JPH0540765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）などの車両用
シートにおけるシートバツク側面に備えられるア
ームレストに関する。

（従来の技術） この種のアームレストは非使用時には、シート
バツク側面と同一方向に略垂直状に起立させ、乗
員の乗降の際に邪魔にならないようにしていた。
また、このアームレストを肘掛けとして使用する
には、シートバツク側面に対して略直角状に、即
ち、水平状に保持する構造であつた。

そして、使用時においては乗員の好みに応じ、
アームレストの角度を調整できるようにしていた
（例えば、実開昭61−116548号公報）。

（考案が解決しようとする課題） 従つて、アームレストには、非使用時にアーム
レストが前方に倒伏しないようにロツク装置を設
ける必要があると共に、使用時においては、アー
ムレストの高さを調整する角度調整装置をも設け
る必要がある。

ところが、従来のアームレストには前記ロツク
装置及び角度調整装置が備えられていないため、
その実用性が頗る悪い不具合があつた。

本考案は斯る不具合に鑑みてなされたものであ
り、ロツク装置及び角度調整装置をアームレスト
本体に組込むことを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく、本考案に係る車両用シ
ートのアームレストは、シートバツク外側面より
外方に突出する支軸に、上下方向に回動自在に枢
着したアームレスト本体と、このアームレスト本
体を起立状態にロツクするロツク部と前記アーム
レスト本体を水平状態に保持するストツパ部を有
し、且つ前記支軸に一体固定したロツクプレート
と、前記アームレスト本体に固定したナツトに螺
合し、前記アームレスト本体を水平状態とした
際、端部が前記ロツクプレートのストツパ部に当
接し、かつ前記ストツパ部方向に進退する回動軸
と、前記アームレスト本体に回動可能に取り付
け、前記ロツクプレートのロツク部に係脱可能に
係止するロツク用リンクと、このロツク用リンク
に基端を連結し、前記回動軸と略同方向に設けた
作動軸と、前記回動軸の軸方向に形成した溝に対
して径方向に係合し、前記回動軸の軸方向にスラ
イド可能なハンドルと、前記ハンドルのスライド
操作により、前記回動軸の軸方向へスライド可能
に前記回動軸と別体に取り付けたカラーと、一端
を前記作動軸の先端に他端を前記カラーに連結
し、長さ方向の中央を前記アームレスト本体に回
動可能に枢着する回動リンクとからなるものであ
る。

（作用） アームレスト本体が起立状態、即ち非使用時に
おいては、シートバツク側より突出する支軸と一
体のロツクプレートのロツク部に、アームレスト
本体側の作動軸の基端に連結したロツク用リンク
が係止しているので、アームレスト本体の起立状
態が保持される。

そして、ハンドルの回動軸の軸方向へのスライ
ド操作により、カラーが回動軸の軸方向へスライ
ドして、回動リンクが回動する。

回動リンクの回動により、作動軸の基端に連結
した前記ロツク用リンクと前記ロツクプレートの
ロツク部との係止状態を解除し、アームレスト本
体が回動して水平状態になる。

アームレスト本体を回動して水平状態とした
際、回動軸の端部がロツクプレートのストツパ部
に当接し、アームレスト本体を水平状態に保持す
る。

ハンドルの回転操作により、回動軸の端部がロ
ツクプレートのストツパ部に突き当たり、ロツク
プレートのストツパ部に対して回動軸が進退する
ため、アームレスト本体が支軸を中心に上下に回
動し、その角度であるアームレスト本体の高さが
微調整される。

（実施例） 以下、本考案に係る一実施例を第１図乃至第４
図に基づいて説明する。

第１図は、自動車シートにおけるフロントシー
トに本案に係るアームレストを備えた状態であ
る。

図中、アームレスト本体１はシートバツクイの
外側面に備えられ、実線は使用状態、二点鎖線は
非使用状態のアームレスト本体１を示す。

このアームレスト本体１の構造を第２図から第
４図において具体的に説明する。

アームレスト本体１は外枠フレーム２と、この
外枠フレーム２を被包するクツシヨン体３及びこ
のクツシヨン体３を被覆する表皮４から構成され
る。

このアームレスト本体１はシートバツクイの外
側面より外方へ突出する支軸５に対し、ワツシヤ
６、ナツト７により回動可能に軸着される。

そして、シートバツクイ側の支軸５にはストツ
パ部８とロツク部９を形成したロツクプレート１
０が溶接される。

ロツクプレート１０には支軸５を中心として、
下部にアームレスト本体１を第３図に示す水平状
態（使用状態）に保持するためのストツパ部８が
設けられ、上部にアームレスト本体１を第２図に
示す起立状態（非使用状態）にロツクするための
ロツク部９が形成される。

このロツクプレート１０のストツパ部８は外枠
フレーム２内へ突出するピンからなり、一方、ロ
ツク部９はロツクプレート１０の側面を切欠した
凹部から形成される。

そして、ロツクプレート１０は、アームレスト
本体１の外枠フレーム２内における支軸５に固定
している。

外枠フレーム２内におけるロツクプレート１０
とアームレスト本体１の前部との間には、回動軸
たる第１の作動軸１２とこの第１の作動軸１２と
略同方向に設けた作動軸たる第２の作動軸１３と
が配設される。

第１の作動軸１２は支軸側の端部に外周面にネ
ジ部１３が形成され、アームレスト本体１側に固
定したナツト１４に前記ネジ部１３が螺通し、ア
ームレスト本体１が使用状態となつた際、前記端
部１５がロツクプレート１０のストツパ部８に当
接する。

前記ナツト１４はアームレスト本体１の外枠フ
レーム２に固定したブラケツト１６に固着され
る。

一方、前記第１の作動軸１２の他端は、アーム
レスト本体１の前部に設けたハンドルたるノブ１
７に差し込まれる。

このノブ１７はアームレスト本体１の外枠フレ
ーム２に固定した外枠１８内に、軸方向にスライ
ド可能及び回転可能に取付けられ、ノブ１７の一
部分がアームレスト本体１の下面から外部へ露出
する。

さらに、このノブ１７の前記第１の作動軸１２
が差し込まれる差込孔１９にはその周面に軸方向
にみぞが刻設され、この差込孔１９に前記みぞに
嵌まり合うみぞを切つた第１の作動軸１２の他端
が差し込まれる。

すなわち、ノブ１７は第１の作動軸１２に対し
て軸方向にスライドすると共に、ノブ１７を回転
すると、第１の作動軸１２が回動する。

次に、第２の作動軸１３について説明する。こ
の第２の作動軸１３は前記ノブ１７の第１の作動
軸１２の軸方向へのスライド操作により、ロツク
プレート１０のロツク部９とのロツク及びロツク
解除し、アームレスト本体１のロツク状態を解除
する。

第２の作動軸１３のアームレスト本体１の前部
側には回動リンクたる略Ｔ字形状リンク２０の一
端２０ａが回動可能に軸着される。

前記Ｔ字形状リンク２０は略中央部２０ｂがア
ームレスト本体１の外枠フレーム２に回動可能に
軸着され、一端２０ａが前述のように、第２の作
動軸１３に、他端２０ｃが第１の作動軸１２が挿
通するカラー２１に夫々軸着される。

さらに、このＴ字形状リンク２０の基端２０ｄ
はリターンスプリング２２によつてアームレスト
本体１の外枠フレーム２側へ付勢される。

前記カラー２１は外枠フレーム２に固定したブ
ラケツト２３に挿通すると共に、このカラー２１
内を第１の作動軸１２が回転及びスライド可能に
差し込まれる。

前記ブラケツト２３とノブ１７の間には、ノブ
１７をアームレスト本体１の前部方向へ付勢する
ためのスプリング２４が第１の作動軸１２に巻装
される。

そして、ノブ１７の後端１７ａには、カラー２
１の端面２１ａが当接し、ノブ１７を第１の作動
軸１２に対して軸方向へスライドすることによ
り、このカラー２１はノブ１７により押され、同
方向へ第１の作動軸１２に沿つて移動する。

すなわち、カラー２１は、Ｔ字形状リンク２０
に軸着すると共に、Ｔ字形状リンク２０がリター
ンスプリング２２により付勢されているため、常
時、ノブ１７の後端１７ａに当接する。

このカラー２１はノブ１７が第１の作動軸１２
の軸方向へスライドすると、同方向へ第１の作動
軸１２に沿つて移動する。

そのため、Ｔ字形状リンク２０はリターンスプ
リング２２の付勢力に抗して回動し、第２の作動
軸１３をロツク解除方向へスライドさせる。

前記第２の作動軸１３のアームレスト本体１の
後部側、支軸５側にはロツク用リンクたる三角形
状リンク２５が取付けられる。

この三角形状リンク２５は一頂部２５ａが外枠
フレーム２に回動可能に軸着される。

そして、三角形状リンク２５の他の頂部２５ｂ
には、第２の作動軸１３が軸着され、さらに、他
の頂部２５ｃにはロツクプレート１０のロツク部
９に係脱するピン２６が形成される。

すなわち、三角形状リンク２５はピン２６がロ
ツクプレート１０のロツク部９に係止し、アーム
レスト本体１をロツク状態としているが、第２の
作動軸１３のスライドにより、三角形状リンク２
５は回動し、ピン２６がロツク部９からロツク解
除される。

そして、アームレスト本体１を使用状態に回動
すると、三角形状リンク２５のピン２６はロツク
プレート１０の周面に沿つて移動する。

上記構成に係る自動車シートのアームレスト
は、アームレスト本体１が起立状態、非使用状態
（第２図、第４図参照）においては、第２の作動
軸１３のＴ字形状リンク２０がリターンスプリン
グ２２によつて付勢されている。

そのため、第２の作動軸１３の三角形状リンク
２５のピン２６は、ロツクプレート１０のロツク
部９に係止し、アームレスト本体１をロツク状態
としている。

アームレスト本体１を乗員が使用する際には、
ノブ１７を支軸５方向へ押すと、このノブ１７の
後端１７ａに当接するカラー２１が第１の作動軸
１２に沿つてノブ１７と同方向へスライドする。

ノブ１７がスライドすると、カラー２１に軸着
して取付けられたＴ字形状リンク２０は中央部２
０ｂを中心として、前記カラー２１と軸着する他
端２０ｃがリターンスプリング２２の付勢力に抗
して、カラー２１と同方向に回動する。

このＴ字形状リンク２０が回動すると、Ｔ字形
状リンク２０の一端２０ａが第２の作動軸１３を
アームレスト本体１の前部方向へ引くこととな
り、第２の作動軸１３がスライドする。

第２の作動軸１３がスライドすると、三角形状
リンク２５は一頂部２５ａを中心として回動す
る。

この三角形状リンク２５が回動すると、三角形
状リンク２５のピン２６はロツクプレート１０の
ロツク部９から移動しロツク解除する。

そのため、アームレスト本体１はロツク状態が
解除し、第３図に示すように、アームレスト本体
１を水平状態、使用状態とすると、三角形状リン
ク２５のピン２６はロツクプレート１０の周面に
沿つて移動する。

このとき、第１の作動軸１２はアームレスト本
体１と共に回動し、この第１の作動軸１２の端部
１５がロツクプレート１０のストツパ部８に当接
し、アームレスト本体１を水平状態とする。

次に、このアームレスト本体１の高さを調整す
る角度調整は、アームレスト本体１のロツク解除
のために操作したノブ１７を操作する。

このノブ１７を回動すると、第１の作動軸１２
も同様に回動し、第１の作動軸１２のネジ部１３
がアームレスト本体１に固定したナツト１４に対
して支軸５方向若しくは逆方向へ移動する。

すなわち、第１の作動軸１２の端部１５がアー
ムレスト本体１の前部側若しくは後部へ移動する
ため、アームレスト本体１の角度が変化し、アー
ムレスト本体１の高さを変えることができる。

第１の作動軸１２の端部１５をアームレスト本
体１の前記側へ移動させると、アームレスト本体
１は下方向へ回動し、逆の場合にはアームレスト
本体１は上方向へ回動する。

（考案の効果） この考案によれば、次の効果を奏する。

アームレスト本体が起立状態においては、シ
ートバツク側より突出する支軸に一体固定した
ロツクプレートのロツク部に、アームレスト本
体側の作動軸の基端に連結したロツク用リンク
が係止するので、アームレスト本体の起立状態
が保持される。

そして、ハンドルは回動軸の軸方向にスライ
ド可能に設けられているので、このハンドルの
回動軸の軸方向へのスライド操作により、カラ
ーが回動軸の軸方向へスライドし、カラーに連
結した回動リンクが回動する。

回動リンクの回動により、回動リンクに連結
した作動軸が作動し、この作動軸の基端に連結
した前記ロツク用リンクと前記ロツクプレート
のロツク部との係止状態を解除し、アームレス
ト本体を回動して水平状態にすることができ
る。

アームレスト本体を回動して水平状態とした
際、回動軸の端部がロツクプレートのストツパ
部に当接し、アームレスト本体を水平状態に保
持することができる。

ハンドルは回動軸の軸方向に形成した溝に対
して径方向に係合しているので、ハンドルの回
転操作により、回動軸の端部がロツクプレート
のストツパ部に突き当たり、回動軸はアームレ
スト本体に固定したナツトに螺合しているの
で、ロツクプレートのストツパ部に対して回動
軸が進退し、アームレスト本体が支軸を中心に
上下に回動し、アームレスト本体の高さの微調
整ができる。

その為、アームレスト本体が使用しやすくな
る。

アームレスト本体のロツク解除及び高さの微
調整は前記のように、１つのハンドルによりお
こなえるので、アームレスト本体の操作がしや
すくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアームレストを備えた自
動車シートの斜視図、第２図は非使用状態におけ
るアームレストの側面図、第３図は使用状態にお
けるアームレストの側面図、第４図は非使用状態
におけるアームレストの平面図である。 図中、イはシートバツク、１はアームレスト本
体、５は支軸、８はストツパ部、９はロツク部、
１０はロツクプレート、１２は回動軸たる第１の
作動軸、１３は作動軸たる第２の作動軸、１４は
ナツト、１７はハンドル、２０は回動リンクたる
Ｔ字形状リンク、２１はカラー、２５はロツク用
リンクたる三角形状リンクである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツク外側面より外方に突出する支軸
   に、上下方向に回動自在に枢着したアームレスト
   本体と、 このアームレスト本体を起立状態にロツクする
   ロツク部と前記アームレスト本体を水平状態に保
   持するストツパ部を有し、且つ前記支軸に一体固
   定したロツクプレートと、 前記アームレスト本体に固定したナツトに螺合
   し、前記アームレスト本体を水平状態とした際、
   端部が前記ロツクプレートのストツパ部に当接
   し、且つ前記ストツパ部方向に進退する回動軸
   と、 前記アームレスト本体に回動可能に取り付け、
   前記ロツクプレートのロツク部に係脱可能に係止
   するロツク用リンクと、 このロツク用リンクに基端を連結し、前記回動
   軸と略同方向に設けた作動軸と、 前記回動軸の軸方向に形成した溝に対して径方
   向に係合し、前記回動軸の軸方向にスライド可能
   なハンドルと、 前記ハンドルのスライド操作により、前記回動
   軸の軸方向へスライド可能に前記回動軸と別体に
   取り付けたカラーと、 一端を前記作動軸の先端に他端を前記カラーに
   連結し、長さ方向の中央を前記アームレスト本体
   に回動可能に枢着する回動リンクとからなり、 前記ハンドルの回動軸の軸方向へのスライド操
   作により、前記カラーが回動軸の軸方向へスライ
   ドして、前記作動軸の基端に連結した前記ロツク
   用リンクと前記ロツクプレートのロツク部との係
   止状態を解除し、前記ハンドルの回転操作によ
   り、前記回動軸の端部が前記ロツクプレートのス
   トツパ部に突き当たり、前記アームレスト本体の
   角度調整を行うことができることを特徴とする車
   両用シートのアームレスト。