JPH057622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のヒータコントロール装置等に
用いられるコントロールレバー装置のアクシヨン
スプリング、詳しくはその組付け構造に関するも
のである。

（従来の技術） 従来、コントロールレバーのアクシヨンスプリ
ングは、コントロールレバー又はスライドブロツ
クに一端を固着し、他端に膨出して設けた圧接部
をベースに設けた位置決め用溝に圧接して、コン
トロールレバー又はスライドブロツクの位置決め
を行なうようになつている。

（考案が解決しようとする課題） しかしがなら、従来のアクシヨンスプリング
は、コントロールレバー又はスライドブロツクに
ねじ止め又は嵌め込みにより取り付けているが、
ねじ止めによるものでは取付けが煩わしく、また
嵌め込みによるものでは圧接部が位置決め用溝か
ら離脱するときに加わる力により外れやすい等の
問題があつた。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、ワンタツチで取り付けられ、しかも確実に固
定することができるコントロールレバー装置のア
クシヨンスプリングを提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、本考案は、ベースに
設けたガイド溝内を直線的に摺動させて操作する
コントロールレバーのスライドブロツクに組み付
けて、ベースに設けた位置決め用溝に圧接してス
ライドブロツクの位置決めを行なうコントロール
レバー装置のアクシヨンスプリングにおいて、 アクシヨンスプリングの一端に、スライドブロ
ツクの第１係合部に一方の面側から係合する第１
係合爪と、該第１係合爪と第１係合部の係合後に
アクシヨンスプリングを回動させることによりス
ライドブロツクの第２係合部に他方の面側から係
合する第第２係合爪とを設ける一方、他端にベー
スに設けた位置決め用溝を有するガイド板を挾持
する一対の圧接部を設けたものである。

（作用） 前記構成によれば、アクシヨンスプリングの第
１係合爪をスライドブロツクの一面側の第１係合
部に係合して回動させると、第２係合爪がスライ
ドブロツクの他面側の第２係合部に係合してアク
シヨンスプリングはスライドブロツクに抱き付く
ように取り付けられる。

また、アクシヨンスプリングの一対の圧接部が
ベースのガイド板を挾持するため、アクシヨンス
プリングを取り付けた方向と反対方向の回動が阻
止されて、スライドブロツクからの外れが防止さ
れる。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従つて説
明する。

第５図、第６図は自動車のヒータコントロール
用コントロールレバー装置を示し、ベース１の表
面及び裏面に設けられているが、両者は同一構成
であるため、以下、表面のもののみについて説明
する。すなわち、図において、１０はコントロー
ルレバー、２０はアクシヨンスプリング、３０は
スライドブロツク、６０はコントロールワイヤで
ある。

ベース１には、第１ガイド溝２、第２ガイド溝
３、ガイド板４及びパネル５が設けられている。

第１ガイド溝２は、第７図に示すように、ベー
ス１の前面に水平方向に設けられ、後述する第１
スライドブロツク３１が嵌入するようになつてい
る。第２ガイド溝３は、ベース１の表面に前記第
１ガイド溝２と連通して両者で断面略逆Ｔ字形を
なすように設けられ、後述する第２スライドブロ
ツク４１が嵌入するようになつている。ガイド板
４は、第７図に示すように、ベース１の表面に前
記第２ガイド溝３と平行に立設されている。そし
て、第２ガイド溝３と隣接しない面（第７図中左
側の面）に位置決め用溝６が長手方向の所定の複
数箇所に設けられている。パネル５は、ベース１
の前端に取り付けられ、第１ガイド溝２と平行に
スリツト７が形成されている。

コントロールレバー１０は、第５図に示すよう
に、ベース１に支軸１１を中心に回動自在に取り
付けられ、一端は二又状に形成されて後述する第
２スライドブロツク３０の支軸４２ｃに差し込ま
れて係合するようになつており、また他端に穿設
したワイヤ接続穴１２にコントロールワイヤ６０
が接続されるようになつている。

アクシヨンスプリング２０は、第１図に示すよ
うに、ばね材料からなる板の一端の中央部を他端
側に折り返して舌片２１を形成し、舌片２１の両
側に腕部２２，２２を形成するとともに、腕部２
２，２２の各々の先端に第１係合爪２３と第２係
合爪２４とを形成し、舌片２１と腕部２２，２２
の基部とに、それぞれ第１圧接部２５、第２圧接
部２６，２６を突設したものである。

第１係合爪２３は、各腕部２２の二又の先端の
一方を舌片２１と反対側に直角に折曲して第１脚
部２７を設けて、該第１脚部２７の先端を腕部２
２の先端側に折曲して形成したものである。ま
た、第２係合爪２４は、各腕部２２の二又の先端
の他方を第１脚部２７より先端側にずれた位置で
舌片２１と反対側に直角に折曲して第２脚部２８
を設けて、該第２脚部２８の先端を腕部２２の基
部側に折曲して形成したものである。ここで、第
２脚部２８は第１脚部２７より長くなつている。

第１圧接部２５は、舌片２１の腕部２２の基部
と対向する面側に膨出して形成されている。また
第２圧接部２６，２６は、腕部２２の基部の舌片
２１と対向する面側に第１圧接部２５の両側に位
置するように膨出して形成されている。そして、
第１圧接部２５、第２圧接部２６，２６の間の間
隔は前記ガイド板４の板厚より狭くなつている。

スライドブロツク３０は、第１スライドブロツ
ク３１、第２スライドブロツク４１及び操作ノブ
５１からなつている。

第１スライドブロツク３１は、両端にガイド部
３２，３２を有し、中央に嵌合突起３３が突設さ
れるとともに、操作ノブ５１の差し込み穴３４と
ねじ穴３５が設けられている。

第２スライドブロツク４１は、スライド部４２
ａと、アクシヨンスプリング取付部４２ｂと、支
軸４２ｃとからなつている。

スライド部４２ａの両端には、ガイド部４３，
４３が設けられ、中央に前記第１スライドブロツ
ク３１の嵌合突起３３が嵌合する嵌合穴４４とね
じ差し込み穴４５が設けられている。

アクシヨンスプリング取付部４２ｂは、スライ
ド部４２ａの側端に突設されている。そして、こ
のアクシヨンスプリング取付部４２ｂの両端には
穴部４６ａ，４６ａが穿設され、該各穴部４６ａ
の壁面のうち先端側の壁面は、第２図に示すよう
に、傾斜面４６ｂで形成されて、この傾斜面４６
ｂと穴部４６ａの縁部が形成する鋭角の角部が第
１係合部４６となつている。第１係合部４６は、
アクシヨンスプリング取付部４２ｂの支軸４２ｃ
と反対側の面に位置する。

また、アクシヨンスプリング取付部４２ｂの両
端に肩部４７ａ，４７ａが突設され、該各肩部４
７ａの一角部が第２係合部４７となつている。こ
の第２係合部４７は、アクシヨンスプリング取付
部４２ｂの支軸４２ｃと同側、すなわち第１係合
部４６と反対側の面に位置する。

支軸４２ｃは、前記アクシヨンスプリング取付
部４２ｂの中央に突設され、先端両側にストツパ
ー４８が設けられている。

操作ノブ５１には、ねじ孔５２が設けられ、第
１スライドブロツク３１の差し込み穴３４に差し
込まれて、ねじ５３により第１スライドブロツク
３１、第２スライドブロツク４１とともに一体に
固着されるようになつている。

コントロールワイヤ６０は、管状のアウタワイ
ヤ６１と、該アウタワイヤ６１に摺動自在に挿通
されたインナワイヤ６２とからなり、一端のアウ
タワイヤ６１がベース１にクランプ６３で固着さ
れるとともに、インナワイヤ６２が前記コントロ
ールレバー１０のワイヤ接続穴１２に嵌入されて
接続される一方、他端は図示しない***作部材に
同様に接続されるようになつている。

以上の構成からなるコントロールレバー装置の
組付け手順について説明する。

まず、アクシヨンスプリング２０を第２スライ
ドブロツク４１に取り付けておく。この取付け
は、第３図中２点鎖線で示すように、アクシヨン
スプリング２０の第２脚部２８をアクシヨンスプ
リング取付部４２ｂの肩部４７ａに押し付けて変
形させながら、第１係合爪２３を穴部４６ａに嵌
入し、傾斜面４６ｂに沿うようにして第１係合部
４６に係止させる。

そして、第１係合爪２３と第１係合部４６との
係合部を中心に第３図中Ｃ方向（時計回り）にア
クシヨンスプリング２０を回動させると、第２脚
部２８の弾性によりスナツプアクシヨン的に第２
係合爪２４が肩部４７ａの第２係合部４７に係止
する。これにより、アクシヨンスプリング２０
は、第１係合爪２３と第２係合爪２４でアクシヨ
ンスプリング取付部４２ｂに抱き付くようにワン
タツチで取り付けられる。

次に、第６図に示すように、第１スライドブロ
ツク３１をベース１の第１ガイド溝２に第７図中
矢印Ａ方向から嵌入して、パネル５をベース１の
前端に取り付け、操作ノブ５１をパネル５のスリ
ツト７から第１スライドブロツク３１の差し込穴
３４に嵌入する。

そして、アクシヨンスプリング２０が取り付け
られた第２スライドブロツク４１を持つて、アク
シヨンスプリング２０の第１圧接部２５と第２圧
接部２６，２６の間にベース１のガイド板４が挾
まれるようにしながら、第２スライドブロツク４
１をベース１の第２ガイド溝３に第７図中矢印Ｂ
方向から嵌入して、その嵌合孔４４に第１スライ
ドブロツク３１の嵌合突起３３を嵌合させる。こ
の後、ねじ５３を第２スライドブロツク４１のね
じ差込み穴４５から操作ノブ５１のねじ孔５２及
び第２スライドブロツク４１のねじ穴３５に螺合
して三者一体に組み付ける。

そして、第５図に示すように、コントロールレ
バー１０の先端の二又部分を第２スライドブロツ
ク４１の支軸４２ｃに差し込んでから、コントロ
ールレバー１０をベース１の支軸１１に取り付
け、他端のワイヤ接続穴１２にコントロールワイ
ヤ６０を接続する。

以上のように組み付けられたコントロールレバ
ー装置では、第６図に示すように、その第１スラ
イドブロツク３１の嵌合突起３３が第２スライド
ブロツク４１の嵌合穴４４に嵌合し、かつ、ねじ
５３により第２スライドブロツク４１に螺着して
いるため、第１スライドブロツク３１は嵌入方向
Ａ（第７図参照）と反対方向への移動が阻止され
る。また、第２スライドブロツク４１はねじ５３
により第１スライドブロツク４１に螺着している
ため、嵌入方向Ｂ（第７図参照）と反対方向への
移動が阻止される。この結果、スライドブロツク
３０は、第１、第２ガイド溝２，３より離脱不能
となる。

アクシヨンスプリング２０は、第３図におい
て、取り付けた方向Ｃと反対方向、すなわち第１
係合爪２３を中心に反時計回りに回動させれば外
れる可能性がある。しかしながら、一旦、第２ス
ライドブロツク４１に取り付けてベース１に組み
付ければ、第６図に示すように、アクシヨンスプ
リング２０を第１係合爪２３を中心に反時計回り
に回動しようとしても、舌片２１の第１圧接部２
５がガイド板４に圧接して同方向への回動が阻止
されるため、第２スライドブロツク４１から外れ
ることがなく、確実に固定される。

また、アクシヨンスプリング２０は、第１圧接
部２５と第２圧接部２６，２６とでガイド板４を
挾持するようにしているため、製作時の寸法誤差
によりアクシヨンスプリング２０又はガイド板４
の位置が多少ずれていたとしても確実に取り付け
ることができる。

さらに、アクシヨンスプリング２０は、スライ
ドブロツク３０が操作ノブ５１によりガイド溝
２，３に沿つてスライド操作された場合、その第
１圧接部２５が位置決め用溝６から離脱する際に
は、舌片２１が広げられるように変形するだけで
あり、アクシヨンスプリング取付部４２ｂとの係
合関係が解除されて外れるような力は作用しな
い。従つて、ガイド板４を平面だけでなく曲面で
形成することが可能である。

このコントロールレバー装置において、操作ノ
ブ５１を持つてスリツト７に沿つて操作すると、
第１スライドブロツク３１のガイド部３２，３２
が第１ガイド溝２に摺接し、第２スライドブロツ
ク４１のガイド部４３，４３が第２ガイド溝３に
摺接して、スライドブロツク３０は第１、第２ガ
イド溝２，３に沿つて摺動する。これにより第２
スライドブロツク４１の支軸４２ｃがコントロー
ルレバー１０の先端を押圧するため、コントロー
ルレバー１０は支軸１１を中心に回動してコント
ロールワイヤ６０のインナワイヤ６２を押引する
結果、図示しない***作部材が操作される。そし
て、アクシヨンスプリング２０の第１圧接部２５
がガイド板４に位置決め用溝６に嵌入するとクリ
ツク感が得られるので、この位置で操作ノブ５１
を停止させると、その位置に対応した所定の動作
が行なわれる。

なお、前記実施例では、アクシヨンスプリング
２０の第１、第２係合爪２３，２４を舌片２１の
左右に設けたが、これに限るものではなく、１個
づつ設けてもよい。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、第１係合爪をスライドブロツクの第１係合部
に係合させて回転させるだけでワンタツチで取り
付けられ、取付け作業が極めて容易である。ま
た、アクシヨンスプリングを取り付けたスライド
ブロツクを、一旦ベースに組み付ければ、アクシ
ヨンスプリングを取り付けた方向と反対方向の回
動が、ガイド板に圧接する圧接部によつて阻止さ
れるため、外れることがなく、確実に取り付けら
れる。

さらに、アクシヨンスプリングの圧接部はガイ
ド板を挾持するようにしているため、製作誤差に
より多少のずれがあつたとしても確実に組み付け
ることができる等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアクシヨンスプリング及
びスライドブロツクの分解斜視図、第２図は第２
スライドブロツクの斜視図、第３図はアクシヨン
スプリングの取付け状態を示す側面図、第４図は
スライドブロツクの組立て状態の斜視図、第５
図、第６図は自動車のコントロールレバー装置の
それぞれ平面図、断面図、第７図はベースのガイ
ド溝の断面図である。 １……ベース、２……第１ガイド溝、３……第
２ガイド溝、４……ガイド板、６……位置決め用
溝、１０……コントロールレバー、２０……アク
シヨンスプリング、２３……第１係合爪、２４…
…第２係合爪、２５……第１圧接部、２６……第
２圧接部、３０……スライドブロツク、４６……
第１係合部、４７……第２係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベースに設けたガイド溝内を直線的に摺動させ
   て操作するコントロールレバーのスライドブロツ
   クに組み付けて、ベースに設けた位置決め用溝に
   圧接してスライドブロツクの位置決めを行なうコ
   ントロールレバー装置のアクシヨンスプリングに
   おいて、 アクシヨンスプリングの一端に、スライドブロ
   ツクの第１係合部に一方の面側から係合する第１
   係合爪と、該第１係合爪と第１係合部の係合後に
   アクシヨンスプリングを回動させることによりス
   ライドブロツクの第２係合部に他方の面側から係
   合する第２係合爪とを設ける一方、他端にベース
   に設けた位置決め用溝を有するガイド板を挾持す
   る一対の圧接部を設けたことを特徴とするコント
   ロールレバー装置のアクシヨンスプリング。