(以下、BH性という)を高めることによるLDH0の低下は、パネル面内で高歪域まで塑性変形が均一に伝播し難くなることを、また同じく鋼板のBH性を高めることによるLDRの低下は、フランジ部からのパネル面への材料の流入が起こりにくくなり、結果的にパネル面の板厚減少の加速や板厚の不均一をもたらすことをそれぞれ示唆している。
【0015】
次に、図1及び図2で使用したものと同じ鋼板について、38℃×6ヶ月という厳しい人工時効処理を行った後、図3に示す形状のパネルに成形し、この時のパネル外面の表面肌荒れ度合いを、成形前後のろ波中心線うねり高さ(Wca)の変化(ΔWca)により評価した。その結果を図4に示す。
図4によれば、38℃×6ヶ月という厳しい人工時効処理を行った場合、BH量が30MPa以下であればパネル面のろ波中心線うねり高さは全く変化しない。これに対して、2%BH量が30MPaを超えるとパネル面のろ波中心線うねり高さが増加し始め、35MPaを超えると急激に増加して目視でもパネル面の肌荒れが確認できるようになる。特に、極低炭素系BH鋼板では2%BH量の増加に伴って肌荒れが顕著となる。一方、2%BH量が35MPa以下の範囲では目視で肌荒れは確認されなかった。実用上の観点からは、ΔWca≦0.2μmの範囲では塗装焼き付け後のパネル表面の外観は特に問題はなく、したがって、このΔWca≦0.2μmを得るためには2%BH量は35MPaまで許容できる。また、ΔWca≒0μmを得るためには2%BH量は30MPaまで許容できる。
【0016】
以上の図1、図2及び図4の結果から、2%BH量を35MPa以下、好ましくは30MPa以下とした極低炭素系BH鋼板において良好な成形性が得られ、且つ外観の優れたパネルが製造できることが判った。したがって本発明では、極低炭素系BH鋼板の2%BH量の上限を35MPa、好ましくは30MPaと規定する。
一方、本発明ではパネル加工直後の耐デント性を維持向上させる狙いから2%BH量の下限を規定する。図1及び図2で使用したものと同じ鋼板を用い、これら鋼板の200mm角のブランクの中央を150mmφの平底ポンチで成形高さ5mmの条件で円錐台成形し、成形のままのパネルの円形平坦部の中央に20mmRの球頭ポンチを押しつけた時に0.1mmの永久凹みが生じる荷重(デント荷重)で耐デント性を評価し、このプレス成形直後のパネルの耐デント性に及ぼす2%BH量の影響を調べた。その結果を図5に示す。
【0017】
従来、BH性は焼付け硬化処理過程で耐デント性を向上させると考えられてきたが、図5の結果から2%BH量が極めて低い領域では成形ままのパネルにおいても耐デント性が鋼板の2%BH量に依存することが明らかになった。特に、この傾向は極低炭素系鋼板において顕著に認められる。こうした結果は、BH性のない極低炭素鋼板(所謂IF鋼)では予変形を受けた後予変形と異なる応力方向に変形するとバウシンガー効果によって低応力で降伏現象が起こるが、極低炭素系BH鋼板では固溶炭素を微量に含有することによってバウシンガー効果が軽減されることを示唆している。つまり、IF鋼は軟質で優れた成形性を有している反面、フェライト中の転位の易動度が高く、転位の移動に対する障害物が極めて少ないため、鋼板の変形過程で応力方向が逆転したときの遷移軟化領域において、転位セル内部の転位の反転移動や合体消滅が起こり易くなり、この結果成形ままのパネルの耐デント性が劣ったものとなると考えられる。このような鋼板はプレス成形直後のパネルの耐打痕性等の点で好ましくなく、また塗装焼き付け工程での降伏強度上昇も全く期待できない。
【0018】
これに対して、図5に示されるように2%BH量が10MPa以上のBH性を付与した極低炭素系BH鋼板では、成形のままのパネルの耐デント性が著しく改善されている。これは、極低炭素系BH鋼板では微量の固溶炭素の存在が予変形過程あるいは変形直後から転位と相互作用することによって、転位が動的あるいは静的に固溶炭素で固着され、その結果、遷移軟化領域における転位セル内部の転位の反転移動や合体消滅が起こり難くなり、バウシンガー効果が減少したためであると考えられる。特に、こうした予変形段階での転位と固溶炭素の動的相互作用は、変形初期段階での鋼板の加工硬化に寄与することが考えられる。したがって、プレス成形直後のパネルの耐打痕性、アセンブル性等の観点から、自動車外板等に適用される鋼板に10MPa以上の2%BH量を付加することは好ましい。このため本発明では、極低炭素系BH鋼板の2%BH量の下限を10MPaと規定する。
【0019】
そこで、耐デント性に寄与する重要な特性と目される5%以下の歪量における加工硬化挙動について調査を行った。図6は、C:0.0005〜0.011wt%、Nb:0〜0.08wt%、Ti:0〜0.07wt%を含有する板厚0.7mmの極低炭素冷延鋼板(その他の成分元素、Si:0.01〜0.02wt%,Mn:0.5〜0.6wt%,P:0.03〜0.04wt%,S:0.008〜0.011wt%,sol.Al:0.040〜0.045wt%,N:0.0020〜0.0024wt%)を用い、0.5%〜2%の微小歪領域で評価した鋼板の加工硬化指数とパネル成形時の耐肌荒れ性に及ぼす鋼板組成の影響を調べ、これを整理して示したものである。特にここでは、歪み速度が0.001/s程度の通常の静的引張変形下での加工硬化特性と実プレス成形に近い0.1/sレベルの高歪み速度下での加工硬化特性について検討した。
【0020】
図6によれば、Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}とした場合に、鋼中全炭素量が100ppm以下で、且つ平衡状態における析出C(NbCまたはTiCとしてフェライト母相中に析出するC)を表わすパラメータである{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}が5ppm以上、且つC−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}が15ppm以下の範囲において、実プレス成形に近い0.3/sという高い歪み速度下での加工硬化指数が高くなっている。また、その範囲の中でも特に鋼中全炭素量が25ppm以下では、0.003/sという低い歪み速度下においても高い加工硬化指数が得られている。また、図4と同様にΔWca≦0.2を満足する範囲について見ると、平衡状態における固溶Cを表わすパラメータである[C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}]が15ppm以下の範囲でΔWca≦0.2が得られている。また、上記のパラメータの値が0ppm以上であれば10Mpa以上のBH性を確保することができる。したがって、鋼組成中にNb、Tiを添加した極低炭素鋼板においては、Nb及びTiは{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005,0≦C−{12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015を満足する必要がある。このため本発明では鋼組成中のNbとTiの添加量を下記(1)式及び(2)式の範囲に規定する。
{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
但し Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
【0021】
次に、本発明における最も重要な要件である成形前の降伏強度と2%BH量について、実際のパネル成形後のパネルの耐デント性を確保するという観点から以下のような調査を行った。種々の降伏強度と2%BH量を有する極低炭素冷延鋼板(C:0.0005〜0.012wt%,Si:0.01〜0.02wt%,Mn:0.5〜0.6wt%,P:0.03〜0.04wt%,S:0.008〜0.011wt%,sol.Al:0.040〜0.045wt%,N:0.0020〜0.0024wt%,Nb:0.002〜0.08wt%)を図3に示す形状のパネルに成形した後、170℃×20minの焼き付け硬化処理相当の熱処理を施し、パネル面中央部の肌荒れ状況を成形前後のろ波中心線うねり高さ(Wca)の変化(ΔWca)により評価した。また、パネル中央部に50mmRの球頭ポンチを押しつけた時に0.1mmの永久凹みが生じる荷重(デント荷重)を測定した。また上記と同じ鋼板を、図3と同一形状のパネルの平坦部にドア取手座相当の張り出し加工部を有するパネルに成形し、この時の取手周辺の面歪の発生状況を調べた。それらの結果を図7及び図8に示す。
【0022】
図7及び図8によれば、パネルのデント荷重は初期の降伏強度YPと2%BH量を高めることによって上昇する。YPの影響に関しては、YPが170MPa以下の領域ではデント荷重が急激に低下するため、それを補完するため40MPa以上の2%BH量を付与する必要がある。一方、2%BH量の影響に関しては、2%BH量が10MPa以下ではデント荷重が急激に低下し、また2%BH量が1MPa未満の実質的に非時効性の鋼板においては、150N以上のデント荷重は得られない。YPが200MPa以下の領域では、デント荷重に対してYPと2%BH量の間に臨界条件が存在し、デント荷重:150N以上の耐デント性を得る条件として、BH≧exp(−0.115・YP+23.0)のBH量を、またデント荷重:170N以上の耐デント性を得る条件としてBH≧exp(−0.115・YP+25.3)の2%BH量をそれぞれ付与する必要がある。このための本発明では優れた耐デント性を確保するという観点から、2%BH量(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)を下記(3a)式、好ましくは下記(3b)式の関係を満足する範囲に規定する。
BH≧exp(−0.115・YP+23.0) … (3a)
BH≧exp(−0.115・YP+25.3) … (3b)
【0023】
また、外板パネルに求められる優れた表面品質を得るという観点からも2%BH量とYPの適正化が必要である。図8に示されるようにYPの低下と2%BH量の増大によってパネル面の肌荒れが顕著になる。一方、YPの上昇と2%BH量の増大によって取手部周辺の面歪が顕著となる。以上の結果から、パネル面の肌荒れと取手部周辺の面歪が実用上問題とならない2%BH量とYPの条件としては2%BH量:35MPa以下、0.67・BH+160≦YP≦−0.8・BH+280とすることが、また肌荒れと面歪が全く発生しない2%BH量とYPの条件としては2%BH量:30MPa以下、0.67・BH+177≦YP≦−0.8・BH+260とすることがそれぞれ必要となる。このため本発明では、2%BH量(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)を下記(4a)式、好ましくは下記(4b)式の関係を満足する範囲に規定する。
0.67・BH+160≦YP≦−0.8・BH+280 … (4a)
0.67・BH+177≦YP≦−0.8・BH+260 … (4b)
【0024】
次に、本発明鋼板の成分組成の限定理由について説明する。
C:先に述べたように本発明では2%BH量:10MPa以上を得るための固溶Cを確保した上で、鋼中に析出するNbC,TiC等の微細な析出物の量を鋼中炭素量相当(平衡状態)で5ppm以上の範囲とする必要がある。C(鋼板中全炭素)が0.0010wt%未満では必要な2%BH量を得ることができず、一方、0.010wt%を超えると加工硬化指数が低下する。このためCは0.0010〜0.010wt%とする。また図6に示すようにより高い加工硬化指数を得るためには、Cは0.0010〜0.0025wt%とすることが好ましい。
【0025】
Si:Siが過剰に添加されると、冷延鋼板の場合には化成処理性が劣化し、また溶融亜鉛めっき鋼板の場合にはめっき密着性が劣化するため、Siは0.2wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
Mn:Mnは、鋼中のSをMnSとして析出させることによってスラブの熱間割れを防止する作用を有するため鋼には不可欠の元素である。また、Mnはめっき密着性等を劣化させることなく鋼を固溶強化できる元素でもある。しかし、Mnの過剰な添加はr値の劣化と降伏強度の過剰な上昇を招くため好ましくない。したがって、MnはSを析出固定するために最低限必要な0.1wt%を下限とし、一方、顕著なr値の劣化と鋼の降伏強度が240MPaを超えない限界として、1.5wt%を上限とする。
【0026】
P:Pは亜鉛めっきの際の合金化処理性を劣化させ、且つPのミクロ偏析に起因したパネル面の肌荒れ等を生じさせるため極力少ない方が好ましく、0.05wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
S:SはMnSとして鋼中に存在し、またTiが含有される鋼板においてはTiSまたはTi422としても鋼中に析出し、過剰に含まれると伸びフランジ成形性等が劣化するため、実用上成形性や表面処理性に不都合が生じない範囲として、0.02wt%以下(但し、無添加の場合を含む)と規定する。
sol.Al:sol.Alには鋼中NをAlNとして析出させ、固溶Cと同様に動的歪時効現象によって鋼板の局部延性を低下させる固溶Nの弊害を軽減する作用がある。sol.Alが0.03wt%未満では上記の効果が十分に得られず、一方、0.10wt%を超えて添加しても添加量に見合う効果が得られないため、sol.Alは0.03〜0.10wt%と規定する。
【0027】
N:NはAlNとして析出し、またBを添加した場合はBNとしても析出して無害化されるが、Nは製鋼技術上可能な限り少ない方が好ましく、このため0.0040wt%以下(但し、無添加の場合を含む)と規定する。
Nb,Ti:本発明鋼板にはNb:0.014〜0.08wt%、Ti:0.018〜0.07wt%が必須元素として添加される。これら元素の添加の目的は、鋼中に析出するNbC,TiC等の微細な析出物の量を鋼中炭素量相当(平衡状態)で5ppm以上に制御して変形初期の加工硬化指数を高めることと、残留する固溶C量が15ppm以下になるよう余分なCをNbC,TiCとして析出固定することにある。Nb,Tiの添加量がそれぞれの下限を下回ると上述したC析出量の制御を適切に行うことができず、一方、Nb,Tiの添加量がそれぞれの上限を上回ると所望のBH性を得るための固溶Cの確保が困難になる。
【0028】
B:本発明の作用効果は上記の成分限定によって十分達成されるが、表面品質と耐デント性を更に安定させる上で0.0002〜0.0015wt%のBを添加することが有効である。B添加によって熱延時のAr3変態点が低下するため極低炭素鋼板のコイル全長、全幅の組織が均一微細化し、この結果、冷延・焼鈍後の表面品質が向上し、また、焼鈍中にフェライト粒界に偏析した微量のBが冷却時における固溶Cの粒界析出を阻止するため、高温焼鈍を行わなくても比較的安定した量の固溶Cを鋼中に残留させることができる。Bの添加量が0.0002wt%未満では上記の効果が十分に得られず、一方、添加量が0.0015wt%を超えると深絞り性等の成形性が阻害される。このためBを添加する場合には、その添加量は0.0002〜0.0015wt%とする。
【0029】
残部:実質的にFeからなり、不可避的不純物を含め上述した本発明の効果が損なわれない限度で他の元素を含有することを妨げない。
本発明鋼板は冷延鋼板のままで使用することができるが、冷延鋼板表面に電気めっきまたは溶融めっきによって亜鉛系めっきを施して亜鉛系めっき鋼板として使用することもでき、この場合にもパネル加工後に所望の表面品質と耐デント性能を得ることができる。
亜鉛系めっきとしては、純亜鉛めっき、合金化亜鉛めっき(亜鉛めっき後に合金化加熱処理して得られた亜鉛系めっき)、亜鉛−Ni合金めっき等が挙げられ、また、めっき後に有機被覆処理を施した鋼板においても同様の性能を付与することができる。
【0030】
次に、本発明鋼板の製造法について説明する。
本発明鋼板はスラブの熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍等の一連の工程を経て製造され、必要に応じてめっき処理がなされる。本発明鋼板を製造する場合、外板適性として優れた表面品質と材質の均一性を確保するためは、熱間圧延時の仕上げ温度をAr3点以上とすることが好ましい。また、熱延プロセスはスラブ加熱後圧延する方法、連続鋳造後短時間の加熱処理を施して或いは該加熱工程を省略して直ちに圧延する方法の何れでもよいが、優れた外板適性を付与するためには、一次スケールのみならず熱間圧延時に生成する二次スケールについても十分に除去するのが好ましい。また、熱延鋼板は酸洗による脱スケール性と材質の安定性の観点から巻取温度を680℃以下、より望しくは660℃以下とするのが好ましい。また、巻取温度の下限は、炭化物をある程度成長させて再結晶集合組織形成に悪影響を及ぼさないために、連続焼鈍に供される場合は600℃、箱焼鈍に供される場合は540℃とするのが好ましい。
【0031】
熱延鋼板を脱スケール後冷間圧延するに当たり、外板として必要な深絞り性を付与するためには冷間圧下率を70%以上、望ましくは75%以上とすることが好ましい。また、冷延鋼板の焼鈍を連続焼鈍で実施する場合には、焼鈍温度を780〜880℃、より望ましくは780〜860℃とすることが好ましい。これは、再結晶が完了して深絞り性に望ましい集合組織を発達させるために780℃以上で焼鈍が必要であり、一方、860℃を超える焼鈍温度ではYPが低下するとともに、プレス成形時に肌荒れが顕在化するためである。一方、焼鈍を箱焼鈍で実施する場合、箱焼鈍は均熱時間が長いため680℃以上の焼鈍温度で均一な再結晶組織を得ることができるが、結晶粒の粗大化を抑えるために焼鈍温度の上限は750℃とするのが好ましい。
焼鈍後の冷延鋼板には電気めっきまたは溶融めっきによって亜鉛系めっきを施すことができる。
【0032】
【実施例】
〔実施例1〕
表1,表2に示す鋼番No.1〜No.21の鋼を溶製後、220mm厚のスラブに連続鋳造した。このスラブを1200℃に加熱後、仕上温度:860℃(鋼番No.1),880〜910℃(鋼番No.2〜No.21)、巻取温度:540〜560℃(箱焼鈍向け),600〜640℃(連続焼鈍,連続焼鈍・溶融亜鉛めっき向け)で熱間圧延して板厚2.8mmの熱延板とした。この熱延板を酸洗後、板厚0.7mmまで冷間圧延し、引き続き連続焼鈍(焼鈍温度:840〜860℃)、箱焼鈍(焼鈍温度:680〜720℃)または連続焼鈍・溶融亜鉛めっき(焼鈍温度:850〜860℃)の何れかを実施した。連続焼鈍・溶融亜鉛めっきでは、焼鈍後460℃で溶融亜鉛めっき処理を行い、直ちにインラインの合金化処理炉で500℃でめっき層の合金化処理を行った。また、焼鈍または焼鈍・溶融亜鉛めっき後の鋼板には圧下率1.2%の調質圧延を行った。
これらの鋼板の機械特性を0.003/sの歪み速度で調査した。また、実プレス成形下での加工硬化特性を評価するため、0.3/sの高歪み速度における加工硬化指数を測定した。また、上記の鋼板をプレス成形し、その際のLDH(限界平面歪張り出し高さ)及び50mmφの円筒成形時のLDR(限界絞り比)、図3に示す形状のパネルに成形した際の表面肌荒れ状況、面歪、耐デント性能を評価し、さらに塗装焼き付け処理後の耐デント性能を評価した。それらの結果を表3〜表5に示す。
【0033】
〔実施例2〕
表1,表2に示す鋼番No.4、鋼番No.14、鋼番No.17、鋼番No.18の鋼を溶製後、220mm厚のスラブに連続鋳造した。このスラブを1200℃に加熱後、仕上温度:880〜900℃、巻取温度:640〜720℃で熱間圧延して板厚2.8mmの熱延板とした。この熱延板を酸洗後、板厚0.7mmまで冷間圧延し、引き続き840℃〜920℃で連続焼鈍を行ない、さらに圧下率1.2%の調質圧延を行った。
これらの鋼板の機械特性を0.003/sの歪み速度で調査した。また、実プレス成形下での加工硬化特性を評価するため、0.3/sの高歪み速度における加工硬化指数を測定した。また、上記の鋼板をプレス成形し、その際のLDH(限界平面歪張り出し高さ)及び50mmφの円筒成形時のLDR(限界絞り比)、図3に示す形状のパネルに成形した際の表面肌荒れ状況、面歪、耐デント性能を評価し、さらに塗装焼き付け処理後の耐デント性能を評価した。それらの結果を表6,表7に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003882263
【0035】
【表2】
Figure 0003882263
【0036】
【表3】
Figure 0003882263
【0037】
【表4】
Figure 0003882263
【0038】
【表5】
Figure 0003882263
【0039】
【表6】
Figure 0003882263
【0040】
【表7】
Figure 0003882263
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の鋼板は、実質的な常温非時効性と優れた成形性および成形後のパネル外観性を兼ね備え、しかも塗装焼き付け処理後に優れた耐デント性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】極低炭素冷延鋼板及び低炭素冷延鋼板の2%BH量が平面歪張り出し成形性(LDH0)に及ぼす影響を示すグラフ
【図2】極低炭素冷延鋼板及び低炭素冷延鋼板の2%BH量が限界絞り比(LDR)に及ぼす影響を示すグラフ
【図3】試験で用いたモデルパネルの成形法及びパネル形状を示す説明図
【図4】38℃×6ヶ月の人工時効処理を施した後に図3のモデルパネルに成形した極低炭素冷延鋼板及び低炭素冷延鋼板について、鋼板の2%BH量が成形前後のろ波中心線うねり高さ(Wca)の変化(ΔWca)に及ぼす影響を示すグラフ
【図5】極低炭素冷延鋼板及び低炭素系冷延鋼板の2%BH量がプレス成形ままの耐デント性(デント荷重)に及ぼす影響を示すグラフ
【図6】極低炭素冷延鋼板の鋼組成が0.5%〜2%の微小歪領域で評価した鋼板の加工硬化指数と耐肌荒れ性に及ぼす影響を示すグラフ
【図7】極低炭素冷延鋼板を図3のモデルパネルに成形後、170℃×20minの焼付け硬化処理相当の熱処理を行ったパネルについて、原板のYPと2%BH量が耐デント性(デント荷重)に及ぼす影響を示すグラフ
【図8】極低炭素冷延鋼板を図3のモデルパネルに成形後、170℃×20minの焼付け硬化処理相当の熱処理を行ったパネルについて、原板のYPと2%BH量が、成形前後のろ波中心線うねり高さ(Wca)の変化(ΔWca)及びパネル平坦部にドア取手座相当の張り出し加工部を有するモデルパネルに成形した時の取手部周辺の面歪の発生状況に及ぼす影響を示すグラフ

Claims (4)

  1. C:0.0010〜0.010wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.08wt%及びTi:0.018〜0.07wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
    {(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
    0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
    但し Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
    2%引張予ひずみ後の170℃×20min焼付け硬化量BHが10〜35MPaで、且つ該焼付け硬化量BH(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)とが下記(3a)式及び(4a)式の関係を満足することを特徴とする、パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
    BH≧exp(−0.115・YP+23.0) … (3a)
    0.67・BH+160≦YP≦−0.8・BH+280 … (4a)
  2. C:0.0010〜0.010wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.08wt%及びTi:0.018〜0.07wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、
    {(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
    0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
    但し、 Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
    2%引張予ひずみ後の170℃×20min焼付け硬化量BHが10〜30MPaで、且つ該焼付け硬化量BH(MPa)と鋼板の降伏強度YP(MPa)とが下記(3b)式及び(4b)式の関係を満足することを特徴とする、パネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
    BH≧exp(−0.115・YP+25.3) … (3b)
    0.67・BH+177≦YP≦−0.8・BH+260 … (4b)
  3. C:0.0010〜0.0025wt%、Si:0〜0.2wt%、Mn:0.1〜1.5wt%、P:0〜0.05wt%、S:0〜0.02wt%、sol.Al:0.03〜0.10wt%、N:0〜0.0040wt%を含有し、且つNb:0.014〜0.020wt%及びTi:0.018〜0.05wt%を下記(1)式及び(2)式の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のパネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた冷延鋼板。
    {(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≧0.0005 … (1)
    0≦C−{(12/93)Nb+(12/48)Ti*}≦0.0015 … (2)
    但し Ti*=Ti−{(48/32)S+(48/14)N}
  4. 請求項1、2または3に記載の冷延鋼板の表面に亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とするパネル加工後のパネル外観と耐デント性に優れた亜鉛系めっき鋼板。
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