JPH028359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電池を電源とする電気かみそりや
電動玩具等の小型電気機器に係り、簡単な手段で
もつて、電池のがたつき防止並びに電池の陰極リ
ード板とモータ端子との接続の確実性を講じたも
のである。

〔従来の技術〕

従来、電池式小型電気機器において、その本体
ケース内に電池を収容する構造として電池ががた
つくことのないよう位置決め保持するためのリブ
を本体ケースの内面に一体成形した場合その成形
コストが高くつくため、第５図に示すように電池
収容室４の内径を電池１２の外径に合わせて該収
容室４をリブ無しの単に丸筒状に形成するものが
ある。また、電池１２の陰極とモータ６の端子１
５とをリード線を用いて半田付けした場合は組付
けが煩雑である。しかもこれ又コスト高になるた
め、第５図に示すように電池１２の板ばね製の陰
極リード板１３の自由上端部１３ｂをこの弾性を
利用してモータ６の端子１５に単に弾性接当させ
るものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかるに、上記従来のものでは、電池収容室４
を電池１２の外径一杯に形成するとこの出し入れ
が困難となり、電池１２の外径よりも大きめに形
成すると電池１２ががたつくという難があり、そ
の電池収容室４の内径寸法を厳密に管理する必要
があつて厄介である。また、単に陰極リード板１
３をモータ端子１５に弾性接当させるのみではそ
の接続状態の保持力に欠け、振動等により接触不
良を招きやすかつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、この考案では、
第１図に示すように本体ケース１の電池収容室４
内に配置する板ばね製の陰極リード板１３はこれ
全体を電池１２に接触する面側に突出する弧状に
曲成するとともに、該陰極リード板１３のモータ
端子１５と弾性接当する自由上端部１３ｂの凸曲
面とは反対の凹曲面側を本体ケース１の内面に突
設した支持突起１８上で受け止め支持する。

〔作用〕

しかるときは、陰極リード板１３の凸曲面側を
電池１２で押圧することにより、電池１２が本体
ケース１の内面一側方に強く押えつけられてがた
つきなく収納保持されるし、同時に、てこの原理
により陰極リード板１３の支持突起１８より上側
の自由上端部１３ｂが支持突起１８を支点に前記
押圧方向と反対のケース内方向に移動してその方
向に配されているモータ６の端子１５と強く弾性
接当作用することになる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づき説明
する。第１図ないし第４図は電池式電気かみそり
を例示しており、これの本体ケース１は筒状に形
成されてその内部を上下に仕切る隔壁２を有して
なり、該隔壁２より上部にモータ収容室３が、下
部に電池収容室４がそれぞれ形成される。モータ
収容室３の上部は毛受け皿５で閉塞され、該毛受
け皿５の中央開口部からモータ６の軸７が上方へ
突出して毛受け皿５に収容された内刃８のホルダ
９を回転自在に支持する。内刃８は網目状外刃１
０で覆われ、その外刃１０のホルダ１１は毛受け
皿５にねじこまれる。而してモータ６は、電池収
容室４にこの開閉自在な底開口部から収容された
電池１２を電源として駆動して内刃８を外刃１０
の内面に摺接回転させる。前記毛受け皿５は、こ
の下部に設けられた一対のリブ２１，２１がモー
タ収容室３の内面に設けられた縦溝２３，２４に
位置合わせして嵌合するとともに、毛受け皿５の
同じく下部に設けられた弾性変形自在な一対の係
合爪２５，２５がこの弾性を利用してモータ収容
室３の内面に突設された爪受け片２６，２６に摺
接したうえでその下面側に弾性係合することによ
り、モータ収容室３の内部の定位置にこの上方か
ら組み込み固定される。モータ６の後述の端子１
９の上端部は毛受け皿５の下部に設けた凹部２７
に差込み固定されている。

かかる構造において、この考案は電池１２の陰
極リード板１３の形状、およびこの陰極リード板
１３の自由上端部１３ｂの支持構造に特徴を有す
る。

陰極リード板１３は、これ全体が帯状の板ばね
材で形成されて電池１２と接触する面側に突出す
る弧状に曲げられてなり（第１図中、仮想線Ｆの
状態参照）、本体ケース１の電池収容室４の内面
に沿つて上下方向に配備されてその下端部１３ａ
が本体ケース１の底開口縁上に固定されるととも
に、この固定下端部１３ａに円錐コイルばね１６
を装着する。円錐コイルばね１６は電池蓋１７で
受け止め支持されて電池１２の陰極に接触して該
電池１２を押し上げ付勢する。そして、陰極リー
ド板１３の自由上端部１３ｂはこの凹曲面側を隔
壁２の一部にあけた孔１４内に突設した支持突起
１８上で受け止め支持するとともに、該支持突起
１８より上方の凸曲面側をモータ６の端子１５に
弾性接当させる。なお、モータ６の他方の端子１
９は電池１２の陽極とスイツチ２０を介して接続
される。

しかるときは、本体ケース１内に電池１２が収
容されると、その電池１２は、陰極リード板１３
の固定下端部１３ａと自由上端部１３ｂ間の凸曲
面と弾性接当し、その弾性復元力を受けて本体ケ
ース１の内面一側方に強く押えつけられるためが
たつくことがなくなる。また、そのように陰極リ
ード板１３が電池１２との接当により弾性変形す
るに伴い陰極リード板１３の支持突起１８より上
方の凸曲面側が該支持突起１８を支点としてモー
タ端子１５方向に反り返るよう弾性変移するため
該端子１５との弾性当状態がより確実になる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案の電気かみそり
その他の電池式小型電気機器によれば、板ばね製
の陰極リード板１３はこれ全体が電池１２と接触
する面側に突出する弧状に曲げるとともに、該陰
極リード板１３の自由上端部１３ｂを支持突起１
８上で受け止め支持するものとした。したがつ
て、電池１２は陰極リード板１３のばね性を利用
するという簡単な手段でもつてそのがたつきが防
止されるとともに、該陰極リード板１３の支持突
起１８より上側の自由上端部１３ｂが支持突起１
８を支点にモータ６の端子１５の方向に移動して
該端子１５と強く安定確実に弾性接当するという
良好な接触状態が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電池式小型電気機器の
一例である電気かみそりの縦断面図、第２図は第
１図における−線断面図、第３図は分解斜視
図、第４図は第１図における−線断面図であ
る。第５図は従来例の電気かみそりの縦断面図で
ある。 １……本体ケース、６……モータ、１２……電
池、１３……陰極リード板、１３ａ……陰極リー
ド板の下端部、１３ｂ……陰極リード板の自由上
端部、１５……モータの端子、１８……支持突
起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒状に形成した本体ケース１内にこの開閉自在
   な底開口部から電池１２が出し入れ可能に収容さ
   れ、板ばね製の陰極リード板１３が本体ケース１
   の内面に沿つて上下方向にわたり配備されて該陰
   極リード板１３の固定下端部１３ａが本体ケース
   １の底開口側に固定されるとともに電池１２の陰
   極に接続され、かつその自由上端部１３ｂが本体
   ケース１内の電池１２より上側に内蔵したモータ
   ６の端子１５に弾性接当するようにしてなる電池
   式小型電気機器において、 陰極リード板１３はこれ全体が電池１２と接触
   する面側に突出する弧状に曲げられるとともに、
   この自由上端部１３ｂの凹曲面側が本体ケース１
   の内壁の前記モータ６の端子１５より下方位置に
   突設した支持突起１８上で受け止め支持されてお
   り、 陰極リード板１３の固定下端部１３ａと自由上
   端部１３ｂ間の凸曲面側が電池１２で押圧される
   とともに、その押圧力で自由上端部１３ｂの支持
   突起１８より上方の凸曲面側が支持突起１８を支
   点に前記押圧方向と反対のケース内方向に移動し
   てその方向に配されている前記モータ６の端子１
   ５に弾性接当してなることを特徴とする電池式小
   型電気機器。