JPH0559685U - 磁気ディスク装置の調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は磁気ヘッドの位置調整に用いられる
調整機構に関し、スピンドルモータの位置を組立時に移
動調整してアジマス、トラックアラインメント、インデ
ックスを調整し得る調整機構を提供することを目的とす
る。 【構成】 テーブル３０の上面３０ａに対して垂直移動
する位置決めヘッド４０を設ける。位置決めヘッド４０
の下部に位置決めピン４３を有した底板４２を設ける。
底板４２が水平移動及び回動可能な移動機構を位置決め
ヘッド４０に設ける。モータ組立体２１を磁気ディスク
装置本体２０に組立る際に、位置決めヘッド４０により
モータ組立体２１を移動させる調整機構を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気ディスク装置の調整機構に係り、特に磁気ヘッドに対する磁気デ ィスク装着位置の微調整に用いて好適な磁気ディスク装置の調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は本考案に係る３．５インチディスク用の磁気ディスク装置１（以下装置 １と呼ぶ）の全体図である。装置１内には磁気ヘッド２、それを支持し移動させ るヘッドキャリッジ３、磁気ディスクをチャッキングして回転させるスピンドル モータ４等が組み込まれている。

【０００３】 一般的に３．５インチディスク用の磁気ディスク装置においては、磁気ヘッド と磁気ディスク上のトラックとの位置関係は精度を必要とするためそれらの位置 関係を組立時に調整する機構を必要とする。

【０００４】 図４は磁気ヘッド２と磁気ディスクのトラックとの位置関係を示す。

【０００５】 この位置の調整には、トラックに対するヘッドギャップの角度調整であるアジ マス調整（図４中θ方向の調整）、トラックに対するヘッドの位置調整であるト ラックアラインメント調整（図４中Ｙ方向の調整）及びインデックスパルス位置 とヘッドの位置調整であるインデックス調整（図４中Ｘ方向の調整）の３種類が ある。

【０００６】 まず従来のアジマス調整について図５とともに説明する。同図に示すアジマス 調整機構は、テーパスクリュウ９を適宜ねじ込むことにより、ガイドロッド８の 移動端８ａを反対側の固定端８ｂに関して矢印Ａ方向に変位させ、ヘッドキャリ ッジ２を、例えば二点鎖線で示すようにして、スピンドル中心線４に対して傾斜 させて、磁気ヘッド３のアジマスを調整する構成である。

【０００７】 トラックアラインメント調整は、ステッピングモータ１１のリードスクリュウ １０の回転方向に対する取付角度を調整することにより行なわれる。すなわち、 ステッピングモータ１１の軸に一体に形成されたリードスクリュウ１０の回転に より磁気ヘッド２は移動するわけであるが、このリードスクリュウ１０が停止す る位置をステッピングモータの取付角度により調整し、磁気ヘッド２の位置を調 整する構成である。

【０００８】 インデックスの調整に関しては、従来は磁気ヘッド２の位置の調整ではなく、 スピンドルモータ内に設けられたインデックスパルスの発生機構を調整すること によりインデックスパルスの発生タイミングをずらして、ヘッドの位置とインデ ックスパルスが発生する位置とを調整していた。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述の従来のアジマス調整機構においては、小型の磁気ディスク装 置の場合は、テーパスクリュウ９を取付るスペースが制約される。そしてガイド ロッド８が細いため調整時のガイドロッドの変位量が大きい時、あるいは経時変 化により曲がってしまうという問題があった。またヘッドキャリッジ２の移動機 構を構成する部品の寸法公差が最悪に作用した場合には図６に示すハネ部１２と 、トラック００検出部のフォトインタラプタ１３とが接触する危険があった。

【００１０】 加えて、トラックアラインメント調整、インデックス調整を別々に行なわなく てはならず大変手間のかかる調整を強いられていた。

【００１１】 そこで本考案は上記課題に鑑みなされたもので、組立時に磁気ヘッドと磁気デ ィスクを装着するスピンドルモータの位置を調整し得る磁気ディスク装置の調整 機構を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、磁気ヘッドの組込まれた磁気ディスク装置本体を固定するテーブル と、 磁気ディスク装置本体に組込まれるスピンドルモータを有したモータ組立体の 位置決め孔に嵌合する複数の位置決めピンを底面に有した位置決めヘッドと、 位置決めヘッドをテーブルに対して垂直に移動させる第１の移動機構と、 位置決めヘッドに設けられており、位置決めヘッドの底面をテーブルの上面に 平行に移動及び回動させる第２の移動機構とよりなり、 前記モータ組立体を前記磁気ディスク装置本体に組立る際に、前記磁気ディス ク装置本体が前記テーブルに固定され、前記モータ組立体は前記位置決め孔が前 記位置決めヘッドの位置決めピンに挿入されるとともに前記磁気ディスク本体上 に載置され、前記位置決めヘッドの第２の移動機構を操作することにより前記モ ータ組立体を移動及び回動させ、前記スピンドルモータに装着される磁気ディス クに対する前記磁気ヘッドの位置を調整する構成とする。

【００１３】

【作用】

本考案によれば、磁気ヘッドが組込まれた磁気ディスク装置本体をテーブル上 に固定し、モータ組立体を位置決めヘッドにより移動させる構成により、組立時 にモータ組立体のスピンドルモータは磁気ディスク装置本体内の磁気ヘッドに対 して所定の位置に移動され、位置決めされる。

【００１４】 したがって、このスピンドルモータに固定される磁気ディスクは装置の磁気ヘ ッドに対して適正な位置に装着される。

【００１５】

【実施例】

図１に本考案の一実施例を示す。

【００１６】 組立調整治具３２は、磁気ディスク装置本体２０を載置し、固定するテーブル ３０と、位置決めヘッド４０とテーブル３０の上面３０ａに対して位置決めヘッ ド４０を垂直に移動させるためのガイド支柱３１とにより構成されている。

【００１７】 位置決めヘッド４０の取付ベース４１は、その両側部４１ａがガイド支柱３１ に設けられた溝部３１ａに嵌合しており、垂直移動機構（図示せず）によってテ ーブル３０の上面３０ａに対して垂直移動自在となっている。

【００１８】 位置決めヘッド４０の下部には、底板４２がテーブル３０の上面３０ａに対し て平行に設けられており、底板４２には上面３０ａに向って２本の位置決めピン ４３が取付けられている。この位置決めピン４３はモータ組立体２１の位置決め 孔２２に嵌合する寸法及び位置となっている。

【００１９】 そして底板４２は、テーブル３０の上面３０ａに対して平行なＸ及びＹ方向に 移動し、且つθ方向に回動する移動機構を有している（詳細は後述する）。この 移動及び回動は微調整のためのものであり、僅かな距離でよい。

【００２０】 ここで図２とともに位置決めヘッド４０に設けられた底板４２を移動させる移 動機構について説明する。

【００２１】 図２は組立調整治具３２の分解斜視図である。ガイド支柱に沿って垂直移動す る取付ベース４１には、スライド板取付台５５が固定され、その底部に設けられ た溝に嵌合して滑動可能にスライド板５２がガイド板取付台５５の下側に取付け られている。スライド板５２にはスピンドル５３が取付けられ、スピンドル５３ の先端の押圧ロッド５３ａは、スライド板取付台５５に設けられたピン５６に当 接している。スピンドル５３は、そのツマミ５３ｂを回転させることによりネジ の作用で押圧ロッド５３ｂが軸方向に前後移動する、いわゆるマイクロメータの スピンドルと同様な構造となっている。したがって、押圧ロッド５３ｂの移動に よりピン５６が押圧され、スライド板５２はスライド板取付台５５に対して移動 する。

【００２２】 また、スライド板取付台５５の溝の中にはバネ５７が配置され、スライド板５ ２のピン５４に係止される構造となっており、このバネ５７によってスライド板 ５２のスピンドル５３は常時ピン５６に当接するよう付勢されている。

【００２３】 そして、スライド板５２には、スライド板取付台５１が固定され、スライド板 ４８スピンドル４９、ピン５０が上述の移動機構と同様な構成で取付けられてい る。

【００２４】 この２つのスライド板５２と４８は互いに直角に移動する配置となっており、 スライド板５２は図中Ｘ方向に、スライド板４８はＹ方向に移動する。

【００２５】 スライド板４８にはさらに回動板取付台４７が固定され、回動板４４が図中θ 方向に回動可能に支持されている。そして回動取付台４７に設けられたピン４６ と、回動板４４に設けられたスピンドル４５とにより、回動板４４を回動板取付 台４７に対して回動させることができる。

【００２６】 そして回動板４４には２個の位置決めピン４３が設けられた底板４２が固定さ れている。

【００２７】 以上のように組立調整治具３２は構成されており、底板４２はスピンドル５３ ，４９，４５を操作することによってＸ，Ｙ方向に移動可能であり、且つθ方向 に回動可能となっている。

【００２８】 次に、上述の組立調整治具３２を使用して、モータ組立体２１を磁気ディスク 装置本体２０へ組立る作業について図１とともに説明する。

【００２９】 磁気ディスク装置本体２０は、モータ組立体２１を除いて、ディスクの作動に 必要な構成部品は全て組込まれた状態となっており、そのモータ組立体２１の組 込まれる側（装置としては裏側となる）を上にして、テーブル３０の上面３０ａ に載置されピン３３により上面３３ａ上を動かないように固定される。

【００３０】 そして磁気ディスクを固定して回転させるスピンドルモータ４が組込まれたモ ータ組立体２１は、その位置決め孔２２が位置決めヘッド４０の位置決めピン４ ３に挿入され、位置決めヘッド４０が下降し、モータ組立体２１は磁気ディスク 装置本体２１の組込み位置に載置される。

【００３１】 その後、磁気ディスク装置本体を作動させた時に信号を受けて表示する表示装 置（図示せず）が磁気ディスク装置本体２０に接続され、また調整用の磁気ディ スクが磁気ディスク装置本体２０に装着される。この時、モータ組立体２１は、 位置決めヘッド４０により適度に押圧されており、モータ組立体２１と磁気ディ スク装置本体２０とは互いの位置がずれることは無い。

【００３２】 そして、磁気ディスク装置２０を作動させ、表示装置に表示される信号を確認 しながら、位置決めヘッド４０の移動機構を適宜操作し、底面４２と位置決めピ ン４３の位置を動かすことによってモータ組立体２１の位置を最適な位置に移動 させる。

【００３３】 このようにして、磁気ディスク装置本体２０の磁気ヘッド２が装着れた調整用 ディスクに対して所定の位置となるように、モータ組立体２１の位置を調整する ことにより、スピンドルモータ４と磁気ヘッド２とは適正な位置となり、アジマ ス、トラックアラインメント、インデックスの調整を同時に行なうことができる 。

【００３４】 そして表示装置により適正な位置にモータ組立体２１が移動したことを確認し た後に、モータ組立体は、ビス２３によって磁気ディスク装置本体２０に固定さ れる。

【００３５】 以上のように本実施例では、アジマス調整用に特別な部品を設けずに、モータ 組立体を組立る際に位置を調整することによって、適正にアジマスが調整される 。このため、部品点数及び取付用の加工が削減され、製造コストが低減される。 また、アジマス調整と同時に、トラックアラインメント、インデックスの調整 も行なえるため、別工程で行っていた調整を一つの工程で行うことができ、製造 工程が簡略化される。

【００３６】

【考案の効果】

上述の如く、本考案によれば、モータ組立体を磁気ディスク装置本体に組立る 際に、その位置を移動調整することによって、磁気ヘッドのアジマスの調整を行 うことができる。よって、従来のようにアジマス調整用のテーパスクリュウ等の 部品及びその取付加工を必要とせず、テーパスクリュウを使用した調整機構に起 因した問題を無くし、且つ本考案よりなる調整機構を用いた磁気ディスク装置の 製造原価を低減することができる。

【００３７】 加えて、アジマス調整と同時にトラックアラインメント及びインデックスの調 整も行えるため、製造工程が簡略化され、原価の低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】図１の組立調整治具の分解斜視図である。

【図３】３．５インチディスク用磁気ディスク装置の全
体図である。

【図４】磁気ヘッドとトラックの位置関係を説明する図
である。

【図５】ヘッドキャリッジの移動機構の平面図である。

【図６】バネ部とフォトインタラプタを説明する図であ
る。

【符号の説明】

１ 磁気ディスク装置 ２ ヘッドキャリッジ ３ 磁気ヘッド ４ スピンドルモータ ６ トラック ７ スピンドル中心線 ８ ガイドロッド ９ テーパスクリュウ １０ リードスクリュウ １１ ステッピングモータ １２ ハネ部 １３ フォトインタラプタ ２０ 磁気ディスク装置本体 ２１ モータ組立体 ２２ 位置決め孔 ２３ ビス ３０ テーブル ３１ ガイド支柱 ３１ａ 溝部 ３２ 組立調整治具 ４０ 位置決めヘッド ４１ 取付ベース ４２ 底板 ４３ 位置決めピン ５２ スライド板 ５３ スピンドル ５３ａ 押圧ロッド ５３ｂ ツマミ ５４ ピン ５５ スライド板取付台 ５６ ピン ５７ バネ

フロントページの続き (72)考案者 沼田 隆 東京都武蔵野市中町３丁目７番３号 ティ アック株式会社内 (72)考案者 長瀬 文雄 東京都武蔵野市中町３丁目７番３号 ティ アック株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドの組込まれた磁気ディスク装
   置本体を固定するテーブルと、 該磁気ディスク装置本体に組込まれるスピンドルモータ
   を有したモータ組立体の位置決め孔に嵌合する複数の位
   置決めピンを底面に有した位置決めヘッドと、 該位置決めヘッドを該テーブルに対して垂直に移動させ
   る第１の移動機構と、 該位置決めヘッドに設けられており、該位置決めヘッド
   の底面を該テーブルの上面に平行に移動及び回動させる
   第２の移動機構とよりなり、 前記モータ組立体を前記磁気ディスク装置本体に組立る
   際に、前記磁気ディスク装置本体が前記テーブルに固定
   され、前記モータ組立体は前記位置決め孔が前記位置決
   めヘッドの位置決めピンに挿入されるとともに前記磁気
   ディスク本体上に載置され、前記位置決めヘッドの第２
   の移動機構を操作することにより前記モータ組立体を移
   動及び回動させ、前記スピンドルモータに装着される磁
   気ディスクに対する前記磁気ヘッドの位置を調整する構
   成とした磁気ディスク装置の調整機構。