JPH0543315Y2 - - Google Patents

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JPH0543315Y2
JPH0543315Y2 JP1985197265U JP19726585U JPH0543315Y2 JP H0543315 Y2 JPH0543315 Y2 JP H0543315Y2 JP 1985197265 U JP1985197265 U JP 1985197265U JP 19726585 U JP19726585 U JP 19726585U JP H0543315 Y2 JPH0543315 Y2 JP H0543315Y2
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clutch
low
torque
unit
transmission
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、油圧式無段変速機に関し、特に、入
力トルクを油圧系トルクと機械系トルクとに分け
て伝達するものに関する。
(従来の技術) 従来より、この種の油圧式無段変速機として、
例えば米国特許第2830468号明細書および図面に
開示されるように、可変容量形の1組のポンプ&
モータユニツトと、入力トルクを上記ポンプ&モ
ータユニツトによる油圧系トルクと機械系トルク
とに分配する差動歯車機構と、該差動歯車機構に
よるトルク配分を変えるためのロークラツチおよ
びハイクラツチとを備え、ローレンジとハイレン
ジとで上記ロークラツチおよびハイクラツチの断
接を切換えるとともに、各レンジにおいて上記1
組のポンプ&モータユニツトの圧油吐出量を変え
ることにより、変速を連続的・無段階に行い得る
ようにしたものは知られている。
ここで、上記1組のポンプ&モータユニツトに
おける圧油吐出量と変速比との関係は第9図に示
す。この図において、ローレンジの低変速比領域
ではモータ側ユニツトの吐出量A1を最大値
Dmaxで一定に保持した状態でポンプ側ユニツト
の吐出量B1を次第に増大させることで変速比を
上げ、ローレンジの高変速比領域では逆にポンプ
側ユニツトの吐出量B2を最大値Dmaxで一定の保
持した状態でモータ側ユニツトの吐出量A2を次
第に減少させることで変速比を上げる。さらに、
ハイレンジの低変速比領域ではモータ側ユニツト
の吐出量B3を最大値Dmaxで一定に保持した状態
でポンプ側ユニツトの吐出量A3を次第に増大さ
せることで変速比を上げ、ハイレンジの高変速比
領域では逆にポンプ側ユニツトの吐出量A4を最
大値Dmaxで一定に保持した状態でモータ側ユニ
ツトの吐出量B4を次第に減少させることで変速
比を上げる。
(考案が解決しようとする問題点) ところで、このような油圧式無段変速機では、
ローレンジとハイレンジとの切換え時には、通
常、ハイクラツチの断接切換えを優先させつつ、
それと同時にロークラツチの断接切換えをも行う
ようにしているが、油圧制御上この両クラツチの
断接切換えにおいては時間遅れが生じているのが
実情であり、円滑な切換えができないという問題
があつた。
また、油圧式無段変速機においては、油温の影
響でリークが生じるため、ポンプ&モータユニツ
トの容積効率が変化するが、ローレンジのときに
ポンプ側ユニツトの吐出量及びモータ側ユニツト
の作動油量がリークにより低下している場合、目
標の変速比を得るためにモータ側ユニツトの吐出
量A2を、第9図に仮想線C2で示す如く小さくす
る必要がある。しかし、この状態でローレンジか
らハイレンジに切換えると、モータ側ユニツトが
ポンプに変わつたとき該ユニツトの吐出量は、切
換え時の容積変化のない理論上の所定の吐出量
D1を下回つているため、ハイレンジにおけるモ
ータ側ユニツトの吐出量に対し相対的に低下する
ことになり、変速比が急激にかつ大幅に(Δe)
ロー側にずれ、切換えが円滑に行われなくなる。
このとき出力側の回転数(車速)は一定であるた
め、モータからポンプに変わるユニツトの回転軸
の回転数は急上昇する。すなわち、ハイレンジに
おけるモータ側ユニツトの吐出量に対してポンプ
側ユニツトの吐出量が理論上のもの(D1)より
低下するため、ポンプ側ユニツトがモータ側ユニ
ツトから受ける負荷は相対的に小さくなり、この
吐出量低下を補うべくポンプ側ユニツトの回転数
が急上昇することになるのである。尚、ハイレン
ジからローレンジに切換えるときにリークにより
ポンプ側ユニツトの吐出量及びモータ側ユニツト
の作動油量が低下した場合にも、目標の変速比を
得るためにポンプ側ユニツトの吐出量A3を大き
くすると、上記ポンプ側ユニツトがモータに切換
わるとき変速比がロー側にずれるが、シフトダウ
ン側への変速であるため、通常キツクダウン等の
急激な変速との関係で影響が余りなく、切換えの
スムーズ化の要求は少ない。
本考案はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、ローレンジでのブ
レーキ制動を確保しながら、ローレンジとハイレ
ンジとの切換えをハイクラツチの断接切換えのみ
で行い得るようにするとともに、ローレンジから
ハイレンジへの切換えのときモータからポンプに
変わるユニツトの回転軸の回転数が急上昇するの
を防止することにより、変速比の急激な変化を防
止し、もつて切換えのスムーズ化を図ることにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、油圧式無段変速機として、可変容量形の1組
のポンプ&モータユニツトと、入力トルクを上記
ポンプ&モータユニツトによる油圧系トルクと機
械系トルクとに分配する差動歯車機構と、該差動
歯車機構によるトルク配分を変えるためのローク
ラツチおよびハイクラツチとを備え、ローレンジ
のときには上記ロークラツチを接続し、上記ハイ
クラツチを切断し、他方、ハイレンジのときには
逆の断接状態とし、これらローレンジとハイレン
ジとの切換えに伴い上記1組のポンプ&モータユ
ニツトのうち、一方のユニツトがポンプからモー
タに、他方のユニツトがモータからポンプにそれ
ぞれ変わつて作動するようになり、さらにリバー
スのときには上記ハイクラツチ及びロークラツチ
を共に切断することを前提とする。
そして、このような油圧式無段変速機におい
て、ロークラツチのトルク伝達系に、ローレンジ
でのトルク伝達方向と逆方向のトルク伝達を遮断
するワンウエイクラツチをロークラツチと直列に
設けるとともに、エンジンブレーキ時に上記逆方
向のトルク伝達を可能にするコーステイングクラ
ツチを上記ワンウエイクラツチ及びロークラツチ
と並列に設ける構成としたものである。
(作用) 上記の構成により、本考案でも、ローレンジと
ハイレンジとの切換え時には、ハイクラツチの断
接切換えと同時にロークラツチの断接切換えを行
わなくても、ロークラツチのトルク伝達系に設け
られたワンウエイクラツチによりロークラツチの
断接切換えがハイクラツチの断接切換えと同時に
なされた状態が自動的に発現されることになる。
すなわち、ローレンジからハイレンジへの切換え
時、上記ワンウエイクラツチは、ロークラツチの
トルク伝達系においてローレンジのトルク伝達方
向と逆方向となるハイレンジでのトルク伝達を遮
断するので、あたかもロークラツチが切断された
状態となる。一方、ハイレンジからローレンジへ
の切換え時、ワンウエイクラツチはロークラツチ
のトルク伝達系におけるトルク伝達を遮断するこ
とはなくロークラツチが接続された状態となる。
また、ローレンジのときにリークに影響される
ことなく、目標の変速比を得るためにモータ側ユ
ニツトの吐出量を小さくしておくと、この状態で
ローレンジからハイレンジに切換えた場合には、
モータからポンプに変わるユニツトの回転軸の回
転数が急上昇し、変速比が急激に変化する虞があ
るが、本考案の場合、この切換え時には、ローク
ラツチは未だ接続状態にあり、該ロークラツチ及
びワンウエイクラツチを含むトルク伝達系は駆動
抵抗がかかる状態になつているので、このトルク
伝達系により上記ユニツトの回転軸の回転数の急
上昇が阻止されるようになり、変速比の急激な変
化を防止することができる。
さらに、ローレンジにおいてロークラツチのト
ルク伝達系において通常のトルク伝達方向と逆方
向のトルク伝達が必要となるエンジンブレーキ制
動時には、ロークラツチのトルク伝達系に上記ワ
ンウエイクラツチと並列の設けられたコーステイ
ングクラツチの接続によりその逆方向のトルク伝
達が可能になるので、エンジンブレーキ制動を確
実に行い得ることになる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図ないし第4図は本考案の一実施例に係る
油圧式無段変速機を示す。第1図において、1は
ケーシング、2はケーシング1内に回転自在に配
設されたプライマリシヤフトであつて、該プライ
マリシヤフト2の一端は、クラツチ3を介してエ
ンジンの出力軸40に駆動連結されている。4お
よび5は可変容量形の1組の第1および第2ポン
プ&モータユニツト(以下、第1,第2ユニツト
という)であり、この両ユニツト4,5の回転軸
4a,5aはそれぞれ上記プライマリシヤフト2
と平行に配置されている。
上記プライマリシヤフト2には、エンジン出力
軸40からの入力トルクを上記第1および第2ユ
ニツト4,5による油圧系トルクと機械系トルク
とに分配するための遊星差動歯車機構6が設けら
れており、該遊星差動歯車機構6は、プライマリ
シヤフト2に回転自在に支持されたサンギヤ7
と、該サンギヤ7と噛合しかつキヤリア8を介し
てプライマリシヤフト2に固定支持された一対の
プラネタリギヤ9,9と、該プラネタリギヤ9,
9と噛合するリングギヤ10とからなる。上記サ
ンギヤ7には第1伝達ギヤ11が一体的に設けら
れ、該第1伝達ギヤ11は、上記第1ユニツト4
の回転軸4aに嵌着された第2伝達ギヤ12と噛
合している。また、上記リングギヤ10は、プラ
イマリシヤフト2に回転自在に支持された第3伝
達ギヤ13に連結されており、該第3伝達ギヤ1
3は、上記第2ユニット5の回転軸5aに固定支
持された第4伝達ギヤ14と噛合している。
また、上記第1ユニツト4の回転軸4aには第
5伝達ギヤ15が回転自在に支持され、該第5伝
達ギヤ15は、第1ユニツト4の回転軸4aに対
しロークラツチ16を介して接続されているとと
もに、上記プライマリシヤフト2に回転自在に支
持された第6伝達ギヤ17と噛合している。該第
6伝達ギヤ17は、上記第3伝達ギヤ13ないし
遊星差動歯車機構6のリングギヤ10に対しハイ
クラツチ18を介して接続されている。上記ロー
クラツチ16およびハイクラツチ18は、共に油
圧クラツチからなり、かつロークラツチ16が第
1ユニツト4の回転軸4a上に、ハイクラツチ1
8がプライマリシヤフト2上にそれぞれ位置して
2軸状態に配置されている。
上記第6伝達ギヤ17は、第2図および第3図
に示すように、フアイナルリダクシヨンギヤ19
と噛合しており、該リダクシヨンギヤ19にはフ
アイナルピニオンギヤ20が同軸状態に一体的に
形成され、かつこの両ギヤ19,20はケーシン
グ1に対し回転自在に支持されている。上記フア
イナルピニオンギヤ20は、差動装置21のケー
ス21aに固定されたフアイナルリングギヤ22
と噛合しており、該フアイナルリングギヤ22に
伝達された駆動トルクは、差動装置21からドラ
イブシヤフト23,23を介して左右の車輪(図
示せず)に伝達されるように構成されている。
さらに、第4図において、24はケーシング1
内にプライマリシヤフト2と平行にかつ回転自在
に配置されたリバースシヤフトであつて、該リバ
ースシヤフト24には、プライマリシヤフト2上
の第1伝達ギヤ11と噛合する第7伝達ギヤ25
がリバースシヤフト24と一体に形成されている
とともに、リバースギヤ26が回転自在に支持さ
れている。上記リバースギヤ26は、リバースシ
ヤフト24に対しリバースクラツチ27を介して
接続されているとともに、リバースアイドルギヤ
28を介してプライマリシヤフト2上の第6伝達
ギヤ17と噛合している(第2図参照)。
そして、本考案の特徴として、上記ロークラツ
チ16のトルク伝達系における第1ユニツト4の
回転軸4aと第5伝達ギヤ15との間には、第5
伝達ギヤ15から第1ユニツト4の回転軸4aへ
のトルク伝達(ローレンジでのトルク伝達方向と
逆方向のトルク伝達)を遮断するワンウエイクラ
ツチ29がロークラツチ16と直列に配設されて
いるとともに、該ワンウエイクラツチ29および
ロークラツチ16と並列にコーステイングクラツ
チ30が配設されている。上記コーステイングク
ラツチ30は、油圧クラツチからなり、エンジン
ブレーキ時に上記ワンウエイクラツチ29に拘ら
ず第5伝達ギヤ15から第1ユニツト4の回転軸
4aへのトルク伝達を可能にするよう両者を連結
するものである。尚、31はロークラツチ16の
外周に配設されたオーバドライブブレーキであ
る。
次に、上記油圧式無段変速機の作動を第5図な
いし第9図を用いて説明する。
第5図はローレンジの場合におけるトルクの伝
達径路を示したものである。このローレンジの場
合、ロークラツチ16、ハイクラツチ18および
リバースクラツチ27のうちロークラツチ16の
みが接続され、他のクラツチ18,27は切断さ
れる。そして、エンジン出力軸からの入力トルク
は、プライマリシヤフト2を介して遊星差動歯車
機構6のプラネタリギヤ9側に伝達され、該遊星
差動歯車機構6により油圧系トルク(図の太い破
線に相当)と機械系トルク(図の細い破線に相
当)とに分配される。油圧系トルクは、遊星差動
歯車機構6のリングギヤ10から第3および第4
伝達ギヤ13,14を介して第2ユニツト5の回
転軸5aに伝達され、これにより、該第2ユニツ
ト5はポンプとして作動し、第1ユニツト4は、
第2ユニツト5から吐出される圧油を受けてモー
タとして作動する。一方、機械系トルクは、遊星
差動歯車機構6のサンギヤ7から第1および第2
伝達ギヤ11,12を介して、上述の如くモータ
作動をする第1ユニツト4の回転軸4aに伝達さ
れて油圧系トルクと合流する。この合流した駆動
トルクは、ロークラツチ16から第5,第6伝達
ギヤ15,17を介してフアイナルリダクシヨン
ギヤ19(車輪側)に伝達される。
また、第6図はハイレンジの場合におけるトル
クの伝達径路を示したものである。このハイレン
ジの場合、ハイクラツチ18のみが接続され、ロ
ークラツチ16およびリバースクラツチ27は切
断される。そして、入力トルクは、上記ローレン
ジの場合と同様、遊星差動歯車機構6により油圧
系トルクと機械系トルクとに分配される。油圧系
トルクは、遊星差動歯車機構6のサンギヤ7から
第1および第2伝達ギヤ11,12を介して第1
ユニツト4の回転軸4aに伝達され、これによ
り、該第1ユニツト4はポンプとして作動し、第
2ユニツト5は、第1ユニツト4から吐出される
圧油を受けてモータとして作動する。一方、機械
系トルクは、遊星差動歯車機構6のリングギヤ1
0から第3伝達ギヤ13に伝達され、上述の如く
モータ作動をする第2ユニツト5の回転軸5aか
ら第4伝達ギヤ14を介して第3伝達ギヤ13に
伝達される油圧系トルクと合流する。この合流し
た駆動トルクは、ハイクラツチ18から第6伝達
ギヤ17を介してフアイナルリダクシヨンギヤ1
9に伝達される。
さらに、第7図はリバースの場合におけるトル
クの伝達径路を示したものである。このリバース
の場合、ロークラツチ16およびハイクラツチ1
8は共に切断され、リバースクラツチ27のみが
接続される。そして、入力トルクは、遊星差動歯
車機構6により油圧系トルクと機械系トルクとに
分配され、油圧径トルクは、上記ローレンジの場
合と同様に遊星差動歯車機構6のリングギヤ10
から第3および第4伝達ギヤ13,14を介して
第2ユニツト5の回転軸5aに伝達され、第2ユ
ニツト5がポンプとして、また第1ユニツト4が
モータとしてそれぞれ作動する。一方、機械系ト
ルクは、遊星差動歯車機構6のサンギヤ7から第
1伝達ギヤ11に伝達され、該第1伝達ギヤ11
において上記第1ユニツト4の回転軸4aから第
2伝達ギヤ12に介して伝達される油圧系トルク
と合流した後、第7伝達ギヤ25を介してリバー
スシヤフト24に伝達される。このリバースシヤ
フト24に伝達された駆動トルクは、リバースク
ラツチ27からリバースギヤ26、リバースアイ
ドルギヤ28および第6伝達ギヤ17を介してフ
アイナルリダクシヨンギヤ19に伝達される。
尚、このリバースの場合には、余り大きな駆動ト
ルクを必要としないので、油圧系トルクを第2ユ
ニツトで消滅させ、機械系トルクのみを駆動トル
クとして車輪側へ伝達するようにしてもよい。
そして、上記ローレンジおよびハイレンジの場
合には、ポンプ作動をするポンプ側ユニツト5ま
たは4の油圧吐出量を調整して該ポンプ側ユニツ
ト5または4とモータ作動をするモータ側ユニツ
ト4または5との間での油圧系トルクの伝達率を
可変にし、またロークラツチ16およびハイクラ
ツチ18の断接切換えつまりローレンジとハイレ
ンジとの切換えにより遊星差動歯車機構6におけ
る油圧系トルクと機械系トルクとの配分を変える
ことにより、変速が連続的・無段階に行われるこ
とになる。
ここで、第1ユニツト4並びに第5,第6およ
び第3伝達ギヤ15,17,13の回転速度と変
速比(出力回転/入力回転)との関係は第8図に
示す。第3伝達ギヤ13の回転速度特性Dは、変
速比が零のとき最大で、変速比の増加に伴い一次
関数的に減少する。第6伝達ギヤ17の回転速度
特性Cは、変速比の増加に伴い零から一次関数的
に増加する。そして、上記第3伝達ギヤ13の回
転速度特性Dと第6伝達ギヤ17の回転速度特性
Cとが交差する変速比emのとき、ローレンジと
ハイレンジとの切換えが行われる。また、第1ユ
ニツト4の回転速度特性Aは、変速比の増加に伴
いローレンジでは零から一次関数的に増加する一
方、ハイレンジでは変速比emでの回転速度から
一次関数的に減少し、最大変速比のとき零とな
る。第5伝達ギヤ15の回転速度特性Bは、変速
比の増加に伴い一次関数的に増加し、かつローレ
ンジでは上記第1ユニツト4の回転速度特性Aと
一致する。
また、第1及び第2ユニツト4,5における圧
油吐出量と変速比との関係は第9図に示す。この
図では、第1ユニツト4の吐出量特性A1〜A4
破線で、第2ユニツト5の吐出量特性B1〜B4
実線でそれぞれ示す。つまり、ローレンジの低変
速比領域ではモータ作動をする第1ユニツト4の
吐出量A1を最大値Dmaxで一定に保持した状態
でポンプ作動をする第2ユニツト5の吐出量B1
を次第に増大させることで変速比を上げ、ローレ
ンジの高変速比領域では逆に上記第2ユニツト5
の吐出量B2を最大値Dmaxで一定に保持した状態
で上記第1ユニツト4の吐出量A2を次第に減少
させることで変速比を上げる。さらに、ハイレン
ジの低変速比領域ではモータ作動をする第2ユニ
ツト5の吐出量B3を最大値Dmaxで一定に保持し
た状態でポンプ作動をする第1ユニツト4の吐出
量A3を次第に増大させることで変速比を上げ、
ハイレンジの高変速比領域では逆に上記第1ユニ
ツト4の吐出量A4を最大値Dmaxで一定に保持
した状態で上記第2ユニット5の吐出量B4を次
第に減少させることで変速比を上げる。
ところで、ローレンジとハイレンジとの切換え
時には、従来の油圧式無断変速機では、ローレン
ジでロークラツチ16のみが接続され、ハイレン
ジでハイクラツチ18のみが接続されるようにロ
ークラツチ16の断接切換えとハイクラツチ18
の断接切換えとを同時に行うことが必要とされて
いた。
これに対し、上記実施例の油圧式無段変速機に
おいては、ロークラツチ16のトルク伝達系にお
ける第1ユニツト4の回転軸4aと第5伝達ギヤ
15との間に、第5伝達ギヤ15から第1ユニツ
ト4の回転軸4aへのトルク伝達を遮断するワン
ウエイクラツチ29が設けられているため、仮に
ロークラツチ16をハイレンジでローレンジと同
様接続している場合でも、上記ワンウエイクラツ
チ29によつてあたかもハイレンジでロークラツ
チ16が切断され、ローレンジとハイレンジとの
切換え時ロークラツチ16の断接切換えがハイク
ラツチ16の断接切換えと同時になされた状態を
自動的に発現することができる。すなわち、ロー
クラツチ16のトルク伝達系においては、ローレ
ンジでは第1ユニツト4の回転軸4aから駆動ト
ルクがロークラツチ16およびワンウエイクラツ
チ29を介して第5伝達ギヤ15に伝達され、ワ
ンウエイクラツチ29の設置に拘らずロークラツ
チ16の接続状態が確保される。一方、第8図に
示す如く第5伝達ギヤ15の回転速度(特性B)
が第1ユニツト4の回転速度(特性A)よりも高
くなるハイレンジでは、ワンウエイクラツチ29
が空転して第5伝達ギヤ15から第1ユニツト4
の回転軸4aへのトルク伝達つまりローレンジで
のトルク伝達と逆方向のトルク伝達を遮断するこ
とになり、ロークラツチ16のトルク伝達系とし
てはロークラツチ16自体が切断された状態と同
じになる。
したがつて、このように、ローレンジとハイレ
ンジとの切換え時にはハイクラツチ18の断接切
換えだけでよく、その断接切換えと同時にローク
ラツチ16の断接切換えをする必要がないので、
切換えをスムーズに行うことができ、両クラツチ
の断接切換えのタイミング的なズレに起因してシ
ヨツクが発生することはない。
また、ローレンジのときにリークに影響される
ことなく目標の変速比を得るためにモータ作動を
する第1ユニツト4の吐出量を小さく、つまりそ
の吐出量特性をA2からC2に変更しておくと、こ
の状態でローレンジからハイレンジに切換えた場
合には、変速比eが急激にかつ大幅(Δe)に変
化し、第1ユニツト4の回転軸4aの回転数が急
上昇する虞がある。しかし、本実施例の場合、こ
の切換え時には、ロークラツチ16は上述の如く
未だ接続状態にあり、このロークラツチ16から
ワンウエイクラツチ29を通して伝達ギヤ15に
至るトルク伝達系は出力側の駆動抵抗がかかる状
態になつているので、このトルク伝達系により上
記第1ユニツト4の回転軸4aの回転数の急上昇
が阻止される。その結果、変速比の急激な変化を
防止することができ、切換えの円滑化を一層図る
ことができる。
その上、ローレンジの場合でも、ロークラツチ
16のトルク伝達系において第5伝達ギヤ15か
ら第1ユニツト4の回転軸4aへのトルク伝達つ
まり車輪側からエンジン側へのトルク伝達が必要
となるエンジンブレーキ制動時には、ロークラツ
チ16のトルク伝達系に上記ワンウエイクラツチ
29と並列に設けられたコーステイングクラツチ
30を接続することによつて、ワンウエイクラツ
チ29の設置に拘らず車輪側からエンジン側への
トルク伝達を可能にすることができ、エンジンブ
レーキ制動を確実に行うことができる。
さらに、上記実施例では、特に、ロークラツチ
16のトルク伝達系における第1ユニツト4の回
転軸4aと第5伝達ギヤ15との間に、ワンウエ
イクラツチ29がロークラツチ16と共に直列に
設けられているとともに、該ワンウエイクラツチ
29およびロークラツチ16と並列にコーステイ
ングクラツチ30が設けられているので、これら
3つのクラツチ16,29,30の配設に要する
スペースを可及的に少なくすることができ、変速
機の小型化に寄与できる。
尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。例えば、上記実施例では、本考案を、入力ト
ルクを油圧系トルクと機械系トルクとに分配する
差動歯車機構として、遊星歯車機構を用いた場合
について適用したが、その他種々の差動歯車機構
を用いた場合にも同様に適用できるのは勿論であ
る。また、上記差動歯車機構によるトルク配分を
変えるためのロークラツチ16およびハイクラツ
チ18は、上記実施例の如く二軸状態に配置され
ているものに限らず、同軸状態に配置されている
ものにも適用できる。
(考案の効果) 以上の如く、本考案の油圧式無段変速機によれ
ば、ハイクラツチの断接切換えと同時にロークラ
ツチの断接切換えを行わなくても、ロークラツチ
のトルク伝達系に設けたワンウエイクラツチによ
りロークラツチの断接切換えがハイクラツチの断
接切換えと同時になされた状態を実現させること
ができ、また、ローレンジからハイレンジへの切
換えのときモータからポンプに変わるユニツトの
回転軸の回転数が急上昇するのを防止して、変速
比の急激な変化を防止することができ、よつてロ
ーレンジとハイレンジとの切換えのスムーズ化を
著しく図ることができる。しかも、上記ワンウエ
イクラツチの設置に拘らず、ローレンジにおいて
エンジンブレーキ制動を確保することができるの
で、実用性に優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図は
油圧式無段変速機の断面図、第2図は第1図の
−線に沿つて見た各種ギヤの噛合状態を示す
図、第3図および第4図はそれぞれ第2図の−
線および−線における断面図である。第5
図はローレンジの場合におけるトルクの伝達径路
を示す模式図、第6図はハイレンジの場合におけ
る第5図相当図、第7図はリバースの場合におけ
る第5図相当図であり、第8図は第1ユニツト等
の回転速度特性を示す図であり、第9図は第1及
び第2ユニツトの吐出量特性を示す図である。 4……第1ユニツト、5……第2ユニツト、6
……遊星差動歯車機構、16……ロークラツチ、
18……ハイクラツチ、29……ワンウエイクラ
ツチ、30……コーステイングクラツチ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 可変容量形の1組のポンプ&モータユニツト
    と、入力トルクを上記ポンプ&モータユニツトに
    よる油圧系トルクと機械系トルクとに分配する差
    動歯車機構と、該差動歯車機構によるトルク配分
    を変えるためのロークラツチおよびハイクラツチ
    とを備え、ローレンジのときには上記ロークラツ
    チを接続し、上記ハイクラツチを切断し、他方、
    ハイレンジのときには逆の断接状態とし、これら
    ローレンジとハイレンジとの切換えに伴い上記1
    組のポンプ&モータユニツトのうち、一方のユニ
    ツトがポンプからモータに、他方のユニツトがモ
    ータからポンプにそれぞれ変わつて作動するよう
    になり、さらにリバースのときには上記ハイクラ
    ツチ及びロークラツチを共に切断する油圧式無段
    変速機において、上記ロークラツチのトルク伝達
    系には、ローレンジでのトルク伝達方向と逆方向
    のトルク伝達を遮断するワンウエイクラツチがロ
    ークラツチと直列に設けられているとともに、エ
    ンジンブレーキ時に上記逆方向のトルク伝達を可
    能にするコーステイングクラツチが上記ワンウエ
    イクラツチ及びロークラツチと並列に設けられて
    いることを特徴とする油圧式無段変速機。
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