JPH0539357U - 車輛用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メインクッション部の前方に続かせたサブク
ッション部を正常の座席として機能する下向きの屈曲状
態としたときにもメインクッション部とサブクッション
部との間に隙間ができることをなくし、着座時において
大腿部に異物感や圧迫感を生じることのないようにした
オットマン付の車輛用シートを提供すること。 【構成】 メインクッション部２の前方にサブクッショ
ン部３を屈曲自在に続かせてサブクッション部３を正常
の座席として機能する下向きの屈曲状態と前方に延びて
脚載せとして機能する状態とに切り換えできるようにし
たオットマン付の車輛用シートにおいて、メインクッシ
ョン部２とサブクッション部３とを一体成形したクッシ
ョン体に一連の表皮材４を被覆したシートクッション１
を用いたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、着座者が乗り心地を阻害されることなく大腿部を保持することので きるオットマン付の車輛用シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メインクッション部の前端にサブクッション部を屈曲自在に続かせてサブクッ ション部を正常の座席として機能する下向きの屈曲状態と前方に延びて脚載せと して機能する状態とに切り換えできるようにしたオットマン付の車輛用シートは 、実開昭５８ー１０２３３１号公報や実開昭５８ー１４１９６４号公報にみられ るように公知であるが、従来のこの種オットマン付の車輛用シートは、メインク ッション部とサブクッション部とが別体のものであるため、サブクッション部を 正常の座席として機能する下向きの屈曲状態としたときにメインクッション部と サブクッション部との間に隙間ができ、着座時に大腿部に異物感や圧迫感を生じ るという問題点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような従来の問題点を解決して、サブクッション部を正常の座 席として機能する下向きの屈曲状態としたときにもメインクッション部とサブク ッション部との間に隙間ができることをなくし、着座時において大腿部に異物感 や圧迫感を生じることのないようにしたオットマン付の車輛用シートを提供する ことを目的として完成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案の車輛用シートは、シートクッシ ョンがメインクッション部の前端にサブクッション部を屈曲自在に連設したクッ ション体に一連の表皮材を被覆したもので、該サブクッション部はメインクッシ ョン部の前端より下向きに屈曲された正常の座席として機能する状態と該メイン クッション部より前方に延びて脚載せとして機能する状態とに切り換える切換機 構に連結されていることを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

このように構成された車輛用シートは、常時はサブクッション部がメインクッ ション部の前端より下向きに屈曲された状態に保持させて通常の座席と同様に使 用するが、着座者が脚を伸ばしたいときはメインクッション部よりサブクッショ ン部が前方に延びて脚載せとして機能する状態に切り換え使用すればよい。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案を図示の実施例について詳細に説明する。 図中１は自動車の後部座席のシートクッションであって、該シートクッション １はメインクッション部２とその前端に屈曲自在に連設されたサブクッション部 ３とをポリウレタンフォームなどの弾性材料よりなる成形クッション体と、これ を被覆する天板部分が１枚ものの表皮材４とよりなるもので、該表皮材４の裏面 にはカバーパッド５が添着されている。また、このシートクッション１のうちカ バーパッド５が添着されている表皮材４のうちメインクッション部２とサブクッ ション部３との境界部分にはミシン縫い加工によるアウトステッチを２０ミリ間 隔で形成したり成形クッション体にＶ溝を形成しておくなどした規則的な皺寄防 止加工部６が形成されている。

【０００７】 ７は前記シートクッション１を図１に示したように、サブクッション部３がメ インクッション部２の前端より下向きに屈曲された正常の座席として機能する状 態と、該サブクッション部３が図２に示したようにメインクッション部２の前方 に延びて脚載せとして機能する状態とに切り換えるための切換機構であって、該 切換機構７は、前記シートクッション１の裏側に装着される裏当部材８と該裏当 部材８に連結されて前記サブクッション部３を進退動させる駆動部材９とよりな るものとよりなるものである。

【０００８】 裏当部材８は前記メインクッション部２の裏面に添装される支持枠１０の前端 に括り付け式のヒンジ部を介して連繋部材１１の上杆部分を枢動自在に連結し、 この連繋部材１１の脚部を前記サブクッション部３の裏面に添装される当て板１ ２の上辺部12a の両側に遊挿するとともに、該当て板１２の両側辺部12b には縦 長のガイド孔１３をそれぞれ設けたものであり、他方、駆動部材９はシートクッ ション１の下方位置にモータ１４をもって回動される２本のねじ棒１５を並設し て各ねじ棒１５にその正逆回動に伴い進退動されるナット１６を螺合し、さらに 、このねじ棒１５にリンクガイド１７を先方に向けて取り付けたものである。そ して、この駆動部材９と裏当部材８とは前記当て板１２の両側辺部12b にそれぞ れ設けた縦長のガイド孔１３、１３を挿通するように横軸１８を遊挿してその両 端を前記した両リンクガイド１７の先端に連結させることにより連繋されている 。なお、図中１９はメインクッション部２を下方より支持するばねである。

【０００９】 このように構成されたものは、常時はモータ１４の駆動によりナット１６を後 退させておけば、リンクガイド１７、横軸１８、当て板１２を介してサブクッシ ョン部３がメインクッション部２の前端より下向きに屈曲された図１に示す状態 に保持されるので通常の座席と同様に使用できるものであり、また、着座者が脚 を伸ばしたいときはモータ１４を逆に駆動させてナット１６を前進させれば、リ ンクガイド１７、横軸１８、当て板１２を介してサブクッション部３がメインク ッション部２より前方に延びて脚載せとして機能する図２に示す状態に切り換え られるものであるが、シートクッション１はメインクッション部２の前端にサブ クッション部３を連設したクッション体に一連の表皮材４を被覆したものである から、サブクッション部３を正常の座席として機能する下向きの屈曲状態とした ときにもメインクッション部２とサブクッション部３との間に隙間ができたり不 規則な皺ができることがなくて着座時において大腿部に異物感や圧迫感を生じる ことがなく、また、クッション部３が前方に延びて脚載せとして機能する状態と したときには当然のことながらメインクッション部２とサブクッション部３との 繋がりが円滑で、メインクッション部２とサブクッション部３とが別体である従 来のもののように相互間に小物が入り込むようなことは全くない。

【００１０】 また、シートクッション(1) のうちメインクッション部(2) とサブクッション 部(3) との境界部分に皺寄防止加工部(6) が形成されているときは、皺寄防止加 工部(6) の伸縮性がすぐれたものとなるので屈曲部分に無理な力が加えられるこ とがなくて長期耐用できるものとなり、さらに、切換機構７が、メインクッショ ン部２の裏面に添装される支持枠１０に連繋部材１１を枢動自在に連結してこの 連繋部材１１の脚部をサブクッション部３の裏面に添装した当て板１２の上辺部 12a の両側に遊挿するとともにこの当て板１２の両側辺部12b に縦長のガイド孔 １３をそれぞれ設けた裏当部材８と、シートクッション１の下方位置にモータ１ ４をもって回動されるねじ棒１５を設けてこれにナット１６を螺合するとともに 該ナット１６には先方に延びるリンクガイド１７を取り付けた駆動部材９とより なるものとして該駆動部材９と裏当部材８とを前記リンクガイド１７の先端に取 付けられて前記ガイド孔１３に遊挿される横軸１８をもって連結させてあるもの としたときは、特に、切換操作が円滑に行える利点がある。なお、前記説明はモ ータ１４の駆動によりねじ棒１５が回動されるものとしているが、ラチエット機 構を利用するなどしてより簡単な構成としてもよいことは勿論である。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように本考案は、サブクッション部を正常の座席と して機能する下向きの屈曲状態としたときにもメインクッション部とサブクッシ ョン部との間に隙間ができたり不規則な皺ができることがないので着座時におい て大腿部に異物感や圧迫感を生じることがなく、また、クッション部が前方に延 びて脚載せとして機能する状態としたときにもメインクッション部とサブクッシ ョン部との間に小物が入り込むようなこともなく、座り心地および体裁が極めて よいものとなり、さらに、部品点数も少なくなるので部品管理や組立作業上も便 利なものとなる。 従って、本考案は従来の問題点を一掃した車輛用シートとして、その実用的価 値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部切欠側面図である。

【図２】図１とは態様を異にして示す本考案の実施例の
一部切欠側面図である。

【符号の簡単な説明】

１ シートクッション ２ メインクッション部 ３ サブクッション部 ４ 表皮材 ６ 皺寄防止加工部 ７ 切換機構 ８ 裏当部材 ９ 駆動部材 10 支持枠 11 連繋部材 12 当て板 12a 上辺部 12b 側辺部 13 ガイド孔 14 モータ 15 ねじ棒 16 ナット 17 リンクガイド 18 横軸

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッション(1) がメインクッショ
   ン部(2) の前端にサブクッション部(3) を屈曲自在に連
   設したクッション体に一連の表皮材(4) を被覆したもの
   で、該サブクッション部(3) はメインクッション部(2)
   の前端より下向きに屈曲された正常の座席として機能す
   る状態と該メインクッション部(2) より前方に延びて脚
   載せとして機能する状態とに切り換える切換機構(7) に
   連結されていることを特徴とする車輛用シート。
2. 【請求項２】 シートクッション(1) のうちメインクッ
   ション部(2) とサブクッション部(3) との境界部分に皺
   寄防止加工部(6)が形成されている請求項１に記載の車
   輛用シート。
3. 【請求項３】 切換機構(7) が、メインクッション部
   (2) の裏面に添装される支持枠(10)に連繋部材(11)を枢
   動自在に連結してこの連繋部材(11)の脚部をサブクッシ
   ョン部(3) の裏面に添装した当て板(12)の上辺部(12a)
   に遊挿するとともに該当て板(12)の側辺部(12b) に縦長
   のガイド孔(13)を設けた裏当部材(8) と、シートクッシ
   ョン(1) の下方位置にモータ(14)をもって回動されるね
   じ棒(15)を設けてこれに該ねじ棒(15)の回動に伴い進退
   動するナット(16)を螺合するとともに該ナット(16)にリ
   ンクガイド(17)を取り付けた駆動部材(9) とよりなり、
   該駆動部材(9) と裏当部材(8) とを前記リンクガイド(1
   7)の先端に取付けられて前記ガイド孔(13)に遊挿される
   横軸(18)をもって連結させたものである請求項１または
   ２に記載の車輛用シート。