JPH0567967U - テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カセット組み立て時にカセット内に取り付け
られるロック用コイルスプリングが折れ曲がらず、組み
立て不良が生じないテープカセットを提供すること。 【構成】 磁気テープを収納したカセット本体の下ハー
フを覆ってスライド可能に設けられたスライダ、上記下
ハーフ面に突没可能に設けられた該スライダのロック
片、該ロック片を押圧するロック用コイルスプリング、
及び該ロック用コイルスプリングを上ハーフに係止する
係止部を具備したテープカセットにおいて、上記係止部
が、スプリング嵌挿部と、該スプリング嵌挿部を囲んで
配され且つ表面が該スプリング嵌挿部に向けて傾斜して
いる係止壁とからなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はテープカセットに係り、詳しくは、組み立て不良が生じないテープカ セットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

テープカセットには、磁気テープを収納したカセット本体の下ハーフを覆って スライド可能に設けられたスライダ、上記下ハーフ面に突没可能に設けられた該 スライダのロック片、及び該ロック片を押圧するロック用コイルスプリングを具 備したものがあり、該ロック用コイルスプリングは、図８（ａ）、（ｂ）に示す 如く、上ハーフ６内面に設けられた係止部７で係止され、該係止部７は凸状突起 体９０で形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記テープカセットは、組み立てに際し、図８（ｂ）に示す如 く、上記凸状突起体９０に、上記下ハーフのロック片（図示せず）に係止された 上記ロック用コイルスプリング５を突き刺すような状態で行われていたため、上 記下ハーフのロック片に上記ロック用コイルスプリング５が斜めに係止され、且 つその傾きが、図９に示す如く、該ロック用コイルスプリング５の半径以上であ ると、該ロック用コイルスプリング５は折れ曲がり、上記上ハーフ６の凸状突起 体９０に係止されず組み立て不良を生じる問題があった。

【０００４】 特に、上記テープカセットを自動組立する際には、上記ロック用コイルスプリ ング５の傾きを修正する手段が無いため、組み立て不良が生じ易かった。 従って、本考案の目的は、カセット組み立て時にカセット内に取り付けられる ロック用コイルスプリングが折れ曲がらず、組み立て不良が生じないテープカセ ットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、磁気テープを収納したカセット本体の下ハーフを覆ってスライド可 能に設けられたスライダ、上記下ハーフ面に突没可能に設けられた該スライダの ロック片、該ロック片を押圧するロック用コイルスプリング、及び該ロック用コ イルスプリングを上ハーフに係止する係止部を具備したテープカセットにおいて 、上記係止部が、スプリング嵌挿部と、該スプリング嵌挿部を囲んで配され且つ 表面が該スプリング嵌挿部に向けて傾斜している係止壁とからなることを特徴と するテープカセットを提供することにより、上記目的を達成したものである。

【０００６】

【作用】

本考案のテープカセットによれば、その組み立てに際して、ロック片にロック 用コイルスプリングが斜めに係止されていても、該ロック用コイルスプリングは 、係止部の係止壁の傾斜面で案内されて、係止部のスプリング嵌挿部に係止され る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案のテープカセットの一実施例を図面を参照して説明する。 図１乃至図４は本考案のテープカセットの一実施例を示しており、図１はテー プカセットの斜視図、図２は図１のII−II線断面図、図３（ａ）は図１に示す実 施例の係止部を示す平面図、図３（ｂ）はその一部の斜視図、図３（ｃ）はロッ ク用コイルスプリング嵌挿完了時を示す断面図、図４は図１に示す実施例の係止 部にロック用コイルスプリングを嵌挿する際の一状態を示す断面図である。

【０００８】 本実施例のテープカセットは、図１及び図２に示す如く、磁気テープ（図示せ ず）を収納したカセット本体１の下ハーフ２を覆ってスライド可能に設けられた スライダ３、上記下ハーフ面２ａに突没可能に設けられた該スライダ３のロック 片４、該ロック片４を押圧するロック用コイルスプリング５、及び該ロック用コ イルスプリング５を上ハーフ６に係止する係止部７を具備している。

【０００９】 而して、本実施例のテープカセットは、図２に示す如く、上記係止部７が、ス プリング嵌挿部８と、該スプリング嵌挿部８を囲んで配され且つ表面９ａが該ス プリング嵌挿部８に向けて傾斜している係止壁９とで形成されている。 本実施例の係止部７について更に説明すると、図３（ａ）、（ｂ）に示す如く 、上記係止壁９は、それぞれ傾斜面９ｃを有する４本の突起体９ｂを、それらの 傾斜面９ｃが上記スプリング嵌挿部８に向けて傾斜するように略十字状に配して 形成されている。

【００１０】 また、上記スプリング嵌挿部８は、図３（ａ）、（ｃ）に示す如く、該スプリ ング嵌挿部８の内径ｙ’を、ロック用コイルスプリング５の外径ｙよりも少し大 きく形成し、該ロック用コイルスプリング５を嵌挿可能になしている。 更に、上記係止壁９の上記傾斜面９ｃの長さｘは、図３（ｃ）に示す如く、カ セット組み立て時に、上記ロック用コイルスプリング５が上記係止部７の外側に 外れないように、上記ロック用コイルスプリング５の外径ｙに対してｘ≫ｙとな るように充分長く形成されており、また、上記傾斜面９ｃの傾きαは、好ましく は３０°〜６０°となしてある。

【００１１】 以上のように構成した本実施例のテープカセットは、カセット組み立て時に、 上記下ハーフ２の上記ロック片４に上記ロック用コイルスプリング５が斜めに係 止されていても、上記ロック用コイルスプリング５は、図４に示す如く、上記係 止壁９の傾斜面９ｃで案内されて、上記係止部７の上記スプリング嵌挿部８に滑 り込んで係止されるため、折れ曲がらず、組み立て不良が生じない。

【００１２】 また、上記実施例では上記突起体９ｂを４本とし、該係止壁９の傾斜面９ｃを 平面に形成したが、図５（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示す如く、上記突起体９ｂ’ を８本設け、上記傾斜面９ｃ’を湾曲面に形成しても良く、このような実施例も 上記実施例のテープカセットと同様な効果を奏する。 また、図６（ａ）は別の実施例における係止部を示す斜視図、図６（ｂ）はそ の断面図で、本実施例においては、係止壁９が円柱状の環状の突起体９ｄで形成 され傾斜面が湾曲面となしてあり、それ以外は、図１〜図５に示す実施例と同様 に構成されている。

【００１３】 また、上記の別の実施例では、突起体９ｄの形状を円柱状の環状の突起体とし 、傾斜面９ｃを湾曲面で形成したが、突起体９ｄ’の形状を、図７（ａ）、（ｂ ）に示す如く、６角柱状の環状の突起体とし、傾斜面９ｃ’を６つの平面を連続 させて形成しても良い。 これらの実施例による場合も、先の実施例のテープカセットによる場合と同様 な効果が奏される。

【００１４】 本考案のテープカセットの係止部の形状は、上記実施例に示すものに限定され るものではなく、例えば放射状にほぼ均等な間隔で突起体を配する場合は、該突 起体の本数は３本以上あれば良く、また環状の突起体で係止部を形成する場合は 、該突起体の形状は円柱状及び角柱状に制限されず、更に上述の環状の突起体が 適宜切断されたような形状でも良い。

【００１５】

【考案の効果】

本考案のテープカセットは、カセット組み立て時にカセット内に取り付けられ るロック用コイルスプリングが折れ曲がらず、組み立て不良が生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のテープカセットの一実施例を示すテー
プカセットの斜視図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】（ａ）は図１に示す実施例の係止部を示す平面
図、（ｂ）はその一部の斜視図、（ｃ）はロック用コイ
ルスプリング嵌挿完了時を示す断面図である。

【図４】図１に示す実施例の係止部にロック用コイルス
プリングを嵌挿する際の一状態を示す断面図である。

【図５】（ａ）は実施例の係止部を示す平面図、（ｂ）
はその斜視図、（ｃ）はその断面図である。

【図６】（ａ）は別の実施例における係止部を示す斜視
図、（ｂ）はその断面図である。

【図７】（ａ）は実施例における係止部を示す斜視図、
（ｂ）はその断面図である。

【図８】（ａ）は従来のテープカセットにおける係止部
を示す斜視図、（ｂ）はその断面図である。

【図９】従来のテープカセットの係止部にロック用コイ
ルスプリングを装着する際の側面図である。

【符号の説明】

１ カセット本体 ２ 下ハーフ ３ スライダ ４ ロック片 ５ ロック用コイルスプリング ６ 上ハーフ ７ 係止部 ８ スプリング嵌挿部 ９ 係止壁 ９ａ 係止壁の表面 ９ｂ 突起体 ９ｃ 傾斜面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープを収納したカセット本体の下
   ハーフを覆ってスライド可能に設けられたスライダ、上
   記下ハーフ面に突没可能に設けられた該スライダのロッ
   ク片、該ロック片を押圧するロック用コイルスプリン
   グ、及び該ロック用コイルスプリングを上ハーフに係止
   する係止部を具備したテープカセットにおいて、 上記係止部が、スプリング嵌挿部と、該スプリング嵌挿
   部を囲んで配され且つ表面が該スプリング嵌挿部に向け
   て傾斜している係止壁とからなることを特徴とするテー
   プカセット。
2. 【請求項２】上記係止壁が、放射状にほぼ均等な間隔で
   配され、少なくとも３個の突起体からなることを特徴と
   する請求項１記載のテープカセット。
3. 【請求項３】上記係止壁が、環状の突起体からなること
   を特徴とする請求項１記載のテープカセット。