JPH0566298B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシートフイルム装填装置およびシート
フイルム包装体に関し、一層詳細には、複数枚の
シートフイルムを遮光して収納する包装体を画像
記録装置に装着する際に、この包装体を構成して
いるシートフイルム取出用開口部を遮光する可撓
性カバー部材包装体から剥離することが可能な明
室内においてシートフイルムを容易に装填するよ
うに構成したシートフイルム装装置およびシート
フイルム包装体に関する。

一般に、人体等の被写体をＸ線を用いて撮影し
た放射線画像が医療上の診断の際に利用される。
従来、このような放射線画像を記録するためにＸ
線撮影装置内に遮光状態でＸ線フイルムを装填
し、このフイルムの乳剤面に、直接、Ｘ線を照射
している。

ところで、最近、蓄積性螢光体（輝尽性螢光
体）を用いて被写体の放射線透過像を得る放射線
画像記録再生システムが開発され、特に前記のよ
うな医療分野に広汎に普及しつつある。ここで、
蓄積性螢光体とは、放射線（Ｘ線、α線、β線、
γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、この放
射線エネルギーの一部を蓄積し、後に可視光等の
励起光を照射することにより蓄積されたエネルギ
に応じた輝尽発光を示す螢光体をいう。

前記の放射線画像記録再生システムはこの蓄積
性螢光体を利用したもので、人体等の放射線画像
情報を一旦蓄積性螢光体からなる層を有するシー
トに記録し、この蓄積性螢光体シートをレーザ光
等の励起光で走査して輝尽発光光を生じさせ、得
られた輝尽発光光を光電的に読み出して画像信号
を得、この画像信号に基づき写真感光材料等の記
録材料、CRT等に可視像として出力させるもの
である。

ここで、可視像を記録材料に記録する場合に
は、画像記録装置、例えば画像出力レーザプリン
タ装置が採用される。この装置は記録材料である
写真感光フイルムをマガジン等を介して収納し、
このフイルムを吸着盤等の枚葉機構により一枚ず
つ取り出して後、蓄積性螢光体シートから得られ
た電気信号に基づいて前記フイルムにレーザ光を
照射して所定の画像を記録するものである。そし
て、このフイルムは自動現像装置内に搬送され現
像工程を通過した後、所定の場所に集積される。

前記画像出力レーザプリンタ装置では、前述し
た従来のＸ線撮影装置と同様に、フイルムを装置
内に装填する場合に前記フイルムに外光が照射さ
れてはならないが、作業性を向上させるべく通常
の明室内でのフイルムの装填が強く望まれるよう
になり、従来より種々の明室装填方式が考えられ
ている。実開昭56−5141号にこの明室装填方法の
一例が開示されている。

すなわち、第１図ａはＸ線撮影装置等に供給さ
れるフイルム包装体２の断面図を示したもので、
このフイルム包装体２は開口部４を有する筐体で
ある遮光容器６を含み、前記遮光容器６内には当
てボール紙８によつて保護された状態で複数枚の
未露光フイルム１０が収納されている。また、開
口部４には可撓性遮光部材１２が光密に貼着さ
れ、未露光フイルム１０を外光より保護してい
る。この場合、前記可撓性遮光部材１２の一端部
側は鉛直方向に指向して湾曲しており、この一端
縁部に係止用孔部１２ａが穿設されている。

このように構成されるフイルム包装体２は第１
図ｂに示すマガジン１４に収納され格納部１６に
よつて位置決めされる。ここで、マガジン１４に
はシヤツター部材１８が設けられており、シヤツ
ター部材１８の端部に植設された係止用突起２０
に可撓性遮光部材１２の孔部１２ａを係着した
後、マガジン１４は図示しないＸ線撮影装置等に
装填される。次いで、シヤツター部材１８の他端
部がマニユアル操作によつてマガジン１４から引
き出される。その結果、可撓性遮光部材１２は孔
部１２ａに係着された係止用突起２０によつて遮
光容器６より剥離され、開口部４がＸ線撮影装置
内において開放される。その後、未露光フイルム
１０が真空吸引器２２によつて吸着されて所定の
撮影位置に搬送される。

然しながら、前記のような従来技術では、フイ
ルム包装体を収納するために専用マガジンを使用
しなければならない。この専用マガジンは繰り返
しの着脱に耐え得るように強固に製造される必要
があり、このため、専用マガジン自体が相当な重
量を有することになる。従つて、作業者によつて
この専用マガジンの着脱作業が煩わしいものとな
る欠点が生ずる。しかも、前記専用マガジンはシ
ヤツター機構等を設けているために、かなり高価
なものとなる難点がある。特に、サイズの異なる
種々のフイルムを用いる場合、夫々のサイズのフ
イルムに対応する専用マガジンを用意しなければ
ならず、製造コストが大幅に上昇して、実際上、
経済的に容認され難いという不都合が指摘され
る。

本発明は前記の不都合を克服するためになされ
たものであつて、複数枚のフイルムを積層収納す
るトレー台とこれに接着されてフイルム取出用開
口部を遮光するカバー部材とを含む包装体を画像
記録装置に装着する際に、この装置に配設された
刃部を介して前記カバー部材を強制的にトレー台
から剥離することにより、簡単な構造で極めて容
易に明室内におけるフイルムの装填を可能にする
シートフイルム装填装置およびシートフイルム包
装体を提供することを目的とする。

前記の目的を達成するために、本発明は、複数
枚のシートフイルムを積層収納するトレー台と前
記トレー台にフイルム取出口を閉塞して剥離可能
に固着される可撓性のカバー部材とを備えたシー
トフイルム包装体を装填するためのシートフイル
ム装填装置であつて、 前記シートフイルム装填装置は、前記シートフ
イルム包装体を挿入する装填用開口部と、 前記トレー台に設けられた前記フイルム取出口
から前記シートフイルムを取り出すためのフイル
ム取り出し機構が配設された室と、 前記トレー台の挿入方向先端部に係合して前記
フイルム取出口を前記フイルム取り出し機構に対
して、位置決めするための位置決め部と、 前記シートフイルム包装体を前記装填用開口部
に挿入する動作に伴つて該カバー部材を前記トレ
ー台から剥離させる剥離手段と、 を備えることを特徴とする。

さらに、本発明は、装填用開口部に剥離手段が
設けられたシートフイルム装填装置に装填される
シートフイルム包装体であつて、 前記シートフイルム包装体は、トレー台と可撓
性のカバー部材とを備え、 前記トレー台は、前記複数枚のシートフイルム
が積層され且つフイルム取出用開口部が形成され
た筐体からなり、 前記カバー部材は、前記トレー台の剥離可能に
固着されて前記フイルム取出用開口部を閉塞して
おり、 前記トレー台の装填方向先端部と前記カバー部
材の前記装填方向先端部との間には、前記剥離手
段を臨入させるための間〓が形成されることを特
徴とする。

次に、本発明に係るシートフイルム装填装置お
よびシートフイルム包装体について好適な実施態
様を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に
説明する。

第２図ａ、第２ｂにおいて、参照符号３０はシ
ートフイルムの包装体を示す。この場合、該包装
体３０は樹脂系材料あるいは所定の硬さを有する
厚紙で形成されるトレー台３２と可撓性材料で形
成されるカバー部材３４とを含む。このトレー台
３２はフイルムＡを所定の枚数収納するために高
さH₁を有しており、上面部３６にはその先端部
側に所定の幅員を有するフイルム取出用開口部３
８が形成された筐体状を有している。また、この
上面部３６の先端部には、先端にいくに従つて下
方に傾斜する傾斜面３９が形成されている。そし
て、この開口部３８を閉塞するようにし前記カバ
ー部材３４が接着剤等を介し上面部３６に剥離可
能に固着される。なお、このカバー部材３４は上
面部３６と略同一の寸法に形成されている。ま
た、トレー台３２の前記傾斜面３９に対向する先
端部３４ａは傾斜面３９から遠ざかるようにやや
上側に湾曲しており、前記傾斜面３９と相俟つて
後述する剥離手段がトレー台３２の上面部３６と
カバー部材３４との間に入り込み易いように間〓
が構成されている。

一方、前記包装体３０を装着する画像記録装置
４０、すなわち、出力レーザプリント装置の前面
部４２には当該包装体３０の高さ方向の幅H₂を
有し且つその長手方向の幅をこの包装体３０の幅
と同一寸法とする断面矩形状の第１の開口部４４
が画成され、前記第１開口部４４の一端部側には
所定の高さを有する第２の開口部４６が連通して
画成される。この場合、前記第１開口部４４は前
面部４２から所定距離内方に延在しており、さら
に、この第１開口部４４と第２開口部４６とは同
一の高さに形成され、基底面４７を構成してい
る。そして、前記開口部４４と４６との境界部位
には水平方向に対し所定角度傾斜すると共に、湾
曲して画像記録装置４０内の室４８に開放される
通路５０が連通する。また、前記基底面４７の終
端部には鉛直上方に指向して係止面（位置決め
部）１を形成し、この係止面５１の前面部４２と
の距離H₃は包装体３０の長さに対応して選択さ
れる。

なお、画像記録装置４０内に室４８には鉛直方
向下方に延在して仕切板５８を配設すると共に、
吸着盤６０を含むフイルム取り出し機構としての
枚葉機構が設けられている。

そこで、前記第２開口部４６を画成する上面部
４６ａに剥離手段である刃部５２を固着する。こ
の場合、前記刃部５２の長手方向の長さは包装体
３０の幅員と略同一寸法を有している（第５図参
照）。また、この刃部５２の上面部５４ａと下面 部５４ｂとは平行関係にあり、この下面部５４ｂ
の一端部に前記上面部５４ａに対し所定角度傾斜
して切刃部５６を形成する。このような構成にお
いて、前記切刃部５６をカバー部材３４の断面形
状と略同形状の断面形状の通路５０に臨ませて刃
部５２の上面部５４ａを開口部４６側の上面部４
６ａに、例えば、ろう付け等により固着する。そ
の際、刃部５２の下面部５４ｂと基底面４７との
離間距離がカバー部材３４を含むトレー台３２の
高さH₁と同一となるように刃部５２並びに第２
開口部４６の寸法を選択しておく。

なお、第１および第２の開口部４４，４６の周
囲の壁面には包装体３０を装填した時、遮光性を
向上させる為、起毛材等が設けられていることが
望ましい。

本発明に係るシートフイルム装填装置およびシ
ートフイルム包装体は基本的には以上のように構
成されるものであり、次にその作用並びに効果に
ついて説明する。

先ず、包装体３０を開口部３８を設けた先端部
側から画像記録装置４０の開口部４４内に挿通す
る。さらに、前記包装体３０を矢印方向に変位さ
せると、この包装体３０の先端部は刃部５２に当
接する。この場合、前記刃部５２の下面部５４ｂ
と基底面４７との距離はトレー台３２の高さH₁
と等しいため、前記包装体３０を矢印方向に挿入
すれば、この切刃部５６がカバー部材３４の先端
部３４ａと傾斜面３９との間に臨入してことカバ
ー部材３４を前記トレー台３２から剥離する（第
５図参照）。ここで、前記カバー部材３４を可撓
性の材料で形成しておけば、このカバー部材３４
トレー台３２から剥離されて後、通路５０内に屈
曲して挿入されることが出来る。その際、開口部
４４が包装体３０の高さH₂と同一の幅員を有し、
且つ、この開口部４４が画像記録装置４０内に所
定長さ延在しているため、前記カバー部材３４が
トレー台３２から剥離される際に、外部からの光
がこのトレー台３２の開口部３８内に侵入するこ
とはない。

このようにして包装体３０を矢印方向に変位さ
せれば、その先端部が係止面５１に当接し、一
方、カバー部材３４は通路５０から室４８内に導
入されて前記包装体３０の装着作業は終了する。
ここで、前記係止面５１と前面部４２との間は距
離H₃だけ離間しているため、トレー台３２の開
口部３８を室４８に対して好適に位置決めするこ
とが可能となる。また、室内のカバー部材３４は
仕切板５８に案内されて吸着盤６０等に干渉する
ことはない。そこで、吸着盤６０を含む枚葉機構
を駆動してこのトレー台３２内に積層収納されて
いるフイルムＡを、順次、図示しない記録部に搬
送する。

フイルムＡが全て枚葉払出されると、すなわ
ち、トレー台３２内に収納されているフイルムＡ
が全て取り出された後、包装体３０を画像記録装
置４０から離間する方向に変位させれば、前記ト
レー台３２とカバー部材３４とを一体的にこの画
像記録装置４０から取り外すことが出来る。

また、使用済みとなつた包装体３０は、特にト
レー台３２を安価な樹脂系材料または厚紙等で形
成しておけば、廃棄することも可能となる。しか
も、サイズの異なる種々のフイルムを使用する場
合、夫々のサイズのフイルムに対応する包装体を
用意したとしても、些程コストの上昇を生起する
ことはない。なお、このように種々のフイルムを
用いる際には、夫々の包装体に、予め、フイルム
の品種、フイルムのサイズ、フイルムのロツト番
号等をバーコード、磁気テープ等により記録し、
画像記録装置に前記包装体を装着した時にその情
報を前記画像記録装置に設けられた読取手段によ
り読み取り、表示する等すればその使用の際に画
像記録に必要な情報が得られて便宜である。

ところで、本実施態様ではカバー部材を剥離す
るために画像記録装置内に刃部を固着している
が、この画像記録装置の内部に前記刃部に代替す
る鋭角状の縁部を一体的に形成したものを用いて
もよい。これを第２の実施態様として以下に説明
する。なお、第４図に示した構成要素と同一の構
成要素には参照符号にａを付してその説明は省略
する。

すなわち、第６図に示すように、第２開口部６
２の高さ方向の幅員をトレー台３２の高さH₁と
同一に形成し、この第２開口部６２を画成する上
面部６２ａには通路５０ａとの境界部位に鋭角状
の切断用縁部６４を形成する。

このような構成において、画像記録装置４０ａ
への包装体３０の装脱工程が、前述した画像記録
装置４０と同様にして行われることは用意に諒解
されよう。

なお、上記実施態様ではトレー台３２の上面部
３６の一部に開口部３８を形成するようにしてい
るが、トレー台３２の上面部３６全体を開口部と
しておき、カバー部材３４を剥離して開口部の一
部分を開くようにしてフイルムを枚葉するように
してもよい。

以上のように本発明によれば、複数枚のフイル
ムを収納するトレー台にフイルム取出用開口部を
閉塞して剥離可能にカバー部材を接着すると共
に、画像記録装置内に前記カバー部材を剥離する
ための刃部等の剥離手段を設けている。このた
め、包装体を前記画像記録装置に装着する際に、
この剥離手段を介してカバー部材を自動的にトレ
ー台から剥離することが出来る。従つて、明室内
において極めて簡単にフイルムの装填を行うこと
が可能となる利点が得られる。さらにまた、包装
体を、直接、装置内に装着するため、従来のよう
に専用マガジンを用いることがなく廉価に製造可
能であると共に軽量化され、フイルムの装着作業
をより一層簡単に行うことが出来る。

以上、本発明について好適な実施態様を挙げて
説明したが、本発明のこの実施態様に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の改良並びに設計の変更が可能なこと
は勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来技術に係るフイルム包装体の断
面側面図、第１図ｂは第１図ａに示すフイルム包
装体を装填する際の説明図、第２図ａは本発明に
係るシートフイルム装填装置に収納されるフイル
ム包装体の分解斜視図、第２図ｂはフイルム包装
体の側面図、第３図は本発明に係るシートフイル
ム装填装置とフイルム包装体との説明図、第４図
は本発明装置にフイルム包装体を装着する際の説
明図、第５図は当該包装体を構成するカバー部材
をトレー台から剥離する際の説明図、第６図は第
２の実施態様に係るシートフイルム装填装置とフ
イルム包装体との説明図である。 ３０……包装体、３２……トレー台、３４……
カバー部材、３６……上面部、３８……開口部、
４０，４０ａ……画像記録装置、４２，４２ａ…
…前面部、４４，４４ａ……開口部、４６……開
口部、４８，４８ａ……室、５０，５０ａ……通
路、５１，５１ａ……係止面、５２……刃部、５
６……切刃部、５８，５８ａ……仕切板、６４…
…縁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚のシートフイルムを積層収納するトレ
   ー台と前記トレー台にフイルム取出口を閉塞して
   剥離可能に固着される可撓性のカバー部材とを備
   えたシートフイルム包装体を装填するためのシー
   トフイルム装填装置であつて、 前記シートフイルム装填装置は、前記シートフ
   イルム包装体を挿入する装填用開口部と、 前記トレー台に設けられた前記フイルム取出口
   から前記シートフイルムを取り出すためのフイル
   ム取り出し機構が配設された室と、 前記トレー台の挿入方向先端部に係合して前記
   フイルム取出口を前記フイルム取り出し機構に対
   して位置決めするための位置決め部と、 前記シートフイルム包装体を前記装填用開口部
   に挿入する動作に伴つて該カバー部材を前記トレ
   ー台から剥離させる剥離手段と、 を備えることを特徴とするシートフイルム装填装
   置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   前記剥離手段は、前記トレー台とカバー部材との
   間隔に臨む刃部からなるシートフイルム装填装
   置。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の装置において、
   前記刃部は、装置本体を構成する筐体に導入され
   る前記カバー部材の幅員と略同一の幅員を有して
   なるシートフイルム装填装置。 ４ 装填用開口部に剥離手段が設けられたシート
   フイルム装填装置に装填されるシートフイルム包
   装体であつて、 前記シートフイルム包装体は、トレー台と可撓
   性のカバー部材とを備え、 前記トレー台は、前記複数枚のシートフイルム
   が積層され且つフイルム取出用開口部が形成され
   た筐体からなり、 前記カバー部材は、前記トレー台に剥離可能に
   固着されて前記フイルム取出用開口部を閉塞して
   おり、 前記トレー台の装填方向先端部と前記カバー部
   材の前記装填方向先端部との間には、前記剥離手
   段を臨入させるための間〓が形成されることを特
   徴とするシートフイルム包装体。