JPH057046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用空気調和装置に関するもの
で、主として冷房使用時における運転席側への冷
風吹出温度を低下させることができる装置を提供
することを目的とするものである。

従来の技術 自動車の空気調和装置（以下単に空調装置と称
す）は、外気又は室内空気（内気）を吸入するブ
ロアと、該ブロアにより吸入された空気を冷却す
るエバポレータと、該ブロアにより吸入された空
気を暖めるヒータコアとを有し、上記エバポレー
タ又はヒータコアにて冷却又は暖めた空気を計器
盤前面の中央部附近に設けられたセンタベンチレ
ーシヨン用吹出口から室内に吹き出して冷房又は
暖房を行うと共に、計器盤の左右両側端部附近に
設けられ風向及び開閉制御用風向板を有するグリ
ルを装着したサイドベンチレーシヨン用吹出口か
ら左右のサイドガラス内面に向けて冷風又は温風
を吹きつけてサイドガラスのデミスト又はデフロ
ストを行わせるのが普通である。

尚上記サイドベンチレーシヨン用吹出口近傍の
下面部に暖房用温風吹出口及び該暖房用温風吹出
口を開閉制御するシヤツタを設け、該シヤツタを
開くことによりサイドベンチレーシヨン用吹出口
が閉となり、サイドベンチレーシヨン用温風は暖
房用温風吹出口より乗員の膝部から足元へ吹きつ
けるようにしたものも既に開発されている（例え
ば実開昭58−176007号公報参照）。

考案が解決しようとする問題点 自動車用空調装置を備えた自動車においても炎
暑下冷房能力不足を感じることがあるが、一人乗
車時の場合には助手席側のサイドベンチレーシヨ
ン用吹出口に設けられた風向板及び暖房用温風吹
出口に設けられたシヤツタを閉じ、エンバポレー
タにて冷却された空気をセンタベンチレーシヨン
用吹出口及び運転席側のサイドベンチレーシヨン
用吹出口より吹き出させ吹出し風速を高くさせ冷
房感を向上させようとするのが普通である。

上記の場合運転席側の吹出し風速は高められて
も風温は前と同じなので充分な冷房感を得にくい
という問題を有する。

本考案は、助手席側サイドベンチレーシヨン用
吹出口に連通するサイドベンチレーシヨン内を流
れる冷風又は温風を上記サイドレンチレ−シヨン
ダクトに近接対向させた内気吸入口から吸い込ま
せ再度エバポレータ又はヒータコアにて冷却又は
暖めて運転席側に吹き出される冷風の温度を低下
させたり温風の温度を上昇させることのできる装
置を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は内気吸入口及び外気吸入口を有し、該
内気吸入口又は外気吸入口より空気を吸入するブ
ロア及び該ブロアにより吸入された空気を冷却す
るエバポレータと、該ブロアにより吸入された空
気を暖めるヒータコアとを有し、上記エバポレー
タ又はヒータコアにて冷却又は暖めた空気を車室
内に吹き出して冷房又は暖房を行うと共に、サイ
ドベンチレーシヨン用吹出口からサイドガラス内
面又は乗員に向けて吹き出させるようにした自動
車用空気調和装置において、上記内気吸入口を助
手席のサイドベンチレーシヨン用吹出口に連通す
るサイドベンチレーシヨンダクトに近接対向さ
せ、該サイドベンチレーシヨンダクトの上記内気
吸入口に対向する面に空気循環用吹出口を設け、
上記空気循環用吹出口を開閉制御するシヤツタを
設けると共に、該シヤツタを開位置としたとき上
記サイドベンチレーシヨン用吹出口を閉とし、該
シヤツタを閉位置としたとき上記サイドベンチレ
ーシヨン用吹出口を開とするよう連動させる連結
ロツドを設けたことを特徴とするものである。

作 用 本考案は上記のような構成を採ることにより、
一人乗車時において、助手席側サイドベンチレー
シヨン用吹出口を閉とすると、空気循環用吹出口
は開となるので、内気吸入口よりブロアにより吸
入されエバポレータ又はヒータコアにて冷却又は
暖められた空気は空気循環用吹出口を経由して再
び内気吸入口から吸入されエバポレータ又はヒー
タコアにて冷却又は暖められるので、運転席側へ
吹き出される冷風の温度を低下させるか又は暖風
の温度を上昇させ空調装置の冷房性能又は暖房性
能を向上させることができる。

実施例 本考案の一実施例を附図を参照して説明する。

第１図において、１は空調ユニツトケース、２
はブロア、３は内気吸入口、４はエバポレータ、
５はヒータコア、６はセンタベンチレーシヨン用
吹出口７の開閉制御を行う風向板を備えたセンタ
ベンチレーシヨングリルで、ブロア２により内気
吸入口３及び図示しない外気吸入口から空調ユニ
ツトケース１内に吸入された車室内空気又は外気
はエバポータ４又はヒータコア５を通過する間に
冷却又は暖められ、冷風又は温風となつて車室内
に吹き出されるようになつている。

上記ヒータコア５からセンタベンチレーシヨン
用吹出口７に至る通風路にはサイドベンチレーシ
ヨンダクト８が分岐して設けられ、該サイドベン
チレーシヨンダクト８に流入した冷風又は温風は
サイドベンチレーシヨン用吹出口９に装着された
風向及び開閉制御用の風向板１０ａを有するサイ
ドベンチレーシヨングリル１０よりサイドガラス
内面に吹きつけサイドガラスのデミスト効果又は
デフロスト効果をもたらし得るようになつてい
る。

上記のような自動車用空気調和装置において、
本考案は助手席側のサイドベンチレーシヨン吹出
口９に連通するサイドベンチレーシヨンダクト８
の上記内気吸入口３に近接対向する面に空気循環
用吹出口１１を設け、該空気循環用吹出口１１を
開閉制御するシヤツタ１２を設けると共に、該シ
ヤツタ１２と前記サイドベンチレーシヨングリル
１０の風向板１０ａとを連結させる連結ロツド１
３等の連結手段を設けたものである。

上記において、第１図に示すようにサイドベン
チレーシヨングリル１０の風向板１０ａを閉位置
とすると、連結ロツド１３により連結されたシヤ
ツタ１２は開となり、ブロア２により吸入されエ
バポレータ４又はヒータコア５にて冷却又は暖め
られた空気はセンタベンチレーシヨン用吹出口７
より車室内に吹き出されて冷房及び暖房を行うと
共に、助手席側のサイドベンチレーシヨンダクト
８に流入した冷却又は暖められた空気は助手席側
のサイドベンチレーシヨングリル１０の風向板１
０ａは閉位置となつているため空気循環用吹出口
１１より吹き出され、該空気循環用吹出口１１と
近接対向して設けられている内気吸入口３からブ
ロア２により吸入され、再度エバポレタ４又はヒ
ータコア５により冷却又は暖められセンタベンチ
レーシヨン用吹出口７及び運転席側のサイドベン
チレーシヨン用吹出口９から吹き出されるので冷
房性能又は暖房才能を格段と向上させることがで
きる。

又第２図に示すようにサイドベンチレーシヨン
グリル１０の風向板１０ａを開位置とすると、連
結ロツド１３により連結されたシヤツタ１２は閉
となり、助手席側のサイドベンチレーシヨンダク
ト８に流入した冷却又は暖められた空気はサイド
ベンチレーシヨングリル１０より吹き出され、風
向板１０ａを側外方に向けるとサイドドアのデミ
スト効果又はデフロスト効果をもたらし得ること
ができ、又風向板１０ａを車体中心側に向けると
乗員に対する冷房感又は暖房感を向上させること
ができる。

上記において、連結ロツド１３により連結され
たシヤツタ１２と助手席側のサイドベンチレーシ
ヨングリル１０の風向板１０ａとを開閉制御する
には該風向板１０ａに直接手を触れて行う方法に
代えて開閉度を指示するダイヤルを設けて該ダイ
ヤルの操作で開閉を行うようにしてもよい。

考案の効果 以上のように本考案によれば、内気を吸入する
内気吸入口を助手席のサイドベンチレーシヨン用
吹出口に連通するサイドベンチレーシヨンダクト
に近接対向させ、該サイドベンチレーシヨンダク
トの上記内気吸入口に対向する面に空気循環用吹
出口を設け、上記空気循環用吹出口を開閉制御す
るシヤツタを設けると共に、該シヤツタを開位置
としたとき上記サイドベンチレーシヨン用吹出口
を閉とし、該シヤツタを閉位置としたとき上記サ
イドベンチレーシヨン用吹出口を開とするよう連
動させる連結ロツドを設ける構成としたので、エ
バポレシータ又はヒータコアにて冷却又は暖めら
れた空気の一部を再びエバポレータ又はヒータコ
アにて冷却又は暖めることにより運転席側への吹
き出し風温を低下又は上昇させることができるも
ので、この結果ブロアの回転数を下げても充分な
冷房感又は暖房感が得られ、ブロアの回転に伴う
風切騒音の低い快適冷房又は快適暖房が実現でき
るばかりでなく、冷房性能に余力を生じた分をコ
ンプレツサの稼動率の低下に振り向けることがで
きる等、構造の簡単なることと相俟つて実用上多
大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の実施例を示す断面図
で、第１図はシヤツタを開としたときの空気の流
れを示し、第２図はシヤツタを閉としたときの空
気の流れを示すものである。 １……空調ユニツトケース、２……ブロア、３
……内気吸入口、４……エバポレータ、５……ヒ
ータコア、６……センタベンチレーシヨングリ
ル、７……センタベンチレーシヨン用吹出口、８
……サイドベンチレーシヨンダクト、９……サイ
ドベンチレシヨン用吹出口、１０……サイドベン
チレーシヨングリル、１１……空気循環用吹出
口、１２……シヤツタ、１３……連結ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内気吸入口及び外気吸入口を有し、該内気吸入
   口又は外気吸入口より空気を吸入するブロア及び
   該ブロアにより吸入された空気を冷却するエバポ
   レータと、該ブロアにより吸入された空気を暖め
   るヒータコアとを有し、上記エバポレータ又はヒ
   ータコアにて冷却又は暖めた空気を車室内に吹き
   出して冷房又は暖房を行うと共に、サイドベンチ
   レーシヨン用吹出口からサイドガラス内面又は乗
   員に向けて吹き出させるようにした自動車用空気
   調和装置において、上記内気吸入口を助手席のサ
   イドベンチレーシヨン用吹出口に連通するサイド
   ベンチレーシヨンダクトに近接対向させ、該サイ
   ドベンチレーシヨンダクトの上記内気吸入口に対
   向する面に空気循環用吹出口を設け、上記空気循
   環用吹出口を開閉制御するシヤツタを設けると共
   に、該シヤツタを開位置としたとき上記サイドベ
   ンチレーシヨン用吹出口を閉とし、該シヤツタを
   閉位置としたとき上記サイドベンチレーシヨン用
   吹出口を開とするよう連動させる連動手段を設け
   たことを特徴とする自動車用空気調和装置の制御
   装置。