JPH0578461A - 脂環式ポリマーの製造方法 - Google Patents

脂環式ポリマーの製造方法

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JPH0578461A
JPH0578461A JP4070375A JP7037592A JPH0578461A JP H0578461 A JPH0578461 A JP H0578461A JP 4070375 A JP4070375 A JP 4070375A JP 7037592 A JP7037592 A JP 7037592A JP H0578461 A JPH0578461 A JP H0578461A
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hydrocarbon group
formula
polymer
alicyclic
compound
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JP4070375A
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Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 HOCH2 −X−CH2 OH〔式中、X
は炭素数6〜20の2価の脂環式炭化水素基を表す〕で
表される脂環式ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル、
および必要に応じてさらに式 WOOC−V−COOW
〔式中、Vは炭素数20以下の2価の飽和脂肪族炭化水
素基、飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を
表し、Wは水素原子、低級脂肪族炭化水素基またはフェ
ニル基を表す〕で表されるジカルボン酸またはその誘導
体とを、式 R4 YBZ4 〔式中、Bはホウ素原子であ
り、Rはアルキル基またはアリール基を表し、Yはリン
原子または窒素原子を表し、Zは置換基を有していても
よいフェニル基を表す〕で表されるホウ素化合物の存在
下で溶融重縮合反応させることによる脂環式ポリマーの
製造方法。 【効果】 金属化合物を触媒として用いる従来法に比べ
て、着色の程度の少ない成形物を与えるポリカーボネー
トまたはポリエステルカーボネートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂環式ポリマー即ち、脂
環式ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート
の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は各種の構
造材料、機能材料として、特に光学用透明材料として有
用な脂環式ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、透明性に優れ、力学物性や熱特性に
優れた成形品を与えるポリマーとしてビスフェノールA
ポリカーボネートが知られており、工業的にも大量に製
造され、広範囲の分野で使用されているのは周知のとお
りである。しかしながら、ビスフェノールAポリカーボ
ネートは芳香族化合物からなるため、該ポリマーから得
られる成形品は複屈折が大きく、複屈折が小さいことが
要求される用途、たとえばレンズや光ディスクの基板材
料等の光学用途には必ずしも適していない。
【0003】そこで、複屈折の小さな成形品を得るため
にビスフェノールAに種々の置換基を導入する試みが提
案されている。一方、芳香族基の存在が高複屈折の成形
品を与える原因であることから、芳香族基を持たないジ
オールを原料とするポリカーボネートからは複屈折の小
さい成形品が得られることが知られている。かかるポリ
カーボネートとしては、脂肪族ジオールまたは脂環式ジ
オールを原料とするポリカーボネートがある。しかしな
がら、脂肪族ジオールを原料とするポリカーボネート
は、一般的には耐熱性が低く、成形品に使用するには適
していない。従って、耐熱性に優れ、かつ複屈折が小さ
い成形品を与えるポリカーボネートの候補として脂環式
ジオールを原料とするポリカーボネートが適当であると
考えられる。
【0004】脂環式ジオールを原料とするポリカーボネ
ート系樹脂としては、たとえば2,2,4,4−テトラ
メチルシクロブタン−1,3−ジオールからなるポリカ
ーボネート(特公昭38−26798号公報、特開平1
−134301号公報等)、ノルボルナン骨格の2、5
位または2、6位に水酸基またはヒドロキシメチル基を
有するジオールまたはジメタノールからなるポリカーボ
ネート(米国特許第3449298号明細書)、ノルボ
ルナン骨格、ジメタノペルヒドロナフタレン骨格または
トリメタノペルヒドロアントラセン骨格の2、3位にヒ
ドロキシメチル基を有するジメタノールからなるポリカ
ーボネート系樹脂(特開平2−69519号公報)等が
提案されている。
【0005】これらのポリカーボネートの製造法につい
て多くの方法が提案されているが、代表的にはホスゲン
を用いる溶液重合法と炭酸ジエステルを用いるエステル
交換反応による溶融重縮合法に大別できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶融重縮合法は、溶液
重合法において必要とされる溶媒の回収・除去工程等が
必要でないので製造工程が簡単であり、しかもホスゲン
または溶媒に起因するハロゲンのポリマーへの混入の恐
れがないこと等から溶液重合法に比べて有利な点を有し
ている。脂環式ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの
エステル交換による溶融重縮合法に基づくポリカーボネ
ートの製造方法においては、通常、反応速度を増大させ
るために触媒の存在下で重合が実施される。使用される
触媒としては、たとえば特公昭38−26798号公報
にはマグネシウム金属、ジ−n−ブチル亜鉛のようなア
ルキル亜鉛化合物、水酸化リチウム、酢酸リチウム、テ
トラ−n−ブチルチタネートのようなチタンエステル、
酸化亜鉛、酸化鉛、二酸化マンガンが例示されており、
中でもリチウム化合物が最も優れるとされている。ま
た、特開平2−69519号公報には触媒としてテトラ
アルキルオルソチタネート、酢酸亜鉛、酸化アンチモ
ン、酸化ゲルマニウム、カリウム−t−ブトキシドやナ
トリウムメトキシド等の種々のアルコキシド、リチウム
やナトリウム等のアルカリ金属、水素化リチウムや水素
化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物、水酸化リチ
ウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、金
属ハロゲン化物等が例示されており、実施例中ではすべ
て水素化リチウムが使用されている。このように、従
来、脂環式ジオール化合物と炭酸ジエステルのエステル
交換によるポリカーボネート系樹脂の製造方法における
触媒としては、アルカリ金属系化合物やチタン系化合物
のような金属化合物が使用されている。
【0007】かかる実情の下に本発明者らは種々研究を
重ねてきたところ、上記の金属化合物は確かに優れた触
媒能を有しており、該触媒の使用により重合速度は増大
するが、逆に次のような問題点が生起するという新知見
を得た。すなわち、上記の金属化合物を触媒として使用
した場合、得られたポリマーが着色することが多く、特
に射出成形のような高温での溶融成形時には、一部ポリ
マーが分解して成形物が黄色に着色する。このような着
色は、光学用途の透明成形品の場合その商品価値を著し
く低下させる。また、ポリマーの分解に伴い発生するガ
スにより、成形品に傷が発生することがある。さらに、
触媒として用いた上記の金属化合物あるいは該化合物の
分解物が異物として成形物中に残留し、光学的なノイズ
の原因となることがある。
【0008】従って、本発明の目的は、本質的に特定の
脂環式ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル、および必
要に応じて特定のジカルボン酸またはその誘導体との溶
融重縮合によりポリカーボネートまたはポリエステルカ
ーボネートを製造する方法において、熱的に安定であ
り、着色の程度の少ない成形物を与えるポリマーを工業
的に有利に製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明方法によって達成される。すなわち、本発明は本質
的に下記の化4
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Xは炭素数6〜20の2価の脂環
式炭化水素基を表す)で表される脂環式ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステル、および必要に応じて下記の化5
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Vは炭素数20以下の2価の飽和
脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基または芳香族
炭化水素基を表し、Wは水素原子、低級脂肪族炭化水素
基またはフェニル基を表す)で表されるジカルボン酸ま
たはその誘導体とを、下記の化6
【0014】
【化6】
【0015】(式中、Bはホウ素原子であり、Rはアル
キル基またはアリール基を表し、Yはリン原子または窒
素原子を表し、Zは置換基を有していてもよいフェニル
基を表す)で表されるホウ素化合物の存在下で溶融重縮
合反応させることを特徴とする脂環式ポリカーボネート
またはポリエステルカーボネートの製造方法に関する。
【0016】本発明において、上記化4で表される化合
物は一級の脂環式ジヒドロキシ化合物であり、式中、X
は炭素数6〜20の2価の脂環式炭化水素基(特に、飽
和脂環式炭化水素基)を表し、その具体例としては、た
とえば以下の式で表される基を挙げることができる。
【0017】
【化7】
【0018】化4で表される化合物は、アルコール部分
の立体構造がシス体、トランス体のいずれでもよく、ま
たそれらの混合物でもよい。化4で表される化合物は単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
さらに、化4で表される脂環式ジヒドロキシ化合物に加
えて、一部、たとえば20モル%以下(好適には、15
〜10モル%)の量で一級の脂肪族ジヒドロキシ化合物
または芳香族ジヒドロキシ化合物を用いることもでき
る。かかるジヒドロキシ化合物としては、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等を例示す
ることができる。
【0019】本発明の方法で使用される化5で表される
ジカルボン酸誘導体はポリマー主鎖中にエステル結合を
導入する化合物である。化5においてVは炭素数20以
下の2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素
または芳香族炭化水素基を表し、飽和脂肪族炭化水素基
としては、炭素数1〜10、特に炭素数2〜8のアルキ
レン基が好ましい。飽和脂環式炭化水素としては炭素数
4〜20、特に6〜18のものが好ましい。芳香族炭化
水素基としてはフェニレン、ナフチレンが好ましい。V
の具体例としては以下の式で表される基を例示すること
ができる。
【0020】
【化8】
【0021】化5におけるWは水素原子、低級脂肪族炭
化水素基またはフェニル基であり、好ましくはフェニル
基である。低級脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜
4のアルキル基が好ましく、特にメチルが好ましい。
【0022】本発明の方法で使用される炭酸ジエステル
は、ポリマー中にカーボネート結合を導入するためのも
のであり、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト等のジアルキルカーボネート(好ましくは、炭素数1
〜4のアルキル基を有するもの)、炭素数1〜4のアル
キレンカーボネート(例えばエチレンカーボネート)お
よびジフェニルカーボネートがあるが、反応性の高さか
らジフェニルカーボネートを使用することが好ましい。
【0023】本発明の方法において、化5で表されるジ
カルボン酸またはその誘導体は、使用しないか、または
任意の割合で使用されるが、通常ポリマー主鎖中40モ
ル%以下、好ましくは30モル%以下、更に好ましくは
20モル%以下になるような量で用いられる。
【0024】本発明の方法において、炭酸ジエステルと
してジフェニルカーボネートを使用する場合には、化4
で表される脂環式ジヒドロキシ化合物に対するジフェニ
ルカーボネートのモル比、また化5で表されるジカルボ
ン酸またはその誘導体も使用する場合は脂環式ジヒドロ
キシ化合物に対するジフェニルカーボネートおよびジカ
ルボン酸またはその誘導体の合計量のモル比は、通常
0.8〜1.2の範囲内、好ましくは0.9〜1.1の
範囲内、より好ましくは0.95〜1.05の範囲内で
ある。両者の比が1に近づくほど得られるポリマーの分
子量が大きくなる。炭酸ジエステルとしてジアルキルカ
ーボネートを使用する場合には、該化合物は重合中に反
応系外に飛散する恐れがあるので、過剰に反応槽に仕込
むことが好ましく、例えば脂環式ジヒドロキシ化合物に
対して1.05〜3.0モル倍の割合で使用される。
【0025】本発明において触媒として使用される化6
で表される化合物において、Rは好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であ
り、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、
中でもn−ブチル基が最も好ましい。
【0026】化6において、Yはリン原子または窒素原
子を表し、好ましくは窒素原子である。
【0027】化6において、Zは置換基を有していても
よいフェニル基であり、好ましくはフェニル基である。
置換基の例としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素
数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素
等)、ニトロ基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げ
られる。
【0028】化6で表されるホウ素化合物の好ましい具
体例としては、テトラフェニルホウ素酸テトラメチルア
ンモニウム、テトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム、テトラフェニルホウ素酸テトラメチル
ホスホニウム、テトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブ
チルホスホニウム、テトラフェニルホウ素酸テトラフェ
ニルホスホニウム等が例示される。これら化合物の中で
も、テトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルアンモ
ニウムを使用することが重合速度および入手の容易さの
点で最も好ましい。上記の触媒は単独、または2種以上
を混合して用いることができる。
【0029】触媒であるホウ素化合物の使用量は、全原
料化合物に対して、通常1.0〜0.00001モル%
の範囲内(好ましくは0.1〜0.0001モル%の範
囲内)である。触媒の使用量がこの範囲よりも多い場合
には生成したポリマーに濁りが生ずることがあり、この
範囲内よりも少ない場合には重合速度が遅くなり、高重
合度のポリマーが得られないことがある。
【0030】本発明の方法において、重縮合は窒素、ア
ルゴン、二酸化炭素のような不活性ガス雰囲気下、原料
化合物の融点以上の温度、たとえば通常100〜350
℃、好ましくは150〜300℃の温度範囲内で実施さ
れる。炭酸ジエステルの沸点が低い場合には重縮合の初
期は未反応のジフェニルカーボネートが反応系外に留出
しないような反応温度を選択するか、または反応槽に分
留装置を設置し、未反応の炭酸ジエステルを反応系内に
還流させることが好ましい。
【0031】重縮合の進行に伴って副生するアルコール
またはフェノールは系外に留出させる。ある程度のアル
コールまたはフェノールが系外に留出したのち、たとえ
ば理論留出量の60%程度以上が留出したのち、反応系
を減圧にし、アルコールまたはフェノールの留出を促進
することが望ましい。この際反応系内の圧力は300〜
0.001mmHgの範囲内であることが望ましい。また、
反応初期は加圧条件下で重合を行うこともできる。特
に、炭酸ジエステルとして沸点の低いジメチルカーボネ
ート等のジアルキルカーボネートを使用する場合には加
圧下で実施することが望ましい。
【0032】本発明に関して、重縮合は攪拌翼を備えた
通常の重合槽で実施することができる。生成するポリマ
ーの溶融粘度が著しく大である場合には、反応後期をベ
ント付き押し出し機タイプの重合槽を用いて実施するこ
ともできる。生成したポリマーは、通常ストランド状で
反応槽より取り出されペレット化される。
【0033】本発明の方法に従って製造されるポリマー
の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
による数平均分子量(ポリスチレン換算)で、通常1
0,000〜200,000の範囲内である。
【0034】本発明の方法により製造されるポリマーは
熱可塑性であるので公知の任意の溶融成形方法、たとえ
ばプレス成形、押し出し成形、射出成形、射出圧縮成形
等の方法により任意形状の成形体に成形され、実用に供
される。また、当該ポリマーを適当な溶媒に溶解させ、
キャスト法により成形することもできる。溶融成形の場
合、樹脂温度は樹脂の軟化点以上の温度、すなわち通常
150〜300℃、金型温度は通常40〜150℃の範
囲内に設定される。
【0035】成形の際に、必要に応じてポリマーに熱安
定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料等の添
加剤を添加することもできる。
【0036】本発明の方法により製造されるポリマーか
らは、特に着色の程度が著しく少ない成形品が得られ
る。かかる成形品は、各種のレンズ、光導波路や回折格
子等の光学素子、光ディスクや光カード等の光記録媒体
用基体等の光学用途、シート、フィルム等に好適に用い
られる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、各実施例において、ポリマーの数平均
分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィーによ
り測定し、ガラス転移温度は示差走査熱量計により測定
した。
【0038】実施例1 攪拌装置および留出管を備えた内容9リットルのSUS
316L製の反応槽に、トランス−2,3−ジ(ヒドロ
キシメチル)−ペルヒドロ−1,4;5,8−ジメタノ
ナフタレン1340g、ジフェニルカーボネート129
0gおよびテトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチル
アンモニウム0.07gを仕込み、反応槽内を窒素で置
換した。窒素を30リットル/時間の速度で流通させな
がら180℃まで昇温したのち、攪拌を開始し、その後
30分かけて250℃まで昇温し、同温度で2時間保持
した。この間に理論留出量の70%のフェノールが留出
した。ついで同温度のままで系内を徐々に減圧にし、1
時間かけて0.2mmHgとした。さらに同条件下で45分
間攪拌を続けたのち、攪拌を停止し、系内に窒素を導入
することにより常圧にもどした。ついで、反応槽に付帯
したギヤーポンプにて生成したポリマーをストランド状
に排出し、カッターにて切断して1140gのペレット
を得た。
【0039】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は38,000であり、
分子量分布は2.04であり、ガラス転移温度は126
℃であった。また、該ポリマーを重クロロホルムに溶解
させ、 1H−NMRスペクトルを測定した結果、下記の
化9で表される繰り返し構造からなるポリカーボネート
であることが確認された。
【0040】
【化9】
【0041】得られたペレットを小型射出成形機(田端
機械製TK−14−1AP型)にて、樹脂温度250
℃、金型温度80℃で成形して15×75×2mmの平板
状試験片を得た。該試験片は完全に無色透明であり、全
く傷が認められなかった。該試験片の曲げ強度は100
0kg/cm2 であり、曲げ弾性率は3.0×104 kg/cm
2 であった。
【0042】該試験片を100℃の恒温槽中に保持した
結果、1000時間後も、分子量、外観、力学強度とも
に初期と全く変化していなかった。
【0043】実施例2 実施例1において、トランス−2,3−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ペルヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフ
タレン1340gの代わりに、トランス−2,3−ジ
(ヒドロキシメチル)ビシクロ [2.2.1] ヘプタン
940gを用いた以外は同様の方法で重縮合を行い、ポ
リマーを得てペレット化した。
【0044】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は35,000であり、
ガラス転移温度は114℃であった。
【0045】得られたペレットを用い、実施例1におけ
ると同様の方法で射出成形して試験片を得た。ただし、
この場合、金型の温度を60℃とした。得られた試験片
は完全に無色透明であり、傷も認められなかった。
【0046】実施例3 攪拌装置および留出管を備えた内容300mlのガラス製
容器に、トリシクロ [5.2.1.02,6 ] デカンジメ
タノール29.4g、ジフェニルカーボネート32.1
3gおよびテトラフェニルホウ素酸テトラメチルアンモ
ニウム0.015gを仕込み、系内を窒素置換した。少
量の窒素を流通させながら昇温し、系内が均一に溶解し
たのち、攪拌を開始し、30分間で200℃まで昇温
し、同温度で30分間保持した。ついで220℃で30
分間、230℃で30分間、240℃で30分間および
250℃で30分間それぞれ保持した。ついで250℃
のままで系内を徐々に減圧にし20分かけて0.3mmHg
とした。さらに同条件下で45分間攪拌を続けたのち、
攪拌を停止し、系内に窒素を導入することにより常圧に
もどし、生成したポリマーを取り出した。
【0047】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は32,000であり、
ガラス転移温度は75℃であった。
【0048】得られたポリマーを実施例1で用いたと同
じ射出成形機にて、樹脂温度235℃、金型温度50℃
で射出成形したところ、無色で傷のない試験片が得られ
た。
【0049】実施例4 実施例3においてトリシクロ [5.2.1.02,6 ] デ
カンジメタノール29.4gの代わりにトランス−1,
4−シクロヘキサンジメタノール21.6gを用い、か
つテトラフェニルホウ素酸テトラメチルアンモニウム
0.015gの代わりにテトラフェニルホウ素酸テトラ
−n−ブチルホスホニウム0.02gを用いた以外は同
様の方法で重縮合を行った。得られたポリマーは無色透
明であり、数平均分子量(ポリスチレン換算)は28,
000であり、ガラス転移温度は70℃であった。
【0050】得られたポリマーを実施例1で用いたと同
じ射出成形機にて、樹脂温度235℃、金型温度40℃
で射出成形したところ、無色で傷のない試験片が得られ
た。
【0051】実施例5 実施例1においてジフェニルカーボネート1290gに
代えて、ジフェニルカーボネート1225.5gおよび
トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェ
ニルエステル97.7gを使用したこと以外は実施例1
と同様の方法で重縮合を行い、ポリマーを得た。
【0052】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は29,800であり、
ガラス転移温度は123℃であった。
【0053】得られたペレットを用い、実施例1におけ
ると同様の方法で射出成形して試験片を得た。得られた
試験片は完全に無色透明であり、傷も認められなかっ
た。
【0054】実施例6 実施例1で使用した反応槽に精溜塔を設置した。該反応
槽にトランス−2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペル
ヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン1330
gおよびテトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルア
ンモニウム0.07gを仕込み、反応槽内を窒素で置換
した。窒素を0.1リットル/分の速度で流通させなが
ら、180℃まで昇温し、同温度に保持した。しかるの
ち攪拌を開始し、ジエチルカーボネート851gを6時
間かけて連続的に反応槽に供給した。なお、ジエチルカ
ーボネートはキャピラリー管を通して反応混合液中に供
給させるようにした。
【0055】次いで、反応槽の内温を250℃にまで昇
温し、同温度で30分間保持した。同温度のままで系内
を徐々に減圧にし、20分間かけて0.1mmHgとした。
更に同条件下で1時間攪拌を続けたのち、攪拌を停止
し、系内に窒素を導入することによって常圧にもどし、
ペレットを得た。
【0056】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は29,000であり、
ガラス転移温度は125℃であった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、脂環式ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステル、および必要に応じてジカルボン
酸またはその誘導体とを、特定のホウ素化合物の存在下
で溶融重縮合反応させることにより、従来提案されてい
る金属化合物を触媒として用いる方法に比べて、着色の
程度が極めて少なく、かつ透明性に優れ、しかも機械的
特性等にも優れている成形物を与えるポリカーボネート
またはポリエステルカーボネートが得られる。従って、
本発明の方法により得られるポリマーは特に光学用途に
適している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的に下記の化1 【化1】 (式中、Xは炭素数6〜20の2価の脂環式炭化水素基
    を表す)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
    エステル、および必要に応じてさらに下記の化2 【化2】 (式中、Vは炭素数20以下の2価の飽和脂肪族炭化水
    素基、飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を
    表し、Wは水素原子、低級脂肪族炭化水素基またはフェ
    ニル基を表す)で表されるジカルボン酸またはその誘導
    体とを、下記の化3 【化3】 (式中、Bはホウ素原子であり、Rはアルキル基または
    アリール基を表し、Yはリン原子または窒素原子を表
    し、Zは置換基を有していてもよいフェニル基を表す)
    で表されるホウ素化合物の存在下で溶融重縮合反応させ
    ることを特徴とする脂環式ポリカーボネートまたはポリ
    エステルカーボネートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124022A (ja) * 2002-10-07 2004-04-22 Mitsubishi Chemicals Corp 導電性ポリエステル樹脂組成物
JP2011148999A (ja) * 2009-12-25 2011-08-04 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc ポリカーボネート樹脂

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