JPH0542616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はニツケルカドミウム電池等の充電可能
な電池を充電するための充電器または乾電池等を
電源とする電気機器に係り、その電池収納部の構
成に関するものである。

(ロ) 従来の技術 例えば円筒型電池の充電器において一般には充
電器に設けた電池収納用の凹所に相対抗して接続
片を取付け、この凹所の電池の正・負何れか一方
の極を先に一方の接続片に圧接して前記凹所内に
収め、この状態のまま他方の極を他方の接続片の
弾性に抗して該凹所内に固定する方式が用いられ
ているが、この方式であると一本の電池に対して
２回接続片に圧接させる操作が必要となり、また
電池を取り出すときにも同様の操作が必要とな
る。しかも各電池は単に接続片による弾性片によ
つてのみ電池収納凹所内に保持されるものである
から充電器に加わるシヨツクにより電池が接続片
から外れてしまうという問題点もあつた。

ところで、複数の電池に対して個々に区画され
た電池収納凹所を設け、この凹所に夫々電池を収
納すれば、シヨツクによる位置ずれは起らないと
いう考えに基き実公昭55−36938号公報に開示さ
れているように、有底の箱形乾電池収納ケースの
底面端部をキヤビネツトに回転支軸を設けて外方
に回転引出せるよう枢着し、前記乾電池収納ケー
ス上部に、前記キヤビネツトに係合する係合部を
設けると共に前記乾電池収納ケースに収納された
乾電池の上方端部に当接し乾電池押えになるリブ
を前記キヤビネツト内部に設けてなる電池収納装
置が提案されている。この装置の場合電池を電池
収納ケースに収め、この収納ケースを回動によつ
てキヤビネツトに収納するだけで電池の接続が行
なえるが、この収納ケースは係止部材を回動させ
ることによつてキヤビネツトの段部に係合させる
ことによりキヤビネツト内に保持される構成なの
で、キヤビネツトに加わる衝撃によつてややもす
ると前記係止部材と段部との係合が外れて電池収
納ケースがキヤビネツト外へ抜け出す惧れがあ
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点は電池収納ケ
ースを本体ケースに対して回動により収納離脱操
作できる電池収納装置において、電池収納ケース
を本体ケースに対して確実に保持できると共に簡
単に取外すことの可能な係合手段を開発すること
である。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案によれば、一方の面の下部及びこれに連
続する底面を切り欠いて形成された電池収納用開
口部を有する本体ケースと、前記開口部内に収納
可能な電池収納ケースとより成り、該収納ケース
底部の後端を前記本体ケースの他方の面側の底部
に回動可能に枢支すると共に、前記本体ケース側
面に常時突出方向に付勢して押釦を設け、この押
釦に傾斜面の形成された係止片を形成するととも
に、前記収納ケース側面には前記押釦の付勢力に
抗して前記係止片に係合し且つ前記押釦の押圧に
よつてその係合が解除されるストツパー部材を形
成する。

(ホ) 作用 本体ケースの開口部に電池収納ケースを回動に
より収納する際収納ケースのストツパー部材は押
釦の係止片に当接し、その傾斜面を圧接して該押
釦を引込める方向に移動して押し進み、この係止
片を乗越えた位置で該係止片にて係止される。

押釦を押込むと係止片とストツパー部材の係合
は解除され収納ケースを本体ケースから引き出し
可能となる。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の電池収納装置を図面の充電器に
沿つて詳細に説明する。

充電器１は全体としてロボツト形状の概観を有
し、頭部２、二分割本体ケース３、電池収納ケー
ス４の３つの部品に大別される。

前記頭部２は内部に降圧トランス５を収納し、
この背面には凹所６を形成して差込みプラブ７を
起伏回動自在に保持すると共に底面に前記トラン
ス５にプリント基板８上の図示しない整流器等の
充電電流発生手段を介して接続される正極接続導
片９及び負極接続導片１０が外部に一部露出せし
められて取着されている。前記差込プラグ７は突
起７ａを有し、前記トランス５に接続されるバネ
接片１１に回動により接触離脱可能とされてい
る。

前記本体ケース３はその一方のケースＡ３ａの
中央に円形口１２を形成し、上端に前記頭部２の
嵌合部２ａに係合する係合爪１３を形成してい
る。また前記ケースＡ３ａの下部には枢支ピン１
４の両端を嵌入保持する枢支リブ１５ａ，１５ｂ
が形成されている。前記本体ケース３の他方のケ
ースＢ３ｂは上部に前記プラグ７の刃７１，７２
を収納する溝１６ａ，１６ｂを形成すると共に大
面積の開口１７を形成したものである。

１８ａ，１８ｂは押釦であり、前記ケースＡ３
ａ，Ｂ３ｂの合体によつて形成される上部側面の
収納孔１９ａ，１９ｂに収納される。前記ケース
Ａ３ａ，Ｂ３ｂの側面には夫々リブ２０ａ，２０
ｂが形成されており、前記押釦１８ａ，１８ｂを
突出方向に付勢するスプリング２１ａ，２１ｂは
前記押釦１８ａ，１８ｂに形成された杆２２ａ，
２２ｂと前記リブ２０ａ，２０ｂによつて本体ケ
ース３内に保持されている。また前記押釦１８
ａ，１８ｂの周囲には鍔２３ａ，２３ｂが形成さ
れており、この鍔２３ａ，２３ｂによつて前記収
納孔１９ａ，１９ｂからの抜止めが成される。２
４ａ，２４ｂは前記押釦１８ａ，１８ｂより状
に一体形成された係止片であり、その下端背面方
向側に傾斜面２５ａ，２５ｂが形成されている。

電池収納ケース４は上下方向の電池挿入孔２
６，２７……を電池２８，２８……の径に合わせ
て大・小複数個、二列に交互に連続して形成する
とともに各挿入孔２６，２７……の底部には各挿
入孔２６，２７……に挿入された電池を直列接続
する接続部材２９，３０が取着されている。また
上面側部に前記係止片２４ａ，２４ｂに係合可能
なストツパー部材３１ａ，３１ｂが形成される。
そして３２は前記電池収納ケース４の底部を覆う
底蓋部材であり、側部の係止爪３３を収納ケース
４の係止孔３４に係止することによつて取付固定
される。この収納ケース４の底部一側には中心が
貫通した円筒リブ３５が形成され、前記枢支ピン
１４が該円筒リブ３５内を貫通する。そして円筒
リブ３５外に突出せる枢支ピン１４の両端を前記
ケースＡ３ａの枢支リブ１５ａ，１５ｂに枢支す
ることにより、収納ケース４は本体ケース３に対
して開口部１７を介して回動可能に枢支される。
枢支状態において前記円筒リブ３５と枢支リブ１
５ａ，１５ｂとは一直線に並ぶ。

以上の構成を有する充電器１において、引き出
し状態にある電池収納ケース４にピストルに弾丸
を充填するときと同じ方法で例えば単三型ニツケ
ルカドミウム電池２８を４本大きな挿入孔２６に
挿入し（第１図）、この電池収納ケース４を開口
部１７を介して本体ケース３側へ枢支ピン１４を
支点として回動させると、収納ケース４のストツ
パー部材３１ａ，３１ｂの押釦１８ａ，１８ｂの
係止片２４ａ，２４ｂに形成された傾斜面２５
ａ，２５ｂに当接し（第４図ａの状態）、更に回
動させるとストツパ部材３１ａ，３１ｂが傾斜面
を押圧して係止片２４ａ，２４ｂを移動せしめ
（第４図ｂの状態）、この係止片２４ａ，２４ｂを
乗り越えて係止片２４ａ，２４ｂの他の面にて係
止される。このようにして電池２８は接続導片
９，１０に接触し電池収納ケース４は本体ケース
３内に保持される。この状態で充電プラグ７を回
動により突出させ、この刃７１，７２をコンセン
トに差込むことにより電池２８の充電が行われ
る。

次に押釦１８ａ，１８ｂを押圧すると係止片２
４ａ，２４ｂが移動してストツパー部材３１ａ，
３１ｂとの係合が解除される。この状態で本体ケ
ース３の円形孔１２より指を挿入し電池収納ケー
ス４を押し出してやると、電池収納ケース４は本
体ケース３より引き出される。そして充電が完了
した電池２８を挿入孔２６より抜き取る。

(ト) 考案の効果 本考案は以上の説明の如く、一方の面の下部及
びこれに連続する底面を切り欠いて形成された電
池収納用開口部を有する本体ケースと、前記開口
部内に収納可能な電池収納ケースとより成り、該
収納ケース底部の後端を前記本体ケースの他方の
面側の底部に回動可能に枢支すると共に、前記本
体ケース側面に常時突出方向に付勢して押釦を設
け、この押釦に傾斜面の形成された係止片を形成
するとともに、前記収納ケース側面には前記押釦
の付勢力に抗して前記係止片に係合し且つ前記押
釦の押圧によつてその係合が解除されるストツパ
ー部材を形成することにより、電池の収納及び取
り出しがまとめてできて手間が省けるとともに、
電池ケースは押釦を押圧しない限り、本体ケース
の衝撃程度では係止片とストツパー部材の係合は
解除されず確実に収納保持できる効果がある。

また、係止片とストツパ部材の係合を解除する
と、電池収納ケースは、その自重により回動して
本体ケースより引き出されるので、特別の引き出
し機構を用いることなく、簡単な構成で容易に電
池収納ケースを本体ケースから引き出すことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案電池収納装置を採用した充電器
の電池収納ケース引き出し状態における側方縦断
面図、第２図ａは電池収納ケース収納状態におけ
る充電器の正面概観斜視図、第２図ｂは電池収納
ケース引き出し状態における充電器の背面概観斜
視図、第３図は要部分解斜視図、第４図は係止片
とストツパー部材との関係を示す平面略図であ
る。 １７……開口部、３……本体ケース、４……電
池収納ケース、１８ａ，１８ｂ……押釦、２５
ａ，２５ｂ……傾斜面、２４ａ，２４ｂ……係止
片、３１ａ，３１ｂ……ストツパー部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の面の下部及びこれに連続する底面を切り
   欠いて形成された電池収納用開口部を有する本体
   ケースと、前記開口部内に収納可能な電池収納ケ
   ースとより成り、該収納ケース底部の後端を前記
   本体ケースの他方の面側の底部に回動可能に枢支
   すると共に、前記本体ケース側面に常時突出方向
   に付勢して押釦を設け、この押釦に傾斜面の形成
   された係止片を形成すると共に、前記収納ケース
   側面には前記押釦の付勢力に抗して前記係止片に
   係合し且つ前記押釦の押圧によつてその係合が解
   除されるストツパー部材を形成することを特徴と
   する電池収納装置。