JP3090087B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JP3090087B2
JP3090087B2 JP09123780A JP12378097A JP3090087B2 JP 3090087 B2 JP3090087 B2 JP 3090087B2 JP 09123780 A JP09123780 A JP 09123780A JP 12378097 A JP12378097 A JP 12378097A JP 3090087 B2 JP3090087 B2 JP 3090087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バス、トラック、
各種建設機械、もしくは、各種産業機械等に用いられる
無段変速機に関し、特に、ハイドロメカニカルトランス
ミッション(Hydro Mechanical Transmission ;以下、
「HMT」という)といわれる無段変速機に関する。こ
のHMTは、流体の静圧エネルギーを利用するハイドロ
スタティックトランスミッション(Hydro Static Trans
mission ;以下、「HST」という)と、メカニカルト
ランスミッション(以下、「MT」という)とを、遊星
歯車機構等を介して組み合わせることにより、無段階で
連続した変速を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の無段変速機として
は、米国特許第4,341,131号公報、もしくは、
特開昭54−35560号公報により提案されたものが
知られている。これは、図1に示すように、可変斜板
(51)を有する油圧ポンプ(5)、及び、固定斜板
(61)を有する油圧モータ(6)を互いに結合させた
HST(4)と、第1及び第2の2つの遊星歯車機構
(7,8)並びにこの各遊星歯車機構(7,8)の作動
条件を切換えるための第1〜第3の3つのクラッチ機構
(10,11,12)等を備えたMT(3)とを組み合
わせたものである。そして、上記提案の無段変速機は、
上記2つの遊星歯車機構(7,8)の各歯数比の関係を
特定条件に設定し、かつ、3つの運転モードに分けて運
転する場合の各モード切換えの際に上記可変斜板(5
1)を上記固定斜板(61)と同じ斜板角度(最大斜板
角度)とする等の条件の下で変速制御を行うものであ
る。
【0003】通常、上記特許公報のHMTにおいては、
図2に示すように、上記HST(4)の油圧ポンプ
(5)の可変斜板(51)がHMTの変速比に応じて3
つの運転モードに分けて変更制御され、これにより、例
えばエンジン等の駆動源からHMTの入力軸(1)に入
力される一定回転数の回転が、HMTの出力軸(2)に
対し回転数を無段階かつ連続的に変化させて伝達される
ようにシステムが設計されている。つまり、第1モー
ド,第2モード及び第3モードの3つの各運転モードに
おいて、HST(4)の油圧ポンプ(5)及び油圧モー
タ(6)の容量制御を行うことにより、HMTの変速比
が無段階かつ連続的に変化するように制御されている。
この場合、上記各運転モードにおいて、上記油圧ポンプ
(5)の可変斜板(51)が、同図に二点鎖線で示すよ
うにHMT変速比に応じて最大斜板角度(例えば+17
度と−17度)位置と、中立位置(斜板角度ゼロ)との
間で斜板角度が一定の増減変更比率で徐々に増減変更制
御される一方、上記油圧モータ(6)の斜板は固定斜板
(61)とされて、その斜板角度は、同図に一点鎖線で
示すように常に上記の最大斜板角度になるようにされて
いる。そして、上記可変斜板(51)が正転側または反
転側の最大斜板角度になって、その絶対値が固定斜板
(61)と同じ斜板角度になる変速比位置(同図に及
びで示す回転数と対応する変速比の位置)において、
第1モードから第2モードへの切換え、及び、第2モー
ドから第3モードへの切換えが行われるようになってい
る。
【0004】一方、上記のMT(3)の側では、上記第
1モードで第1クラッチ機構(10)のみが接続状態に
され、第2モードで第2クラッチ機構(11)のみが接
続状態にされ、第3モードで第3クラッチ機構(12)
のみが接続状態にされるようになっており、各モード切
換えに際し各クラッチ機構(10,11,12)の断続
が切換えられるようになっている。そして、この各クラ
ッチ機構(10,11,12)の断続切換えの際に、同
じ回転数で同調し切換前後で連続した変速比で回転伝達
されるように上記第1及び第2の遊星歯車機構(7,
8)の各歯数比が次の特定関係を有するように条件付け
られている。すなわち、上記第1遊星歯車機構(7)の
太陽歯車(71)と内歯歯車(73)との間の歯数比を
Yとし、第2遊星歯車機構(8)の太陽歯車(81)と
内歯歯車(83)との間の歯数比をXとした場合に、 Y=X+1 の関係が成立するように条件付けられている(図3参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
無段変速機が搭載された車両が定速走行を維持する場合
にも、MT(3)とHST(4)との双方を介して動力
伝達を行う通常運転を継続するのでは伝達効率の面で好
ましくないため、このような場合には、例えば図4に示
すように斜板(61′)の斜板角度を変更する斜板角度
変更機構(14)、バイパス機構(15′)及び回転固
定機構(16)等のロックアップ作動機構を付設し、H
ST(4)を介した動力伝達を遮断して入力軸(1)か
ら出力軸(2)への動力伝達をMT(3)のみを介した
ものに切換えることによりロックアップ運転を行なわせ
るようにすることが考えられる。
【0006】例えば、油圧ポンプ(5)の可変斜板(5
1)が油圧モータ(6)の斜板(61′)と絶対値で同
じ最大斜板角度になるモード切換点及び最大変速比の変
速比位置(図2に回転数,,で示す位置)と、上
記可変斜板(51)が斜板角度ゼロの中立位置になる各
モードの中間変速比位置(図2に回転数,で示す位
置)とをロックアップ作動点とし、このロックアップ作
動点において、車両が所定の定速走行状態にある時には
通常運転からロックアップ運転へ運転状態の切換えを以
下のようにして行うことが考えられる。
【0007】すなわち、上記モード切換えの変速比位置
(回転数,)にある時のロックアップ運転において
は、回転数の場合には第1クラッチ機構(10)と第
2クラッチ機構(11)との2つを、回転数の場合に
は第2クラッチ機構(11)と第3クラッチ機構(1
2)との2つをそれぞれ接続状態してダブルクラッチ作
動を行う。これにより、HST(4)の両斜板(51,
61′)がモード切換時点では互いに同じ角度(最大斜
板角度)になっているため、油圧ポンプ(5)及び油圧
モータ(6)が共に空転作動され、入力軸(1)から出
力軸(2)への回転動力の伝達がMT(3)を介しての
み行われることになる。また、上記モードの中間変速比
位置(回転数,)にある時のロックアップ運転にお
いては、ロックアップ運転への切換時点で通常運転によ
り可変斜板(51)が斜板角度ゼロの中立位置に位置付
けられているため、この状態を保持することによりポン
プ軸(52)は空転するのみでモータ軸(62)は回転
しない停止状態になり、その後、上記回転固定機構(1
6)の電磁開閉弁(163)を開状態にして係合片(1
62)を歯車(66)に係合させてモータ軸(62)を
非回転状態に固定する。これにより、入力軸(1)から
出力軸(2)への回転及びトルクの伝達がMT(3)を
介してのみ行われることになる。さらに、最大変速比位
置(回転数)にある時のロックアップ運転において
は、上記バイパス機構(15′)のアクチュエータ(1
53)を伸長作動させてバイパス軸(150)の入出力
端側の各歯車(151,152)を歯車(56,76)
に噛み合わせて接続状態にする。これにより、HST
(4)の両斜板(51,61′)が互いに同じ角度(最
大斜板角度)になっているため、油圧ポンプ(5)及び
油圧モータ(6)が共に空転作動され、入力軸(1)か
ら出力軸(2)への回転動力の伝達がMT(3)を介し
てのみ行われることになる。
【0008】また、回転数,,のロックアップ運
転においては、両斜板(51,61′)を共に中立位置
に制御することにより、ピストン(54a,64a)の
往復運動や作動油の循環も排して一層の損失低減を図る
こともできる。この場合、油圧ポンプ(5)の可変斜板
(51)を中立位置に戻し、次いで斜板角度切換機構
(14)のアクチュエータ(142)を縮小作動させて
押圧ばね(143)の復元押圧力により斜板(61′)
を斜板角度零の中立位置に切換える。
【0009】しかしながら、本出願の発明者によるHM
T全体の伝達効率の向上という点に着目した検討の結
果、上記のようなロックアップ運転を行ったとしても、
そのロックアップ運転において次のような不都合が生じ
るようになることが見出だされるに至った。
【0010】すなわち、上記のモード切換点(回転数
,)及び最高変速比位置(回転数)の各ロックア
ップ作動点においてロックアップ運転に切換えられると
油圧モータ(6)は空転状態になり、他のモード中間位
置(回転数,)の各ロックアップ作動点においてロ
ックアップ運転に切換えられると上記油圧モータ(6)
は固定状態になる。ところが、上記油圧モータ(6)が
空転状態にあると固定状態にあるとに拘らず、上記の全
てのロックアップ作動点でのロックアップ運転期間中、
油圧ポンプ(5)はHST(4)のセンタセクション
(41)に対し摺動しながら空転し続けることになるた
め、その油圧ポンプ(5)の空転に伴い無負荷損失が発
生することになる。しかも、この場合、上記のモード切
換点等(回転数,,)では油圧モータ(6)も上
記センタセクション(41)に対し摺動しながら空転し
続けることになるため、この油圧モータ(6)の摺動損
失による無負荷損失がさらに発生することになる。
【0011】従って、特に上記のモード切換点等(回転
数,,)におけるロックアップ運転では、ロック
アップ運転の実行によりHMT全体の伝達効率の向上を
図ろうとしても上記無負荷損失の発生分だけ伝達効率の
向上が阻害され、HMT全体の伝達効率はあまり良くな
らないという不都合が生じる。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、HMT全体の
伝達効率の可及的な向上を図り得るロックアップ運転を
実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、次のような無段変速機を前
提とする。すなわち、動力源に接続される入力軸(1)
と、出力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力軸(2)
との間に介装され複数のクラッチ機構(10〜12)及
び複数の遊星歯車機構(7,8)を備えた機械式トラン
スミッション(3)と、上記入力軸(1)及び出力軸
(2)に対し並列に配設され入力側が上記入力軸(1)
に接続され出力側が上記機械式トランスミッション
(3)を介して上記出力軸(2)に接続された静液圧式
トランスミッション(4)とを備えたものを前提とす
る。また、上記静液圧式トランスミッション(4)は、
可変斜板(51)の斜板角度の増減変更制御により上記
入力軸(1)からポンプ軸(52)に入力する回転力を
所定の吐出圧液に変換する入力側の液圧ポンプ(5)
と、所定の傾斜状態の斜板(61)により上記液圧ポン
プ(5)からの吐出圧液を回転力に変換してモータ軸
(62)を回転させる出力側の液圧モータ(6)とを備
えたものを前提とする。加えて、通常運転において上記
機械式トランスミッション(3)と、静液圧式トランス
ミッション(4)とを変速比に応じて複数の運転モード
に分けて作動させることにより、上記入力軸(1)に入
力する入力回転を無段階に変速させて上記出力軸(2)
に伝達するように構成された無段変速機を前提とする。
【0014】このようなものにおいて、請求項1記載の
発明は、上記静液圧式トランスミッション(4)のモー
タ軸(62)を上記機械式トランスミッション(3)に
対し断続切換可能に連結する第1モータクラッチ機構
(17)と、上記出力軸(2)の回転数が特定回転数に
ある場合に、上記通常運転状態から、上記入力軸(1)
から出力軸(2)に対し上記機械式トランスミッション
(3)を介してのみ動力伝達を行うロックアップ運転に
切換制御するロックアップ切換制御手段(19)と、上
記ロックアップ運転を解除して上記通常運転に復帰させ
るよう切換制御するロックアップ解除制御手段(19)
とを備える構成とする。そして、上記ロックアップ切換
制御手段(19)として、上記第1モータクラッチ機構
(17)を接続状態から遮断状態に切換える第1モータ
クラッチ遮断制御部と、上記液圧ポンプ(5)の可変斜
板(51)の斜板角度が零ではない場合にその斜板角度
を上記第1モータクラッチ遮断制御部による切換制御に
併せて零に変更する斜板角度変更制御部とを備えたもの
とする。加えて、上記ロックアップ解除制御手段(1
9)として、上記斜板角度変更制御部により変更された
可変斜板(51)の斜板角度をロックアップ運転への切
換時点での斜板角度に復帰させる斜板角度復帰制御部
と、この斜板角度復帰制御部により上記可変斜板(5
1)の斜板角度が復帰された状態で上記第1モータクラ
ッチ機構(17)を遮断状態から接続状態に切換える第
1モータクラッチ接続制御部とを備えた構成とするもの
である。
【0015】上記の構成の場合、通常運転において、M
T(3)の複数のクラッチ機構(10〜12)やHST
(4)の可変斜板(51)の斜板角度が変速比に応じて
複数の運転モードに分けて作動され、これにより、入力
軸(1)から入力する一定回転数の入力回転が無段階に
変速されて出力軸(2)に伝達される。
【0016】一方、その出力軸(2)の回転数が特定回
転数,,になるような変速比においては、ダブル
クラッチの後にロックアップ切換制御手段(19)のモ
ータクラッチ機構遮断制御部により、モータクラッチ機
構(17)が遮断状態に切換えられる。これにより、H
ST(4)の出力側であるモータ軸(62)とMT
(3)とが互いに分離されてモータ軸(62)からMT
(3)への動力伝達が完全に遮断される一方、上記モー
タ軸(62)が自由に空転可能になる。このため、たと
え可変斜板(51)が斜板角度零の中立位置以外の状態
にあって液圧ポンプ(5)から液圧モータ(6)に作動
油が吐出されても、その吐出油量に見合うだけの回転数
で空転することになる。そして、このモータクラッチ機
構(17)が遮断状態に切換えられた状態で上記可変斜
板(51)が中立位置以外の状態にある場合には、上記
ロックアップ切換制御手段(19)の斜板角度変更制御
部により上記可変斜板(51)が中立位置に変更される
ため、液圧モータ(6)側への作動油の吐出が停止され
る結果、モータ軸(62)の上記空転も停止されてロッ
クアップ運転期間中の液圧モータ(6)の側の無負荷損
失がなくなる。これにより、特に運転モードの切換回転
数に対応する変速比でロックアップ運転に切換えられた
場合において、ロックアップ運転期間中のHMT全体の
伝達効率の向上が図られる。
【0017】また、上記ロックアップ運転を解除して通
常運転に復帰させる場合には、ロックアップ解除制御手
段(19)の斜板角度復帰制御部により上記可変斜板
(51)の斜板角度が復帰され、これにより、ロックア
ップ運転切換え前の出力軸(2)の特定回転数でモータ
クラッチ機構(17)が接続された状態におけるモータ
軸(62)とMT(3)側との接続回転数、すなわち、
MT(3)側の歯車(76)に対する噛み合い回転数で
モータ軸(62)が空転される状態に変換される。そし
て、この状態で上記ロックアップ解除制御手段(19)
のモータクラッチ接続制御部によりモータクラッチ機構
(17)が接続状態に切換えられるため、切換ショック
もなく通常運転への復帰が可能になる。従って、伝達効
率の向上のために上記の如きロックアップ運転期間中の
制御を行っても、そのロックアップ運転中の制御状態か
ら通常運転への復帰がスムースに可能になる。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、静液圧式トランスミッション(4)のモー
タ軸(62)を非回転部(103)に対し押し付けた固
定状態と、上記回転部(103)から切り離した自由回
転状態とに相互に切換可能に変換させる第2モータクラ
ッチ機構(18)を備えた構成とするものである。加え
て、ロックアップ切換制御手段(19)として、通常運
転からロックアップ運転に切換えられてモータ軸の回転
が停止した状態で上記第2モータクラッチ機構(18)
を自由回転状態から固定状態に切換える第2モータクラ
ッチ固定制御部を備え、ロックアップ解除制御手段(1
9)として、可変斜板(51)が斜板角度零の状態で上
記第2モータクラッチ機構(19)を固定状態から自由
回転状態に切換える第2モータクラッチ解除制御部を備
えた構成とするものである。
【0019】上記の構成の場合、可変斜板(51)が中
立位置に斜板角度が変更されてモータ軸(62)の空転
が停止されると、斜板角度変更制御部により通常運転か
らロックアップ運転に切換えられ、第2モータクラッチ
機構(18)がロックアップ運転切換制御手段(19)
の第2モータクラッチ固定制御部により固定されること
になる。このため、上記モータ軸(62)が非回転状態
に固定され、液圧モータ(6)内部の油圧上昇が防止さ
れて摺動抵抗が最小化されることになる。これにより、
ロックアップ運転期間中における無負荷損失の発生の防
止がより確実になり、HMT全体の伝達効率の向上もよ
り確実なものとなる。しかも、ロックアップ運転から通
常運転に復帰させる際においても、上記第2モータクラ
ッチ機構(18)はロックアップ運転解除制御手段(1
9)の第2モータクラッチ解除制御部により可変斜板
(51)が中立位置にある状態で固定状態から自由回転
状態に切換えられるため、上記の通常運転への復帰が支
障なく行われる。
【0020】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の発明において、入力軸(1)及び出
力軸(2)に対し並列に配設され、静液圧式トランスミ
ッション(4)の入力側の歯車接続機構(56,11
4)と、上記静液圧式トランスミッション(4)の出力
側が接続される機械式トランスミッション(3)側の接
続端(75)との間を断続切換可能に接続して回転動力
を伝達するバイパス機構(15)を備えたものとする。
加えて、ロックアップ切換制御手段(19)として、通
常運転の最高変速比位置において上記バイパス機構(1
5)を接続状態に切換えるバイパス作動制御部を備え、
ロックアップ解除制御手段(19)として、液圧モータ
(6)のモータ軸(62)からの回転動力を機械式トラ
ンスミッション(3)に対し伝達状態に復帰させる制御
と同期して上記バイパス機構(15)を遮断状態に切換
えるバイパス解除制御部を備えた構成とするものであ
る。
【0021】上記の構成の場合、バイパス作動制御部に
よりバイパス機構(15)を接続状態に切換えることに
よって、通常運転において入力軸(1)から静液圧式ト
ランスミッション(4)から入力されていた回転動力
が、バイパス機構(15)を介して機械式トランスミッ
ション(3)の接続端(75)に伝達されて上記静液圧
式トランスミッション(4)がバイパスされることにな
る。このため、例えば3つの運転モードに分けて通常運
転を行った場合でもその第3モードの最高変速比位置に
おいて、上記バイパス作動制御部及びバイパス解除制御
部による制御により通常運転とロックアップ運転との間
で運転状態を相互に切換えることが可能になる。
【0022】さらに、請求項4記載の発明は、請求項1
記載の発明において、液圧モータ(5)の可変斜板(5
1)の斜板角度を少なくとも3つの運転モードに分けて
増減変更制御する通常時運転制御手段を備えるものとす
る。そして、上記通常時運転制御手段として、発進から
低変速比域の第1モードにおいてその第1モードの変速
比域の最小値で斜板角度が零の中立位置になり最大値で
傾動方向(−)側の最大斜板角度になるような増減変更
比率で上記可変斜板(51)の斜板角度を変更し、この
第1モードよりも高い変速比域の第2モードにおいてそ
の第2モードの変速比域の最小値で上記(−)側最大斜
板角度になり中間値で上記中立位置になり最大値で傾動
方向(+)側の最大斜板角度になるような増減変更比率
で上記可変斜板(51)斜板角度を変更し、この第2モ
ードよりも高い変速比域の第3モードにおいてその第3
モードの変速比域の最小値で上記傾動方向(+)側の最
大斜板角度になり中間値で上記中立位置になり最大値で
上記傾動方向(−)側の最大斜板角度になるような増減
変更比率で上記可変斜板(51)斜板角度を変更するよ
うに構成する。また、液圧モータ(6)の斜板(61)
を上記両最大斜板角度と絶対値において等しい斜板角度
に固定されたものとする。そして、ロックアップ切換制
御手段として、上記第1モードと第2モードとの間の切
換変速比に対応する切換回転数と、上記第2モードの変
速比域の中間値に対応する中間回転数と、上記第2モー
ドと第3モードとの間の切換変速比に対応する切換回転
数と、上記第3モードの変速比域の中間値に対応する中
間回転数と、上記第3モードの最高変速比に対応する回
転数とを特定回転数として、通常運転からロックアップ
運転への切換えを行うように構成するものである。
【0023】上記の構成の場合、3つの運転モードに分
けて通常運転を行う場合における静液圧式トランスミッ
ション(4)の可変斜板(51)の斜板角度の増減変更
制御の内容が具体的に特定される。加えて、そのような
通常運転を行った場合のロックアップ運転への切換作動
点が、第1モードと第2モード、及び、第2モードと第
3モードの2つの切換回転数と、第2及び第3モードの
各中間回転数と、第3モードの最高変速比に対応する回
転数との5つの特定回転数として具体的に特定される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0025】図5は本発明の実施形態に係る無段変速機
であるHMTを示し、同図中、1は動力源としてのエン
ジン(図示省略)に接続されてエンジンからの一定回転
数の回転が入力される入力軸(1)、2は最終減速機
(図示省略)を経て駆動輪(図示省略)等に接続される
出力軸、3は上記入力軸(1)と出力軸(2)との間に
介装された機械式トランスミッションとしてのMTであ
る。また、4は上記MT(3)に対し並列に配設され入
力側が上記入力軸(1)に接続され出力側が上記MT
(3)を介して上記出力軸(2)に接続された静液圧式
トランスミッションとしてのHSTであって、このHS
T(4)は可変斜板(51)を有する入力側の液圧ポン
プ(5)と、所定の最大斜板角度に固定された斜板(6
1)を有する出力側の液圧モータ(6)とを備えてい
る。さらに、15はバイパス機構、17,18は上記液
圧モータ(6)のモータ軸(62)に設けられた第1,
第2のモータクラッチ機構、19は通常運転時制御手
段、ロックアップ切換制御手段及びロックアップ解除制
御手段等を備えたコントロールユニットである。
【0026】−MTの構成−上記MT(3)は、第1遊
星歯車機構(7)と、第2遊星歯車機構(8)と、入力
軸(1)及び出力軸(2)と同軸に配設された中間軸
(9)と、第1〜第3の3つのクラッチ機構(10,1
1,12)とを備えたものである。以下、各機構(7,
8,10,11,12)について詳細に説明する。
【0027】上記第1遊星歯車機構(7)は、第1太陽
歯車(71)と、この第1太陽歯車(71)と噛み合う
第1遊星歯車(72)と、この第1遊星歯車(72)と
噛み合う第1内歯歯車(73)と、上記第1遊星歯車
(72)を保持する第1キャリア(74)とを備えてい
る。また、上記第2遊星歯車機構(8)は、上記中間軸
(9)に形成された第2太陽歯車(81)と、この第2
太陽歯車(81)と噛み合う第2遊星歯車(82)と、
この第2遊星歯車(82)と噛み合う第1内歯歯車(8
3)と、上記第2遊星歯車(82)を保持する第2キャ
リア(84)とを備えている。
【0028】そして、上記第1太陽歯車(71)は、出
力軸(2)に対し相対回転可能に外挿された環状の接続
軸(75)を介して歯車(76)と一体的に形成されて
おり、この歯車(76)と、後述の歯車(66)とを介
して上記液圧モータ(6)と接続されている。また、上
記第1キャリア(74)は管状部材(77)に取付けら
れており、この管状部材(77)の内周面には上記第2
内歯歯車(83)が形成され、これにより、第1キャリ
ア(74)と第2内歯歯車(83)とが互いに同期して
回転するようになっている。さらに、上記第1内歯歯車
(73)は鍔状部材(78)の外周側に形成され、この
鍔状部材(78)には上記第2キャリア(84)が取付
けられている。この鍔状部材(78)は上記出力軸
(2)に一体的に取付けられており、これにより、上記
第2キャリア(84)は上記第1内歯歯車(73)と同
期して回転し、かつ、上記第1内歯歯車(73)及び第
2キャリア(84)が出力軸(2)と結合されるように
なっている。
【0029】上記第1クラッチ機構(10)は、複数の
クラッチプレート(101)と、この各クラッチプレー
ト(101)を間に挟む複数のプレッシャープレート
(102)とを備えている。各プレッシャープレート
(102)は本HMTのケーシング(図示省略)である
非回転部(103)に相対回転が阻止された状態で固定
されており、これにより、上記第1クラッチ機構(1
0)は接続状態にすることによりブレーキ力を付与する
ようになっている。上記各クラッチプレート(101)
は上記管状部材(77)の周囲に取付けられており、こ
れにより、上記第1クラッチ機構(10)は、第1キャ
リア(74)と第2内歯歯車(83)とを上記非回転部
(103)に対し断続切換可能に連結するようになって
いる。
【0030】上記第2クラッチ機構(11)は、中間軸
(9)の外周囲に取付けられた複数のクラッチプレート
(111)と、筒状部材(112)の内周面に設けられ
たプレッシャープレート(113)とを備えている。上
記筒状部材(112)は歯車(114)を介して入力軸
(1)と連結されており、これにより、上記第2クラッ
チ機構(11)は第2太陽歯車(81)を上記入力軸
(1)に対し断続切換可能に連結するようになってい
る。
【0031】上記第3クラッチ機構(12)は、上記管
状部材(77)の外周囲に取付けられた複数のクラッチ
プレート(121)と、上記筒状部材(112)の内周
面に設けられたプレッシャープレート(122)とを備
えたものであり、これにより、上記第1キャリア(7
4)と第2内歯歯車(83)とを上記入力軸(1)に対
し断続切換可能に連結するようになっている。
【0032】このような構造において、上記第1及び第
2の両遊星歯車機構(7,8)の各要素の歯数比が以下
の関係を有するように設定されており、これにより、後
述の第1〜第3モードの3つの運転モードの切換前後で
実質的に連続した伝達比を与えるようになっている。す
なわち、図3の遊星速度線図に示すように、第1太陽歯
車(71)と第1内歯歯車(73)との間の歯数比をY
とし、第2太陽歯車(81)と第2内歯歯車(83)と
の間の歯数比をXとした場合に、Y=X+1の関係が成
立するように設定されている。(これにより、第1モー
ド(M1 )及び第2モード(M2 )の両運転モード間の
切換え前後で、第2太陽歯車(81)の回転数は第2ク
ラッチ機構(11)により係合される入力軸(1)の同
調回転数N1 (例えば1800rpm)と一致し、第1
キャリア(74)の回転数は第2モード(M2 )及び第
3モード(M3 )の両運転モード間の切換前後で、第3
クラッチ機構(12)で係合される入力軸(1)の上記
同調回転数N1 と一致することになる。)−HSTの構
成−一方、上記HST(4)は互いにほぼ同じ構成の一
対の油圧ユニットと両油圧ユニットを連結するセンタセ
クション(41)とにより構成されるものであり、エン
ジンからの回転力が入力される入力側の油圧ユニットを
液圧ポンプ(5)と呼び、変速後の回転力が出力される
出力側の油圧ユニットを液圧モータ(6)と呼ぶもので
ある。
【0033】上記液圧ポンプ(5)は、図6にも示すよ
うに、スプラインを介してポンプ軸(52)と一体に回
転するシリンダブロック(53)と、このシリンダブロ
ック(53)内に円周方向に列状に収容された複数の往
復動ピストン(54,54,…)と、この複数の往復動
ピストン(54,54,…)の往復動の行程を調整する
可変斜板(51)とを備えており、上記シリンダブロッ
ク(53)が非回転状態のセンタセクション(41)に
対し液密に結合されている。そして、上記ポンプ軸(5
2)に連結された歯車(56)が入力軸(1)の歯車
(114)に噛み合わされ、これにより、上記ポンプ軸
(52)にも上記入力軸(1)を介してエンジンからの
回転力が入力するようになっている。
【0034】また、上記センタセクション(41)は、
液圧ポンプ(5)側の非回転ブロック(55)と、液圧
モータ(6)側の非回転ブロック(65)と、両非回転
ブロック(55,65)間を接続する一対の連通路(5
7a,57b)とを備えたものである。そして、上記非
回転ブロック(55)の内部には、上記複数の往復動ピ
ストン(54,54,…)の各シリンダ室(54a)と
連通可能な2つの円弧状の開口(55a,55b)(A
キドニー及びBキドニー;図7参照)が形成され、この
Aキドニー(55a)もしくはBキドニー(55b)
は、後述の液圧モータ(6)側の非回転ブロック(6
5)の対応するAキドニー(65a)もしくはBキドニ
ー(65b)とそれぞれ上記連通路(57a,57b)
を介して連通されている。
【0035】さらに、上記可変斜板(51)は、上記ポ
ンプ軸(52)の位置を横切る直径を回転軸(P)とし
て、斜板角度がゼロとなる中立位置(N)を挟んで最大
斜板角度(例えば絶対値で17度)となる両最大傾斜角
度位置(M,M′)の間をアクチュエータ(20;図5
参照)の作動により傾動可能となっており、この可変斜
板(51)の斜板角度がコントロールユニット(19)
内の通常運転時制御手段によって第1〜第3の3つの運
転モードに応じた所定の増減変更比率で連続的に増減変
更されるとともに、上記コントロールユニット(19)
内のロックアップ切換制御手段の斜板角度変更制御部と
ロックアップ解除制御手段の斜板角度復帰制御部とから
の制御信号を受けて上記可変斜板(51)の斜板角度を
制御するようになっている。
【0036】また、上記液圧モータ(6)は、スプライ
ンを介してモータ軸(62)と一体に回転するシリンダ
ブロック(63)と、このシリンダブロック(63)内
に円周方向に列状に収容された複数の往復動ピストン
(64,64,…)と、この複数の往復動ピストン(6
4,64,…)の往復動の行程を調整する固定状態の斜
板(61)とを備えており、上記シリンダブロック(6
3)が上記のセンタセクション(41)の非回転ブロッ
ク(65)に対し液密に結合されている。上記非回転ブ
ロック(65)の内部には、上記の他の非回転ブロック
(55)と同様に、上記複数の往復動ピストン(64,
64,…)の各シリンダ室(64a)と連通可能なAキ
ドニー(65a)及びBキドニー(65b)(図7参
照)が形成されている。
【0037】そして、上記モータ軸(62)の出力端側
の歯車(66)が、第1太陽歯車(71)と一体の接続
軸(75)に結合された歯車(76)に噛み合わされ、
この一対の歯車機構(66,76)がモータ軸(62)
とMT(3)との接続部を構成している。また、上記モ
ータ軸(62)には、モータ軸(62)と歯車(66)
との間に介装されてこのモータ軸(62)の回転動力を
上記歯車(66)に対し断続切換可能に伝達する第1モ
ータクラッチ機構(17)と、上記モータ軸(62)と
非回転部(103)との間に介装されてそのモータ軸
(62)を非回転部(103)に押し付けることにより
上記モータ軸(62)を固定状態と自由回転状態とに相
互に変換可能に切換える第2モータクラッチ機構(1
8)とが介装されている。通常運転では第1モータクラ
ッチ機構(17)が接続状態に、第2モータクラッチ機
構(18)が自由回転状態にそれぞれ維持され、これに
より、上記モータ軸(62)からの回転動力が上記歯車
機構(66,76)及び接続軸(75)を介して第1太
陽歯車(71)に伝達されるようになっている。一方、
上記第1及び第2の各モータクラッチ機構(17,1
8)は、ロックアップ運転においては上記コントロール
ユニット(19)のロックアップ運転切換制御手段の第
1モータクラッチ遮断制御部及び第2モータクラッチ固
定制御部と、ロックアップ解除制御手段の第1モータク
ラッチ接続制御部及び第2モータクラッチ解除制御部と
により作動制御されるようになっている。
【0038】ここで、上記のHST(4)の作動原理に
ついて概説すると、エンジンからの回転が入力軸
(1)、歯車(114)及び歯車(56)を介してポン
プ軸(52)に伝達されても、可変斜板(51)が中立
位置Nに位置している場合には各ピストン(54)がス
トロークしないため、各シリンダ(54a)内の作動油
は液圧モータ(6)側には吐出されずに、シリンダブロ
ック(53)は空転状態になる。ところが、上記可変斜
板(51)が最大傾斜位置M側に傾くと、その斜板角度
に応じて各ピストン(54)がストロークしこのストロ
ークに応じた吐出量の圧油が一方の連通路(57aまた
は57b)を通して液圧モータ(6)の各シリンダ室
(64a)に吐出されることになる。この吐出量の圧油
を受けた上記液圧モータ(6)の各ピストン(64)が
傾斜状態の斜板(61)を押すことにより、シリンダブ
ロック(63)及びモータ軸(62)が上記吐出量に応
じた回転数で回転される。そして、上記シリンダブロッ
ク(63)から他方の連通路(57bまたは57a)を
通して液圧ポンプ(5)側に戻される。この際、上記可
変斜板(51)が(+)側の最大傾斜位置M側の斜板角
度であると、液圧モータ(6)のシリンダブロック(6
3)は入力回転と同方向に正転し、逆に、上記可変斜板
(51)が(−)側の最大傾斜位置M′側の斜板角度で
あると、上記シリンダブロック(63)は入力回転と逆
方向に逆転するようになる。
【0039】−バイパス機構の構成− バイパス機構(15)は、MT(3)とHST(4)と
の間に入力軸(1)及び出力軸(2)と平行に延びるよ
うに配設されたバイパス軸(155)と、このバイパス
軸(155)の間に介装されてバイパス軸(155)を
介した回転動力の伝達を断続切換えするバイパスクラッ
チ機構(156)とを備えたものである。そして、上記
バイパス軸(155)の入力端側歯車(157)がポン
プ軸(52)の歯車(56)に対し常時噛み合い状態に
係合される一方、出力端側歯車(158)が接続軸(7
5)の歯車(76)に対し常時噛み合い状態に係合され
ている。また、上記バイパスクラッチ機構(156)
は、通常運転状態においては常時遮断状態にされる一
方、特定のロックアップ作動点においてコントロールユ
ニット(19)内のロックアップ切換制御手段のバイパ
ス作動制御部により接続状態にされるようになってい
る。
【0040】−通常運転におけるMT及びHSTの運転
− MT(3)とHST(4)とは変速比に応じて区分され
た3つの運転モード、すなわち、発進から低変速比域
(低速域)の第1モードと、中変速比域(中速域)の第
2モードと、高変速比域(高速域)の第3モードとの3
つの運転モードに分けてコントロールユニット(19)
内の通常運転時制御手段により作動制御されるようにな
っている。この通常運転時制御手段は第1〜第3の各ク
ラッチ機構(10〜12)の作動制御と、アクチュエー
タ(20)の作動制御による可変斜板(51)の斜板角
度の増減変更制御とをそれぞれ変速比に基づいて行うよ
うになっている。なお、この通常運転においては、バイ
パスクラッチ機構(156)が遮断状態に、第1モータ
クラッチ機構(17)が接続状態に、第2クラッチ機構
(18)が自由回転状態にそれぞれ維持されている。
【0041】まず、上記MT(3)における各運転モー
ドにおける各クラッチ機構(10〜12)の断続切換制
御を説明する。
【0042】上記第1モードでは、第1クラッチ機構
(10)のみが接続状態にされ、これにより、入力軸
(1)からの回転入力はHST(4)側にのみ入力軸回
転数Niが伝達され、出力軸(2)はHST(4)から
の伝達力のみによって回転されることになる。一方、M
T(3)においては、第2及び第3クラッチ機構(1
1,12)が遮断状態であるため筒状部材(112)が
空転作動状態にされるとともに、第1キャリア(74)
が一体に取付けられた管状部材(77)は第1クラッチ
機構(10)により非回転部(103)と連結されて非
回転状態に固定されることになる。
【0043】また、上記第2モードでは、第2クラッチ
機構(11)のみが接続状態にされ、これにより、入力
軸(1)からの回転入力はHST(4)に対し入力軸回
転数Ni が伝達される一方、中間軸(9)に対し第2ク
ラッチ機構(11)を介して入力軸回転数Ni が伝達さ
れる。そして、出力軸(2)は第2遊星歯車機構(8)
を介した中間軸(9)からの伝達力と、第1遊星歯車機
構(7)を介したHST(4)からの伝達力との合成力
によって回転される。
【0044】さらに、上記第3モードでは、第3クラッ
チ機構(11)のみが接続状態にされ、これにより、入
力軸(1)からの回転入力はHST(4)に対し入力軸
回転数Ni が伝達される一方、管状部材(77)に対し
第3クラッチ機構(12)を介して入力軸回転数Ni が
伝達される。そして、出力軸(2)は第1遊星歯車機構
(7)の第1キャリア(74)を介した管状部材(7
7)からの伝達力と、第1太陽歯車(71)を介したH
ST(4)からの伝達力との合成力によって回転され
る。
【0045】一方、上記HST(4)における液圧ポン
プ(5)の可変斜板(51)の作動制御を説明すると、
上記可変斜板(51)の斜板角度は、第1モードでは、
発進時の中立位置(斜板角度ゼロ)から高変速比側に移
行するにつれて徐々に傾動されて第2モードとの第1切
換回転数(出力軸の回転数)に対応する第1切換変速
比で最大傾斜の−17度になるような増減変更比率でH
MT変速比の増大に応じて(−)側に連続的に傾動され
る(図2参照)。
【0046】また、第2モードでは、上記斜板角度(−
17度)から絶対値で上記第1モードと同じ増減変更比
率で(+)側に連続的に傾動され、上記第2モードの中
央変速比(中間回転数)で可変斜板(51)が中立位
置になり、それを過ぎて同様に傾動されて第3モードと
の切換回転数に対応する第2切換変速比において斜板
角度は+17度に至る。
【0047】さらに、第3モードでは、上記第2切換変
速比において上記の増減変更比率と同じ増減変更比率で
(−)側に傾動するように切換えられ、第3モードの中
央変速比(中間回転数)で上記可変斜板(51)が中
立位置に戻り、それを過ぎて同様に傾動されてバイパス
クラッチ機構(156)が係合することになる回転数
に対応する最高変速比において斜板角度は−17度に至
る。
【0048】以上の如きコントロールユニット(19)
による第1〜第3クラッチ機構(10〜12)の断続切
換制御と、可変斜板(51)の斜板角度の増減変更制御
とによって、上記第1モードにおける前進側の変速範囲
は図3の矢印M1 で示す範囲に、上記第2モードにおけ
る変速範囲は同図の矢印M2 で示す範囲に、上記第3モ
ードにおける変速範囲は同図の矢印M3 で示す範囲にそ
れぞれなり、出力軸(2)の回転数は第1モードから第
3モードまでにわたり無段階で連続して変化されること
になる。
【0049】−ロックアップ運転への切換によるMT及
びHSTの運転− 図2もしくは図3において、ロックアップ作動は出力軸
(2)の回転数が各モード間の切換変速比に対応する切
換回転数,と、第3モードの最高変速比に対応する
最大回転数と、可変斜板(51)が中立位置に位置付
けられる第2,第3モードの中央変速比に対応する中間
回転数,との5つの特定回転数にある時に、すなわ
ち、5つのロックアップ作動点においてコントロールユ
ニット(19)内のロックアップ切換制御手段により通
常運転からロックアップ運転への切換制御が行われるよ
うになっている。なお、上記通常運転からロックアップ
運転への切換判定は、出力軸(2)の回転数が上記のい
ずれかの特定回転数にあって、アクセル変動量(踏み込
み量の変化割合)が所定の設定値内の小値であること、
もしくは、車両速度の変化割合が所定の設定値内の小値
であること等の条件を満足することによりロックアップ
作動を行うように決定される。そして、上記ロックアッ
プ運転への切換後、上記のロックアップ切換判定におけ
る各条件を外れる場合には、ロックアップ解除指令が発
せられてロックアップ解除制御手段によりロックアップ
運転を解除して通常運転への復帰が行われる。
【0050】上記ロックアップ切換制御手段では回転数
,,におけるロックアップ運転への切換判定条件
を満足すれば、図8に示すようにロックアップ切換指令
を受けて第1モータクラッチ遮断制御部により第1モー
タクラッチ機構(17)を接続状態(係合)から遮断状
態(離合)に切換える。これにより、モータ軸(62)
と歯車(66)とが互いに切り離されるため、HST
(4)からMT(3)の歯車(76)への回転伝達が遮
断されるとともに、モータ軸(62)が自由に空転可能
な状態になる。
【0051】この際、各ロックアップ作動点において、
以下のように各クラッチ機構(10〜12)の作動制御
を行う。すなわち、切換回転数におけるロックアップ
運転では第1モードと第2モードとの切換前後の第1ク
ラッチ機構(10)及び第2クラッチ機構(11)をダ
ブルクラッチ作動状態に維持し、切換回転数における
ロックアップ運転では、第2モードと第3モードとの切
換前後の第2クラッチ機構(11)及び第3クラッチ機
構(12)をダブルクラッチ作動状態に維持する。一
方、最大回転数()におけるロックアップ作動点にお
いては、バイパス作動制御部によりバイパスクラッチ機
構(156)を接続状態にしてバイパス軸(155)を
介しての入力軸(1)から出力軸(2)への回転伝達を
行う。これにより、入力軸(1)から出力軸(2)への
回転動力の伝達はMT(3)のみ、もしくは、MT
(3)及びバイパス軸(155)のみを介したものにな
る。
【0052】また、特に上記切換回転数(,)及び
最大回転数()の各ロックアップ作動点の如く液圧モ
ータ(6)を空転させて回転動力の伝達をキャンセルさ
せるようなロックアップ運転においては、上記の第1モ
ータクラッチ機構(17)の遮断状態への切換えに加
え、斜板角度制御部によりアクチュエータ(20)を作
動制御して可変斜板(51)の斜板角度を最大斜板角度
から斜板角度零の中立位置に変更する(図8参照)。こ
れにより、液圧ポンプ(5)ではポンプ軸(52)及び
シリンダブロック(53)が空転するのみで液圧モータ
(6)の側に対し作動油を吐出しない状態になるため、
液圧モータ(6)のシリンダブロック(63)及びモー
タ軸(62)の上記空転が停止されることになる。この
ため、上記シリンダブロック(63)とセンタセクショ
ン(41)との間の摺動損失がなくなり、ロックアップ
運転中の無負荷損失がなくなる結果、その分、HMT全
体の伝達効率の向上(例えば5%程度の向上)を図るこ
とができるようになる。
【0053】加えて、上記の切換回転数等(,,
)におけるロックアップ運転において液圧モータ
(6)の空転を停止させるようにしているため、特に最
高速域で入力軸(1)を介してエンジンから入力する入
力回転数が過大になってしまっても、液圧モータ(6)
を空転状態に維持した場合にその液圧モータ(6)の許
容回転数限度に近付いて液圧モータ(6)のピストン
(64)が損傷を受けるおそれを確実に回避することが
できる。従来技術においては、このような過大な入力回
転に対し、液圧モータ(6)に対する許容回転数を上げ
るために、斜板(61)の斜板角度を中立位置に切換え
る切換機構を設ける必要がある場合もあるが、本実施形
態では上記の如く液圧モータ(6)を空転状態に維持す
ることにより、このような切換機構を設けた場合に比
べ、コストの低減化及び設計限界の引き下げによる最適
設計化をも図ることができるようになる。
【0054】一方、各モードの中間回転数,におい
ては、液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜板角度
が中立であるため、液圧モータ(6)は回転されず、固
定状態にあり、従って、HST(4)は動力伝達を行わ
ないため、何も操作を行わなくてもロックアップ運転に
なっている。しかし、この状態ではHST(4)が出力
軸(2)からの回転力を支えているため、HST(4)
内部の油圧が上昇し、シリンダブロック(53,63)
とセンタセクション(41)との間の摩擦損失が大きく
なる。これを防止し、HMT全体の伝達効率のより一層
の向上を図るために、第2モータクラッチ固定制御部に
より、第2モータクラッチ機構(18)を自由回転状態
から固定状態に切換えるようにすることが好ましい。こ
の場合、第1モータクラッチ機構(17)は係合状態に
保持され、MT(3)からの回転力は歯車(76,6
6)及び第1,第2モータクラッチ機構(17,18)
を経て非回転部(103)によって支持されることにな
る。
【0055】−ロックアップ運転から通常運転への復帰
− ロックアップ解除制御手段による制御は、切換回転数
(,)及び最大回転数()におけるロックアップ
運転の場合には、ロックアップ解除指令を受けて、ま
ず、斜板角度復帰制御部によりアクチュエータ(20)
を作動制御して可変斜板(51)の斜板角度を中立位置
から元の最大斜板角度まで復帰させる(図8参照)。こ
れにより、モータ軸(62)は、空転が停止した状態か
ら、元の通常運転に復帰した場合におけるMT(3)側
の歯車(76)に対する噛み合い回転数で回転する状態
に復帰する。この噛み合い回転数で上記モータ軸(6
2)が回転するようになった状態で、第1モータクラッ
チ接続制御部により第1モータクラッチ機構(17)を
遮断状態(離合)から接続状態(係合)に切換える。そ
して、ダブルクラッチ作動状態にあった2つのクラッチ
機構の内から復帰する運転モードに応じて一方のクラッ
チ機構を離合(遮断)する。これにより、モータ軸(6
2)の歯車(66)とMT(3)側の歯車(76)とが
同調して切換ショックなしで接続状態になり、通常運転
に復帰することになる。つまり、通常運転に復帰させた
場合にモータ軸(62)に作用することになる負荷分だ
けHST(4)側の吐出油圧を予め増大させた状態で、
上記離合側クラッチ機構が遮断状態にされるため、通常
運転への復帰時の切換ショックが発生しないようにする
ことができる。
【0056】なお、中間回転数(,)におけるロッ
クアップ運転の場合には、復帰する通常運転が可変斜板
(51)が斜板角度零の中立位置からスタートするた
め、ロックアップ運転中の中立位置にある可変斜板(5
1)はそのままの状態にしておいて、ロックアップ解除
指令を受けることにより、第2モータクラッチ解除制御
部により第2モータクラッチ機構(18)を固定状態か
ら自由回転状態に切換える。
【0057】また、最大回転数()におけるロックア
ップ運転の場合には、上記の切換回転数(,)の場
合における第1モータクラッチ接続制御部による接続状
態への切換制御と同期して、バイパス解除制御部により
バイパスクラッチ機構(156)を遮断状態(離合)に
切換えるようにすればよい。これにより、それまでのバ
イパス軸(155)を介しての回転動力の伝達(ロック
アップ運転)からHST(4)及びMT(3)を介して
の回転動力の伝達(通常運転)に切換えられることにな
る。
【0058】従って、HMT全体の伝達効率の向上のた
めに、上記の切換回転数等(,,)におけるロッ
クアップ運転期間において第1クラッチ機構(17)や
可変斜板(51)の中立位置への変更制御を行ったとし
ても、ロックアップ運転を解除して通常運転に復帰させ
る場合には切換ショックを発生させることなく確実に通
常運転に復帰させることができる。
【0059】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態実施形
態のロックアップ運転中のHST(4)の無負荷運転に
おける損失を排除してさらに効率の向上を図るために、
上記HST(4)への洩れ補給用のチャージ油のチャー
ジ圧の解除、各シリンダブロック(53,63)の押圧
力の軽減、両連通路(57a,57b)間のバイパス等
を行うようにしてもよい。
【0060】また、上記実施形態では、一対の遊星歯車
(7,8)と第1〜第3の3つのクラッチ機構(10〜
12)とを備えたMT(3)を用いて3つの運転モード
に分け通常運転を行い、その内の出力軸(2)の回転数
が〜の5つの特定回転数にある時にロックアップ運
転を行う場合を示したが、これに限らず、MT側に対し
入力軸(1)からの入力回転数を減速するための入力回
転数減速機構としての第3遊星歯車機構と、これの作動
切換を行う切換機構としての一対のクラッチ機構とを設
けることにより運転モードを4モード以上に増加し、H
ST側の液圧モータの斜板に対し斜板角度の切換機構を
設けることによりロックアップ作動点を7点以上のロッ
クアップ作動点に増加させたHMTに本発明を適用して
もよい。このような場合には、上記の液圧モータ側の斜
板に付加する斜板角度の切換機構から少なくとも斜板角
度零の中立位置への切換段を省略することができ、コス
トの低減化を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における無段変速機によれば、特に可変斜板(51)
が中立位置以外の斜板角度にある例えば運転モードの切
換回転数に対応する変速比においてロックアップ運転に
切換えられた場合であっても、可変斜板(51)が強制
的に中立位置に変更されるため、液圧モータ(6)側へ
の作動油の吐出が停止される結果、モータ軸(62)の
空転が停止されてロックアップ運転期間中の液圧モータ
(6)の側の摺動損失の発生を解消することができる。
これにより、ロックアップ運転期間中の無負荷損失の発
生が解消され、ロックアップ運転期間中のHMT全体の
伝達効率の向上を図ることができる上に、ロックアップ
運転期間中の入力回転数が過大となるような場合であっ
ても、液圧モータの損傷のおそれの発生を確実に解消す
ることができる。
【0062】また、伝達効率の向上のために上記の如き
ロックアップ運転期間中の制御を行っても、そのロック
アップ運転中の制御状態から通常運転への復帰をスムー
スにかつ確実に行うことができる。
【0063】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加え、モータ軸(62)の回転が
停止された時に、2モータクラッチ機構(18)の切換
制御により液圧モータ(6)内部の油圧上昇が防止され
て摺動抵抗が最小化されるため、ロックアップ運転期間
中における無負荷損失の発生の防止をより確実にするこ
とができ、HMT全体の伝達効率の向上もより確実なも
のにすることができる。
【0064】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または請求項2記載の発明による効果に加え、例え
ば3つの運転モードに分けて通常運転を行った場合でも
その第3モードの最高変速比位置において、上記バイパ
ス作動制御部及びバイパス解除制御部による制御により
通常運転とロックアップ運転との間で運転状態を相互に
切換えることができるようになる。
【0065】さらに、請求項4記載の発明によれば、請
求項1記載の発明による効果に加え、3つの運転モード
に分けて通常運転を行う場合における静液圧式トランス
ミッション(4)の可変斜板(51)の斜板角度の増減
変更制御の内容や、そのような通常運転を行った場合の
ロックアップ運転への切換作動点として5つの特定回転
数が具体的に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の無段変速機を示す模式図である。
【図2】図1の液圧ポンプの可変斜板及び液圧モータの
斜板の両斜板角度とHMT変速比との関係と、入力軸及
び出力軸の回転数とHMT変速比との関係を関連付けて
示す説明図である。
【図3】図1の第1及び第2遊星歯車機構の遊星速度線
図である。
【図4】図1の無段変速機での不都合を解決するために
考えられる無段変速機の図1対応図である。
【図5】本発明の実施形態を示す図1対応図である。
【図6】HSTを示す簡略縦断面図である。
【図7】図6のC−C線及びD−D線における両非回転
ブロックを示す断面説明図である。
【図8】ロックアップ運転への切換及び通常運転への復
帰の際のモータ軸回転数の変化,第1クラッチ機構の作
動制御,可変斜板の斜板角度の変更制御を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 MT(機械式トランスミッション) 4 HST(静液圧式トランスミッション) 5 液圧ポンプ 6 液圧モータ 7 第1遊星歯車機構 8 第2遊星歯車機構 10 第1クラッチ機構 11 第2クラッチ機構 12 第3クラッチ機構 15 バイパス機構 17 第1モータクラッチ機構 18 第2モータクラッチ機構 19 コントロールユニット(通常運転時制御手
段,ロックアップ切換制御手段,ロックアップ解除制御
手段) 51 可変斜板 52 ポンプ軸 61 斜板 62 モータ軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−277907(JP,A) 特開 平2−38745(JP,A) 特開 平6−101744(JP,A) 特開 昭50−22167(JP,A) 特開 昭64−87945(JP,A) 特開 平9−159007(JP,A) 特開 昭61−59059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/02 - 47/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源に接続される入力軸(1)と、出
    力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力軸(2)との間
    に介装され複数のクラッチ機構(10〜12)及び複数
    の遊星歯車機構(7,8)を備えた機械式トランスミッ
    ション(3)と、上記入力軸(1)及び出力軸(2)に
    対し並列に配設され入力側が上記入力軸(1)に接続さ
    れ出力側が上記機械式トランスミッション(3)を介し
    て上記出力軸(2)に接続された静液圧式トランスミッ
    ション(4)とを備え、 上記静液圧式トランスミッション(4)は、可変斜板
    (51)の斜板角度の増減変更制御により上記入力軸
    (1)からポンプ軸(52)に入力する回転力を所定の
    吐出圧液に変換する入力側の液圧ポンプ(5)と、所定
    の傾斜状態の斜板(61)により上記液圧ポンプ(5)
    からの吐出圧液を回転力に変換してモータ軸(62)を
    回転させる出力側の液圧モータ(6)とを備え、 通常運転において上記機械式トランスミッション(3)
    と、静液圧式トランスミッション(4)とを変速比に応
    じて複数の運転モードに分けて作動させることにより、
    上記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に変速さ
    せて上記出力軸(2)に伝達するように構成された無段
    変速機において、 上記静液圧式トランスミッション(4)のモータ軸(6
    2)を上記機械式トランスミッション(3)に対し断続
    切換可能に連結する第1モータクラッチ機構(17)
    と、 上記出力軸(2)の回転数が特定回転数にある場合に、
    上記通常運転状態から、上記入力軸(1)から出力軸
    (2)に対し上記機械式トランスミッション(3)を介
    してのみ動力伝達を行うロックアップ運転に切換制御す
    るロックアップ切換制御手段(19)と、 上記ロックアップ運転を解除して上記通常運転に復帰さ
    せるよう切換制御するロックアップ解除制御手段(1
    9)とを備えており、 上記ロックアップ切換制御手段(19)は、上記第1モ
    ータクラッチ機構(17)を接続状態から遮断状態に切
    換える第1モータクラッチ遮断制御部と、上記液圧ポン
    プ(5)の可変斜板(51)の斜板角度が零ではない場
    合にその斜板角度を上記第1モータクラッチ遮断制御部
    による切換制御に併せて零に変更する斜板角度変更制御
    部とを備えており、 上記ロックアップ解除制御手段(19)は、上記斜板角
    度変更制御部により変更された可変斜板(51)の斜板
    角度をロックアップ運転への切換時点での斜板角度に復
    帰させる斜板角度復帰制御部と、この斜板角度復帰制御
    部により上記可変斜板(51)の斜板角度が復帰された
    状態で上記第1モータクラッチ機構(17)を遮断状態
    から接続状態に切換える第1モータクラッチ接続制御部
    とを備えていることを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 静液圧式トランスミッション(4)のモータ軸(62)
    を非回転部(103)に対し押し付けた固定状態と、上
    記回転部(103)から切り離した自由回転状態とに相
    互に切換可能に変換させる第2モータクラッチ機構(1
    8)を備えており、 ロックアップ切換制御手段(19)は、 通常運転からロックアップ運転に切換えられてモータ軸
    の回転が停止した状態で上記第2モータクラッチ機構
    (18)を自由回転状態から固定状態に切換える第2モ
    ータクラッチ固定制御部を備えており、 ロックアップ解除制御手段(19)は、可変斜板(5
    1)が斜板角度零の状態で上記第2モータクラッチ機構
    (19)を固定状態から自由回転状態に切換える第2モ
    ータクラッチ解除制御部を備えていることを特徴とする
    無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 入力軸(1)及び出力軸(2)に対し並列に配設され
    て、静液圧式トランスミッション(4)の入力側の歯車
    接続機構(56,114)と、上記静液圧式トランスミ
    ッション(4)の出力側が接続される機械式トランスミ
    ッション(3)側の接続端(75)との間を断続切換可
    能に接続して回転動力を伝達するバイパス機構(15)
    を備えており、 ロックアップ切換制御手段(19)は、通常運転の最高
    変速比位置において上記バイパス機構(15)を接続状
    態に切換えるバイパス作動制御部を備えており、 ロックアップ解除制御手段(19)は、液圧モータ
    (6)のモータ軸(62)からの回転動力を機械式トラ
    ンスミッション(3)に対し伝達状態に復帰させる制御
    と同期して上記バイパス機構(15)を遮断状態に切換
    えるバイパス解除制御部を備えていることを特徴とする
    無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜板角度を少な
    くとも3つの運転モードに分けて増減変更制御する通常
    時運転制御手段を備えており、 上記通常時運転制御手段は、発進から低変速比域の第1
    モードにおいてその第1モードの変速比域の最小値で斜
    板角度が零の中立位置になり最大値で傾動方向(−)側
    の最大斜板角度になるような増減変更比率で上記可変斜
    板(51)の斜板角度を変更し、この第1モードよりも
    高い変速比域の第2モードにおいてその第2モードの変
    速比域の最小値で上記(−)側最大斜板角度になり中間
    値で上記中立位置になり最大値で傾動方向(+)側の最
    大斜板角度になるような増減変更比率で上記可変斜板
    (51)斜板角度を変更し、この第2モードよりも高い
    変速比域の第3モードにおいてその第3モードの変速比
    域の最小値で上記傾動方向(+)側の最大斜板角度にな
    り中間値で上記中立位置になり最大値で上記傾動方向
    (−)側の最大斜板角度になるような増減変更比率で上
    記可変斜板(51)斜板角度を変更するように構成され
    ており、 液圧モータ(6)の斜板(61)が上記両最大斜板角度
    と絶対値において等しい斜板角度に固定されており、 ロックアップ切換制御手段は、上記第1モードと第2モ
    ードとの間の切換変速比に対応する切換回転数と、上記
    第2モードの変速比域の中間値に対応する中間回転数
    と、上記第2モードと第3モードとの間の切換変速比に
    対応する切換回転数と、上記第3モードの変速比域の中
    間値に対応する中間回転数と、上記第3モードの最高変
    速比に対応する回転数とを特定回転数として、通常運転
    からロックアップ運転への切換えを行うように構成され
    ていることを特徴とする無段変速機。
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