JP4126515B2 - コポリカーボネート樹脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、耐熱性、低い光弾性係数、屈折率とアッベ数の良好なバランスを有するポリカーボネート樹脂ならびにその製造方法に属する。このポリカーボネート樹脂は、光ディスク基板、各種レンズ、プリズム、光ファイバーなどのプラスチック光学製品の材料に好適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)をホスゲンあるいは炭酸エステルと反応させて得られるビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は、耐熱性、透明性に優れ、しかも耐衝撃性等の機械的特性に優れていることから、構造材料はもとより、光学材料として光ディスク基板、各種レンズ、プリズム、光ファイバー等に幅広く利用されている。
【0003】
しかし、ビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は、低流動性材料であり、また高い光弾性係数を有するため、成形時の分子配向や残留応力に伴う複屈折が大きいという問題を有している。そのため、ビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂よりなる光学材料を成形する場合には、流動性を向上させるために分子量の比較的低い樹脂を用い、かつ高温で成形することにより製品の複屈折を低減する方法が実施されている。しかし、ビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂では、上記のような手段を用いても複屈折の低減には限界があるため、近年の光学材料用途の広がりに伴い、一部光学材料分野、特に光ディスクの分野では、さらなる低光弾性係数、高流動性材料の開発が強く求められている。
【0004】
ポリカーボネート樹脂の光弾性係数を低下させる方法としては、例えば、特開昭64−66234号公報に示されるように、ビスフェノールAをトリシクロ(5.2.1.02,6 )デカンジメタノールと共重合させる方法が知られているが、耐熱性の低下をもたらし、また光弾性係数を低減する上で十分な効果は得られていない。
【0005】
また、レンズ材料、とりわけプラスチックメガネレンズ材料としてはCR−39(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)が広く用いられているが、屈折率が1.50と低く、また熱硬化性樹脂であるため生産性が悪い等の問題点を有しており、これらの解決が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであり、ビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂と比較して低い光弾性係数を有し、かつ、屈折率とアッベ数のバランスに優れたポリカーボネート樹脂およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を克服する方法について鋭意研究を重ねた結果、構成単位として、構造式(1)および構造式(2)よりなるポリカーボネート樹脂が、上記の課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
【化5】
Figure 0004126515
(上記構造式(1)において、Xは
Figure 0004126515
であり、R3 およびR4 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基または炭素数6から20のアリール基であり、R3 とR4 とが結合して環を形成していても良い。R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシル基、炭素数6から20のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数6から20のシクロアルコキシル基または炭素数6から20のアリールオキシ基を表す。また、pおよびqは置換基数を表し、0から4の整数である。)
【化6】
Figure 0004126515
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわるポリカーボネート樹脂について具体的に説明する。
【0009】
本発明にかかわるポリカーボネート樹脂は、一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物および構造式(4)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを反応させることによって誘導される。
【0010】
【化7】
Figure 0004126515
(上記構造式(3)において、Xは
Figure 0004126515
であり、R3 およびR4 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基または炭素数6から20のアリール基であり、R3 とR4 とが結合して環を形成していても良い。R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシル基、炭素数6から20のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数6から20のシクロアルコキシル基または炭素数6から20のアリールオキシ基を表す。また、pおよびqは置換基数を表し、0から4の整数である。)
【化8】
Figure 0004126515
【0011】
本発明に係わるポリカーボネート樹脂においては、一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位(1)を包含させることにより耐衝撃性を向上させることが可能である。すなわち、一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位(1)、および構造式(4)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位(2)に対して、モル比(2)/(1)が10/90から70/30であることが好ましく、より好ましくは20/80から60/40である。70/30より大きいと、耐衝撃性向上の効果が小さくなるため好ましくなく、10/90より小さいと、光弾性係数が大きくなるのに加えて、屈折率とアッベ数のバランスが悪くなるため好ましくない。
【0012】
一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が用いられる。
【0013】
本発明においては、上記一般式(6)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物として、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと略記する。)が好適に使用される。ビスフェノールAは、ポリカーボネート樹脂原料として安価に大量生産されている上、ビスフェノールAを使用した場合、耐熱性を損なうことなく耐衝撃性を高めることが可能となるため、大変有用である。
【0014】
構造式(4)で示される化合物はtrans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノールであり、(e)はエクアトリアル位を示す。
【0015】
なお、ここで本発明で使用されるtrans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノールの異性体の基本骨格について説明する。下図のような椅子型の6員環が2つ結合した形(trans体およびcis体)として、これを基準に2,6位のエクアトリアル位(e)およびアキシャル位(a)の立体配置のものがある。
【化9】
Figure 0004126515
【化10】
Figure 0004126515
【0016】
本発明においては、一般式(4)で示されるジヒドロキシ化合物に加えて、各種物性を損なわない範囲で他の異性体を共重合させても構わない。具体的には、trans−デカリン−2(a),6(e)−ジメタノール、trans−デカリン−2(a),6(a)−ジメタノール、cis−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール、cis−デカリン−2(a),6(e)−ジメタノール、cis−デカリン−2(a),6(a)−ジメタノールである。
【0017】
本発明にかかわるポリカーボネート樹脂は、少なくとも一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位を含有し、かつ構造式(4)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位を所定の割合で含有し、ランダム、ブロック、あるいは交互共重合構造を含むものであるため、高い耐熱性、低い光弾性係数、優れた屈折率とアッベ数のバランスを示す。
【0018】
本発明におけるポリカーボネート樹脂としては、光弾性係数が70×10-12 2 /N以下である樹脂が好適であり、より好ましくは50×10-12 2 /N以下である。光弾性係数が70×10-12 2 /Nを超えると、複屈折が大きくなり、例えば光ディスク基板として用いたときに信号の読みとり誤差が大きくなる等の弊害が生じ好ましくない。
【0019】
また、本発明におけるポリカーボネート樹脂は、屈折率が1.53以上、アッベ数が32以上であることが好ましい。アッベ数が32より小さくなると、プラスチックメガネレンズとして用いたとき眼が疲れやすくなる等の弊害が生じ易くなり好ましくない。
【0020】
本発明に用いられる炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜1.10モルの比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.99〜1.04モルの比率である。
【0021】
本発明に係わるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は20,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは40,000〜130,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が20,000未満では成形体の強度が不十分となり、200,000を超えると成形時の流動性が悪くなるため好ましくない。
【0022】
本発明におけるポリカーボネートの製造方法では、触媒として、塩基性化合物が用いられる。このような塩基性化合物としては、特にアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類化合物、含窒素、含リン化合物等があげられる。
【0023】
このような化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類化合物等の有機酸塩、無機塩類、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの塩、アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
【0024】
このようなアルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が用いられる。
【0025】
また、アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム、フェノールのマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等が用いられる。
【0026】
また、含窒素、含リン化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、アルアリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類、プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の塩基性塩等が用いられる。
【0027】
これらの触媒は、脂肪族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、10-9〜10-3モルの比率で、好ましくは10-7〜10-4モルの比率で用いられる。
【0028】
本発明のポリカーボネートの製造にかかわるエステル交換反応は、公知の溶融重縮合法により行うことができる。すなわち、前記の原料、および触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段行程で実施される。
【0029】
具体的には、第一段目の反応を120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高めて芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には1mmHg以下の減圧下、200〜300℃の温度で重縮合反応を行う。このような反応は、連続式で行っても良くまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
【0030】
本発明にかかわるポリカーボネートは、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加によるアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属等のエステル交換触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸ホスホニウム塩、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。
【0031】
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜300℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良く、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
【0032】
さらに本発明において、上記熱安定化剤、加水分解安定剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤、抗菌剤等を添加することができる。
【0033】
上記添加剤の添加時期は、溶融重縮合で得られるポリカーボネート樹脂が反応直後の溶融状態にあるうちに添加しても良く、ポリカーボネート樹脂をペレット化した後にあらためて添加しても良い。また、複数の添加剤を添加時期を変えて添加しても良い。
【0034】
反応直後の溶融状態の樹脂に添加する場合には、反応釜から抜き出した樹脂に添加して横型の混練機に送り込み、均一に混練した後そのままペレット化する方法、あるいは、反応釜から抜き出した樹脂を横型の混練機に送り込み、混練機途中からサイドフィードにより添加し均一に混練した後そのままペレット化する方法が好適に用いられる。
【0035】
ペレット化した樹脂に添加する場合には、ペレットと上記添加剤とをターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等の混練機で溶融混練する方法が適宜選択される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。
【0037】
実施例1
trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール19.8g(0.1モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8g(0.1モル)、ジフェニルカーボネート43.5g(0.203モル)、および炭酸水素ナトリウム5×10-5g(6×10-7モル)を攪拌機および留出装置付きの300ミリリットル四ッ口フラスコに入れ、窒素雰囲気760mmHgの下180℃に加熱し30分間攪拌した。
【0038】
その後、減圧度を150mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの速度で200℃まで昇温を行い、40分間その温度に保持しエステル交換反応を行った。さらに、75℃/hrの速度で225℃まで昇温し、昇温終了の40分後、その温度で保持しながら、1時間かけて減圧度を1mmHg以下とした。その後、105℃/hrの速度で260℃まで昇温し合計6時間攪拌下で反応を行い、反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常圧に戻し、生成したポリカーボネートを取り出した。このポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0039】
実施例2
実施例1において、trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール27.8g(0.14モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン13.7g(0.06モル)、ジフェニルカーボネート43.3g(0.202モル)、炭酸水素ナトリウム5×10-5g(6×10-7モル)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0040】
実施例3
実施例1において、trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール23.8g(0.12モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン13.7g(0.06モル)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン7.6g(0.02モル)、ジフェニルカーボネート43.5g(0.203モル)、炭酸水素ナトリウム5×10-5g(6×10-7モル)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0041】
実施例4
実施例1において、trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール7.9g(0.04モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.5g(0.16モル)、ジフェニルカーボネート43.3g(0.202モル)、炭酸水素ナトリウム5×10-5g(6×10-7モル)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0042】
比較例1
実施例1において、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.7g(0.2モル)、ジフェニルカーボネート44.1g(0.206モル)、炭酸水素ナトリウム5×10-5g(6×10-7モル)を使用し、trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノールを使用せず、また、減圧度を1mmHg以下とした後、105℃/hrの速度で280℃まで昇温し合計7時間攪拌下で反応を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0043】
比較例2
実施例1において、trans−デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール39.7g(0.2モル)、ジフェニルカーボネート43.3g(0.202モル)、炭酸水素ナトリウム5×10-4g(6×10-6モル)を使用し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用しない以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004126515
【0045】
なお、表1中の物性は、下記の方法により測定したものである。
1)屈折率(nD )、アッベ数(νD ):ATAGOの屈折率計により測定した。
2)ポリスチレン換算重量平均分子量(MW ):クロロホルムを展開溶媒としてGPCにより測定した。
3)ガラス転移温度(Tg ):示差走査熱量分析計により測定した。
4)熱分解開始温度(Td ):熱天秤にて窒素気流中1%重量減少した温度を測定した。昇温速度は10℃/minである。
5)光弾性係数:エリプソメーターにより、厚さ100μmのキャストフィルムを用い、レーザー波長633nmの光をあて、荷重変化に対する複屈折測定から算出した。
6)落球衝撃強度:直径40mm×厚さ3mmのプレス試験片に鋼球を127cmの高さより自然落下させ、試験片を破壊しなかった最大鋼球の重量で表示した。
【0046】
また、表1中、化合物名として以下の略号を用いた。
DDM :trans-デカリン−2(e),6(e)−ジメタノール
BPA :2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
BCF :9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
【0047】
【発明の効果】
本発明によるポリカーボネート樹脂は、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂として、優れた透明性、耐熱性、良好な屈折率−アッベ数バランス等の特性を維持しながら光弾性係数を低くした新規な共重合ポリカーボネート樹脂であり、光ディスク基板を始め各種レンズ、プリズム、光ファイバー等のプラスチック光学製品の材料として極めて有用に利用できる。

Claims (10)

  1. 構造式(1)および構造式(2)で示される構成単位よりなるコポリカーボネート樹脂。
    Figure 0004126515
    (上記構造式(1)において、Xは
    Figure 0004126515
    であり、R3 およびR4 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基または炭素数6から20のアリール基であり、R3 とR4 とが結合して環を形成していても良い。R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシル基、炭素数6から20のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数6から20のシクロアルコキシル基または炭素数6から20のアリールオキシ基を表す。また、pおよびqは置換基数を表し、0から4の整数である。)
    Figure 0004126515
  2. 構造式(1)および(2)で示される構成単位のモル比(2)/(1)が10/90から70/30である請求項1記載のコポリカーボネート樹脂。
  3. 光弾性係数が70×10-12 2 /N以下である請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂。
  4. 構造式(1)中のR3 、R4 がメチル基である請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂。
  5. 一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物および構造式(4)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、塩基性化合物触媒の存在下で溶融重縮合させる請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂の製造方法。
    Figure 0004126515
    (上記構造式(3)において、Xは
    Figure 0004126515
    であり、R3 およびR4 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基または炭素数6から20のアリール基であり、R3 とR4 とが結合して環を形成していても良い。R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシル基、炭素数6から20のシクロアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数6から20のシクロアルコキシル基または炭素数6から20のアリールオキシ基を表す。また、pおよびqは置換基数を表し、0から4の整数である。)
    Figure 0004126515
  6. 芳香族ジヒドロキシ化合物(3)と脂肪族ジヒドロキシ化合物(4)との合計1モルに対して、10-9〜10-3モルの塩基性化合物からなる触媒を用いる請求項5記載のコポリカーボネート樹脂の製造方法。
  7. 一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物のR3およびR4 がメチル基である請求項5記載のコポリカーボネート樹脂の製造方法。
  8. 光学材料用の請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂。
  9. 光ディスク用の請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂。
  10. メガネレンズ用の請求項1または2記載のコポリカーボネート樹脂。
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