JPH0549495A - モノクローナル抗体及びヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素の定量方法 - Google Patents

モノクローナル抗体及びヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素の定量方法

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JPH0549495A
JPH0549495A JP3207799A JP20779991A JPH0549495A JP H0549495 A JPH0549495 A JP H0549495A JP 3207799 A JP3207799 A JP 3207799A JP 20779991 A JP20779991 A JP 20779991A JP H0549495 A JPH0549495 A JP H0549495A
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human plasma
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mouse
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Naohiro Haniyu
尚広 羽生
Masato Okada
昌人 岡田
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素(以下3F
Tと略す)を認識し、該酵素と特異的に結合するIgM
のクラスに属するモノクローナル抗体、並びにこの抗体
と3FTを反応させ、生成した複合体を定量することを特
徴とする3FTの定量方法。 【効果】 3FTを特異的に認識するモノクローナル抗体
を提供する。又、この抗体を用いて3FTを免疫学的に定
量可能としたので、3FTを正確かつ簡便に測定できるよ
うになり、癌の診断へも応用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト血漿α(1→3)フコ
ース転移酵素を認識するモノクローナル抗体、及びヒト
血漿α(1→3)フコース転移酵素の免疫学的定量方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】フコース転移酵素は、糖タンパク質や糖
脂質の糖鎖の末端へのフコース転移を触媒する酵素であ
る。転移されたフコースの結合様式の違いから、α(1→
2)、α(1→3)、α(1→4)、α(1→6)の4種類のフコース
転移酵素が存在する。近年腫瘍マーカーとして注目され
ている糖鎖抗原の多くにフコースが含まれており、また
様々の癌患者において、血清中のフコース転移酵素活性
が上昇することが知られている。中でも、α(1→3)フコ
ース転移酵素(以下、3FTと略することがある)は、肺
癌及び胃癌のマーカーとして有用であることが、Asaoら
(Cancer, 64, 2541-2545(1989))、Yazawaら(J. Canc
er Res. Clin. Oncol.,115, 451-455(1989))によって
報告されている。こうした背景から、3FTを測定するこ
とは、癌診断に有用とされている。
【0003】現在のフコース転移酵素の一般的な測定方
法は、臨床検査,33, 375-380(1989)に記載されてい
る。検体を、3Hあるいは14Cによって標識された、フ
コースの供与体であるGDPーフコースと、アシアロフェツ
インあるいはN―アセチルラクトサミン等のフコースの
受容体とを反応させ、反応後、フコース転移酵素によっ
てフコースが転移された受容体の放射活性を、液体シン
チレーションカウンタで測定する。しかしこの方法は、
アイソトープを用いた方法であり、測定にRI設備を必
要とすること、フコースの転移により標識された受容体
と、未反応の標識GDPーフコースとを分離するため、カラ
ムクロマトグラフィーあるいは電気泳動等の煩雑な操作
を要するといった問題があり、臨床検査としては適当で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な問題点を解決
するための方法として、より簡便な測定法である免疫学
的測定法を開発することがあげられる。本発明の目的
は、3FTの免疫学的定量方法及び該方法に適用しうるモ
ノクローナル抗体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意開発
を重ねた結果、ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素に対
するモノクローナル抗体を得ることに成功し、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、ヒト血漿α(1→3)フコー
ス転移酵素を認識し、該酵素と特異的に結合するIgM
のクラスに属するモノクローナル抗体、並びにこのモノ
クローナル抗体とヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素を
反応させ、生成した複合体を定量することを特徴とする
ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素の定量方法である。
【0007】本発明のモノクローナル抗体の代表的な製
造方法としては、例えば、下記のようないわゆる細胞融
合によって製造されたハイブリドーマから製造される。
即ち、抗体産生細胞と骨髄細胞との間に、ハイブリドー
マを形成させ、当該ハイブリドーマをクローン化し、3F
Tに対して特異性を示す抗体を生産するクローンを選択
することによって製造される。
【0008】本発明のモノクローナル抗体を得るため、
まず、免疫用の抗原として3FTを精製しなければならな
い。3FTの精製方法としては、例えばPrieelsら(J. Bio
l. Chem., 256, 10456-10463(1981))の方法がある。ヒ
ト血漿から、陽イオン交換カラム、アフィニティーカラ
ム等の各種カラムクロマトグラフィーを繰り返すことに
よって3FTを精製することができる。陽イオン交換カラ
ムとしては、例えばCMーセルロースがあげられる。アフ
ィニティーカラムとしては、例えばGDPーhexanolamine-S
epharoseあげられる。
【0009】免疫に際して、免疫原として、例えば精製
された3FTを含む溶液をフロイントの完全アジュバント
と混合したものが使用される。免疫用の動物としては、
例えばマウス、ラット、ウサギ等があげられる。免疫は
動物の皮下、筋肉内、腹腔内に注射することによって行
われる。初回免疫から約1〜2週間毎に数回免疫を行
い、最終免疫より約3〜5日後、免疫動物から抗体産生
細胞を分取する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リ
ンパ節細胞等があげられる。骨髄細胞としては、例えば
マウス、ラット、ヒト由来のものが使用される。例えば
マウスミエローマ細胞株P3U1、SP2/O、X63-Ag8、NSー1等が
あげられる。抗体産生細胞と骨髄細胞とは同種動物由来
であることが好ましい。
【0010】細胞融合は、例えばKohlerとMilsteinの方
法(Nature, 256, 495-497(1975))またはこれに準じる
方法によって行われる。30〜50%ポリエチレングリコー
ル(平均分子量1,000〜4,000)を用いて30〜40℃の温度
で、抗体産生細胞と骨髄細胞とを1〜10分間混合するこ
とによって行われる。細胞融合により得られるハイブリ
ドーマは、通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)選択法により選択される。この方法は、
細胞融合に前記のようなHGPRT(Hypoxanthine-gua
nine phosphoribosyl transferase)欠損株であるミエ
ローマ細胞を用いた場合に有効である。細胞融合後、H
AT培地で培養することにより、HGPRT欠損株のミ
エローマ細胞はアミノプテリンで生育が阻害され、アミ
ノプテリンに耐性のハイブリドーマのみを選択的に増殖
させることができる。
【0011】これによって得られたハイブリドーマの中
から、3FTに対するモノクローナル抗体を産生している
ものを選択する。この選択は、ハイブリドーマの培養上
清中の3FTに対する抗体の有無を、例えばエライザ(ELI
SA)法のような酵素免疫測定法によって調べる。選択さ
れたハイブリドーマは、例えば限界希釈法によってクロ
ーニングし細胞株を樹立する。ハイブリドーマ細胞株
は、2〜10mlの培地で増殖させ凍結保存しておくことが
できる。
【0012】モノクローナル抗体は、ハイブリドーマを
適当な培地で培養しその培養液を回収する、あるいは、
ハイブリドーマを動物の腹腔内に移植し増殖させ、腹水
を回収することによって得られる。このようにして得ら
れた抗体は、必要に応じて精製して使用することができ
る。例えば、硫安分画、イオン交換カラムクロマトグラ
フィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等の常法を
用いることにより精製することができる。
【0013】本発明のモノクローナル抗体を用いれば、
3FTを免疫学的に定量することができる。免疫学的定量
方法としては、例えば競合法、サンドイッチ法等があげ
られる。
【0014】競合法は、本発明のモノクローナル抗体を
固定化した固相に対し、酵素あるいは放射性同位元素等
によって標識された3FTと、検体または標準3FTとを競合
的に反応させ、洗浄した後固相に結合した酵素活性ある
いは放射活性を測定することによって行われる。モノク
ローナル抗体を固定化する固相としては、特に制限され
るものではないが、ポリスチレン等でできたビーズやマ
イクロプレートが使用される。モノクローナル抗体を固
定化する方法は、公知の方法を採用でき、例えば固相と
してマイクロプレートを用いた場合、モノクローナル抗
体の溶液をマイクロプレートのウェルに注入し、2〜48
時間反応させることによって吸着させることができる。
標識された3FTの製造方法は、グルタルアルデヒド法、
クロラミンT法等の公知の方法が採用される。標識する
物質としては、酵素、放射性同位元素の他に、発光物
質、蛍光物質等を用いることも可能である。酵素は、ペ
ルオキシダーゼ、βーDーガラクトシダーゼ、アルカリ・
ホスファターゼ等が用いられる。酵素活性は、例えばペ
ルオキシダーゼを用いた場合には、ABTS[2、2′ーア
ジノビス(3ーエチルベンゾチアゾリンー6ースルホン酸)
二アンモニウム]等の発色基質及び過酸化水素と反応さ
せ、吸光度を測定する。
【0015】サンドイッチ法は、3FTと結合する物質を
固定化した固相と検体を反応させ、吸着した検体中の3F
Tの量を、酵素等によって標識された3FTと結合する物質
によって測定することによって行われる。ここで、あら
かじめ固相に吸着させておく3FTと結合する物質と、酵
素等によって標識された3FTと結合する物質のどちらか
一方、好ましくはその両方が、3FTと特異的に結合する
物質でなければならない。3FTと特異的に結合する物質
の少なくとも一方に、本発明のモノクローナル抗体を用
いる。3FTと結合する他の物質としては、3FTを特異的に
認識することのできる本発明以外のモノクローナル抗
体、ポリクローナル抗体の他に、例えばレクチン、3FT
の基質及び基質類似物質があげられる。
【0016】以上の様な免疫学的定量方法が実施可能で
あるが、これらに限定されるものではなく、公知のほと
んどの定量方法が適用可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、ヒト血
漿α(1→3)フコース転移酵素を特異的に認識する。従っ
て、このモノクローナル抗体は、酵素免疫測定法等の種
々の免疫学的定量方法に応用することにより、ヒト血漿
α(1→3)フコース転移酵素のみを特異的に且つ簡便に定
量することが可能となった。
【0018】この定量方法を用いることにより、従来の
酵素活性測定方法のように特別な施設や煩雑な操作を必
要とせず、ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素を簡便に
かつ短時間に定量することができる。またこのモノクロ
ーナル抗体は、検体中に存在する他のフコース転移酵素
とは反応しないため、癌と相関の高いα(1→3)フコース
転移酵素のみを正確に定量することができ、ひいては正
確な癌診断が可能となる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0020】実施例1 (1)抗原の調製 以下の方法によりヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素
(3FT)の精製を行った。ヒト血漿を、GDPーhexanolamin
e-Sepharoseカラムにかけフコース転移酵素を吸着させ
た。緩衝液(20mM MES(pH6.5))で洗浄した後、10mM GM
P、1M NaClを含む緩衝液で溶出した。溶出画分をCMーセ
ルロースにかけ3FTを吸着させた。ヒト血漿中に含まれ
る他のフコース転移酵素は、CMーセルロースに吸着され
ないため、この段階で3FTを分離することができる。緩
衝液で洗浄した後、NaClの濃度勾配により3FTを溶出し
た。3FTを含む画分は、上記のGDPー[14C]フコース
と、アシアロフェツインを用いる酵素活性測定法により
同定した。この3FT画分を、GDPーhexanolamine-Sepharos
eカラムにかけ再クロマトグラフィーを行いさらに精製
した。最後に、ゲル濾過HPLCカラム(ハ゛イオ・ラット゛社、Bio
-Sil TSK250)クロマトグラフィーを行うことにより、
精製3FTを得た。
【0021】(2)マウスの免疫 上記(1)で得られた3FTのリン酸緩衝生理食塩水(P
BS)溶液(0.2mg/ml)を、フロイントの完全アジュバ
ントと等量混合し、BALB/cマウス(雌、5週令)
1匹当り0.2mlを腹腔内投与することによって初回免疫
した。以後、2週間間隔で3回、3FTのPBS溶液をフ
ロイントの不完全アジュバントと等量混合し、マウス1
匹当り0.2mlを腹腔内投与し、追加免疫を行った。最後
の追加免疫の2週後、3FTのPBS溶液0.1mlを静脈内投
与することにより最終免疫した。
【0022】(3)細胞融合 上記(2)で最終免疫を行った3日後に、免疫マウスか
ら脾臓を摘出し、脾臓細胞を10%ウシ胎児血清(FC
S)を含むRPMI-1640培地に懸濁した。一方、マウスミ
エローマ細胞P3U1を、10%FCSを含むRPMI-1640培地中
で培養し、対数増殖期で細胞を集め、細胞融合に用い
た。マウス脾臓細胞とP3U1をそれぞれ血清を含まないRP
MI-1640培地で3回洗浄した後、5:1の比率で混合
し、1,500rpmで5分間遠心して培地を除去した。細胞沈
澱物に、50%ポリエチレングリコール15000.5mlを徐々に
加え、1,800rpmで8分間遠心した。次に、血清を含まな
いRPMI-1640培地20mlを徐々に加えた後、1,500rpmで5
分間遠心して上清を除去した。沈澱した細胞を、HAT
培地(1×10-4Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノプテ
リン、1.6×10-5Mチミジン、20%FCSを含むRPMI-164
0培地)50mlに懸濁し、96ウェルマイクロプレートの各
ウェルに0.1mlずつ分注した。この融合細胞を5%CO2
37℃で培養した。細胞融合の1日後、各ウェルに0.1ml
ずつHAT培地を加えた。7〜10日後に、増殖したハ
イブリドーマのコロニーが観察された。ハイブリドーマ
が増殖してきたウェルは全部で245ウェル(51%)であっ
た。 (4)スクリーニング ハイブリドーマが十分増殖したウェルの培養上清を採取
し、以下のようにしてエライザ法を行うことにより、3F
Tに対する抗体を産生しているハイブリドーマを選択し
た。
【0023】前記(1)で得られた3FTをPBSで1μg/
mlの濃度に希釈し、96ウェルのEIA用マイクロプレー
トに1ウェル当り100μlずつ分注し、4℃で一晩インキ
ュベーションした。マイクロプレートから3FT溶液を除
去し、0.05%Tween80を含むPBS(以下T−PBSと略
称する)で3回洗浄した後、各ウェルに1%ウシ血清アル
ブミンを含むPBS(B−PBS)を250μl加え4℃に
保存し、抗原吸着プレートとして以後の操作に用いた。
抗原吸着プレートをT−PBSで3回洗浄し、ハイブリ
ドーマの培養上清をそれぞれのウェルに100μlずつ加
え、37℃で1時間インキュベーションした。その後培養
上清を除去し、T−PBSで3回洗浄した後、二次抗体
溶液を各ウェルに100μlずつ加え、37℃で1時間インキ
ュベーションした。二次抗体としては、ペルオキシダー
ゼ標識抗マウス免疫グロブリン抗体(カッヘ゜ル社)を、B
−PBSで500倍希釈して用いた。二次抗体溶液を除去
し、T−PBSで3回洗浄した後、発色基質溶液を各ウ
ェルに100μlずつ加え、室温で30分間インキュベーショ
ンした。発色基質溶液は、0.01%過酸化水素、0.3mg/ml
ABTS[2、2′ーアジノビス(3ーエチルベンゾチアゾリ
ンー6ースルホン酸)二アンモニウム]、を含む0.1Mクエ
ン酸緩衝液(pH5.0)。反応後、1%SDSを各ウェルに
100μlずつ加え反応を停止し、波長410nmでの吸光度を
測定した。
【0024】(5)ハイブリドーマのクローニング 上記(4)のスクリーニングにおいて、抗原と強く反応
するハイブリドーマを選択し、限界希釈法によりクロー
ニングを行った。ハイブリドーマを20%FCSを含むRPM
I-1640培地で、0.5個/0.1mlとなるように希釈し、96ウ
ェルマイクロプレートの各ウェルに0.1mlずつ分注し
た。この細胞を5%CO2、37℃で培養した。ハイブリド
ーマが単一コロニーで増殖してきたウェルの培養上清に
ついて、上記エライザ法を行い、3FTに対する抗体を産
生しているハイブリドーマを選択した。その中で3FTと
最も強く反応するモノクローナル抗体を安定的に産生す
るハイブリドーマとしてFT114株を得た。得られたハイ
ブリドーマFT114は、微工研菌寄第12368号として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。
【0025】(6)モノクローナル抗体の免疫グロブリ
ンクラス エライザ法によるモノクローナル抗体タイピングキット
(アメリカン・コーレックス社)を用い、ハイブリドーマの培養上清
中の抗体の免疫グロブリンクラスを調べた。このキット
は、マウス免疫グロブリンの各クラス・サブクラスに特
異的なウサギIgG抗体及びペルオキシダーゼ標識ヤギ
抗ウサギIgG抗体を用いて、上記のようなエライザ法
に準じて行った。114株の産生するモノクローナル抗体
のクラスはIgMであった。
【0026】(7)モノクローナル抗体の調製 ハイブリドーマ114株を、10%FCSを含むRPMI-1640培
地で培養した。ハイブリドーマの培養上清に、等量の飽
和硫酸アンモニウムを加え遠心分離し沈澱を分取した。
この沈澱を少量の10mMトリス塩酸緩衝液(pH8、5)に溶
解させ、同じ緩衝液に対して透析した。透析後遠心分離
し不溶物を除き、これをDEAEーセルロースカラムにかけ
た。緩衝液で洗浄後、食塩濃度勾配により溶出しIgM
画分を分取した。この画分を、ゲル濾過HPLCカラム(ハ゛
イオ・ラット゛社、Bio-Sil TSK250)にかけクロマトグラフィ
ーを行うことにより、精製モノクローナル抗体を得た。
【0027】(8)モノクローナル抗体の性質 前記(4)のスクリーニングと同様にして、精製された
α(1→2)、α(1→3)、α(1→4)、α(1→6)の各フコース
転移酵素を吸着させた抗原吸着プレートを用い、エライ
ザ法によりこのモノクローナル抗体と各フコース転移酵
素との反応性を調べた。このモノクローナル抗体は、α
(1→3)フコース転移酵素を特異的に認識し、α(1→2)、
α(1→4)、α(1→6)フコース転移酵素とは反応しないこ
とがわかった。
【0028】実施例2 モノクローナル抗体を用いたサ
ンドイッチ法によるヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素
の定量 実施例1で取得したモノクローナル抗体FT114を用いて
ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素の定量方法を検討し
た。
【0029】(1)ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素
に対する抗血清の調製 実施例1と同様に、精製されたヒト血漿α(1→3)フコー
ス転移酵素(3FT)を抗原としてマウスを免疫した。免
疫マウスから採血し、硫安分画、陰イオン交換カラムク
ロマトグラフィーを行い、3FTに対する抗血清を得た。
【0030】(2)西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR
P)標識モノクローナル抗体の調製 HRP4mgを1mlの蒸留水に溶かし、0.1M過ヨウ素酸ナト
リウム0.2mlを加えて室温で20分間反応させた後、1mM酢
酸ナトリウム緩衝液(pH4.4)に対して一晩透析した。0.2
M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)0.02mlを加えた後、0.01
M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)に対して透析したモノク
ローナル抗体FT114(10mg/ml)1mlを加えた。室温で2
時間反応させた後、水素化ホウ素ナトリウム4mg/mlを
0.1ml加えて4℃で2時間反応させた。これを硫安分
画、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーを行うことによ
り精製し、HRP標識モノクローナル抗体を得た。
【0031】(3)サンドイッチ法 96ウェルのEIA用マイクロプレートの各ウェルに、
(1)で得られた抗血清(0.1mg/ml)を0.1mlずつ加え
4℃で一晩インキュベーションした。マイクロプレート
から抗血清を除去し、0.05%Tween80を含むPBS(T−
PBS)で3回洗浄した後、各ウェルに1%ウシ血清アル
ブミンを含むPBS(B−PBS)を250μl加え、室温
で2時間インキュベーションすることによりブロッキン
グを行った。プレートをT−PBSで3回洗浄し、表1
に示す各種濃度の3FT溶液をそれぞれのウェルに0.1mlず
つ加え、37℃で1時間インキュベーションした。試料を
除去しT−PBSで3回洗浄した後、B−PBSで100
倍希釈したHRP標識モノクローナル抗体溶液を各ウェ
ルに100μlずつ加え、37℃で1時間インキュベーション
した。溶液を除去しT−PBSで3回洗浄した後、発色
基質溶液を各ウェルに100μlずつ加え、室温で30分間イ
ンキュベーションした。発色基質溶液は、0.01%過酸化
水素、0.3mg/mlABTS[2、2′ーアジノビス(3ーエチル
ベンゾチアゾリンー6ースルホン酸)二アンモニウム]、
を含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)。反応後、1%SD
Sを各ウェルに100μlずつ加え反応を停止し、波長410n
mでの吸光度を測定した。濃度既知の3FT溶液について測
定した結果、表1に示すように約1ng/mlの濃度より3FT
が定量可能であった。
【0032】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B 9015−2J // C12N 5/20 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素を認
    識し、該酵素と特異的に結合するIgMのクラスに属す
    るモノクローナル抗体
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノクローナル抗体とヒ
    ト血漿α(1→3)フコース転移酵素を反応させ、生成した
    複合体を定量することを特徴とするヒト血漿α(1→3)フ
    コース転移酵素の定量方法
JP3207799A 1991-08-20 1991-08-20 モノクローナル抗体及びヒト血漿α(1→3)フコース転移酵素の定量方法 Pending JPH0549495A (ja)

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