JPH0550416B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はシート状物、あるいは線状物を巻取る
チユーブ装着用のチヤツクを積極的に回転させる
構成の巻取機に関するものである。

（従来技術とその問題点） 一般に、合成樹脂フイルム、紙等のシート状
物、あるいは、合成繊維糸条、電線等の線状物の
巻取には、巻取用のチユーブ装着用のチヤツクを
積極的に回転させる構成の巻取機が使用されてい
る。

この様な巻取機としては、例えば、特開昭61−
18662号公報に記載されており、巻取用のチユー
ブ装着用のチヤツクが、スプリング等により押圧
片が外周方向に拡大されてチユーブの内周面に当
接して緊締し、圧空等の圧力流体を供給すること
により押圧片が軸心方向に縮小されて緊締を解除
するものである。また、シート状物等の巻取物が
定張力で巻取られるようチヤツクと駆動用電動機
の間に回転トルク制御用の電磁クラツチが配設さ
れている。

上述のような構成の巻取機では、チヤツクを作
動させるための圧力流体供給装置と、電磁クラツ
チを作動させるための給電装置が必要であると共
に、狭い場所にこれ等の装置を設置しなければな
らず、多数の巻取機を狭い間隔で設置する場合に
は、組付、補修等の作業が非常に困難である。ま
た、チヤツクが非作動状態でチユーブが緊締され
ていない時にクラツチが駆動源と連結されて回転
し、クラツチ、あるいは面圧付与用ローラを破損
する等の問題を有するものである。

（目的） 本発明は上述の問題点を解決し、構成が簡単
で、かつコンパクトであると共に、組立、補修等
の作業が容易であり、しかもチヤツクが非作動状
態でチユーブを緊締していない時にクラツチが作
動状態になつて回転することのない巻取機を提供
することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の巻取機は、アームの端部に回転自在に
装着されたチヤツクと、チヤツク回転用の駆動装
置をクラツチによつて連結するようにした巻取機
において、前記チヤツクを、アームに固着された
ボスの外周に回転自在に装着されたチヤツク本体
と、前記チヤツク本体の外周に軸心長手方向に移
動自在に装着されたピストン部材と、前記チヤツ
ク本体、またはピストン部材の外周に装着された
押圧部材と、前記チヤツク本体の先端部に装着さ
れ、ピストン部材を押圧する弾性体とからなり、
前記弾性体の押圧力によつて押圧部材が直径方向
に張り出してチユーブを緊締し、圧力流体が供給
されると、ピストン部材が反対方向に移動して押
圧部材が軸心方向に縮小し、チヤツクの緊締を解
除するように形成せしめ、前記クラツチを、駆動
側部材と従動側部材が枠体に所定の間隔をもつて
回転自在に装着され、圧力流体が供給されると駆
動側部材、または従動側部材が軸心長手方向に移
動して各部材が一体的に連結されるように形成せ
しめると共に、圧力流体をチヤツクとクラツチに
対して同時に供給せず、どちらか一方にのみ供給
せしめるように構成してある。

（実施例） 本発明の巻取機の１実施列の構成を図面に基づ
いて説明する。

２は機台（図示せず）に設置された枠体１にベ
アリング４によつて回転自在に取付けられた第１
クラツチ部材であり、周面に回転伝達用の歯２ａ
が形成されていると共に、その側面に摩擦板３が
螺子体、ピン、あるいは接着材等によつて一体的
に取付けてある。５は枠体１に第１クラツチ部材
２と同一軸心になるよう取付けられた圧力流体供
給用のボスであり、ピストン部材６が移動自在に
取付けてある。該ボス５には圧力流体供給用孔５
ａが穿設され、圧空等の圧力流体をピストン部材
６の壁面６ａに押圧力が作用するように供給す
る。７はボス５に形成された溝部に装着され、ピ
ストン部材６の内周面に摺接するシール部材であ
る。８はピストン部材６にベアリング１０によつ
て回転自在に取付けられた第２クラツチ部材であ
り、周面に回転伝達用の歯８ａが形成されている
と共に、その側面に摩擦板９が一体的に取付けて
ある。

上述のボス５に穿設された圧力流体供給用孔５
ａに圧力流体が供給されると、ピストン部材６の
壁面６ａに押圧力が作用し、ピストン部材６と共
に第２クラツチ部材８がイ方向に移動されて摩擦
板９が摩擦板３に対して所定の押圧力で当接され
第１クラツチ部材２と第２クラツチ部材８が一体
的に連結される。

１１は枠体１にベアリング１２によつて回転自
在に取付けられた軸体であり、アーム１３が一体
的に取付けてある。１４は周面に２箇所歯１４
ａ，１４ｂが形成され、アーム１３にベアリング
１５によつて回転自在に取付けられた歯車体であ
り、第１クラツチ部材２と噛み合わされている。
１６は歯付ベルトであり、歯車体１４の歯１４ｂ
とチヤツク１７を構成するチヤツク本体１９に形
成された歯１９ａに張架され回転を伝達する。１
８はアーム１３の端部に取付けられた圧力流体供
給用のボスであり、チヤツク本体１９がベアリン
グ２０によつて回転自在に取付けてある。該ボス
１８には圧力流体供給用孔１８ａが穿設され、圧
空等の圧力流体をピストン部材２３の壁面２３ｂ
に押圧力が作用するように供給する。２１はチヤ
ツク本体１９とボス１８の嵌着部に形成された溝
部に装着されたシール部材であり、圧力流体が供
給されると変形してボス１８の内周面に摺接す
る。２２はチヤツク本体１９に形成された溝部に
装着されたシール部材であり、ピストン部材２３
の内周面に摺接している。ピストン部材２３はチ
ヤツク本体１９に軸心長手方向に移動自在に取付
けられ、円錐状の外周部２３ａが形成してある。
２４はチヤツク本体１９にボルト２５によつて一
体的に取付けられたバネ受けである。２６はバネ
受け２４とピストン部材２３の間に装着されたコ
イルバネであり、常時ピストン部材２３をチヤツ
ク本体１９側に押圧する。２７はピストン部材２
３の周面に配設された３個の押圧片であり、ピス
トン部材２３の円錐状の外周部２３ａに係合する
よう円錐状の内周部２７ａが形成してある。これ
等の押圧片２７は弾性リング２９によつてピスト
ン部材２３に当接するよう縮小されていると共
に、ピン２８によつて円周方向に回動しないよう
位置決めされている。そして、該押圧片２７は、
コイルバネ２６の押圧力によりピストン部材２３
がロ方向に押圧されると、円錐状の外周部２３ａ
に沿つてハ方向に移動されて拡大し、チユーブ５
０の内周面に当接して該チユーブ５０を緊締す
る。該状態でボス１８に穿設された圧力流体供給
用孔１８ａに圧力流体が供給されると、第３図に
示すようにコイルバネ２６が圧縮されてピストン
部材２３がニ方向に移動すると、押圧片が弾性リ
ング２９によつてホ方向に移動されて縮小し、チ
ユーブ５０の内周面から離れて該チユーブ５０の
緊締を解除する。

３０は圧力流体供給主管であり、圧力調節器３
１、供給路切替弁３２が連結されている。そし
て、供給路切替弁３２には枝管３３，３４が連結
されていると共に、枝管３３の端部がボス５の圧
力流体供給用孔５ａに、枝管３４の端部がボス１
８の圧力流体供給用孔１８ａに夫々連結され、圧
力流体がどちらか一方にのみ供給されるようにな
つている。

３５は電動機（図示せず）に連結されたライン
シヤフトであり、各巻取機の第２クラツチ部材８
の歯８ａと噛合う位置に歯車３６が取付けられて
いる。そのため、電動機（図示せず）が作動して
歯車３６が回転されると、第２クラツチ部材８、
摩擦板３，９、第１クラツチ部材２の順に回転が
伝達され、歯車体１４、歯付ベルト１６によつて
チヤツク１７のチヤツク本体１９が回転される。

上述の巻取機においてチユーブ５０を装着する
場合は、ラインシヤフト３５の回転を停止させた
状態で、第３図に示すように、供給路切替弁３２
が作動して供給路が切替えられると、枝管３３か
らボス５への圧空の供給が停止されると共に大気
に連通されるため、ピストン部材６の壁面６ａに
作用していた押圧力がなくなる。そのため、摩擦
板９と摩擦板３の間の摩擦力がなくなつて第１ク
ラツチ部材２と第２クラツチ部材８は非連結の状
態になり、誤つてラインシヤフト３５が回転され
て第２クラツチ部材８が回転しても第１クラツチ
部材２、およびチヤツク１７が回転されることが
ない。

上述の供給路切替弁３２の供給路が第３図のよ
うに切替えられて枝管３４からボス１８に圧空が
供給されてピストン部材２３がニ方向に移動され
ると、ピストン部材２３の円錐状の外周部２３ａ
が押圧片２７の円錐状の内周部２７ａの大径側に
移動するため、弾性リング２９によつて縮小され
てホ方向に移動され、該押圧片２７の外径寸法が
チユーブ５０の内径寸法より小さくなる。この状
態でチユーブ５０を所定の位置まで挿入する。

次いで、第２図に示すように、供給路切替弁３
２が作動して供給路が切替えられてボス１８に対
する圧空の供給が停止されると共に大気に連通さ
れると、ピストン部材２３の壁面２３ｂに作用し
ていた押圧力がなくなるため、コイルバネ２６の
押圧力によつてピストン部材２３がロ方向に移動
される。そのため、ピストン部材２３の円錐状の
外周部２３ａが押圧片２７の円錐状内周部２７ａ
の小径側に移動するため、押圧片２７がハ方向に
押出されてチユーブ５０の内周面に所定の押圧力
でもつて当接されチユーブ５０が緊締される。

上述の供給路切替弁３２の供給路が第２図のよ
うに切替えられて枝管３３からボス５へ圧空が供
給されると、ピストン部材６の壁面６ａに押圧力
が作用してピストン部材６がイ方向に押されて摩
擦板９が摩擦板３に所定の押圧力で当接され第１
クラツチ部材２と第２クラツチ部材８が連結され
る。この状態でラインシヤフト３５が回転される
と、第２クラツチ部材８、摩擦板３，９、第１ク
ラツチ部材２、歯車体１４、歯付ベルト１６、チ
ヤツク本体１９の順に回転が伝達されてチヤツク
１７が回転される。

上述の各枝管にタイマー等により作動する弁を
配設してボス５，１８への圧力流体の供給、停止
時期をずらせて、チユーブの緊締、解除動作と、
クラツチの連結、切離し動作を時間的に分離する
と、ラインシヤフト３５を回転させた状態でチユ
ーブ５０の着脱操作を行なうことができる。

（発明の効果） 本発明の巻取機は、アームの端部に回転自在に
装着されたチヤツクと、チヤツク回転用の駆動装
置をクラツチによつて連結するようにした巻取機
において、前記チヤツクを、アームに固着された
ボスの外周に回転自在に装着されたチヤツク本体
と、前記チヤツク本体の外周に軸心長手方向に移
動自在に装着されたピストン部材と、前記チヤツ
ク本体、またはピストン部材の外周に装着された
押圧部材と、前記チヤツク本体の先端部に装着さ
れ、ピストン部材を押圧する弾性体とからなり、
前記弾性体の押圧力によつて押圧部材が直径方向
に張り出してチユーブを緊締し、圧力流体が供給
されると、ピストン部材が反対方向に移動して押
圧部材が軸心方向に縮小し、チヤツクの緊締を解
除するように形成せしめ、前記クラツチを、駆動
側部材と従動側部材が枠体に所定の間隔をもつて
回転自在に装着され、圧力流体が供給されると駆
動側部材、または従動側部材が軸心長手方向に移
動して各部材が一体的に連結されるように形成せ
しめると共に、圧力流体をチヤツクとクラツチに
対して同時に供給せず、どちらか一方にのみ供給
せしめるようにしてあるため、次のような効果を
奏することができる。

(1) チヤツクとクラツチを作動させるための流体
供給装置を共用しているため、構成が簡単、か
つコンパクトにすることができると共に、組
立、補修等の作業を容易に行なうことができ
る。

(2) チヤツクとクラツチの一方にのみ圧力流体を
供給するようになつているため、チヤツクが非
作動状態でチユーブを緊締していない時にクラ
ツチが作動状態になつて回転するのを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の巻取機の１実施例を示す概略
図である。第２図は第１図におけるＺ−Ｚ矢視図
である。第３図は第２図のチユーブの緊締を解除
した状態を示す概略図である。 １：枠体、２：第１クラツチ部材、３，９：摩
擦板、５，１８：ボス、６，２３：ピストン部
材、８：第２クラツチ部材、１１：軸体、１３：
アーム、１４：歯車体、１６：歯付ベルト、１
７：チヤツク、１９：チヤツク本体、２４：バネ
受け、２６：コイルバネ、２７：押圧片、２９：
弾性リング、３０：圧力流体供給主管、３１：圧
力調節器、３２：供給路切替弁、３３，３４：枝
管、３５：ラインシヤフト、３６：歯車。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アームの端部に回転自在に装着されたチヤツ
   クと、チヤツク回転用の駆動装置をクラツチによ
   つて連結するようにした巻取機において、前記チ
   ヤツクを、アームに固着されたボスの外周に回転
   自在に装着されたチヤツク本体と、前記チヤツク
   本体の外周に軸心長手方向に移動自在に装着され
   たピストン部材と、前記チヤツク本体、またはピ
   ストン部材の外周に装着された押圧部材と、前記
   チヤツク本体の先端部に装着され、ピストン部材
   を押圧する弾性体とからなり、前記弾性体の押圧
   力によつて押圧部材が直径方向に張り出してチユ
   ーブを緊締し、圧力流体が供給されると、ピスト
   ン部材が反対方向に移動して押圧部材が軸心方向
   に縮小し、チヤツクの緊締を解除するように形成
   せしめ、前記クラツチを、駆動側部材と従動側部
   材が枠体に所定の間隔をもつて回転自在に装着さ
   れ、圧力流体が供給されると駆動側部材、または
   従動側部材が軸心長手方向に移動して各部材が一
   体的に連結されるように形成せしめると共に、圧
   力流体をチヤツクとクラツチに対して同時に供給
   せず、どちらか一方にのみ供給せしめるようにし
   たことを特徴とする巻取機。