JPH0556667A - 圧電アクチユエータの駆動方法およびその装置 - Google Patents

圧電アクチユエータの駆動方法およびその装置

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JPH0556667A
JPH0556667A JP3211209A JP21120991A JPH0556667A JP H0556667 A JPH0556667 A JP H0556667A JP 3211209 A JP3211209 A JP 3211209A JP 21120991 A JP21120991 A JP 21120991A JP H0556667 A JPH0556667 A JP H0556667A
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JP
Japan
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piezoelectric
piezoelectric actuator
signal
voltage
displacement
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JP3211209A
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Inventor
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
Hideki Kawakatsu
英樹 川勝
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オープンループ制御による直線性のよい変位
を得ることができ、ヒステリシスの影響を受けず、駆動
回路を小型化、高効率化することができ、DAコンバー
タを不要とする圧電アクチュエータの駆動方法およびそ
の装置を提供する。 【構成】 入力制御信号をAD変換器10によりデジタ
ル信号に変換し、そのデジタル信号により、デジタル圧
電素子の圧電層2を駆動するものである。デジタル圧電
素子は、デジタル信号により駆動されるため、ヒステリ
シスに伴う変位誤差がない。圧電素子は、符号化された
デジタル信号により駆動されるように、グループ化され
て構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精度の位置決め、ア
ラインメント出しを要する走査型トンネル顕微鏡、加工
制御等の駆動装置に使用され、ピコメータオーダからミ
クロンオーダの変位を与えることができる圧電アクチュ
エータの駆動方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電アクチュエータは、圧電素子の両端
に電圧を加えると、圧電素子が圧電方向に印加電圧の大
きさに応じて伸長する圧電効果を利用したものである。
比較的低電圧でピコメータオーダからミクロンオーダの
変位を与えることができ、装置として小型軽量であり、
応答速度が速い、発熱しない、消費電力が少ない、他へ
の磁気的影響がない等の利点を有しているため、半導体
製造装置におけるマスクの位置合わせ、レーザビームの
偏向装置、走査型トンネル顕微鏡、加工制御等の高精度
の位置決め、アラインメント出しに用いる駆動装置に使
用されている。
【0003】圧電アクチュエータには、電界誘起歪みの
縦および横効果を利用する単純型素子と、強誘電体自身
の誘起歪みと他の弾性材料とを組み合わせて変位量を空
間的、時間的に拡大する複合型素子がある。単純型素子
には、単板素子と積層素子がある。図18は従来の積層
圧電アクチュエータの構造を示す図であり、積層圧電ア
クチュエータ100は、圧電セラミック102と内部電
極104を交互に重ね合わせて構成される。この積層圧
電アクチュエータ100にドライバ106を介して入力
電圧を印加すると、積層圧電アクチュエータ100は矢
印A、Aの方向に伸長する。
【0004】図19は図18に示す積層圧電アクチュエ
ータに加える電圧Vと積層圧電アクチュエータの変位量
との関係を示したものである。図に示すように、電圧V
を高めていくと変位量は曲線Bに沿って増加し点Pに至
る。点Pより逆に電圧Vを減少させていくと、変位量は
曲線Bとは異なる曲線Cに沿って減少する。図20は従
来の積層圧電アクチュエータのコンピュータによる制御
方法を示す図である。コンピュータ108の制御信号
は、デジタル信号であるためDAコンバータ110によ
りアナログ信号に変換され、電圧出力リニアアンプ11
2に入力される。電圧出力リニアアンプ112におい
て、電源の電圧をデジタル信号に応じた電圧値に変換
し、積層圧電アクチュエータ100に入力する。したが
って、積層圧電アクチュエータ100は、アナログ電圧
信号により駆動されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層圧電アクチ
ュエータは、上記のようにアナログ信号により駆動され
るので、(1)微小な変位の制御が必要な場合には、可
変電圧源の電圧の微妙な設定が必要であり、設定精度の
高い可変電圧源が要求される。(2)単素子型と比較し
て、大きな駆動電流を必要とし駆動アンプへの負荷が大
きい。
【0006】また、上記のようなヒステリシスを有して
駆動されるので、(3)コンピュータでの制御にはDA
コンバータによりアナログ変換した出力が必要である。
(4)変位の履歴に応じて同じ電圧であっても変位量が
異なり、電圧を増減させると、同じ印加電圧に対して電
圧増加時と電圧減少時で変位量が異なるという問題があ
った。
【0007】この積層圧電アクチュエータのヒステリシ
スにより生じる問題点を解決するために、従来、各種の
手段がとられていた。従来の積層圧電アクチュエータの
ヒステリシスにより生じる問題点を解決するための手段
としては、(i)オープンループ制御として、(a)T.
Ota,T.Uchikawa and T.Mizutani:Jpn.J.Appl.Phys.24,S
uppl.3,193 (1985).に示されるように、油圧サーボ弁に
おいて、バイモルフ・フラッパを矩形波でステップ的に
位置制御させて、パルス幅変調度に比例した位置に平均
的にフラッパがあるようなノズル背圧特性を得るように
制御するパルス幅変調方式や、(b)C.V.Newcom and
I.Flinn:Electron Lett 18,442(1982) に示されるよう
に、圧電体の変位量とその圧電体への投入電荷量との間
にはヒステリシスが殆ど無いことを利用して電圧制御に
代えて電流制御を行う分極値制御法や、(c)H.Kaizuk
a and B.Siu, Jpn. Appl.Phys. 27,L773 (1988)、およ
び特開平1−202178号公報に示されるように、圧
電アクチュエータにコンデンサを直列に挿入する方法が
知られている。また、(ii)クローズドループ制御があ
り、これは電圧によって誘起される歪み自身あるいは歪
みによって変化する状態量を検知して、その値と設定値
とを比較し、その偏差に比例した電圧をフィードバック
してアクチュエータに印加するものである。
【0008】上記の制御方法においては、幾つかの問題
点を有している。上記(a)のパルス幅変調方式におい
ては、バイモルフ・フラッパが搬送波により常にステッ
プ変位する問題があり、また、大きなヒステリシスを伴
った駆動であるため、素子が発熱する問題がある。上記
(b)の分極値制御法においては、準静的駆動時には、
投入電荷のアクチュエータ内部を通しての漏電によっ
て、安定した制御ができないという問題がある。
【0009】上記(c)のコンデンサを直列に挿入する
方法においては、コンデンサを圧電アクチュエータに挿
入することによる圧電アクチュエータ回路の感度の低下
と、ヒステリシスの低減との関係が不明である。また、
クローズドループ制御においては、制御回路が複雑で高
価となる欠点がある。
【0010】本発明の目的は、上記の積層圧電アクチュ
エータのヒステリシスにより生じる問題点を除去し、オ
ープンループ制御による直線性のよい変位を得ることが
でき、ヒステリシスの影響を受けず、駆動回路を小型
化、高効率化することができ、DAコンバータを不要と
する圧電アクチュエータの駆動方法およびその装置を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、圧電アクチュエータの駆動方法におい
て、入力制御信号をAD変換器によりデジタル信号に変
換し、そのデジタル信号により、圧電素子を駆動するも
のである。圧電素子は、デジタル信号により駆動される
ため、ヒステリシスに伴う変位誤差を有していない。圧
電素子は、符号化されたデジタル信号により駆動される
ように、グループ化されて構成されている。更に、最小
変位量単位の微小な変位を行う手段が設けられる。
【0012】
【作用】本発明によれば、入力制御信号はAD変換器に
より重みを有したデジタル信号に変換され符号化され
る。そのデジタル信号は、グループ化された圧電素子に
入力される。圧電素子は、デジタル信号に応じてa,2
a,4a,...2n-1 aの変位が行なわれる。グルー
プ化された圧電素子の選択を行うことにより、アクチュ
エータの総変位量をa,2a,3a,...(2n
1)aとすることができる。
【0013】また、グループ化された圧電素子のうち、
最小変位の単位を構成する圧電素子は、アナログ信号あ
るいはさらに細かく量子化されたデジタル信号により、
微小変位が行えるように他の圧電素子とは別個に駆動さ
れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。まず、本発明の第1の実施例を図1を
用いて説明する。図1は、この発明のデジタル圧電アク
チュエータのデジタル駆動の制御方法の概略を示したも
のである。圧電アクチュエータのデジタル圧電素子1
は、コンピュータ8からの制御信号により駆動される。
コンピュータ8からの制御信号は、スイッチ12を制御
して圧電素子1に印加する電圧値を定める。圧電素子1
に印加される電圧値は、デジタル値であり、コンピュー
タ8からの制御信号がAD変換されることなく、そのま
まデジタル信号の形で利用される。印加される電圧は、
電源14から供給される。
【0015】図2は本発明のデジタル圧電アクチュエー
タの圧電素子の構造の概念図である。デジタル圧電アク
チュエータの圧電素子の構造は、一見、図18に示した
従来の積層型アクチュエータの構造に似ているが、電界
が印加される各圧電層2は、1層,2層,4層,・・・
n-1 層と、2のべき乗ごとにグルーピングされて配線
される。圧電層2の左端の符号21 で示される圧電層
は、1個の圧電層からなり、ドライバ61 および共通端
子と接続されている。
【0016】次に、圧電層2の左から2番、3番目の符
号22 で示される圧電層は、2個の圧電層を併設してな
り、ドライバ62 および共通端子と接続されている。さ
らに、圧電層2の左から4番〜7番目で符号23 で示さ
れる圧電層は、4個の圧電層を併設してなり、ドライバ
3および共通端子と接続されている。ドライバ61
ドライバ62 、ドライバ63 は、入力信号をAD変換し
て符号化した信号により駆動されるものであり、ドライ
バ61 は、2進数の20 に対応するLSBの信号を出力
し、ドライバ62 は、2進数の21 に対応するの信号を
出力し、ドライバ63 は、2進数の22 に対応するMS
Bの信号を出力する。
【0017】図2においては、2進数の22 に対応する
ものまでしか示されていないが、さらに数を増やすこと
ができるのはいうまでもない。ドライバ6より出力され
る駆動信号は、図19で示される点Oと点Pに対応する
ものであり、駆動電圧としては電圧0とV、その電圧に
より伸長する圧電層の変位としては0とaで与えられ
る。
【0018】図より理解されるように、この駆動の方法
では圧電アクチュエータのヒステリシスの部分を避け
て、駆動電圧の電圧値と変位量との関係は一対一の部分
を使用しているので、ヒステリシスの影響を除くことが
できる。また、駆動電圧の電圧値と変位量との関係が、
図3のように電圧を0に戻したときに変位が0に戻らず
にある変位量dを有する点Qとなる場合においても、駆
動電圧0,Vに対して、その電圧により伸長する圧電層
の変位をdとaが与えられるとして、圧電層の変位量を
a−dと考えることができる。
【0019】再び、図2において、ドライバ6より出力
されるデジタル化された駆動電圧により、ある一定の電
圧を印加したときの1層分の伸びを一定値aとすると、
どのグループに電圧を印加するかを選択することによっ
て、アクチュエータの総変位量を、a,2a,3a,・
・・,(2n −1)aとすることが可能である。次に、
本発明の第2の実施例を図4を用いて説明する。
【0020】図4において、2個の圧電層2と、ドライ
バ6からの1本の駆動用配線41 と、2本の共通接地線
2 とにより1単位を構成し、その単位を複数個併設し
て圧電アクチュエータを構成する。ドライバ6から駆動
用配線41 を介して電圧を印加すると、構成単位中の2
個の圧電層2が伸長する。第1の実施例と同様に、ある
一定の電圧を印加したときの1層分の伸びを一定値aと
すると、2aの変位量となる。アクチュエータの総変位
量は、活性化された構成単位の個数nに依存し、変位量
2aの和により得られる。
【0021】入力信号は、AD変換回路10によりデジ
タル信号に変換され、選択回路9に入力される。選択回
路9は、どのドライバ6を駆動するかを選択するもの
で、選択されたドライバ6により圧電層2を駆動する。
どのドライバ6を駆動するかの組み合わせは、選択回路
9内のメモリに記憶されている。次に、本発明の第3の
実施例を図5を用いて説明する。
【0022】第3の実施例は、図2に示した第1の実施
例のうち最小変位量を変位させるためのドライバ61
より駆動される圧電層21 を、アナログ信号によりさら
に微小に駆動するものである。このため、入力信号の一
部は、第1の実施例と同様にAD変換回路によりデジタ
ル信号に変換されてドライバ62 、ドライバ63 に送ら
れ、それぞれ2進数の21 に対応する信号、および2進
数の22 に対応するMSBの信号を圧電層22 、圧電層
3 に供給する。
【0023】一方、入力信号の一部は、波高弁別器7に
入力され、図19の電圧0〜Vに対応する電圧のアナロ
グ信号を弁別する。この信号は、最小変位量を形成する
圧電層21 をアナログ量により駆動するものである。第
1の実施例においては、この最小変位量は、変位量0か
変位量aのデジタル値である。この変位量の関係を図6
において説明する。ドライバ62 、ドライバ63 からの
信号はデジタル信号であり、図の横軸で62 、63 で表
されるデジタル信号に対して変位量は、それぞれ2a、
4aとなる。この場合は、ヒステリシスの影響はない。
一方、ドライバ61 からの信号はアナログ信号であり、
図に示すようにヒステリシスを有している。しかしなが
ら、この部分でのヒステリシスによる変位量の誤差量
は、変位量そのものが他のドライバ62 、ドライバ63
による変位量と比較して小さいく、ヒステリシス量自体
も小さいので、小量であり、アクチュエータの使用目的
によって十分小さなものとすることができる。
【0024】次に、本発明の第4の実施例を図7を用い
て説明する。第4の実施例は、第3の実施例において、
最小変位量を変位させるためのドライバ61 により駆動
される圧電層21 を、アナログ信号ではなくデジタル信
号により、微小に駆動するものである。入力信号は、一
方は第1、3の実施例と同様にAD変換回路101 によ
りデジタル信号に変換されてドライバ62 、ドライバ6
3 に送られ、それぞれ2進数の21 に対応する信号、お
よび2進数の22 に対応するMSBの信号を圧電層
2 、圧電層23 に供給される。一方、入力信号の一部
は、波高弁別器7に入力され、図19の電圧0〜Vに対
応する電圧のアナログ信号および図6の横軸61 、変位
量aに対応するアナログ信号を弁別する。このアナログ
信号は、微小変位を駆動させるためのものである。この
信号は、さらにAD変換回路102 により、デジタル信
号に変換されてドライバ61 に供給される。
【0025】図8にこの様子を示す。横軸61 、変位量
aに対応するアナログ信号は、n分割され、入力信号が
1/n,2/n,・・・(n-1)/n に対して、変位量はそれぞれa/
n,2a/n, ・・・(n-1)a/nが得られる。この実施例の場合
も、第3の実施例と同様にヒステリシスの影響がある
が、この部分でのヒステリシスによる変位量の誤差量
は、変位量そのものが他のドライバ62 、ドライバ63
による変位量、および第3の実施例のアナログ制御の部
分と比較して小さく、ヒステリシス量自体も小さいの
で、小量であり、アクチュエータの使用目的によって十
分小さなものとすることができる。
【0026】第4の実施例において、デジタル信号によ
る微小制御部分のヒステリシスの影響を除いた実施例を
第5の実施例として説明する。第4の実施例において、
ヒステリシスの影響が現れるのは、デジタル信号による
微小制御部分である。ヒステリシスの誤差は、制御信号
に対してある変位を生じたあと、その変位を変位0にリ
セットさせることにより解消できる。
【0027】そこで、第5の実施例においては、微小制
御部分でデジタル制御信号が入力され、次の新たなデジ
タル制御信号が入力される前に、0信号を入力して変位
を変位0にリセットさせる。なお、変位をリセットさせ
るために、0信号以外のある固定した信号を用いて、そ
の固定信号に対応した変位量をリセット値とすることも
できる。
【0028】第6の実施例として、微小制御部分で変位
を変位0にリセットさせる他の実施例を説明する。この
実施例においては、第5の実施例の、次の新たなデジタ
ル制御信号が入力される前に、0信号を入力して変位を
変位0にリセットさせる方法の代わりに、クロックCL
を用い、デジタル制御信号の変化にかかわらず周期的に
変位を変位0にリセットさせるものである。
【0029】図9において、最小単位の圧電層2の部分
のみを示す。AD変換器10の出力は、スイッチ回路5
の一方の入力端に接続され、スイッチ回路5の他方の入
力端には0信号端子が接続される。また、スイッチ回路
5にはクロック3が接続されている。スイッチ回路5の
出力信号は、ドライバ6を介して圧電層2に入力され
る。スイッチ回路において、クロック信号のタイミング
により、AD変換器10の出力と0信号とが切り換えら
れ、交互にドライバ6に入力される。圧電層2の変位量
は、0信号により変位0にリセットされ、ヒステリシス
の影響を除くことができる。
【0030】上記の第6の実施例においては、クロック
信号により0信号が入力されて、次のクロック信号によ
りAD変換器からのデジタル制御信号が入力されるまで
は、変位量は変位0にリセットされたままであり、変位
量に変動が生じる恐れがある。そこで、第7の実施例と
してこの変位量の変動を除く実施例を図10、11に示
す。
【0031】図10において、圧電層2は、No.1、
No.2の2個の圧電層を併設して形成され、それぞれ
の圧電層No.1、No.2には、ドライバ6を介して
スイッチ回路5からの信号が入力される。スイッチ回路
5には、第6の実施例と同様にAD変換器10の出力お
よび0信号が入力され、クロック信号により切り換えが
行われる。つまり、No.1の圧電層には、AD変換器
10の出力と0信号が交互に入力され、No.2の圧電
層には、AD変換器10の出力と0信号が交互にNo.
1の圧電層とは逆の位相で入力される。したがって、N
o.1の圧電層の変位が0信号により0である場合に
は、No.2の圧電層はデジタル制御信号に応じた変位
を形成し、逆にNo.2の圧電層の変位が0信号により
0である場合には、No.1の圧電層はデジタル制御信
号に応じた変位を形成する。圧電層2の変位量は、N
o.1、No.2の2個の圧電層のそれぞれの変位量の
合計であるから、変位量の変動を除くことができる。
【0032】第5,6,7の実施例において、変位量を
0にリセットする方法として、圧電層に0信号を入力す
るものを示したが、圧電層が図12に示すような、履歴
を有する場合には、0信号を入力を入力しても変位がも
とにもどらない。この場合には、一度、制御信号Vと逆
極性の信号−1/2を入力してから0信号を入力して変
位量を0にリセットする。このリセットの方法は、第
5,6,7の実施例に適用することができる。
【0033】図13において、第3,4の実施例の最小
単位の圧電層の他の実施例を示す。この実施例では、複
数個の圧電層211〜2(n-1)を用いたものを示す。圧電
層211〜2(n-1) は、それぞれの入力端には、AD変換
器102 の各量子化信号あるいは符号化された各ビット
信号がドライバを介して入力される。この実施例では、
微小制御部分での各デジタル制御信号に対して、それぞ
れ圧電層が設定されるので、デジタル信号による微小制
御部分のヒステリシスの影響を除くことができる。
【0034】図14に上記実施例に使用する圧電層の他
の構成を示す。図14に圧電層の1構成単位のみを示し
ている。圧電層は、2個の圧電層20と圧電層22を併
設して形成され、それらの圧電層の中間からは接地線が
取り出され、それぞれの接地線のない両端には制御信号
線24、26が接続されている。制御信号線24、26
には、図19の0あるいは電圧Vが入力される。例え
ば、制御信号線24、26にそれぞれ0信号が入力され
た場合には、圧電層の変位量は圧電層20と圧電層22
の変位が共に0であるため0である。制御信号線24、
26に0信号と電圧Vがそれぞれ入力された場合には、
圧電層20と圧電層22のいずれか一方の変位が共に0
であり、他方が変位aとなって、合計ではaの変位量と
なる。また、制御信号線24、26にそれぞれ電圧Vが
入力された場合には、圧電層の変位量は圧電層20と圧
電層22の変位が共にaであるため合計では2aの変位
量となる。したがって、この構成の圧電層によれば、ヒ
ステリシスの影響を受けることなく、0,a,2aの変
位量を形成することができる。
【0035】また、図15において、上記実施例に使用
する圧電層のさらに他の構成を示す。圧電層は、圧電層
28により構成され、この圧電層28の厚さlをデジタ
ル制御信号の符号の重みに応じて設定するものである。
従って、厚さlの圧電層28にデジタル制御信号が入力
されると、厚さlに対応した変位量が得られる。この圧
電層28の厚さlを変えたものを併設することによりデ
ジタル制御信号に応じた変位量を得ることができる。
【0036】圧電層の特性として、図16に示すような
ヒステリシスの大きな角形のものを用いた実施例を示
す。上記の圧電層の特性は、たとえば、Pb0.99Nb0.02
(Zr0.6Sn0.4)0.94Ti0.06 0.98O3がある。上記の圧電層
の特性を用いれば、前述の実施例の構成の圧電素子を変
えるだけで制御信号にノイズが含まれている場合であっ
てもヒステリシスにより、変位量への変動をなくすこと
ができる。
【0037】また、上記の特性を有した圧電層を用いる
ことにより、アナログの入力信号をAD変換器を用いる
ことなく、直接デジタル形態の変位量に変換することが
できる。この実施例を図17において説明する。入力信
号は、分圧器30により分圧され、ドライバ6に入力さ
れる。分圧器30およびドライバ6は、圧電層2の特性
に適合される大きさに入力信号を成形する。分圧出力お
よびドライバ出力は、入力信号と同様アナログ信号であ
り、圧電層2はアナログ信号により駆動される。圧電層
2の特性は図16に示すようなヒステリシスの大きな角
形であるため、圧電層2の出力である変位量は、0ある
いはaのデジタル形態に変換される。
【0038】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、オープンループ制御による直線性のよい変位を
得ることができ、ヒステリシスの影響を受けず、駆動回
路を小型化、高効率化することができ、DAコンバータ
を不要とする積層圧電アクチュエータの駆動方法および
装置を提供することができる。
【0040】また、積層圧電アクチュエータのヒステリ
シスにより生じる問題点である、設定精度の高い可変電
圧源、およびその可変電圧源の電圧の微妙な設定、駆動
アンプへの負荷が大きな大駆動電流、発熱等を解決する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタル圧電アクチュエータのデジタ
ル駆動の制御方法の概略を示す図である。
【図2】本発明のデジタル圧電アクチュエータの圧電素
子の構造の概念図である。
【図3】本発明の圧電素子のヒステリシス特性を示す図
である。
【図4】本発明のデジタル圧電アクチュエータのデジタ
ル駆動の制御方法の第2の実施例を示す図である。
【図5】本発明のデジタル圧電アクチュエータのデジタ
ル駆動の制御方法の第3の実施例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施例のヒステリシス特性を示
す図である。
【図7】本発明のデジタル圧電アクチュエータのデジタ
ル駆動の制御方法の第4の実施例を示した図である。
【図8】本発明の第4の実施例のヒステリシス特性を示
す図である。
【図9】本発明の最小単位の圧電層のデジタル駆動の制
御方法第6の実施例を示す図である。
【図10】本発明の最小単位の圧電層のデジタル駆動の
制御方法第7の実施例を示す図である。
【図11】本発明の第7の実施例の信号の様子を示す図
である。
【図12】本の発明の圧電素子のヒステリシス特性を示
す図である。
【図13】本発明の第3、4の実施例の最小単位の圧電
層の他の実施例を示す図である。
【図14】本発明の第3、4の実施例の最小単位の圧電
層のさらに他の実施例を示す図である。
【図15】本発明の第3、4の実施例の最小単位の圧電
層のさらに別の実施例を示す図である。
【図16】本の発明の実施例のヒステリシス特性を示す
図である。
【図17】本発明のデジタル圧電アクチュエータのデジ
タル駆動の制御方法の他の実施例を示す図である。
【図18】従来の積層圧電アクチュエータの構造を示す
図である。
【図19】従来の圧電素子のヒステリシス特性を示す図
である。
【図20】従来の積層圧電アクチュエータのコンピュー
タによる制御方法を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタル圧電素子 2 圧電層 3 クロック 4 配線 41 駆動用配線 42 接地用配線 5 スイッチ回路 6 ドライバ 7 波高弁別器 8 コンピータ 9 選択回路 10 AD変換器 12 スイッチ 14 電源 20、22、28 圧電層 24、26 制御信号線 30 分圧器 100 積層型ピエゾ素子 102 圧電層 104 配線 106 ドライバ 108 コンピータ 110 DAコンバータ 112 電圧出力リニアアンプ 114 電源

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電アクチュエータの複数個の圧電層に
    電圧を印加して変位を得る圧電アクチュエータの駆動方
    法において、デジタル信号により各圧電層を選択的に駆
    動して変位量を任意に設定可能とすることを特徴とする
    圧電アクチュエータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電アクチュエータの駆
    動方法において、複数個の圧電層を2のべき乗の数を単
    位としてグループ分けし、前記グループの圧電層の個数
    を2のべき乗で表したときのべき数と、前記デジタル信
    号の符号化の重みとを対応づけたことを特徴とする圧電
    アクチュエータの駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧電アクチュエータの駆
    動方法において、変位量の最小単位を前記グループ分け
    の単位より小さな微小単位で変位させることを特徴とす
    る圧電アクチュエータの駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧電アクチュエータの駆
    動方法において、微小単位の変位をアナログ信号により
    行うことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の圧電アクチュエータの駆
    動方法において、デジタル信号による各圧電層の前記駆
    動を、前記デジタル信号と0Vを含む設定電圧とを交互
    に圧電層に印加することを特徴とする圧電アクチュエー
    タの駆動方法。
  6. 【請求項6】 圧電アクチュエータの複数個の圧電層に
    電圧を印加して変位を得る圧電アクチュエータの駆動方
    法において、複数個の圧電層の動作電圧に対応した電圧
    範囲に成形されたアナログ信号により、各圧電層を選択
    的に駆動して変位量を任意に設定可能とすることを特徴
    とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  7. 【請求項7】 圧電アクチュエータの複数個の圧電層に
    電圧を印加して変位を得る圧電アクチュエータにおい
    て、圧電層を、2のべき乗の数を単位としてグループ分
    けし、前記グループの圧電層の個数を2のべき乗で表し
    たときのべき数と、デジタル信号の符号化の重みとを対
    応づけたされた複数個の圧電層により構成してなる圧電
    アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の圧電アクチュエータにお
    いて、最小単位の圧電層には、入力アナログ信号を該最
    小単位の圧電層の駆動範囲となる電圧範囲を通過させる
    波高弁別器を介した駆動信号が入力されることを特徴と
    する圧電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の圧電アクチュエータにお
    いて、最小単位の圧電層には、入力アナログ信号を該最
    小単位の圧電層の駆動範囲となる電圧範囲を通過させる
    波高弁別器およびAD変換器を介した駆動信号が入力さ
    れることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の圧電アクチュエータに
    おいて、AD変換器と圧電層との間には、駆動信号と0
    Vを含む設定電圧とを交互に圧電層に印加するスイッチ
    回路が設けられることを特徴とする圧電アクチュエー
    タ。
  11. 【請求項11】 請求項7、8又は9記載の圧電アクチ
    ュエータにおいて、前記圧電層は、2個の圧電層を併設
    して成り、2個の圧電層の間に接地線が設けられ、残り
    の両端部に信号線が設けられることを特徴とする圧電ア
    クチュエータ。
  12. 【請求項12】 請求項7、8又は9記載の圧電アクチ
    ュエータにおいて、前記圧電層は、最小単位の圧電層の
    厚さの2のべき乗倍の厚さであることを特徴とする圧電
    アクチュエータ。
  13. 【請求項13】 請求項7、8又は9記載の圧電アクチ
    ュエータにおいて、前記圧電層は、最小単位の圧電層の
    整数倍の厚さであることを特徴とする圧電アクチュエー
    タ。
  14. 【請求項14】 圧電アクチュエータの複数個の圧電層
    に電圧を印加して変位を得る圧電アクチュエータにおい
    て、入力信号を分圧する分圧器と、前記分圧器により分
    圧された分圧信号により駆動される複数個の互いに併設
    された圧電層とからなり、前記圧電層のヒステリシス特
    性はスイッチング特性を呈する程度に充分大きく、角形
    である圧電アクチュエータ。
JP3211209A 1991-08-23 1991-08-23 圧電アクチユエータの駆動方法およびその装置 Withdrawn JPH0556667A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000031553A (ja) * 1998-03-09 2000-01-28 Siemens Ag 非直線性圧電材料から成る生成物及び該生成物における特性モジュ―ルの分布を求める方法
GB2443046A (en) * 2006-09-01 2008-04-23 Indesit Co Spa Method for Controlling a Valve for a Fluid.

Cited By (3)

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GB2443046B (en) * 2006-09-01 2011-06-01 Indesit Co Spa Method for controlling a valve for a fluid, and household appliance using such method

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