JPH0563526U - 光治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 観察系の視野が十分満足なものであり、しか
もコンパクトで安価な光治療装置を提供するものであ
る。 【構成】 双眼にて手術眼を観察する双眼観察光学系
と、治療用光源から出射された治療光を手術眼に導光す
る導光光学系とを有する光治療装置において、前記導光
光学系には開口部の大きさが制御可能な照射範囲規制部
材と、該照射範囲規制部材の開口を術部に投影する投影
レンズと、前記双眼観察光学系の対物レンズの光軸と導
光光学系を同軸にする光反射部材と、前記照射範囲規制
部材の光源側に配置され光反射部材の近傍に治療光を集
光する集光部材とを有することを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は術者が双眼で観察しながら治療光を術部に投射して治療する光治療装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

エキシマレ−ザ等により角膜の表面をエロ−ジョンし、その曲率を変え屈折異 常を矯正する装置が知られている。これらの装置では治療光の照射をより正確に 行うためには、治療光の導光光学系の光軸と観察光学系の対物レンズの光軸は同 軸にされることが望ましい。 従来においては、光路上にダイクロイックミラ−を配置して、治療光軸と観察 光軸とを同軸にする方法が一般に知られている。 また、対物レンズの光軸に全反射ミラ−を配置して治療光軸を反射する方法も 知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前者はダイクロイックミラ−が高価であり、装置のコストアップの要 因であるばかりでなく、観察光学系に収差補正レンズを配置しなければならない という欠点があった。 また、後者の場合には必要とする全反射ミラ−の大きさとの関係で、全反射ミ ラ−により観察視野の一部がケラれ、視野欠損を起こすという欠点があった。

【０００４】 本考案は、上記欠点に鑑み案出されたもので、観察系の視野が十分確保され、 しかもコンパクトで安価な光治療装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、以下のような特徴を有する。 （１） 双眼にて手術眼を観察する双眼観察光学系と、治療用光源から出射され た治療光を手術眼に導光する導光光学系とを有する光治療装置において、前記導 光光学系には開口部の大きさが制御可能な照射範囲規制部材と、該照射範囲規制 部材の開口を術部に投影する投影レンズと、前記双眼観察光学系の対物レンズの 光軸と導光光学系を同軸にする光反射部材と、前記照射範囲規制部材の光源側に 配置され光反射部材の近傍に治療光を集光する集光部材とを有することを特徴と している。

【０００６】 （２） （１）の集光部材は集光レンズまたは集光ミラ−であることを特徴とし ている。

【０００７】 （３） （１）の治療用光源はエキシマレ−ザ発振器であることを特徴としてい る。

【０００８】 （４） （３）のエキシマレ−ザの導光光学系中には光密度を均等化する光学系 を配置するか、または、不均一な光密度を有する方向にスキャンさせることを特 徴としている。

【０００９】 （５） （４）の光治療装置は角膜上皮をアブレ−ションし、術眼の屈折力異常 を矯正することを特徴としている。

【００１０】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本実施例のエキシマレ−ザを治療光の光源とする光治療装置の光学配置 を示す光学系配置略図であり、図２はその観察光学系の一部を上方（図１上）か ら見た図である。 １はエキシマレ−ザ発振器であり、１９３nmの治療光を出射する。２はガイド 光用光源であり、エキシマレ−ザ発振器１から出射された治療光はダイクロイッ クミラ−３によりガイド光と同軸になる。ガイド光は可視のダイオ−ドレ−ザ発 振器２の出射光を使用するが、出射光は治療光とほぼ同一の大きさの平行光束に 調整される（図示せず）。４はミラ−であり、矢印方向に平行に移動する。本出 願人は特願平２−４１６７６７号において新たなレ−ザビ−ムによるアブレ−シ ョン装置を提案したが、本実施例も同一の原理によっている。その要旨はビ−ム 断面の一方向が均一でそれと直交する方向が不均一な強度分布を持ったレ−ザビ −ムにより対象物をアブレ−ションする場合は、不均一な強度分布を持つ方向に スキャンすることによりほぼ均一なアブレ−ションが可能になるというものであ る。なお、特開昭６３−１５００６９号のように特殊な透過率分布を持ったフィ ルタで均一化する方法やレ−ザを折り曲げて均一化する方法を使用するときは、 これらの光学系を点線部等に配置すると共に、光束を拡大して使用する。 ５はマスク６の光源側に近接して配置された集光レンズである。集光レンズ５ は治療光の光束を後述する反射ミラ−８のやや被術眼側のＡに集光させる。集光 位置は反射ミラ−８の強度を考慮してＡの位置にされているが、ミラ−の強度が 許せば反射位置に集光することが望ましい。この集光レンズ５のパワ−は投影レ ンズ７との関係において決定される。 ６は照射領域を限定するためのマスクであり、マスクは周知の機構により開口 面積を変化させ、照射領域を変えることができる。７はマスク５の像を術眼の角 膜９に投影する投影レンズである。 ８は反射ミラ−であり、対物レンズ１０の光軸に斜設されている。反射ミラ− ８は８mm角のものであり、観察系の光路を妨げない。反射ミラ−８は対物レンズ １０側に近づけて配置することにより大きくすることができる。 １０〜１３は観察光学系を構成し、１１はズ−ム光学部、１２はプリズム、１ ３は接眼レンズである。１１〜１３は左右眼それぞれ一対のものである。

【００１１】 上記のような構成において、術者は接眼レンズを介して術眼を観察し、術眼を Ｘ−Ｙ−Ｚ方向に移動して位置合わせする。アブレ−ションの部位及びその深さ は屈折異常の程度や角膜の形状等に基づいてあらかじめ計算され、装置のマイク ロコンピュ−タに入力され、マイクロコンピュ−タはそれにしたがってエキシマ シマレ−ザ発振器１、ミラ−４やマスク６等の動作を制御する。エキシマレ−ザ 発振器１から出射した治療光はミラ−４で反射した後、集光レンズ５によって集 光され、マスク６、投影レンズ７を通過して反射ミラ−８で反射され、術眼側Ａ に集光する。投影レンズ７はマスク６の像を被検眼角膜９上に結像して角膜上皮 をアブレ−ションする。治療光がマスク６の開口上を均等に通過するように、ミ ラ−４を１ショット毎に矢印方向に順次移動する。

【００１２】 上記の実施例においては治療光がエキシマレ−ザ光の場合に限定して説明した が、本考案はそれに限定されるものではなく、他の治療光に関しても応用できる ものであり、それらも本発明に含まれることは明らかである。

【００１３】

【考案の効果】

本発明によれば、観察系の視野の欠損が無く、しかもコンパクトで安価な光治 療装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の光治療装置の概略構成を示す光学系
配置略図である。

【図２】図１の光学系を上から見た配置略図である。

【符号の説明】

１ エキシマレ−ザ発振器 ２ ガイド光用光源 ３ ダイクロイックミラ− ４ ミラ− ５ 集光レンズ ６ マスク ７ 投影レンズ ８ 反射ミラ− ９ 被検眼角膜 １０ 対物レンズ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 双眼にて手術眼を観察する双眼観察光学
   系と、治療用光源から出射された治療光を手術眼に導光
   する導光光学系とを有する光治療装置において、前記導
   光光学系には開口部の大きさが制御可能な照射範囲規制
   部材と、該照射範囲規制部材の開口を術部に投影する投
   影レンズと、前記双眼観察光学系の対物レンズの光軸と
   導光光学系を同軸にする光反射部材と、前記照射範囲規
   制部材の光源側に配置され光反射部材の近傍に治療光を
   集光する集光部材とを有することを特徴とする光治療装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１の集光部材は集光レンズまたは
   集光ミラ−であることを特徴とする光治療装置。
3. 【請求項３】 請求項１の治療用光源はエキシマレ−ザ
   発振器であることを特徴とする光治療装置。
4. 【請求項４】 請求項３のエキシマレ−ザの導光光学系
   中には光密度を均等化する光学系を配置するか、また
   は、不均一な光密度を有する方向にスキャンさせること
   を特徴とする光治療装置。
5. 【請求項５】 請求項４の光治療装置は角膜上皮をアブ
   レ−ションし、術眼の屈折力異常を矯正することを特徴
   とする光治療装置。