JPH054962A - コレカルシフエロール誘導体の製造に用いる新規化合物およびその製法 - Google Patents
コレカルシフエロール誘導体の製造に用いる新規化合物およびその製法Info
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- JPH054962A JPH054962A JP3287990A JP28799091A JPH054962A JP H054962 A JPH054962 A JP H054962A JP 3287990 A JP3287990 A JP 3287990A JP 28799091 A JP28799091 A JP 28799091A JP H054962 A JPH054962 A JP H054962A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(ビタミンD3の代謝物)の立体規則的合成に用いられ
る新規化合物を提供する。 【構成】 一般式(X) : (Arは(1R,6R,9R,2′S)の立体配置を有
する単環状アリール基、R1は(S)−(Z)立体配置
を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基、Rは水素
原子または不斉炭素原子において(R)または(S)の
立体配置のどちらかを有する式: −CH2−*CH(OH)−C(CH3)2OH の基を示す)で示される化合物およびその製造法。
(ビタミンD3の代謝物)の立体規則的合成に用いられ
る新規化合物を提供する。 【構成】 一般式(X) : (Arは(1R,6R,9R,2′S)の立体配置を有
する単環状アリール基、R1は(S)−(Z)立体配置
を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基、Rは水素
原子または不斉炭素原子において(R)または(S)の
立体配置のどちらかを有する式: −CH2−*CH(OH)−C(CH3)2OH の基を示す)で示される化合物およびその製造法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、24(R),25- および24
(S),25- ジヒドロキシコレカルシフェロールの立体規則
的合成に用いられる新規化合物およびその製法に関す
る。 【0002】24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(以下、「24,25(OH)2 D3 」という)はビタミンD3
の代謝物であり、ビタミンD3 と同等の生理学的活性を
有することが知られている。エーデルシュタイン(Edels
tein) らは 24,25(OH)2 D3 がヒナドリの骨形成に必須
であることを示し(ネイチャー(Nature)、 276巻、517
〜 519頁、(1978)参照)、ノーマン(Norman)らはカルシ
ウムやリンの恒常性に必要不可欠であることを見出した
(ライフサイエンス(Life Science)、27巻、229〜 237
頁、(1980)参照)。さらにカニス(Kanis) らは 24,25(O
H)2 D3 は、ヒトにおける骨格の代謝調整に重要である
かもしれないと提案している(ブリティッシュ・メディ
カル・ジャーナル(Brit.Med.J.) 、I巻、1383頁、(197
8)参照)。最近、該ビタミンD3 代謝物は抗高カルシウ
ム血症、抗潰瘍および抗腫瘍活性を有しており、またヒ
トの血糖値を調節する活性も有することが米国特許第4,
442,093号明細書に主張されている。 【0003】天然に生じる代謝物 24,25(OH)2 D 3 は24
(R)エナンチオマーであり、よく知られているようにそ
の生理学的活性およびその結果となる治療効果は天然に
は存在しない24(S) 異性体の生理活性および治療効果と
はかなり異なっていることはスターン(Stern) らによっ
て示されている(バイオケミカル・アンド・バイオフィ
ジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem,&
Biophys.Res.Comm.)、67巻、 965〜 971頁、(1975)参
照)。 【0004】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】24,2
5(OH)2 D3 は生理学的に重要であるために、多くの合
成方法が文献に提案されている。しかしながら、これら
の方法は一般的に24(R),25(OH)2 D3 の工業規模の生
産には適さないものである。前記方法の多くは、生理学
的活性を有する24(R) 異性体のための立体規則性をもた
ない。たとえば、エム・セキ(M.Seki)らはデスモステロ
ールから24,25-ジヒドロキシコレステロールを非立体規
則的に合成する方法を報告している(ケミカル・アンド
・ファーマシューティカル・ブラチン(ジャパン)(Ch
em.Pharm.Bull.(Japan))、21巻、2783頁、(1973)参
照))が、この方法は営利的に利用できるものではな
い。セキらはm-クロロ過安息香酸にてエポキシ化するこ
とによってC-24およびC-25ヒドロキシル基を導入し、つ
いでオスミウムテトラオキシドで加水分解またはヒドロ
キシル化し、ついで還元的に加水分解を行なった。さら
に引き続いてセキらはクロマトグラフィーにより前記方
法でえられたエポキシドのラセミ体を分割する方法を報
告した(テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lette
rs) 、15頁、(1975)参照)。デスモステロール(Desmost
erol)はまたアール・チェネホム(R. Tchienehom) らに
よって酸化的ヨウ素化ついで酢酸による加溶媒分解を経
る非立体規則的合成の出発物質として用いられている
(ヨーロッパ特許第 5,653号明細書参照)。 【0005】ラム(Lam) らは、 3β -アセトキシ-27-ノ
ル -5-コレステン-25-オンを出発物質として用い、エノ
ールアセテート(enol acetate)のアセチル化を経て、2
4, 25- ジヒドロキシコレステロールを非立体規則的に
合成する方法を報告した(バイオケミストリー(Biochem
istry)、12巻、4851頁(1973)参照)が、これもまた営利
的に好ましくない。同様に、 25-ヒドロキシ-24-オキソ
-コレステロール誘導体のC-24カルボニル基を非立体規
則的還元を含んだいくつかの合成方法が報告されてい
る。アイレイ(Eyley) らによって、C-22アルデヒドと3-
メチル -3-テトラヒドロピラニルオキシ -2-ブタノンを
アルドール縮合させ、ついで、えられたエノンを還元す
ることによる前記誘導体の製造方法が報告されている
(ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイアティ(J.C
hem.Soc.)、727 頁、(1976)参照)。また 24-オキソコ
レステロール誘導体のC-25位の酸化によりえられるケト
ールをさらに非立体規則的に還元する方法も報告されて
いる(日本特許第80,164,700号および第55,131,000号明
細書参照)。このようにエナンチオマーの混合物の形で
存在する 24,25(OH)2 D3 は比較的容易に合成される
が、今までのところ工業規模の異性体の分離に適する方
法がえられていない。 【0006】24,25(OH)2 D3 の立体選択的(stereosele
ctive)合成法としては、シス -△23-25-ヒドロキシコ
レステロール誘導体を対応するアルキン誘導体から接触
還元により合成し、これをバナジルアセトアセテート(v
anadyl acetoacetate ) の存在下に過酸化水素t-ブチル
を用いて立体選択的にエポキシ化する方法がジェイ・パ
ートリッジ(J.Partridge) らによって報告されている
(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサ
イアティ(J.Amer.Chem.Soc.)、98巻、3739頁、(1976)
参照)。この合成では生成混合物の置換パターンのわず
かなちがいによる構造異性的(regioisomeric)な分離と
同様に立体異性的な分離も必要である。 【0007】現在まで知られている24,25-ジヒドロキシ
コレカルシフェロールの有用な立体規則的合成法は 22-
スルホニルコレステロール誘導体の使用を基本としてい
る。タカヤマ(Takayama)らは該誘導体とD-グリセリン酸
から製造した光学的に純粋なD-1,2-エポキシ -3-メチル
-3-ブタノールとを縮合させる方法(テトラヘドロン・
レターズ(Tetrahedron Letters) 、21巻、5027頁、(198
0)参照)を示した。一方、ヨーロッパ特許第 063,678号
明細書には 22-スルホニルコレステロール誘導体を、D-
グリセレート誘導体から製造した2,3-ジヒドロキシプロ
パナール -2,3-アセトニドと縮合させる方法が記載され
ている。 【0008】前記ヨーロッパ特許明細書に記載の立体規
則的合成法が機械的な製造に実用的なものであるとは判
明していない。なぜなら、報告されている 24,25(OH)2
D3 の他のあらゆる合成法と同様、最後から2番目の中
間体が24,25-ジヒドロキシコレスタン誘導体であり、こ
れから 24,25(OH)2 D3 の合成を完了するには照射処理
(irradiate) しなければならないためである。このよう
なプロビタミンD誘導体を照射してプレビタミンDと
し、さらにプレビタミンDを熱異性化(thermalisomeriz
ation) して目的とするビタミンD誘導体をえる方法は
常に収率が低く、えられた異性体の混合物から目的とす
るビタミンを単離するのはきわめて困難であり、かつ収
率が低い。また効率のよい照射技術は大規模生産にはと
くに疑わしい点がある。 【0009】本発明の目的は前記公知の製法の欠点を克
服し、プロビタミンからプレビタミン誘導体を合成する
際にいかなる光化学的変換をも必要とせず、かつビタミ
ン誘導体へのいかなる異性化の過程をも必要としない立
体規則的な方法で直接的に24,25(OH)2 D3 を製造する
方法において有用な新規化合物およびその製法を提供す
ることである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(X) : 【0011】 【化8】 【0012】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基、 R1 は(S)-(Z)立体配
置を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基、および
R は水素原子または不斉炭素原子において(R) または
(S) の立体配置のどちらかを有する式: 【0013】 【化9】 【0014】で表わされるラジカルを示す)で表わされ
る化合物に関する。 【0015】また、本発明は一般式(II): 【0016】 【化10】 【0017】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基を示す)で表わされる化
合物を一般式(III) : 【0018】 【化11】 【0019】(式中、 R1 は(S)-(Z) 立体配置を有する
適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基を示す)で表わされ
る化合物からえられる塩基により生成するカルバニオン
と縮合させることからなる、前記一般式(X) で示される
化合物のうちR が水素原子であるものの製法に関する。 【0020】さらに、本発明は一般式(IV): 【0021】 【化12】 【0022】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基およびR1 は(S)-(Z) 立
体配置を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基を示
す)で表わされる化合物から誘導される塩基により生成
するカルバニオンと一般式(V): 【0023】 【化13】 【0024】(式中、Arは前記と同じ)で表わされる3-
メチルブタン-1,2,3- トリオール1-アリールスルホネー
トの2(R)または2(S)異性体とを強塩基の存在下に反応さ
せることからなる、前記一般式(X) で示される化合物の
うち Rが不斉炭素原子において(R) または(S) の立体配
置のどちらかを有する式: 【0025】 【化14】 【0026】で表わされるラジカルであるものの製法に
関する。 【0027】 【実施例】本発明の化合物は、(a) 一般式(II): 【0028】 【化15】 【0029】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基を示す)で表わされる化
合物を一般式(III) : 【0030】 【化16】 【0031】(式中、 R1 は(S)-(Z) 立体配置を有する
適当な塩基安定性(base-stable) ヒドロキシ保護基を示
す)で表わされる化合物から誘導され、塩基により生成
する(base-generated)カルバニオンと縮合させて一般式
(IV): 【0032】 【化17】 【0033】(式中、Arおよび R1 は前記と同じ)で表
わされる化合物を製造する工程、(b) 一般式(IV)で表わ
される化合物から誘導され、塩基により生成するカルバ
ニオンと一般式(V) : 【0034】 【化18】 【0035】(式中、Arは前記と同じ)で表わされる3-
メチルブタン-1,2,3- トリオール1-アリールスルホネー
トの2(R)または2(S)異性体とを強塩基の存在下に反応さ
せて一般式(VI): 【0036】 【化19】【0037】(式中、Arおよび R1 は前記と同じ)で表
わされる化合物を製造する工程、(c) 一般式(VI)で表わ
される化合物の22位のスルホニル基を公知の方法で切り
離す工程、および(d) 前記(c) 工程でえられた化合物か
らヒドロキシ保護基 R1を切り離す工程からなる方法に
より一般式(I) : 【0038】 【化20】 【0039】で表わされる24(R),25または24(S),25- ジ
ヒドロキシコレカルシフェロールを製造するにあたり、
有用な新規中間体として用いることができる。 【0040】化合物(IV)および(VI)を含む一般式(X) で
表わされる本発明の化合物ならびに一般式(II)および
(V) で表わされる本発明の化合物の製造に用いられる化
合物中の単環状アリール基であるArとしては任意に置換
されたフェニル基が適当であり、フェニル基またはp-ト
リル基が好ましい。 【0041】また、これらの化合物中の R1 で示される
塩基安定性ヒドロキシ保護基としては、当技術分野でよ
く知られている通常の保護基を用いればよく、その例と
してはメトキシメチルエーテル基、テトラヒドロピラニ
ルエーテル基、メチルチオメチルエーテル基またはトリ
ベンジルシリルエーテル基などがあげられるが、好まし
くはt-ブチルジメチルシリルエーテル基があげられる。 【0042】一般式(IV)で示される本発明の化合物の製
造(前記(a) 工程に相当する)における縮合反応は以下
に示すような方法で行なうのが好ましい。 【0043】一般式(III) で表わされる化合物を適当な
不活性非プロトン性溶媒、好ましくはテトラヒドロフラ
ンに溶解し、強塩基、好ましくはn-ブチルリチウムと -
80°〜 -40℃の範囲内の温度で反応させる。えられた一
般式(III) で表わされる化合物のカルバニオンを含有す
る溶液に一般式(II)で表わされる化合物のテトラヒドロ
フラン溶液を加え、ついで -60°〜20℃の範囲内の適当
な温度でヴィッティッヒ(Wittig)反応の方法に従って反
応させる。 【0044】非常に驚くべきことには、本発明の方法に
よれば一般式(IV)で表わされる化合物がえられ、一般式
(III) で表わされる化合物のカルバニオンは、一般式(I
I)で表わされる化合物のスルホン基に対するα位におい
て比較的酸性のプロトンとは予想に反してむしろ反応し
なかった。同様に一般式(III) で表わされる化合物が、
加えたn-ブチルリチウムまたは他の塩基の全量と完全に
反応することは予期せぬことであった。もし一般式(II)
で表わされる化合物が加えられたときに前記塩基がいく
らかでも残っていたとしたら、塩基は化合物(II)と反応
して目的とする一般式(IV)で表わされる化合物以外の生
成物がえられてしまっただろう。 【0045】一般式(VI)で示される本発明の化合物の製
造(前記(b) 工程に相当する)における一般式(IV)で表
わされる化合物と一般式(V) で表わされる化合物との反
応は不活性非プロトン性溶媒、好ましくはテトラヒドロ
フラン中で、強塩基、好ましくはn-ブチルリチウムの影
響下で -40°〜 -10℃の範囲内の温度で行なう。本発明
の好ましい具体例では、塩基を過剰に用いて一般式(IV)
で表わされる化合物からカルバニオンを生成させ、さら
に一般式(V) で表わされる化合物を式: 【0046】 【化21】 【0047】で表わされるエポキシドに反応容器中で即
座に(in situ) 変換する。該エポキシドは一般式(IV)で
表わされる化合物のカルバニオンと反応するものと考え
られる。 【0048】なお、本発明化合物を用いて 24,25(OH)2
D3 を製造するばあい、前記 (c)工程においては、(b)
工程でえられた一般式(VI)で表わされる化合物の完全な
ビタミンD骨格からスルホン基を切除する。その方法と
しては文献に記載のあるいずれの方法でもよいが、たと
えばナトリウムアマルガム、メタノール中のマグネシウ
ム、エチルアミンまたはラネイニッケルとともに用いる
リチウムなどと反応させる方法がある。 【0049】同様に前記(d) 工程においては、(c) 工程
でえられた化合物中のヒドロキシ保護基Rを保護基の性
質に従って適当な公知の方法により除去する。したがっ
て、もしRがt-ブチルジメチルシリル基であれば、テト
ラブチルアンモニウムフルオライドと反応させることに
より切除し目的とする 24,25(OH)2 D3 をえる。 【0050】なお、一般式(II)で表わされる化合物はつ
ぎに示す反応系路: 【0051】 【化22】 【0052】で合成される。 【0053】一般式(VII) で表わされる周知の化合物
「インホッフェン -リスゴー ジオール(Inhoffen-Lyth
goe diol) 」(インホッフェンら、ヘミッシェ・ベリヒ
テ(Ber.)、91巻、 781頁、(1958)参照)は、たとえばピ
リジン中でp-トルエンスルホン酸により選択的にアリー
ルスルホン化され、一般式(VIII)で表わされる化合物が
形成され、ついで該化合物は既知の条件下に適当な不活
性溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド中でたとえば
ヨウ化ナトリウムおよびアリールスルフィン酸ナトリウ
ムを用いてスルホン化され、一般式(IX)で表わされる化
合物がえられる。さらに一般式(IX)で表わされる化合物
は不活性溶媒、たとえば塩化メチレン中で適当な酸化
剤、たとえばピリジニウム重クロム酸塩またはピリジニ
ウムトリオクソクロロクロム酸塩を用いることによって
容易に一般式(II)で表わされるケトンに酸化される。 【0054】もう一方の出発物質である一般式(III) で
表わされる化合物は既知であり、トー(Toh) およびオカ
ムラ(OKamura)の方法(ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.)、48巻、1414頁(1983)
参照)にしたがって製造されうる。 【0055】一般式(V) で表わされる化合物は、たとえ
ばタカヤマらの方法(テトラヘドロン・レターズ(Tetra
hedron Letters)、21巻、5027〜5028頁、(1980)) にし
たがって製造されうる。 【0056】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。 【0057】実施例1[(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´
-p- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチル
-ビシクロ(4,3,0)-ノナン -5-オール(一般式(IX)で表
わされる化合物においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあい
の化合物)の製造] 14.5g(40mmol)の(1R 、6R、9R、2´S)-9-( 1´-p-
トルエンスルホニルオキシプロップ-2´- イル)-1-メチ
ルビシクロ(4,3,0) ノナン -5-オールを不活性雰囲気下
で乾燥ジメチルホルムアミド 250mlに溶かした溶液に6
0.2g(400mmol)のヨウ化ナトリウムおよび10.7g(60mmo
l)のp-トルエンスルフィン酸ナトリウムを加えた。えら
れた混合物を80℃で2時間加熱したのち、酢酸エチル1
リットルを加えた。えられた溶液を水で2回、ついで5
%水性チオ硫酸ナトリウムで1回、さらに塩水で1回洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
し、真空中で濃縮した。酢酸エチルから再結晶すること
によって目的の化合物を 7.1g(収率51%)単離した。
以下にえられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0058】mp: 125〜 126℃ 分析結果 元素分析(C20H30O3 S): C H S 理論値 68.53 8.62 9.14 実測値 68.75 8.65 9.21 IR(KBr) :3515、1295、1135cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 4.06(m 、1H) 、 2.45(s 、3H) 、 1.17(d 、3H) 、 0.90(s 、3H) 実施例2[(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´-p- トルエン
スルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチルビシクロ-(4,
3,0)- ノナン -5-オン(一般式(II)で表わされる化合物
においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の合
成] 12.4g(33mmol)のピリジニウム重クロム酸塩を40mlの乾
燥塩化メチレンに撹拌して懸濁させた液に 7.6g(22mm
ol) の実施例1でえた(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´-p
- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチルビ
シクロ(4,3,O)ノナン -5-オールを40mlの乾燥塩化メチ
レンに溶かした溶液を加えた。室温で2時間撹拌したの
ちジエチルエーテル 100mlを加え、黒ずんだ懸濁液をシ
リカゲルを用いて吸引濾過し、塩化メチレン:ジエチル
エーテル=9:1の溶液で洗浄した。真空中で溶媒を除
去し、酢酸エチルから再結晶することによって目的の化
合物7g(収率92%)を単離した。以下に、えられた化
合物の物理化学的特性を示す。 【0059】mp: 148〜 149℃ 分析結果 元素分析(C20H28O3 S): C H S 理論値 68.93 8.10 9.20 実測値 68.61 8.20 9.34 IR(KBr) :1703、1355、1190cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 2.45(s 、3H) 、 1.24(d 、3H) 、 0.61(s 、3H) 実施例3[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-22-p-トルエ
ンスルホニル-23,24,25,26,27-ペンタノルコレカルシフ
ェロール(一般式(IV)で表わされる化合物において R1
がt-ブチルジメチルシリル(以下、 TBDMSという) 、Ar
がp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の製造] 6.8g(15.0mmol )の(S)-(Z)-[2-(5´-t- ブチルジメ
チルシリルオキシ-2´- メチレン -シクロヘキシルイデ
ン)エチル]ジフェニルホスフィンオキシドを75mlの乾
燥テトラヒドロフランに溶かした溶液に -45℃で 1.55
モル濃度のn-ブチルリチウム 9.3ml(14.4mmol)を滴下し
た。45分後に実施例2でえられた(1R,6R,9R, 2´S)-9-
( 1´-p- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-
メチルビシクロ(4,3,0) ノナン -5-オンの 4.2g(12.1m
mol)を60mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした赤色溶
液を滴下した。 -45℃で90分間反応させたのち反応混合
物を室温に暖め、30mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
と70mlのジエチルエーテルで処理した。ついで反応混合
物をジエチルエーテルで2回抽出した。複合(combined)
有機層は2回分を一緒にして塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムを加えて乾燥し、真空中で溶媒を除去した。
溶出液として12%の酢酸エチルを含むヘキサンを用いて
フラッシュ(flash) カラムクロマトグラフィーにより目
的の化合物 6.2g(収率88%)を単離した。以下にえら
れた化合物の物理化学的特性を示す。 【0060】分析結果 元素分析(C35H54O3 SSi): C H S 理論値 72.11 9.35 5.50 実測値 72.06 9.06 5.79 IR(CHCl3 ):1600、1300、1135、1080cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 6.03(d of d、2H) 、 4.86(d 、2H)、 3.2(m、1H) 、 2.45(s 、3H) 、 1.23(d 、3H) 、 0.88(s 、9H) 、 0.52(s 、3H) 実施例4[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-24(R),25-ジ
ヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニル−コレカルシフェ
ロール(一般式(VI)で表わされる化合物においてR1 がT
BDMS 、Arがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の製
造] 4.6 g(16.6mmol)の3-メチルブタン-1,2(R),3-トリオー
ル-1-p- トルエンスルホナート(一般式(V) で表わされ
る化合物においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合
物)と 4.8g(8.3mmol) の実施例3でえられた3-t-ブチ
ルジメチルシリル-22-p-トルエンスルホニル-23,24,25,
26,27-ペンタノルコレカルシフェロールを -20℃で不活
性雰囲気下に25mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした
溶液に1.55モル濃度のn-ブチルリチウム32ml(49.7mmol)
を滴下した。 -20℃で1時間反応させたのち、30mlの飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応混合物をジエチ
ルエーテルで2回抽出した。複合有機層をひき続き飽和
塩化アンモニウム水溶液および塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムを加えて乾燥し、ついで真空中で油になる
まで濃縮した。溶出液として酢酸エチル:ヘキサン=
1:1の溶液を用いてフラッシュカラムクロマトグラフ
ィーにより目的の化合物 5.2g(収率92%)を単離し
た。以下に、えられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0061】分析結果 元素分析(C40H64O5 SSi): C H S 理論値 70.13 9.42 4.68 実測値 69.88 9.14 5.08 IR(CHCl3 ):1600、1135、1080cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 6.02(d of d、2H) 、 4.86(d 、2H)、 2.45(s 、3H) 、 1.34(s 、3H) 、 1.27(s 、3H) 、 0.99(d 、3H) 、 0.88(s 、9H) 0.83(s 、3H) 参考例1[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-24(R),25-ジ
ヒドロキシコレカルシフェロールの製造] 実施例4でえられた 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(R),25-ジヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニルコレカ
ルシフェロールの 4.09 g(6mmol) を80mlのメタノール
に溶かした溶液に17g(120mmol) の無水リン酸水素二ナ
トリウムと55g(120mmol) の5%ナトリウムアマルガム
を加え、えられた反応混合物を不活性雰囲気下に35℃で
撹拌した。4時間後、生じた沈殿を濾過により除去し、
真空中で濾液から溶媒を除去した。残渣を酢酸エチルで
抽出し、えられた溶液を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムを加えて乾燥し、ついで真空中で溶媒を除去し
た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル=7:3を用い
てフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、目的の
化合物 2.3g(収率73%)を単離した。 【0062】以下に、えられた化合物の物理化学的特性
を示す。 【0063】UV:λmax =265nm 参考例2[24(R),25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(一般式(I) で表わされる化合物)の製造] 参考例1でえられた 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(R),25-ジヒドロキシコレカルシフェロールの 2.13 g
(4mmol) を40mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした溶
液にテトラヒドロフラン中の1モル濃度のフッ化テトラ
ブチルアンモニウムの28ml(28mmol)を、不活性雰囲気下
に撹拌しながら加えた。室温で2時間反応させたのち、
真空中で揮発性成分を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出
し、ついで水で5回、塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムを加えて乾燥し、さらに真空中で溶媒を除去し
た。残渣を酢酸エチルとともにシリカゲルに通して吸引
し溶出によって精製し、目的の化合物 1.6g(収率95
%)をえた。以下に、えられた化合物の物理化学的特性
を示す。 【0064】mp: 137〜 140℃(メチル ホルメート) UV:λmax =265nm 参考例3[24(S),25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(一般式(I) で表わされる化合物)の製造] 2(R)異性体の代わりに3-メチルブタン-1,2(S),3-トリオ
ール 1-p-トルエンスルホナートを用いたほかは実施例
4と同様にして、 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(S),25-ジヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニル -コレ
カルシフェロールを製造した。該化合物をさらに参考例
1および参考例2と同様の方法に従い目的の化合物をえ
た。以下にえられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0065】UV:λmax =265nm 【0066】 【発明の効果】本発明化合物を用いることにより、 24,
25(OH)2 D3 を立体規則的な方法で直接的に製造するこ
とができる。
(S),25- ジヒドロキシコレカルシフェロールの立体規則
的合成に用いられる新規化合物およびその製法に関す
る。 【0002】24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(以下、「24,25(OH)2 D3 」という)はビタミンD3
の代謝物であり、ビタミンD3 と同等の生理学的活性を
有することが知られている。エーデルシュタイン(Edels
tein) らは 24,25(OH)2 D3 がヒナドリの骨形成に必須
であることを示し(ネイチャー(Nature)、 276巻、517
〜 519頁、(1978)参照)、ノーマン(Norman)らはカルシ
ウムやリンの恒常性に必要不可欠であることを見出した
(ライフサイエンス(Life Science)、27巻、229〜 237
頁、(1980)参照)。さらにカニス(Kanis) らは 24,25(O
H)2 D3 は、ヒトにおける骨格の代謝調整に重要である
かもしれないと提案している(ブリティッシュ・メディ
カル・ジャーナル(Brit.Med.J.) 、I巻、1383頁、(197
8)参照)。最近、該ビタミンD3 代謝物は抗高カルシウ
ム血症、抗潰瘍および抗腫瘍活性を有しており、またヒ
トの血糖値を調節する活性も有することが米国特許第4,
442,093号明細書に主張されている。 【0003】天然に生じる代謝物 24,25(OH)2 D 3 は24
(R)エナンチオマーであり、よく知られているようにそ
の生理学的活性およびその結果となる治療効果は天然に
は存在しない24(S) 異性体の生理活性および治療効果と
はかなり異なっていることはスターン(Stern) らによっ
て示されている(バイオケミカル・アンド・バイオフィ
ジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem,&
Biophys.Res.Comm.)、67巻、 965〜 971頁、(1975)参
照)。 【0004】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】24,2
5(OH)2 D3 は生理学的に重要であるために、多くの合
成方法が文献に提案されている。しかしながら、これら
の方法は一般的に24(R),25(OH)2 D3 の工業規模の生
産には適さないものである。前記方法の多くは、生理学
的活性を有する24(R) 異性体のための立体規則性をもた
ない。たとえば、エム・セキ(M.Seki)らはデスモステロ
ールから24,25-ジヒドロキシコレステロールを非立体規
則的に合成する方法を報告している(ケミカル・アンド
・ファーマシューティカル・ブラチン(ジャパン)(Ch
em.Pharm.Bull.(Japan))、21巻、2783頁、(1973)参
照))が、この方法は営利的に利用できるものではな
い。セキらはm-クロロ過安息香酸にてエポキシ化するこ
とによってC-24およびC-25ヒドロキシル基を導入し、つ
いでオスミウムテトラオキシドで加水分解またはヒドロ
キシル化し、ついで還元的に加水分解を行なった。さら
に引き続いてセキらはクロマトグラフィーにより前記方
法でえられたエポキシドのラセミ体を分割する方法を報
告した(テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lette
rs) 、15頁、(1975)参照)。デスモステロール(Desmost
erol)はまたアール・チェネホム(R. Tchienehom) らに
よって酸化的ヨウ素化ついで酢酸による加溶媒分解を経
る非立体規則的合成の出発物質として用いられている
(ヨーロッパ特許第 5,653号明細書参照)。 【0005】ラム(Lam) らは、 3β -アセトキシ-27-ノ
ル -5-コレステン-25-オンを出発物質として用い、エノ
ールアセテート(enol acetate)のアセチル化を経て、2
4, 25- ジヒドロキシコレステロールを非立体規則的に
合成する方法を報告した(バイオケミストリー(Biochem
istry)、12巻、4851頁(1973)参照)が、これもまた営利
的に好ましくない。同様に、 25-ヒドロキシ-24-オキソ
-コレステロール誘導体のC-24カルボニル基を非立体規
則的還元を含んだいくつかの合成方法が報告されてい
る。アイレイ(Eyley) らによって、C-22アルデヒドと3-
メチル -3-テトラヒドロピラニルオキシ -2-ブタノンを
アルドール縮合させ、ついで、えられたエノンを還元す
ることによる前記誘導体の製造方法が報告されている
(ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイアティ(J.C
hem.Soc.)、727 頁、(1976)参照)。また 24-オキソコ
レステロール誘導体のC-25位の酸化によりえられるケト
ールをさらに非立体規則的に還元する方法も報告されて
いる(日本特許第80,164,700号および第55,131,000号明
細書参照)。このようにエナンチオマーの混合物の形で
存在する 24,25(OH)2 D3 は比較的容易に合成される
が、今までのところ工業規模の異性体の分離に適する方
法がえられていない。 【0006】24,25(OH)2 D3 の立体選択的(stereosele
ctive)合成法としては、シス -△23-25-ヒドロキシコ
レステロール誘導体を対応するアルキン誘導体から接触
還元により合成し、これをバナジルアセトアセテート(v
anadyl acetoacetate ) の存在下に過酸化水素t-ブチル
を用いて立体選択的にエポキシ化する方法がジェイ・パ
ートリッジ(J.Partridge) らによって報告されている
(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサ
イアティ(J.Amer.Chem.Soc.)、98巻、3739頁、(1976)
参照)。この合成では生成混合物の置換パターンのわず
かなちがいによる構造異性的(regioisomeric)な分離と
同様に立体異性的な分離も必要である。 【0007】現在まで知られている24,25-ジヒドロキシ
コレカルシフェロールの有用な立体規則的合成法は 22-
スルホニルコレステロール誘導体の使用を基本としてい
る。タカヤマ(Takayama)らは該誘導体とD-グリセリン酸
から製造した光学的に純粋なD-1,2-エポキシ -3-メチル
-3-ブタノールとを縮合させる方法(テトラヘドロン・
レターズ(Tetrahedron Letters) 、21巻、5027頁、(198
0)参照)を示した。一方、ヨーロッパ特許第 063,678号
明細書には 22-スルホニルコレステロール誘導体を、D-
グリセレート誘導体から製造した2,3-ジヒドロキシプロ
パナール -2,3-アセトニドと縮合させる方法が記載され
ている。 【0008】前記ヨーロッパ特許明細書に記載の立体規
則的合成法が機械的な製造に実用的なものであるとは判
明していない。なぜなら、報告されている 24,25(OH)2
D3 の他のあらゆる合成法と同様、最後から2番目の中
間体が24,25-ジヒドロキシコレスタン誘導体であり、こ
れから 24,25(OH)2 D3 の合成を完了するには照射処理
(irradiate) しなければならないためである。このよう
なプロビタミンD誘導体を照射してプレビタミンDと
し、さらにプレビタミンDを熱異性化(thermalisomeriz
ation) して目的とするビタミンD誘導体をえる方法は
常に収率が低く、えられた異性体の混合物から目的とす
るビタミンを単離するのはきわめて困難であり、かつ収
率が低い。また効率のよい照射技術は大規模生産にはと
くに疑わしい点がある。 【0009】本発明の目的は前記公知の製法の欠点を克
服し、プロビタミンからプレビタミン誘導体を合成する
際にいかなる光化学的変換をも必要とせず、かつビタミ
ン誘導体へのいかなる異性化の過程をも必要としない立
体規則的な方法で直接的に24,25(OH)2 D3 を製造する
方法において有用な新規化合物およびその製法を提供す
ることである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(X) : 【0011】 【化8】 【0012】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基、 R1 は(S)-(Z)立体配
置を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基、および
R は水素原子または不斉炭素原子において(R) または
(S) の立体配置のどちらかを有する式: 【0013】 【化9】 【0014】で表わされるラジカルを示す)で表わされ
る化合物に関する。 【0015】また、本発明は一般式(II): 【0016】 【化10】 【0017】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基を示す)で表わされる化
合物を一般式(III) : 【0018】 【化11】 【0019】(式中、 R1 は(S)-(Z) 立体配置を有する
適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基を示す)で表わされ
る化合物からえられる塩基により生成するカルバニオン
と縮合させることからなる、前記一般式(X) で示される
化合物のうちR が水素原子であるものの製法に関する。 【0020】さらに、本発明は一般式(IV): 【0021】 【化12】 【0022】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基およびR1 は(S)-(Z) 立
体配置を有する適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基を示
す)で表わされる化合物から誘導される塩基により生成
するカルバニオンと一般式(V): 【0023】 【化13】 【0024】(式中、Arは前記と同じ)で表わされる3-
メチルブタン-1,2,3- トリオール1-アリールスルホネー
トの2(R)または2(S)異性体とを強塩基の存在下に反応さ
せることからなる、前記一般式(X) で示される化合物の
うち Rが不斉炭素原子において(R) または(S) の立体配
置のどちらかを有する式: 【0025】 【化14】 【0026】で表わされるラジカルであるものの製法に
関する。 【0027】 【実施例】本発明の化合物は、(a) 一般式(II): 【0028】 【化15】 【0029】(式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体
配置を有する単環状アリール基を示す)で表わされる化
合物を一般式(III) : 【0030】 【化16】 【0031】(式中、 R1 は(S)-(Z) 立体配置を有する
適当な塩基安定性(base-stable) ヒドロキシ保護基を示
す)で表わされる化合物から誘導され、塩基により生成
する(base-generated)カルバニオンと縮合させて一般式
(IV): 【0032】 【化17】 【0033】(式中、Arおよび R1 は前記と同じ)で表
わされる化合物を製造する工程、(b) 一般式(IV)で表わ
される化合物から誘導され、塩基により生成するカルバ
ニオンと一般式(V) : 【0034】 【化18】 【0035】(式中、Arは前記と同じ)で表わされる3-
メチルブタン-1,2,3- トリオール1-アリールスルホネー
トの2(R)または2(S)異性体とを強塩基の存在下に反応さ
せて一般式(VI): 【0036】 【化19】【0037】(式中、Arおよび R1 は前記と同じ)で表
わされる化合物を製造する工程、(c) 一般式(VI)で表わ
される化合物の22位のスルホニル基を公知の方法で切り
離す工程、および(d) 前記(c) 工程でえられた化合物か
らヒドロキシ保護基 R1を切り離す工程からなる方法に
より一般式(I) : 【0038】 【化20】 【0039】で表わされる24(R),25または24(S),25- ジ
ヒドロキシコレカルシフェロールを製造するにあたり、
有用な新規中間体として用いることができる。 【0040】化合物(IV)および(VI)を含む一般式(X) で
表わされる本発明の化合物ならびに一般式(II)および
(V) で表わされる本発明の化合物の製造に用いられる化
合物中の単環状アリール基であるArとしては任意に置換
されたフェニル基が適当であり、フェニル基またはp-ト
リル基が好ましい。 【0041】また、これらの化合物中の R1 で示される
塩基安定性ヒドロキシ保護基としては、当技術分野でよ
く知られている通常の保護基を用いればよく、その例と
してはメトキシメチルエーテル基、テトラヒドロピラニ
ルエーテル基、メチルチオメチルエーテル基またはトリ
ベンジルシリルエーテル基などがあげられるが、好まし
くはt-ブチルジメチルシリルエーテル基があげられる。 【0042】一般式(IV)で示される本発明の化合物の製
造(前記(a) 工程に相当する)における縮合反応は以下
に示すような方法で行なうのが好ましい。 【0043】一般式(III) で表わされる化合物を適当な
不活性非プロトン性溶媒、好ましくはテトラヒドロフラ
ンに溶解し、強塩基、好ましくはn-ブチルリチウムと -
80°〜 -40℃の範囲内の温度で反応させる。えられた一
般式(III) で表わされる化合物のカルバニオンを含有す
る溶液に一般式(II)で表わされる化合物のテトラヒドロ
フラン溶液を加え、ついで -60°〜20℃の範囲内の適当
な温度でヴィッティッヒ(Wittig)反応の方法に従って反
応させる。 【0044】非常に驚くべきことには、本発明の方法に
よれば一般式(IV)で表わされる化合物がえられ、一般式
(III) で表わされる化合物のカルバニオンは、一般式(I
I)で表わされる化合物のスルホン基に対するα位におい
て比較的酸性のプロトンとは予想に反してむしろ反応し
なかった。同様に一般式(III) で表わされる化合物が、
加えたn-ブチルリチウムまたは他の塩基の全量と完全に
反応することは予期せぬことであった。もし一般式(II)
で表わされる化合物が加えられたときに前記塩基がいく
らかでも残っていたとしたら、塩基は化合物(II)と反応
して目的とする一般式(IV)で表わされる化合物以外の生
成物がえられてしまっただろう。 【0045】一般式(VI)で示される本発明の化合物の製
造(前記(b) 工程に相当する)における一般式(IV)で表
わされる化合物と一般式(V) で表わされる化合物との反
応は不活性非プロトン性溶媒、好ましくはテトラヒドロ
フラン中で、強塩基、好ましくはn-ブチルリチウムの影
響下で -40°〜 -10℃の範囲内の温度で行なう。本発明
の好ましい具体例では、塩基を過剰に用いて一般式(IV)
で表わされる化合物からカルバニオンを生成させ、さら
に一般式(V) で表わされる化合物を式: 【0046】 【化21】 【0047】で表わされるエポキシドに反応容器中で即
座に(in situ) 変換する。該エポキシドは一般式(IV)で
表わされる化合物のカルバニオンと反応するものと考え
られる。 【0048】なお、本発明化合物を用いて 24,25(OH)2
D3 を製造するばあい、前記 (c)工程においては、(b)
工程でえられた一般式(VI)で表わされる化合物の完全な
ビタミンD骨格からスルホン基を切除する。その方法と
しては文献に記載のあるいずれの方法でもよいが、たと
えばナトリウムアマルガム、メタノール中のマグネシウ
ム、エチルアミンまたはラネイニッケルとともに用いる
リチウムなどと反応させる方法がある。 【0049】同様に前記(d) 工程においては、(c) 工程
でえられた化合物中のヒドロキシ保護基Rを保護基の性
質に従って適当な公知の方法により除去する。したがっ
て、もしRがt-ブチルジメチルシリル基であれば、テト
ラブチルアンモニウムフルオライドと反応させることに
より切除し目的とする 24,25(OH)2 D3 をえる。 【0050】なお、一般式(II)で表わされる化合物はつ
ぎに示す反応系路: 【0051】 【化22】 【0052】で合成される。 【0053】一般式(VII) で表わされる周知の化合物
「インホッフェン -リスゴー ジオール(Inhoffen-Lyth
goe diol) 」(インホッフェンら、ヘミッシェ・ベリヒ
テ(Ber.)、91巻、 781頁、(1958)参照)は、たとえばピ
リジン中でp-トルエンスルホン酸により選択的にアリー
ルスルホン化され、一般式(VIII)で表わされる化合物が
形成され、ついで該化合物は既知の条件下に適当な不活
性溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド中でたとえば
ヨウ化ナトリウムおよびアリールスルフィン酸ナトリウ
ムを用いてスルホン化され、一般式(IX)で表わされる化
合物がえられる。さらに一般式(IX)で表わされる化合物
は不活性溶媒、たとえば塩化メチレン中で適当な酸化
剤、たとえばピリジニウム重クロム酸塩またはピリジニ
ウムトリオクソクロロクロム酸塩を用いることによって
容易に一般式(II)で表わされるケトンに酸化される。 【0054】もう一方の出発物質である一般式(III) で
表わされる化合物は既知であり、トー(Toh) およびオカ
ムラ(OKamura)の方法(ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.)、48巻、1414頁(1983)
参照)にしたがって製造されうる。 【0055】一般式(V) で表わされる化合物は、たとえ
ばタカヤマらの方法(テトラヘドロン・レターズ(Tetra
hedron Letters)、21巻、5027〜5028頁、(1980)) にし
たがって製造されうる。 【0056】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。 【0057】実施例1[(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´
-p- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチル
-ビシクロ(4,3,0)-ノナン -5-オール(一般式(IX)で表
わされる化合物においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあい
の化合物)の製造] 14.5g(40mmol)の(1R 、6R、9R、2´S)-9-( 1´-p-
トルエンスルホニルオキシプロップ-2´- イル)-1-メチ
ルビシクロ(4,3,0) ノナン -5-オールを不活性雰囲気下
で乾燥ジメチルホルムアミド 250mlに溶かした溶液に6
0.2g(400mmol)のヨウ化ナトリウムおよび10.7g(60mmo
l)のp-トルエンスルフィン酸ナトリウムを加えた。えら
れた混合物を80℃で2時間加熱したのち、酢酸エチル1
リットルを加えた。えられた溶液を水で2回、ついで5
%水性チオ硫酸ナトリウムで1回、さらに塩水で1回洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
し、真空中で濃縮した。酢酸エチルから再結晶すること
によって目的の化合物を 7.1g(収率51%)単離した。
以下にえられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0058】mp: 125〜 126℃ 分析結果 元素分析(C20H30O3 S): C H S 理論値 68.53 8.62 9.14 実測値 68.75 8.65 9.21 IR(KBr) :3515、1295、1135cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 4.06(m 、1H) 、 2.45(s 、3H) 、 1.17(d 、3H) 、 0.90(s 、3H) 実施例2[(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´-p- トルエン
スルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチルビシクロ-(4,
3,0)- ノナン -5-オン(一般式(II)で表わされる化合物
においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の合
成] 12.4g(33mmol)のピリジニウム重クロム酸塩を40mlの乾
燥塩化メチレンに撹拌して懸濁させた液に 7.6g(22mm
ol) の実施例1でえた(1R 、6R、9R、 2´S)-9-( 1´-p
- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-メチルビ
シクロ(4,3,O)ノナン -5-オールを40mlの乾燥塩化メチ
レンに溶かした溶液を加えた。室温で2時間撹拌したの
ちジエチルエーテル 100mlを加え、黒ずんだ懸濁液をシ
リカゲルを用いて吸引濾過し、塩化メチレン:ジエチル
エーテル=9:1の溶液で洗浄した。真空中で溶媒を除
去し、酢酸エチルから再結晶することによって目的の化
合物7g(収率92%)を単離した。以下に、えられた化
合物の物理化学的特性を示す。 【0059】mp: 148〜 149℃ 分析結果 元素分析(C20H28O3 S): C H S 理論値 68.93 8.10 9.20 実測値 68.61 8.20 9.34 IR(KBr) :1703、1355、1190cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 2.45(s 、3H) 、 1.24(d 、3H) 、 0.61(s 、3H) 実施例3[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-22-p-トルエ
ンスルホニル-23,24,25,26,27-ペンタノルコレカルシフ
ェロール(一般式(IV)で表わされる化合物において R1
がt-ブチルジメチルシリル(以下、 TBDMSという) 、Ar
がp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の製造] 6.8g(15.0mmol )の(S)-(Z)-[2-(5´-t- ブチルジメ
チルシリルオキシ-2´- メチレン -シクロヘキシルイデ
ン)エチル]ジフェニルホスフィンオキシドを75mlの乾
燥テトラヒドロフランに溶かした溶液に -45℃で 1.55
モル濃度のn-ブチルリチウム 9.3ml(14.4mmol)を滴下し
た。45分後に実施例2でえられた(1R,6R,9R, 2´S)-9-
( 1´-p- トルエンスルホニルプロップ-2´- イル)-1-
メチルビシクロ(4,3,0) ノナン -5-オンの 4.2g(12.1m
mol)を60mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした赤色溶
液を滴下した。 -45℃で90分間反応させたのち反応混合
物を室温に暖め、30mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
と70mlのジエチルエーテルで処理した。ついで反応混合
物をジエチルエーテルで2回抽出した。複合(combined)
有機層は2回分を一緒にして塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムを加えて乾燥し、真空中で溶媒を除去した。
溶出液として12%の酢酸エチルを含むヘキサンを用いて
フラッシュ(flash) カラムクロマトグラフィーにより目
的の化合物 6.2g(収率88%)を単離した。以下にえら
れた化合物の物理化学的特性を示す。 【0060】分析結果 元素分析(C35H54O3 SSi): C H S 理論値 72.11 9.35 5.50 実測値 72.06 9.06 5.79 IR(CHCl3 ):1600、1300、1135、1080cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 6.03(d of d、2H) 、 4.86(d 、2H)、 3.2(m、1H) 、 2.45(s 、3H) 、 1.23(d 、3H) 、 0.88(s 、9H) 、 0.52(s 、3H) 実施例4[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-24(R),25-ジ
ヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニル−コレカルシフェ
ロール(一般式(VI)で表わされる化合物においてR1 がT
BDMS 、Arがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合物)の製
造] 4.6 g(16.6mmol)の3-メチルブタン-1,2(R),3-トリオー
ル-1-p- トルエンスルホナート(一般式(V) で表わされ
る化合物においてArがp-CH3 -C6 H4 - のばあいの化合
物)と 4.8g(8.3mmol) の実施例3でえられた3-t-ブチ
ルジメチルシリル-22-p-トルエンスルホニル-23,24,25,
26,27-ペンタノルコレカルシフェロールを -20℃で不活
性雰囲気下に25mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした
溶液に1.55モル濃度のn-ブチルリチウム32ml(49.7mmol)
を滴下した。 -20℃で1時間反応させたのち、30mlの飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応混合物をジエチ
ルエーテルで2回抽出した。複合有機層をひき続き飽和
塩化アンモニウム水溶液および塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムを加えて乾燥し、ついで真空中で油になる
まで濃縮した。溶出液として酢酸エチル:ヘキサン=
1:1の溶液を用いてフラッシュカラムクロマトグラフ
ィーにより目的の化合物 5.2g(収率92%)を単離し
た。以下に、えられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0061】分析結果 元素分析(C40H64O5 SSi): C H S 理論値 70.13 9.42 4.68 実測値 69.88 9.14 5.08 IR(CHCl3 ):1600、1135、1080cm-1 NMR(CDCl3 ):δ 6.02(d of d、2H) 、 4.86(d 、2H)、 2.45(s 、3H) 、 1.34(s 、3H) 、 1.27(s 、3H) 、 0.99(d 、3H) 、 0.88(s 、9H) 0.83(s 、3H) 参考例1[ 3β-t- ブチルジメチルシリル-24(R),25-ジ
ヒドロキシコレカルシフェロールの製造] 実施例4でえられた 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(R),25-ジヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニルコレカ
ルシフェロールの 4.09 g(6mmol) を80mlのメタノール
に溶かした溶液に17g(120mmol) の無水リン酸水素二ナ
トリウムと55g(120mmol) の5%ナトリウムアマルガム
を加え、えられた反応混合物を不活性雰囲気下に35℃で
撹拌した。4時間後、生じた沈殿を濾過により除去し、
真空中で濾液から溶媒を除去した。残渣を酢酸エチルで
抽出し、えられた溶液を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムを加えて乾燥し、ついで真空中で溶媒を除去し
た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル=7:3を用い
てフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、目的の
化合物 2.3g(収率73%)を単離した。 【0062】以下に、えられた化合物の物理化学的特性
を示す。 【0063】UV:λmax =265nm 参考例2[24(R),25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(一般式(I) で表わされる化合物)の製造] 参考例1でえられた 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(R),25-ジヒドロキシコレカルシフェロールの 2.13 g
(4mmol) を40mlの乾燥テトラヒドロフランに溶かした溶
液にテトラヒドロフラン中の1モル濃度のフッ化テトラ
ブチルアンモニウムの28ml(28mmol)を、不活性雰囲気下
に撹拌しながら加えた。室温で2時間反応させたのち、
真空中で揮発性成分を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出
し、ついで水で5回、塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムを加えて乾燥し、さらに真空中で溶媒を除去し
た。残渣を酢酸エチルとともにシリカゲルに通して吸引
し溶出によって精製し、目的の化合物 1.6g(収率95
%)をえた。以下に、えられた化合物の物理化学的特性
を示す。 【0064】mp: 137〜 140℃(メチル ホルメート) UV:λmax =265nm 参考例3[24(S),25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
(一般式(I) で表わされる化合物)の製造] 2(R)異性体の代わりに3-メチルブタン-1,2(S),3-トリオ
ール 1-p-トルエンスルホナートを用いたほかは実施例
4と同様にして、 3β-t- ブチルジメチルシリル-24
(S),25-ジヒドロキシ-22-p-トルエンスルホニル -コレ
カルシフェロールを製造した。該化合物をさらに参考例
1および参考例2と同様の方法に従い目的の化合物をえ
た。以下にえられた化合物の物理化学的特性を示す。 【0065】UV:λmax =265nm 【0066】 【発明の効果】本発明化合物を用いることにより、 24,
25(OH)2 D3 を立体規則的な方法で直接的に製造するこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ベン−ジオン ウエイネル
イスラエル国、エルサレム、ハギバ ハト
ザルフアチツ、マボ ハパルチザニム
306
(72)発明者 ジノラ バラスクハ
イスラエル国、93 805 エルサレム、ス
ハロモ ベン ヨセフ ストリート 321
/18
(72)発明者 ダニエレ ヒルスクハ
イスラエル国、97 765 エルサレム、ス
デロトハ エスハコロ 48
(72)発明者 エリオト スロビン
イスラエル国、43 451 ラアナナ、エリ
エゼル イエフエ ストリート 35/7
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.一般式(X) : 【化1】 (式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体配置を有する
単環状アリール基、 R1 は(S) −(Z)立体配置を有する
適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基、およびR は水素原
子または不斉炭素原子において(R) または(S) の立体配
置のどちらかを有する式: 【化2】 で表わされるラジカルを示す)で表わされる化合物。 2. Rが水素原子である特許請求の範囲第1項記載の化
合物。 3. 3β-t- ブチルジメチルシリル-22-p-トルエンスル
ホニル-23,24,25,26,27-ペンタノルコレカルシフェロー
ルである特許請求の範囲第2項記載の化合物。 4. Rが不斉炭素原子において(R) または(S) の立体配
置のどちらかを有する式: 【化3】 で表わされるラジカルである特許請求の範囲第1項記載
の化合物。 5.24(R) の立体配置を有する特許請求の範囲第4項記
載の化合物。 6. 3β-t- ブチルジメチルシリル-24(R),25-ジヒドロ
キシ-22-p-トルエンスルホニルコレカルシフェロールで
ある特許請求の範囲第4項または第5項記載の化合物。 7.一般式(II): 【化4】 (式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体配置を有する
単環状アリール基を示す)で表わされる化合物を一般式
(III) : 【化5】 (式中、 R1 は(S)-(Z) 立体配置を有する適当な塩基安
定性ヒドロキシ保護基を示す)で表わされる化合物から
えられる塩基により生成するカルバニオンと縮合させる
ことからなる特許請求の範囲第2項記載の化合物の製
法。 8.n-ブチルリチウムの存在下に不活性非プロトン性溶
媒中で縮合を行なう特許請求の範囲第7項記載の製法。 9.一般式(IV): 【化6】 (式中、Arは(1R、6R、9R、 2´S)の立体配置を有する
単環状アリール基およびR1 は(S)-(Z) 立体配置を有す
る適当な塩基安定性ヒドロキシ保護基を示す)で表わさ
れる化合物から誘導される塩基により生成するカルバニ
オンと一般式(V): 【化7】(式中、Arは前記と同じ)で表わされる3-メチルブタン
-1,2,3- トリオール1-アリールスルホネートの2(R)また
は2(S)異性体とを強塩基の存在下に反応させることから
なる特許請求の範囲第4項記載の化合物の製法。 10.過剰のn-ブチルリチウムの存在下に不活性非プロ
トン性溶媒中で反応を行なう特許請求の範囲第9項記載
の製法。
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