JPH0563658B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は駐車時ハンドル（ステアリングホイー
ル）と一緒にシフトレバーが自動的にロツクされ
るようにした自動変速機のシフトレバーロツク装
置に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、自動車は盗難防止のために始動キーを
抜くとハンドルがロツクされるようになつている
が、自動変速機のシフトレバーは駐車位置Ｐから
自由に他の位置例えば中立位置Ｎへ傾けることが
可能であり、子供のいたずらにより坂道などに停
車された自動車が動き出す恐れがある。そこで、
始動キーをエンジン停止位置（ないし始動キーの
抜取り可能の位置）に回した時、シフトレバーが
駐車位置Ｐにロツクされ、またシフトレバーが駐
車位置Ｐになければ、始動キーをエンジン停止位
置に回せないようにしたシフトレバーおよびハン
ドルのロツク装置は特願昭58−58622号により提
案されている。

従来出願されている自動変速機のシフトレバー
ロツク装置では、シフトレバーに係合するベルク
ランクを拘束しているものは遠隔操作ケーブルの
摺動抵抗だけであり、遠隔操作ケーブルの過大な
振動などによつてアウタチユーブとケーブルとの
間に相対移動が生じることがあり、このような場
合、シフトレバーが駐車位置Ｐへ戻らなくなる恐
れがある。

ベルクランクを拘束するためには、ベルクラン
クを一方向に回転付勢するばねを取り付けること
が考えられるが、この手段ではベルクランクを動
かす時そのばね力に打ち勝つ操作力が必要とさ
れ、コントロールピン（デイテントピンともい
う）を制御板の縁部に係合させるためのばね力を
大きくしなければならなくなる。しかし、コント
ロールピンを付勢するばねの力を大きくすると、
通常の変速操作におけるノブによるプツシユロツ
ドの操作力が増大し運転者の疲労を招く。

［発明が解決しようとする問題点］ そこで、本発明の目的は駐車位置以外の位置へ
シフトレバーを操作する時はシフトレバーが拘束
されないようにベルクランクが非拘束位置に保持
され、シフトレバーが駐車位置にある時はハンド
ルロツク機構に連動して前記ベルクランクがシフ
トレバーを拘束するロツク位置に保持されるよう
にした、操作が円滑で軽快な自動変速機のシフト
レバーロツク装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の構成は運
転停止位置で始動キーと連動連結するシフトレバ
ーの制御ピンを駐車位置に拘束するベルクランク
を基枠に軸支持し、シフトレバーの運転位置でば
ね力によりベルクランクに係合されかつ駐車位置
でシフトレバーによりベルクランクから解除され
るローラを、基枠に軸支持したレバーに備えたも
のである。

［作用］ シフトレバー６４を駐車位置へ戻すと同時に、
ばね４１の力に抗してローラ４５とともにレバー
７１が軸部７１ｂを中心として反時計方向に回動
され、ベルクランク７５の規制が解放される。ハ
ンドルロツク機構に連動してケーブル４４が引張
られると、ベルクランク７５がコントロールピン
に係合され、シフトレバーのコントロールピン６
６の上下動が阻止され、シフトレバー６４が駐車
位置にロツクされる。

ケーブル４４の引張力が解放されると、ベルク
ランク７５はプツシユロツド５９の操作によるコ
ントロールピン６６の下降によつて支軸６３を中
心として時計方向に回動され、突片７６が制御板
６８の縁部６８ｂに当る。そして、コントロール
ピン６６とベルクランク７５の切欠７８との係合
が外れ、シフトレバー６４は任意の変速位置へ傾
けることができる。

シフトレバー６４が駐車位置Ｐ以外の位置にあ
る時、レバー７１ががばね４１の力により右下方
へ引張られ、制御板６８の上縁部６８ａに当り、
ベルクランク７５の縁部に接近し、ベルクランク
７５の支軸６３を中心とする逆転を阻止する。

ベルクランク７５を拘束するためにレバー７１
に備えられたばね４１はシフトレバー６４の操作
によつて伸縮されるだけで、コントロールピン６
６の上下動操作に対してばね４１はなんら抗力を
及ぼさない。

［発明の実施例］ 本発明を実施例に基づいて説明する。第１図に
示すように、自動変速機のシフトレバー６４の中
空部にプツシユロツド５９が挿通され、この上端
部に配設された公知のノブによりばねに抗して押
し下げられるようになつている。プツシユロツド
５９の下端部に水平なコントロールピン６６が支
持され、コントロールピン６６の両端がシフトレ
バー６４に設けた軸方向に延びるスリツト６０に
挿通案内され、前述したばねによつて上方へ付勢
されている。

シフトレバー６４の下端部は回動軸７０に固定
支持される。回動軸７０は基枠６９に回転可能に
支持される。回動軸７０にはシフトレバー６４と
一体的にレバー７２が固定支持され、これによつ
て自動変速機の変速機構が操作される。

基枠６９には上方へ延びる制御板６８が固定支
持され、この制御板６８に設けた開口６７に前述
したコントロールピン６６が係合される。基枠を
兼ねる制御板６８の上部にカバー６５が固定支持
され、このカバーの溝に沿つてシフトレバー６４
が前後に傾動されるようになつている。

第２図に示すように、制御板６８の開口６７の
上縁部には中央部に深く切込まれた中立位置でコ
ントロールピンが符号６６′で示すように係合す
る縁部Ｎと、この後側にドライブ位置および第１
速段でコントロールピン６６がそれぞれ係合する
縁部Ｄ，Ｌが階段状に配設され、また縁部Ｎの前
側に階段状に後進位置でコントロールピン６６が
係合する縁部Ｒと、駐車位置でコントロールピン
６６が係合する深く切込まれた縁部Ｐが設けられ
る。そして、開口６７の縁部Ｐに隣接して制御板
６８に支軸６３をもつてベルクランク７５が回動
可能に支持される。ベルクランク７５の一方の腕
に、始動キーをエンジン停止位置へ回した時引張
られるケーブル４４（第４図）がピン６２をもつ
て連結される。ほぼ三角形をなすベルクランク７
５の他方の腕７９には切欠７８が設けられ、シフ
トレバー６４が駐車位置にある時、コントロール
ピン６６が前記切欠７８に係合するように構成さ
れる。

制御板６８の前縁部に縁部６８ｂと縁部６８ｃ
とで区画される切欠７８が設けられる。一方、ベ
ルクランク７５にこの中間縁部を折り曲げてなる
突片７６が形成され、前記縁部６８ｂと６８ｃの
間でベルクランク７５が回動される。

本発明はシフトレバー６４が駐車位置Ｐにある
時は、ベルクランク７５を第１図に示す位置に拘
束可能であり、シフトレバー６４が他の位置にあ
る時は、第４図に示す位置に拘束されるように構
成したものである。このため、制御板６８に軸部
７１ｂをもつてレバー７１が支持され、この端部
７１ａにローラ４５が支持される。このローラ４
５は制御板６８の上縁部６８ａに沿つて転動可能
に、レバー７１の端部７１ａと制御板６８の支持
部材４９との間に掛け渡したばね４１の力によつ
て付勢されている。

第３図に示すように、レバー７１は軸部７１ｂ
を棒材から一体的に構成されるもので、この中間
部分はＳ字形に屈曲されており、端部７１ａが軸
部７１ｂと平行をなし、ローラ４５が支持され
る。

次に、本発明装置の作動について説明する。始
動キーをエンジン停止位置から始動位置または運
転位置へ回動すると、ベルクランク７５に連結さ
れたケーブル４４の引張力が解除され、シフトレ
バー６４のプツシユロツド５９を押し下げると、
コントロールピン６６がベルクランク７５を支軸
６３を中心として回動しながら下降し、制御板６
８の駐車位置に相当する縁部Ｐから外れるので、
シフトレバー６４を所望の操作位置（レンジ）へ
操作することができる。

シフトレバー６４が駐車位置以外の位置にある
時、ベルクランク７５の突片７６が縁部６８ｂに
当り、支軸６３を中心とする時計方向の回転が阻
止されるとともに、制御板６８の上縁部６８ａに
係合するローラ４５がベルクランク７５の縁部の
上側に接近し（係合してもよい）、ベルクランク
７５の支軸６３を中心とする反時計方向の回転が
阻止される。したがつて、ケーブル４４がガタ付
いて引張られるなどしてもベルクランク７５は所
定の位置に保持される。

シフトレバー６４を駐車位置へ戻すと、シフト
レバー６４によつてローラ４５がばね４１の力に
抗して左方へ押され、レバー７１が軸部７１ｂを
中心として反時計方向へ回動される。同時に、前
述の場合と逆にコントロールピン６６がベルクラ
ンク７５の切欠７８に係合し、プツシユロツド５
９の操作力を解放すると、ばねによつてコントロ
ールピン６６が押し上げられ、縁部Ｐへ係合す
る。この時、ベルクランク７５が支軸６３を中心
として反時計方向へ回動され、ケーブル４４が弛
む。

そこで、始動キーをエンジン停止位置へ回動す
ると、ケーブル４４が弛みが除かれ、ベルクラン
ク７５が第１図に示す状態に拘束され、プツシユ
ロツド５９によりコントロールピン６６を押し下
げて縁部Ｐから外すことはできない。こうして、
始動キーをエンジン停止位置へ回動すると公知の
ハンドルロツク機構がロツクされるとともに、シ
フトレバー６４も駐車位置にロツクされる。

なお、本発明による自動変速機のロツク装置を
ハンドルロツク機構の摺動板ないしロツク部材に
ばねを備えたものと接続する場合は、始動キーの
操作によりベルクランクに引張力だけが伝達され
るプルケーブルを用いることができ、従来のアウ
タチユーブとケーブルとからなる遠隔操作ケーブ
ルを用いる場合に比べてコストが削減され、かつ
信頼性の高いハンドルと連動したシフトレバーロ
ツク装置が提供される。

［発明の効果］ 本発明は上述のように、運転停止位置で始動キ
ーと連動連結するシフトレバーの制御ピンを駐車
位置に拘束するベルクランクを基枠に軸支持し、
シフトレバーの運転位置でばね力によりベルクラ
ンクに係合されかつ駐車位置でシフトレバーによ
りベルクランクから解除されるローラを、基枠に
軸支持したレバーに備えたから、従来例のように
ベルクランクの遊動が直接ばねで規制されるもの
ではなく、ばねの力を受けるレバーの端部詳しく
はローラにより規制され、ローラの規制はシフト
レバーを駐車位置に戻すと、シフトレバーにより
解除されるので、プツシユロツドによる制御ピン
の操作力が軽減され、またシフトレバーが駐車位
置以外の位置にある時はベルクランクがレバーに
より所定位置に規制されるので、ケーブルが振動
してもベルクランクが遊動することがなくなり、
シフトレバーを駐車位置へ戻すことができなくな
るという不具合が解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自動変速機のシフトレバ
ーロツク装置の概略構成を示す側面図、第２図は
同シフトレバーロツク装置における制御板とベル
クランクとの関係を示す側面図、第３図はベルク
ランクを拘束するレバーとばねの構成を示す斜視
図、第４図は第１図に示す自動変速機のシフトレ
バーロツク装置のロツク解除状態を示す側面図で
ある。 ４１……ばね、４４……ケーブル、４５……ロ
ーラ、５９……プツシユロツド、６３……支軸、
６４……シフトレバー、６６……コントロールピ
ン、６７……開口、６８……制御板、７１……レ
バー、７５……ベルクランク、７８……切欠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 運転停止位置で始動キーと連動連結するシフ
   トレバーの制御ピンを駐車位置に拘束するベルク
   ランクを基枠に軸支持し、シフトレバーの運転位
   置でばね力によりベルクランクに係合されかつ駐
   車位置でシフトレバーによりベルクランクから解
   除されるローラを、基枠に軸支持したレバーに備
   えたことを特徴とする、自動変速機のロツク装
   置。