JPH0537716U - 自動倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スタッカークレーン９により、運搬用台車７
を安定的に持ち上げることができるようにして、この台
車７をそのまま物品収納棚３へ収容できるようにする。 【構成】 スタッカークレーン９の物品移載装置１３に
おいて、台車７の底面中央部を支承するセンタースライ
ドフォーク１５のみならず、台車７における一対の両側
面を挟持するクランプスライドフォーク１４，１４をも
有するものとした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、運搬用台車を収容することができる自動倉庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種自動倉庫として以下の如きものは知られている。即ち、上下，左右 に複数の物品収納棚が配設されたラック装置と、このラック装置の前方域を左右 動自在に設けられたスタッカークレーンとから成る自動倉庫である。前記スタッ カークレーンは、左右動用の走行基台と、この走行基台に立設されたマストに対 して昇降動自在となされた昇降台と、この昇降台に設けられた物品移載装置とを 有している。一般に、この物品移載装置としては、歯車列等を組み合わせて前後 進退自在としたスライドフォークが用いられている。

【０００３】

【従来技術の作用】

以下に従来自動倉庫の作用について説明する。 まず、物品を物品収納棚に収納する場合について説明する。 物品搬入ステーションの台に物品が自動又は人手によって載置されると、走行 基台が、スライドフォークの左右方向中央を物品搬入ステーションの台の左右方 向中央と一致させる位置まで走行して停止する。それと同時に昇降台が昇降して 、スライドフォークの上面を物品搬入ステーションの台上の物品の下面より下方 に位置させる。その後、スライドフォークが物品の下面下方（物品搬入ステーシ ョンの台には、スライドフォークを前後及び上下方向へ適度に移動させることが できる挿入空間が形成されている。）へ向けて進出する。次に、昇降台の上昇に 伴ってスライドフォークが物品を持ち上げ、続いてスライドフォークが昇降台側 へ退入することで物品は昇降台上に引き込まれる。かくして物品を物品搬入ステ ーションの台から取り出した後は、走行基台が走行して、物品の左右方向中央（ スライドフォークの左右方向中央）を、その物品を収納する物品収納棚が属する 棚縦列の左右方向中央に一致させる位置で停止する。またこの走行基台の走行と 同時に、昇降台が、収納すべき物品収納棚の上面よりやや上方に物品の下面が位 置付けられるまで昇降して停止する。その後は、前記と逆の動作によって物品は 物品収納棚へと降ろされ、その収容作業が完了する。なお、物品収納棚の上下間 には、スライドフォークの上下方向の移動を許容するスライドフォーク用の挿入 空間が形成されている。 一方、前記と逆の動作によって、物品収納棚に収容されている物品を物品搬出 ステーションの台に搬出することが出来る。

【０００４】

【従来技術の欠点】

前記従来自動倉庫には以下の如き欠点があった。即ち、物品収納棚に収容する 物品として、運搬用台車をそのまま収容したい場合がある。しかし、台車の底面 部には車輪が取り付けられているため、スライドフォーク用の挿入空間はその幅 方向において制限されることとなり、スライドフォーク自体も幅狭な形体に形成 せざるを得なかった。このようなスライドフォークでは、台車の持ち上げ状態が 極めて不安定となるから、台車の出し入れを安全，確実に行うことは出来ないと いう欠点が発生していた。

【０００５】

【前記欠点を解消するための手段】

この考案は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。 この考案は、上下，左右に複数の物品収納棚を有するラック装置と、このラッ ク装置の前方域を左右動自在に設けられたスタッカークレーンとを有する自動倉 庫において、前記スタッカークレーンの昇降台に設けられた物品移載装置は物品 の底面中央部を支承するセンタースライドフォークと、前記物品における一対の 両側面を挟持するクランプスライドフォークとを具備しているものである。

【０００６】

【考案の作用】

この考案は以下の如き作用をなすものである。 スタッカークレーンの昇降台に設けられた物品移載装置は、センタースライド フォークによって物品（以下では、主に運搬用台車について説明する）の底面中 央部を支承するだけでなく、クランプスライドフォークによって前記台車におけ る一対の両側面を挟持するものであるから、この台車は全体として３点支持され ることになって安定して持ち上げられる。そのため、物品収納棚に対して台車を 収容することが出来る。 しかし、この考案において対象とする物品は、運搬用台車のみならず従来同様 広く物品を対象とすることができるものである。

【０００７】

【実施例】

以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、この明細書に おいて、前とは図１紙面表側を、後とは同図裏側をいい、左とは図１左側を、右 とは同図右側をいう。

【０００８】 ラック装置１は床面上に立設されており、その上下，左右方向にわたって運搬 用台車７を収容することができる物品収納棚３が複数配設されて成る。この物品 収納棚３は、図２の如く、所定間隔で左右に並ぶ前側の多数の支柱２と、この前 側支柱２の後方にそれと所定間隔をおいて並ぶ後側の支柱２と、これら前後の両 支柱２，２間に架設され、支柱２を介することなく対向する左右一対の物品支承 部材４，４とによって構成されている。左右一対の物品支承部材４，４の間は、 後述する物品移載装置１３のセンタースライドフォーク１５が、主として上下方 向へ移動するのを許容する挿入空間５となっている。但し、この挿入空間５は、 台車７の底面中央部（ホイルベース部）でも車輪の高さ寸法内において確保でき るものであるから、必ずしも必要ではない。

【０００９】 前記ラック装置１の前方域には、その長手方向を左右方向に向けた上下一対の ガイドレール８が設けられ、これらガイドレール８に沿って左右動自在となされ たスタッカークレーン９が設けられている。このスタッカークレーン９は、走行 基台１０と、この走行基台１０に立設されたマスト１１に対して公知の昇降装置 によって昇降自在となされた昇降台１２と、この昇降台１２に対して設けられた 物品移載装置１３とを有している。

【００１０】 前記物品移載装置１３は、単にスライドフォークだけが用いられていた従来の ものとは以下の点で異なる。即ち、この物品移載装置１３は、運搬用台車７の底 面中央部を支承するセンタースライドフォーク１５と、台車７における一対の両 側面を挟持する２本のクランプスライドフォーク１４，１４とを有している。こ れらのフォーク１５及び１４は、いずれも、多段式のスライドバーと歯車列等（ 図示略）とを組み合わせた公知の進退機構によって前後進退自在となされている 。

【００１１】 ２本の前記クランプスライドフォーク１４，１４は、スタッカークレーン９の 昇降台１２に対して流体圧シリンダ６（図２参照）等を介して取り付けられてお り、互いの対向方向へ若干の相寄り動作ができるようになっている。この動作に よって台車７における一対の両側面を挟持する。なお、台車７は、図３の如く好 ましくはアルミパイプ等の軽量材によって箱状に枠組み形成させておくと、クラ ンプスライドフォーク１４による挟持がし易くなると共に補強されるので好適で ある。

【００１２】

【実施例の作用】

次に実施例装置の作用を説明する。 物品搬入ステーションの台（図示略）等に対して台車７が搬入されると、スタ ッカークレーン９の走行基台１０が、センタースライドフォーク１５の左右方向 中央を物品搬入ステーションの台の左右方向中央と一致させる位置まで走行して 、停止する。それと同時に昇降台１２が昇降して、センタースライドフォーク１ ５の上面を台車７の底面より下方に位置させる。そして、センタースライドフォ ーク１５が台車７の底面中央部へ向けて進出する。次に、昇降台１２が、センタ ースライドフォーク１５の上面を台車７の底面へ接触させる位置乃至台車７を微 妙に持ち上げる位置まで上昇すると共に、これと同時又は先後してクランプスラ イドフォーク１４が台車７における一対の両側面脇方部へ向けて進出し、続いて 流体圧シリンダ６が伸長して２本のクランプスライドフォーク１４，１４を挟持 動作させる。これによって台車７は３点支持された安定的な状態で持ち上げられ ることとなる。その後、センタースライドフォーク１５及びクランプスライドフ ォーク１４が同期的に昇降台１２側へ退入することによって、台車７は昇降台１ ２上に引き込まれる。かくして台車７を物品搬入ステーションの台から取り出し た後は、走行基台１０が走行して、台車７の左右方向中央（センタースライドフ ォーク１５の左右方向中央）を、その台車７を収納する物品収納棚３が属する棚 縦列の左右方向中央に一致させる位置で停止する。その後は、センタースライド フォーク１５及びクランプスライドフォーク１４の同期的進出，昇降台１２の微 小下降（物品収納棚３に対する台車７の預け置き），クランプスライドフォーク １４の挟持解放，昇降台１２の更なる微小下降，両フォーク１５及び１４の退入 といった前記と略逆の動作によって、台車７は物品収納棚３へと収納される。 一方、これらとは略逆の動作によって、物品収納棚３に収容されている台車７ を物品搬出ステーションの台へ搬出することが出来る。

【００１３】 ところで、前記物品移載装置１３のセンタースライドフォーク１５及びクラン プスライドフォーク１４を前後進退させる機構や、クランプスライドフォーク１ ４を挟持動作させる機構は、従来公知のあらゆる機構を採用し得る。また、物品 収納棚３において、図４の如く対向する左右一対の物品支承部材４を中央へ向く 下り勾配に形成させておくと、台車７を収容した場合のセンタリングが自動的に 行われるようになり、安定した収容状態が得られる利点がある。この場合、各物 品支承部材４の突端縁部に対して、その前後方向長さ（奥行き寸法）に相当する 車止め用堤１６を突設しておくと安全である。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は、前記の如き構成によって、以下の如き効果を奏するものである。 物品移載装置が、センタースライドフォークと２本のクランプスライドフォー クとによって台車を３点支持状に持ち上げるようになっているので、その持ち上 げ状態は安定的に保持されることとなる。即ち、自動倉庫に対して台車の出し入 れが安全且つ確実に行えるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す要部正面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線拡大断面図である。

【図３】運搬用台車の好適実施例を示す斜視図である。

【図４】物品収納棚の好適実施例を示す要部正面図であ
る。

【符号の説明】

１ ラック装置 ３ 物品収納棚 ７ 運搬用台車 ９ スタッカークレーン １２ 昇降台 １３ 物品移載装置 １４ クランプスライドフォーク １５ センタースライドフォーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下，左右に複数の物品収納棚を有する
   ラック装置と、このラック装置の前方域を左右動自在に
   設けられたスタッカークレーンとを有する自動倉庫にお
   いて、前記スタッカークレーンの昇降台に設けられた物
   品移載装置は物品の底面中央部を支承するセンタースラ
   イドフォークと、前記物品における一対の両側面を挟持
   するクランプスライドフォークとを具備している自動倉
   庫。