JPH056339Y2

JPH056339Y2 -

Info

Publication number: JPH056339Y2
Application number: JP1986184713U
Authority: JP
Priority date: 1986-11-29
Filing date: 1986-11-29
Publication date: 1993-02-18
Anticipated expiration: 2001-11-29
Also published as: JPS6389021U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、建物の屋根構造、特に野地板と屋根
材との間に防水シート材からなる防水層が形成さ
れてなる屋根構造に関する。

（従来の技術）一般に、野地板とこの野地板の上に葺かれた屋
根材との間に、防水性・防湿性等を有する防水層
を形成するには、野地板の上に防水シート材を敷
設するとともに、これら野地板と防水シート材と
を全面接着させることによつて行われていた。

また、特開昭57−119051号公報（以下、従来例
１という。）には床スラブ上の防水層について記
載されている。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、上記のように、防水シート材
は、全面接着によつて野地板に敷設されているた
め、両者の接着に大量の接着剤が用いられるとと
もに、接着作業に手間がかかるという問題があつ
た。また、全面接着された野地板と防水シート材
とは、熱膨脹率が異なるため、太陽熱等の影響で
この熱膨脹の差異に起因する防水シート材の破損
等が経年とともに生じるという問題があつた。

また、上記従来例１は、コンクリート床スラブ
上の防水層に関するもので、野地板上に屋根材を
葺く屋根構造を示したものではなかつた。

（問題点を解決するための手段）本考案の屋根構造は、野地板の上面の周縁部と
この周縁部を一定の間隔で区切るところに帯板が
固定され、これら帯板の上に接着剤が塗布され、
このように接着剤が塗布された帯板の上で接合貼
着された防水シート材が野地板上に敷設されて防
水層が形成され、このようになされた防水層の上
に屋根材が葺かれているが、屋根材はこの帯板を
利用して固定されたものである。

（作用）野地板の上面の周縁部とこの周縁部を一定間隔
で区切るところに固定された帯板上に接着剤を塗
布し、このように接着材を塗布した帯板の上で接
合された防水シート材を貼着することで、防水シ
ート材の周縁部だけが帯板に接着されて、野地板
の上に帯板を介して防水シート材が敷設されてな
る防水層を形成し、この防水層上に屋根材が葺か
れているが、屋根材は帯板を利用して葺かれたも
のである。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図および第２図は本考案に係る屋根構造を
示している。

同図において、１はベニヤ板等からなる野地板
であつて、この野地板１の上には、その所定位置
に帯板２が固定されている。この帯板２は、野地
板１の上面の周縁部に配置される帯板２ａ…と、
この野地板１を等分するように縦方向に平行かつ
等間隔に配置される複数枚の帯板２ｂ…によつて
形成されており、これらはいずれも釘等の固定部
材６によつて野地板１に固定配置されている。５
は防水シート材であつて、この防水シート材５は
上記のように野地板１を等分するように設置され
た帯板２ａ，２ｂの上で接続することができる大
きさにそれぞれ形成されたものである。

よつて、帯板２の上に接着剤３を塗布し、この
帯板２上で接合するように防水シート材５を順次
貼り付けた後、ローラ等で防水シート材５を帯板
２に沿つて圧着するだけで、防水シート材５が野
地板１上に強固に敷設される。このように、防水
シート材５の周縁部と帯板２だけが接着されて、
野地板１の上に帯板２を介して防水シート材５が
敷設されてなる防水層が形成される。

さらに、上記のようになされた防水層の上には
折版１０等の屋根材が、帯板２を利用して、この
帯板２の上に固定せられている。屋根材としては
折版１０の他に普通の瓦、瓦棒等を用いてもよ
く、特に限定するものではない。なお、第２図中
の符号１１は折版１０と折版１０とを固定するク
ギ、１２はクギの頭部をシールするシール部材で
ある。屋根材の固定が帯板２の上でなされている
ため、接着剤３の働きにより防水効果がより高ま
るのである。

次に、帯板２、防水シート材５、および接着剤
３として使用される材質の一例を述べると、薄板
２としては、例えば亜鉛鉄板の周面を塩化ビニル
系樹脂でラミネートしたものを使用し、防水シー
ト材５としては塩化ビニル系樹脂をシート状に成
形したもの、および接着剤３としては、塩化ビニ
ル系樹脂をテトラヒドロフランを主成分とする溶
剤に溶かしたものが使用されている。このよう
に、帯板２、防水シート材５、および接着剤３を
同じ材質（本例では塩化ビニル系樹脂）で構成す
ることにより、接合時の接着性を高めることがで
きる。

なお、野地板１への帯板２の配置は本例に限る
ものではない。また、野地板１を等分するように
配置された帯板２ｂ…間の間隔は、防水シート材
５の貼着強度等を考慮して適宜決定すればよい。
さらに、防水シート材５の大きさも本例に限ら
ず、例えば２枚の帯板２ｂ，２ｂの間隔に相当す
る大きさに形成した防水シート材５を用いてもよ
く、また、野地板１の大きさに相当する一枚の防
水シート材５を用いてもよい。

（考案の効果）以上述べたように、本考案によれば、帯板のみ
に接着剤を塗布し、ローラを用いて防水シート材
を帯板に沿つて接合圧着するだけで防水シート材
が野地板に敷設されて防水層が形成されるため、
この防水層の施工を容易かつ迅速に行うことがで
きる。また、防水シート材は帯板のみに接着され
た部分的な接着によつて野地板に敷設されている
ため、この防水シート材の貼り替えが容易にでき
るとともに、防水効果が高く太陽熱等による熱膨
脹にも柔軟に対応できる。

屋根材の固定も帯板を利用してなされているか
ら、接着剤の働きにより、防水効果がより高い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図は本考案に係る屋根構造を示
し、第１図は屋根構造を示す一部切欠いた分解斜
視図、第２図は屋根構造の断面図である。１……野地板、２……帯板、３……接着剤、５
……防水シート材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

野地板の上面の周縁部とこの周縁部を一定の間
隔で区切るところに帯板が固定され、これら帯板
の上に接着剤が塗布され、このように接着剤が塗
布された帯板の上で接合貼着された防水シート材
が野地板上に敷設されて防水層が形成され、この
ようになされた防水層の上に屋根材が葺かれてい
るが、屋根材はこの帯板を利用して固定されたこ
とを特徴とする屋根構造。