JPH055149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 本考案はアイスクリームやケーキ等の販売に用
いる組立て包装箱に関する。

【従来の技術】

底板の各辺に側板片が、これら側板片のうちの
相対向した一方の組の側板片に蓋板片が、また該
蓋板片に互いに接合自在な提手片がそれぞれヒン
ジ部を介して連設されているシート材を用い、こ
のシート材を各ヒンジ部により折曲げて箱状に組
立てたときに両提手片が起立し、携行に便利であ
るように構成された組立て包装箱は従来周知であ
つて、上記シート材は内面がワツクスコートされ
た板紙製である。

【考案が解決しようとする問題点】

上記周知の組立て包装箱は断熱性が悪く、被収
容物を所要の低温下に保持するときはドライアイ
ス等の保冷剤を用いる必要があり、また、被収容
物を衝撃から保護する保護機能や耐荷重性の面で
改良の余地があつた。

【問題点を解決するための手段】

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、その目的は組立て包装箱の構成材であるシー
ト材を、板紙の内面に発泡合成樹脂シートの真空
成形物を接着した積層材によつて形成し、このシ
ート材には箱の内面側に向かつて膨出させた空気
室を設け、この空気室と発泡合成樹脂シートによ
る内面層によつて被包装物に対する保護機能、即
ち、緩衝性、断熱性及び耐荷重性等が向上できる
ように、また組立てたときの保形性も向上できる
ように改良した組立て包装箱を提供することにあ
る。 しかして、本考案の上記目的は四角形である底
板の各辺に側板片が、これら側板片のうちの相対
向した一方の組の側板片にはその上側辺に蓋板片
が、また相対向した他方の組の側板片にはその左
右両側辺に側面折込み片がそれぞれヒンジ部を介
して連設されている一方、上記両蓋板片の相対向
した側辺には中間部分に接合片を切残した提手片
がヒンジ部を介して連設されていると共に、該提
手片の左右両側辺には掛止突片を突設し、また、
側面折込み片が連設されている上記他方の組の側
板片にその上側辺の中間部分に支持片を突設し
て、この支持片には上記掛止突片が係入自在であ
る掛止口を穿設すると共に、該支持片の左右両側
に隣接して上記側板片の上側辺にはそれぞれヒン
ジ部を介して上面折込み片が連設されているシー
ト材を板紙層の片面に発泡合成樹脂層が積層され
ている積層材により形成し、このシート材の発泡
合成樹脂層は底板、蓋板片、側面折込み片及び該
側面折込み片が連設されている側板片の部分に膨
出部を設けると共に、これら膨出部の内面と板紙
層との間には空気室を形成して構成した組立て包
装箱により達成される。

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。 組立て包装箱の構成材であるシート材１は四角
形（図示の場合は長方形）である底板１１と、こ
の底板１１の各辺にヒンジ部１２を介して連設さ
れた各側板片１３〜１６と、これら側板片のうち
の相対向した一方の組の側板片１３，１５の上側
辺にヒンジ部１７を介して連設された互いに突き
合わせ自在である蓋板片１８，１９と、相対向し
た他方の組の側板片１４，１６の左右両側辺にヒ
ンジ部２１を介して連設された側面折込み片２
２，２３を備えており、上記両蓋板片１８，１９
の相対向した側辺には中間部分を切込んで舌片状
の接合片２４，２５が切残されている提手片２
６，２７がそれぞれヒンジ部２８を介して連設さ
れ、２９はその切込み線である。また、提手片２
６，２７の左右両側辺にはヒンジ部２８に隣接さ
せて掛止突片３１，３２が突設されている。 一方、側面折込み片２２，２３が連設されてい
る側板片１４，１６にはその上側辺の中間部分に
支持片３３，３４を突設して、この支持片３３，
３４には前述した掛止突片３１，３２が係入自在
である掛止口３３ａ，３４ａを穿設し、また、側
板片１４，１６の上側辺には上記支持片３３，３
４の左右両側に隣接して上面折込み片３５，３６
がそれぞれヒンジ部３７を介して連設されてい
る。３８は切込み線である。 上記構成のシート材１は、第２図及び第５図に
示す如く板紙層１ａの片面に接着剤層１ｃによつ
て発泡合成樹脂層１ｂを積層した積層材により形
成され、その積層接着時において、発泡合成樹脂
層１ｂと接着剤層１ｃには底板１１、蓋板片１
８，１９、側面折込み片２２，２３及び該側面折
込み片２２，２３が連設されている側板片１４，
１６の部分に真空成形法によつてそれぞれ膨出部
２を設け、これら膨出部２の内面と板紙層１ａと
の間に空気室３を形成する。この場合、底板１１
上には膨出部２を４個、また側板片１４，１６上
には膨出部２を２個設けてあるが、この膨出部２
は必要に応じて変更してもよい。また、一部の膨
出部２は周縁部を部分的に段部２ａに形成して、
箱状に組立てたときの密着性が向上するように考
慮されているが、これは第６図に示すごとく周縁
部をデーパー面部２ｂに形成して突き合わせても
よい。 なお、板紙層１ａとしてはパルプを素材とした
アート紙やボール紙、または発泡シートを基材と
して表面に板紙層を有する複合シート等の肉厚が
0.5〜３mmの平板状のシート状物が、発泡合成樹
脂層１ｂとしてはポリスチレンペーパー、架橋発
泡ポリエチレン、発泡ポリエチレン等の発泡シー
トや、塩化ビニルシート、耐衝撃性シート、ポリ
プロピレンシート等の非発泡シート等の肉厚が
0.2〜３mmのシート状物が、また接着剤層１ｂ用
の接着剤としてはエチレン・酢酸ビニル共重合
体、低密度ポリエチレン、サーリン（登録商標）
等の融点が70〜123℃の熱可塑性樹脂であつて、
その肉厚が３〜100ミクロンのエチレン系重合体
フイルムやアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂エ
マルジヨン等がそれぞれ用いられる。 以上の構成によれば、発泡合成樹脂層１ｂ側を
内面としてシート材１を各ヒンジ部１２，１７，
２１，２８，３７の部分で折曲げ、第３図に示す
状態から第４図に示す如く箱状に組立てると、相
対向した一方の組の側板片１３，１５に側面折込
み片２２，２３が、蓋板片１８，１９に上面折込
み片３５，３６がそれぞれ内接して重合し、また
一方の接合片２４が蓋板片１９の上面に、他方の
接合片２５が蓋板片１８の下面にそれぞれ重合す
る一方、両提手片２６，２７は突き合わされて掛
止突片３１，３２が掛止口３３ａ，３４ａに係入
して、２枚重ねの提手を有する強度と保形性並び
に断熱性等に優れた包装箱を形成できる。

【考案の効果】

本考案は上記の如くであつて、各ヒンジ部によ
つて組立てが容易にできることは勿論のこと、シ
ート材の発泡合成樹脂層と組立て時に箱内壁全域
に亘る膨出した空気室によつて被収容物を衝撃か
ら有効に保護でき、断熱性に優れていて保冷機能
がある。また、組立て時に提手を簡単に形成でき
て携行に便利であつて、箱全体として強度がある
と共に、一方の組の側板片に内接する側面折込み
片と蓋板片に内接する上面折込み片を設けたこと
で保形性に優れている等、その実用的価値は極め
て多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
展開図、第２図は第１図Ａ−Ａ線断面図、第３図
は組立て操作時の中間段階を示す斜視図、第４図
は組立て完了時の斜視図、第５図及び第６図は組
立時の要部断面図である。 図中、１はシート材、１ａは板紙層、１ｂは発
泡合成樹脂層、２は膨出部、３は空気室、１１は
底板、１２はヒンジ部、１３，１４，１５，１６
は側板片、１７はヒンジ部、１８，１９は蓋板
片、２１はヒンジ部、２２，２３は側面折込み
片、２４，２５は接合片、２６，２７は提手片、
２８はヒンジ部、２９は切込み線、３１，３２は
掛止突片、３３，３４は支持片、３３ａ，３４ａ
は掛止口、３５，３６は上面折込み片、３７はヒ
ンジ部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四角形である底板の各辺に側板片が、これら側
   板片のうちの相対向した一方の組の側板片にはそ
   の上側辺に蓋板片が、また相対向した他方の組の
   側板片にはその左右両側辺に側面折込み片がそれ
   ぞれヒンジ部を介して連設されている一方、上記
   両蓋板片の相対向した側辺には中間部分に接合片
   を切残した提手片がヒンジ部を介して連設されて
   いると共に、該提手片の左右両側辺には掛止突片
   を突設し、また、側面折込み片が連設されている
   上記他方の組の側板片にはその上側辺の中間部分
   に支持片を突設して、この支持片には上記掛止突
   片が係入自在である掛止口を穿設すると共に、該
   支持片の左右両側に隣接して上記側板片の上側辺
   にはそれぞれヒンジ部を介して上面折込み片が連
   設されているシート材を板紙層の片面に発泡合成
   樹脂層が積層されている積層材により形成し、こ
   のシート材の発泡合成樹脂層は底板、蓋板片、側
   面折込み片及び該側面折込み片が連設されている
   側板片の部分に膨出部を設けると共に、これら膨
   出部の内面と板紙層との間には空気室を形成して
   成ることを特徴とする組立て包装箱。