JPH0541905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、外気と連通する尾栓を設けた水性イン
キ使用のボールペンレフイルであつて、当該尾栓
からのインキ蒸発量をできるだけ抑制するととも
に、衝撃や気圧の変化などによるインキ吸蔵体か
らのインキの溢出によるインキの吹き出し現象を
防止するための水性ボールペンレフイルの尾栓構
造に関する。

「従来技術と本案が解決しようとする問題点」 従来、インキ吸蔵体内に収容した水性インキを
使用するボールペンレフイルにおいては、外部の
空気と連通する通気孔を尾栓に設置するものが多
い。しかして、この通気孔は細孔部材によつて形
成されていて、通気孔からのインキ蒸発を防止し
ているが、かかる尾栓はインキ吸蔵体に当接し、
これを保持するものであるから、落下したときの
衝撃や、気圧の変化などによつて、尾栓の通気孔
からインキを吹き出すといつた悪弊を惹起するお
それがある。

本案は、これらの従来技術にみられる欠点の解
消を意図するものである。

「問題解決のための手段」 本案は、以上のような従来技術にみられる問題
点に対して、インキ吸蔵体を保持する尾栓の略中
央部に外壁面が垂直に延びる長孔を設け、その長
孔に多孔質焼結体または、フエルトなどの細孔部
材を埋設するとともに、インキ吸蔵体の後端面に
当接し、これを保持する外縁部を尾栓内壁面に連
接して形成しかつ、この外縁部と連接する尾栓内
壁面と外壁面の間にインキ溜部を形成するととも
に、長孔の前端開口部とインキ吸蔵体の後端面と
の間に間隙部を設けることをもつて、その解決手
段としている。

「実施例」「作用」 以下、本案の実施例を図面に基づいて詳説しあ
わせて、その作用について説明する。

ボールペンレフイル１は筒状容器３の前端部に
ボールペンチツプ５を密嵌するとともに、容器３
内に水性インキを含有したインキ吸蔵体２を収容
し、また容器３の後端部にはインキ吸蔵体２を保
持する尾栓６を嵌着してなるものである。インキ
吸蔵体２のインキは誘導芯４によつてボールペン
チツプ５のボール部Ｂへ供給される。

インキ吸蔵体２は前端面２ａと後端面２ｂを開
口して外周を適宜な被覆部材１１例えば、ビニー
ルフイルムで被覆してあり容器３内に収容される
が、インキ吸蔵体２の前端面２ａには誘導芯４が
埋設してある。１２は軸筒段部３ａとインキ吸蔵
体前端面２ａとの間に設けた介在物である。イン
キ吸蔵体後端面２ｂは、先記のとおり尾栓６で保
持されている。図中６ｂは、インキ吸蔵体２の後
端面２ｂを直接保持する尾栓６の外縁部であつ
て、当接面をのこ歯状に形成してある。６ａは外
縁部６ｂに連接する尾栓内壁面である。尾栓６に
はその略中央部から先記の内壁面６ａと連接する
外壁面７ａを垂直状に形成した長孔７が設けてあ
る。しかして、この長孔７には通気を規制するた
めの多孔質焼結体または、フエルトなどの細孔部
材８が埋設してある。この細孔部材８は適宜に気
孔率を決められる点で有利であつて、気孔率の調
整いかんによつては、インキの物性あるいは、内
蔵量との関係で適宜にその通気性の調整を行うこ
とが可能になる。長孔７はその前端開口部７ｂを
インキ吸蔵体２の後端面２ｂから適当な距離、離
間して形成し、間隙部１０が設けられている。ま
た、長孔７の外壁面７ａと尾栓内壁面６ａの間に
インキ溜部９が形成してある。

以上のような構造のボールペンによれば、落下
事故や筆記体の出没作動時におけるボールペンレ
フイル１に与えられる衝撃や気圧の変化などによ
つて生じるインキ吸蔵体後端面２ｂからのインキ
の溢出が発生したとしても、溢出インキは尾栓６
内に直ちに流出することはなく、尾栓６の外縁部
６ｂに連接する内壁面６ａを這つて尾栓６中央部
の垂直状の外壁面７ａと尾栓内壁面６ａの間に形
成したインキ溜部９に溜ることになり、レフイル
１外へインキが溢出することを確実に防ぐことに
なる。

「考案の効果」 本案は以上のとおり、インキ吸蔵体を保持する
尾栓に、その略中央部から外壁面が垂直に延びる
長孔を設けるとともに、この外壁面とインキ吸蔵
体を保持する外縁部に連接する内壁面の間にイン
キ溜部を形成したので、インキ吸蔵体を保持する
という本来の機能を保有し続けるとともに、不測
の事態にそう遇しても、インキ吸蔵体から溢出す
るインキは、外縁部から内壁面を這つてインキ溜
部に貯溜されるので、溢出インキがレフイル外へ
流出することは確実に防止できるようになる。な
お、長孔内に細孔部材が埋設してあるので、細孔
部材の気孔率を適宜に定めることによつて、イン
キ物性との関係で通気性の調整幅を広げることを
可能にすることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を実施したボールペンレフイルを
説示した一部省略側断面図、第２，３図は他の実
施例を説明した一部省略側断面図である。 １……ボールペンレフイル、２……インキ吸蔵
体、２ａ……前端面、２ｂ……後端面、３……容
器、５……ボールペンチツプ、６……尾栓、６ａ
……内壁面、６ｂ……外縁部、７……長孔、７ａ
……外壁面、７ｂ……前端開口部、８……細孔部
材、９……インキ溜部、１０……間隙部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の容器内に収容したインキ吸蔵体から誘導
   芯を介してボール部へ水性インキを供給するボー
   ルペンレフイルのインキ吸蔵体を保持するととも
   に、細孔部材を埋設してなる尾栓構造において、
   尾栓６の略中央部に外壁面７ａが垂直に延びか
   つ、内部に細孔部材８を埋設した長孔７を設ける
   とともに、前記インキ吸蔵体２の後端面２ａに当
   接し、これを保持する外縁部６ｂを尾栓内壁面６
   ａに連接して設けかつ、この外縁部６ｂに連接す
   る前記長孔外壁面７ａと内壁面６ａの間にインキ
   溜部９を形成するとともに、長孔７の前端開口部
   ７ｂとインキ吸蔵体２の後端面２ｂとの間に間隙
   部１０を設けたことを特徴とするボールペンレフ
   イルの尾栓。