JPH05791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、野菜、果実などの食品の鮮度を維
持する野菜貯蔵室を備えた冷気強制循環式の冷凍
冷蔵庫に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は例えば実開昭58−30190号公報に示さ
れた従来の野菜貯蔵室を備えた冷凍冷蔵庫の要部
の縦断側面図である。第４図において、１は冷凍
冷蔵庫本体、２は冷蔵室、３は冷蔵室２の前面に
開閉自在に設けられた冷蔵室扉、４は上記冷蔵室
２の下方に設けられた野菜、果実などを収納する
野菜貯蔵室で、上記冷蔵室２と野菜貯蔵室４とは
中仕切板５によつて仕切られている。６は野菜貯
蔵室４の前面に開閉可能に設けられた野菜貯蔵室
扉、７は野菜貯蔵室４内に野菜貯蔵室扉６に連結
されて取出し自在に配置された野菜ケースであ
り、８は野菜貯蔵室扉６の内板である。９は野菜
ケース７の後端上部が当接する中仕切板５の後部
リブ、１０は中仕切板５の前部リブ、１１は前部
１０に上端部が固定され野菜ケース７の前端上部
が圧接する前パツキン、１２は冷蔵室本体１の内
箱、１３は野菜ケース７の外周面と、内箱１２の
内面と、野菜貯蔵室扉６の内板８内面とによつて
形成される冷気通路、１４は中仕切板５後端部に
設けた冷気入口孔、１５は中仕切板５の前端部に
設けた冷気出口孔である。

次に、以上のように構成された冷凍冷蔵庫の動
作および作用について説明する。強制循環方式に
よつて、冷気は、冷蔵室２から冷気入口孔１４を
経て冷気通路１３に導入され、この通路１３を通
つて野菜ケース７を間接的に冷却して、冷気出口
孔１５から冷蔵室２に導かれる循環をする。

そして、後部リブ９と前パツキン１１とによつ
て冷気通路１３を循環する冷気が、中仕切板５と
野菜ケース７の間から野菜ケース７に直接流入す
るのを防止している。このように、野菜ケース７
を冷気で間接的に冷却し、パツキン、リブによつ
て野菜ケース７の密閉度を高め、このケース７内
の野菜、果物などの食品の乾燥を防ぐとともに、
適温に保つことで、食品の鮮度を維持している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の冷凍冷蔵庫は、以上のように構成され、
野菜ケースが単に密閉されているだけであるた
め、野菜ケース内に野菜、果物のような食品を多
量に収容した場合には、食品から蒸散した水分が
野菜ケース内面および中仕切板下面に結露し、結
露水が食品に触れてこれらの鮮度劣化を早め、ま
た野菜ケース内の野菜、果物のような食品が少量
の場合や長期間保存した場合には食品が乾燥する
という問題点があつた。

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、野菜ケース内の野菜、果物
のような食品から余分な水分が蒸散しても結露し
ないようにし、また野菜ケース内が乾燥状態にな
ると、水分を放出するようにし、高湿度に保ち、
食品の鮮度を長期間にわたつて維持できる冷凍冷
蔵室を得ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案による冷凍冷蔵室は、野菜ケースの
前、後端部と中仕切板の間を前、後パツキンによ
つて密閉し、中仕切板の前、後パツキン間の野菜
貯蔵室側部分に、中仕切板と中仕切板に固定した
親水性多孔質の樹脂材とによつて独立部を設けた
ものである。

〔作用〕

この考案における冷凍冷蔵庫では、中仕切板の
前、後パツキン間の野菜貯蔵室側部分に設けた独
立部の親水性多孔質の樹脂材によつて、野菜ケー
ス内の余分な水分を吸湿し、野菜ケースや中仕切
板下面に結露が生じないようにし、また野菜ケー
ス内が乾燥状態になろうとすると、上記樹脂材が
水分を放出し、野菜ケース内を所定の高湿度に維
持でき、上記独立部を設けた野菜ケースの上面開
口の上方部が前、後パツキンで、野菜ケース外周
の冷気通路に野菜ケース内の高湿度の冷気が逃げ
にくくされているので、野菜ケース内を長期間に
わたり所定の高湿度状態に維持できる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図、第２図に
ついて説明する。

第１図、第２図において、１〜８，１０〜１５
は第４図に示す従来のものと同様な部分であり、
１６は中仕切板５の後部に上端部が固定され、野
菜ケース７の後端上部が圧接する後パツキン、１
７は中仕切板５の前、後パツキン１１，１６間の
野菜貯蔵室４側部分すなわち野菜ケース７の上面
開口の上方部分に設けた独立部であり、独立部１
７は、中仕切板５の下面に設けた左右１対の断面
かぎ形の突出部５ａに、親水性多孔質の板状の樹
脂材１８が固定されたものである。

次に、この実施例の作用について説明する。野
菜ケース７に収容された野菜、果物などの食品が
多量で、収容後の時間が短い状態では、上記食品
から蒸散する水分が多いが、余分な水分は親水性
多孔質の樹脂材１８に吸収される。このため、独
立部１７は多湿状態となるが野菜ケース７内面や
中仕切板５下面に結露を生じない。また、野菜ケ
ース７内の野菜、果物などの食品が少量で、収容
後の保持時間が長くなると、野菜ケース７内が乾
燥状態になろうとするが、独立部１７と野菜ケー
ス７内との水蒸気圧差によつて、独立部１７およ
び親水性多孔質の樹脂材１８から水分が野菜ケー
ス７内に放出され、野菜ケース７内が高湿度に保
たれる。なお、この実施例の基本的な構成および
冷却方式は第４図に示す従来のものと同様であ
る。

第３図はこの考案の他の実施例を示し、この実
施例では、親水性多孔質の板状の樹脂材１８を後
パツキン１６によつて中仕切板５に固定すること
により、独立部１７を構成したものである。な
お、この実施例の上述した以外の構成は、第１
図、第２図に示すものと同様である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、冷蔵
室と野菜貯蔵室とを区画する中仕切板の前、後パ
ツキン間の野菜貯蔵室側部分に、中仕切板に親水
性多孔質の樹脂材を固定した独立部を設けたの
で、野菜ケース内の余分な水分を上記樹脂材に吸
収して、結露を防止し、また樹脂材に吸収した水
分を放出して野菜ケース内の乾燥を防ぎ、野菜ケ
ース内を所定の高湿度に保ち、食品の鮮度を長期
間にわたつて維持できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による冷凍冷蔵庫
の要部を示す縦断側面図、第２図は同要部の一部
を切欠いて示す斜視図、第３図はこの考案の他の
実施例を示す第２図相当図、第４図は従来の冷凍
冷蔵庫の要部を示す縦断側面図である。 １……冷凍冷蔵庫本体、２……冷蔵室、４……
野菜貯蔵室、５……中仕切板、７……野菜ケー
ス、１１，１６……前、後パツ、１３……冷気通
路、１４……冷気吸込口、１５……冷気吐出口、
１７……独立部、１８……親水性多孔質の樹脂
材。なお、図中同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 冷蔵庫内の冷蔵室と野菜ケースを配置した野
   菜冷蔵室とを中仕切板で区画し、冷気を野菜貯
   蔵室に循環させるようにした冷凍冷蔵庫におい
   て、上記中仕切板に取付け、野菜ケースに圧接
   して野菜ケースの前，後端部と中仕切板の間を
   密閉する前，後パツキンを有し、中仕切板の
   前，後パツキン間の野菜貯蔵室側の部分に、中
   仕切板と、中仕切板に固定した親水性多孔質の
   樹脂材とによつて独立部を設けたことを特徴と
   する冷凍冷蔵庫。 (2) 独立部は、親水性多孔質の板状の樹脂材の一
   辺部がパツキンを介して中仕切板に固定してあ
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の冷凍冷
   蔵庫。