JPH0541022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、プラテンローラとライン式サーマ
ルヘツドとを備えたサーマルプリンタに関するも
のである。

〔従来の技術〕

第５図は例えば従来のサーマルプリンタを示す
正面図イ、及び側面図ロであり、図において、１
はプラテン、１ａはプラテン１の芯金部、２はサ
ーマルヘツド取付板、３は前記サーマルヘツド取
付板２に取付け固定されたサーマルヘツド、４は
前記プラテン１に対し、サーマルヘツド３の押圧
力を与えるための押圧ばね、５は前記サーマルヘ
ツド取付板２の支軸、６は前記プラテン１に回転
駆動力を与えるステツピングモータ、７，８はプ
ーリ、９はタイミングベルトであり、前記ステツ
ピングモータ６の回転駆動力をそれぞれ伝達す
る。１０は感熱紙である。

次に動作について説明する。感熱紙１０は押圧
ばね４の押圧力により、サーマルヘツド３とプラ
テン１間に一定の圧力で挟持され、ステツピング
モータ６の回転駆動力がプラテン１に、プーリー
７，８、タイミングベルト９を介して伝達される
と、前記感熱紙１０は前記サーマルヘツド３の制
御回路（図示しない）からの信号により発熱し、
発色すると共に、前記プラテン１との摩擦により
順次搬送され、また制御回路からの停止信号によ
り印字終了する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のサーマルプリンタは以上のように構成さ
れているので、ゴム等の弾性体により構成されて
いるプラテン１は、押圧ばね４により発生する押
圧力により、長期間放置されるとサーマルヘツド
３により押付けられた部分に永久変形を発生さ
せ、印字品質に大きい影響を及ぼすという問題点
があつた。

また、手動レバー等を設け、強制的にヘツド、
プラテン間にギヤツプを持たせる（図示しない）
等の方法もあるが、これも操作忘れの問題もあ
り、万全ではなかつた。

この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、印字終了時毎にヘツド、プラ
テン間に自動的にギヤツプを持たせることができ
るとともに、印字時には再び自動的にヘツド、プ
ラテン間に一定の押圧力を発生させ、印字可能と
なるサーマルプリンタを得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るサーマルプリンタは、プラテン
軸に同軸に一方向クラツチ及び偏心カムを設け、
１つのステツピングモータにより、印字終了時に
逆転駆動させ、一方向クラツチと偏心カムによ
り、サーマルヘツド、プラテン間にギヤツプを持
たせるようにしたものである。

〔作用〕

この考案における一方向クラツチにより動作す
る偏心カムは、逆転時にはヘツドを持上げるよう
作用するが、正転時においては、一方向クラツ
チ、偏心カム間の摩擦トルクを偏心カム、サーマ
ルヘツド取付金具間の摩擦トルクより大き目に設
定しておき偏心カムを正転復帰させた後印字を開
始する。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図において、１はプラテン、１ａ，１ｂ
はプラテン１の芯金、２はサーマルヘツド取付
板、３はサーマルヘツド取付板２に取付固定され
たサーマルヘツド、４は前記プラテン１に対しサ
ーマルヘツド３の押圧力を与える押圧ばね、５は
前記サーマルヘツド取付板２の支軸、６は前記プ
ラテン１に対し回転駆動力を与えるステツピング
モータ、７，８はプーリ、９はタイミングベルト
であり、前記ステツピングモータ６の回転駆動力
をそれぞれ伝達する。１０は感熱紙である。ま
た、１１はクラツチばね、１２は偏心カムであ
り、前記プラテンの芯金部１ａとクラツチばね１
１、偏心カム１２により一方向クラツチを構成す
る。

第１図は正転時（印字時）の状態を示す図であ
り、感熱紙１０は押圧ばね４の押圧力により、サ
ーマルヘツド３とプラテン１の間に一定の圧力で
挟持され、ステツピングモータ６の回転駆動力が
プーリー７，８、タイミングベルト９を介して伝
達され、サーマルヘツド３、ステツピングモータ
６の各々の制御信号により印字動作を行う。この
時、サーマルヘツド取付板２のカム正転時の引掛
け部２ａと、偏心カム１２の突起部１２ａにより
前記偏心カム１２は前記プラテン１の回転に関係
なくクラツチばね１１の作用により停止してい
る。また、サーマルヘツド取付板２と偏心カム１
２とのギヤツプも図のごとくＡだけである。次に
印字終了時点において、一定量感熱紙１０を搬送
し、次に前記ステツピングモータ６に印字時とは
逆の回転駆動力を与え、前記プーリー７，８、タ
イミングベルト９を介し、前記プラテン１に逆回
転駆動力を与えることにより、クラツチばね１１
の作用により、前記偏心カム１２を伴つて回転
し、一定量回転したところで第２図のごとくＢな
るギヤツプをつくり、プラテン１の永久変形防止
をはかることができる。また、一方向クラツチ部
の構成は第３図に斜視図、第４図に断面図をもつ
て示す。

なお上記実施例では、ステツピングモータ６か
らプラテン１への回転駆動力の伝達をタイミング
ベルトによることとしたが、歯車による伝達であ
つても上記実施例と同様の効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、プラテン軸と
同軸上にクラツチばね及び偏心カムを配置して一
方向クラツチにより偏心カムを駆動するように構
成し、偏心カムには印字適正位置において偏心カ
ムの回転を規制する突起部を設けているため、簡
単な構成で動作の信頼性を高めることができる。
また、安価にでき、手動によるレバーも不要とな
り、フエイルセイフ効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの考案の一実施例を示すも
ので、イは正面図、ロは側面図、第３図はこの考
案の一実施例の要部を示す斜視図、第４図はその
断面図、第５図は従来のサーマルプリンタを示す
もので、イは正面図、ロは側面図である。なお第
１〜第５図共、左右対称であるので右半分のみを
図示する。 図中、１はプラテン、１ａ，１ｂはプラテンの
芯金部、２はサーマルヘツド取付板、２ａはサー
マルヘツド取付板の引掛け部、３はサーマルヘツ
ド、４は押圧ばね、５はサーマルヘツド取付板２
の支軸、６はステツピングモータ、７，８はプー
リ、９はタイミングベルト、１０は感熱紙、１１
はクラツチばね、１２は偏心カム、１２ａは偏心
カムの突起部である。尚、図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラテンと、このプラテンを回転駆動させるた
   めの駆動力伝達機構及びステツピングモータと、
   サーマルヘツド取付板と、サーマルヘツドと、こ
   のサーマルヘツドを前記プラテンに対し一定の圧
   力で押圧する接圧ばねとにより構成されるサーマ
   ルプリンタにおいて、プラテン軸に同軸に一方向
   クラツチ及び偏心カムを設け、この偏心カムは、
   印字終了時にステツピングモータによりプラテン
   軸を逆転させるとき一方向クラツチによりプラテ
   ン軸と共に回転してサーマルヘツド取付板を押し
   上げ、印字開始時にステツピングモータによりプ
   ラテン軸を正転させるとき一方向クラツチとの摩
   擦によりプラテン軸に追従回転してサーマルヘツ
   ド取付板の下降を許すとともに、印字適正位置に
   おいてサーマルヘツド取付板に係合して回転を停
   止する突起部を有する形状になされていることを
   特徴とするサーマルプリンタ。