JPH0535528U - 緊急用補助ブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 自動車本体の下面よりゴム板を下降させて、
路面とゴム板との摩擦により自動車を停止し得る緊急補
助ブレーキを提供することを目的とする。 ［構成］ 自動車本体の下部左右両側にシリンダを夫々
取り付け、シリンダーのピストンロッドの下端部に取付
杆を固着し、該取付杆の端部にはゴム板を固着し、スイ
ッチの切替えによりシリンダー内の油圧を変化させてピ
ストンロッドと連

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、路面とゴム板との摩擦力により自動車の減速及び停止に用いられる 緊急用補助ブレーキに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ブレーキ装置には、自動車の減速及び停止に使用される常用ブレーキと駐車用 ブレーキがある。このうち常用ブレーキはブレーキペダルを踏んで油に圧力を加 えると、その圧力がブレーキパイプを通り、この油圧が回転しているブレーキ胴 内に戻しバネにより対設された２個のブレーキシューを拡げ、このブレーキシュ ーがドラムに強い力で押しつけられて、その摩擦力でブレーキが効くようになっ ている内部拡張式ブレーキと、ブレーキペダルを踏んで油圧を高めると、制動パ ットが、車輪と一体化して回転しているブレーキディスクを挟圧して車輪の回転 を停止させるディスク式ブレーキが提案されている。この常用ブレーキは、ブレ ーキペダルに加えた操作力を液圧機構で拡大して各車輪に伝達し、制動力を起こ すものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記、従来の技術で述べた液圧式ブレーキは、液圧が各車輪に一様に伝達され て効率が良いという長所がある反面、液もれや管路内の気泡の発生、ブレーキド ラム内への水の浸入等により機能を喪失するという欠点がある。

【０００４】 そこで、本考案は、常用ブレーキ及び駐車用ブレーキの機構とは全く別の機構 を車体に設け、油圧が高まると、車体の下面よりゴム板が下降して該ゴム板と路 面との摩擦力により車を停止させ得る緊急用補助ブレーキを提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の緊急用補助ブレーキは、車体の下部左右 両側にシリンダーを夫々取り付け、該シリンダーのピストンロッドの下端部に、 ゴム板を固着した取付杆を固着し、スイッチの切替えにより前記シリンダー内の 油圧を変化させてピストンロッドを上下動させ、これと連動してゴム板を上昇若 しくは下降させるようにしたものである。

【０００６】

【作用】

スイッチを切替えて、油圧を高めると、シリンダー内に油が送り込まれ、その 圧力によりピストンロッドが押し下げられる。ピストンロッドの下端部には、取 付杆を固着し、この取付杆にはゴム板を固着しているので、ピストンロッドと連 動してゴム板が下降し、路面と接触して、ゴム板と路面との摩擦により車の停止 を補助する作用をなす。

【０００７】 又、スイッチを切替えて油圧を低下させると、シリンダーのピストンロッドが 上昇し、これと連動してゴム板も上昇し、路面からゴム板が離れて、ブレーキが 開放される。

【０００８】

【実施例】

以下に、図面を参照して本考案の好適な実施例を説明する。 １は、ブレーキペダルであって、スプリング２を介装して背部にスイッチ３を 設けている。４はモーター、５は電源、６はシリンダーであって、モーター４の 下面に設けたプーリー７とシリンダー６に設けたプーリー８にベルト９を懸回し 、スイッチ３を押すと、モーター４に流れている電流が逆に流れるように構成さ れている。シリンダー１０は自動車本体１１の下部左右両側に固着し、シリンダ ー６とパイプ１２で連通されている。１３はシリンダー１０のピストンロッドで あって、下端部に取付杆１４を固着している。取付杆１４の端部には鉄鈑１５を 固着し、該鉄鈑１５の裏面には滑り止め用の溝を形成したタイヤ用ゴムより成る ゴム板１６を固着している。１７は、ゴム板１６の揺動防止のためのスプリング であって取付杆１４と鉄鈑１５との間に介在させている。

【０００９】 次に、本実施例の作用について説明する。ブレーキペダル１を強く踏むと、ス イッチ３が作動し、電源５、モーター４、線１８、スイッチ３により構成される 回路に、踏む前の逆方向に電流が流れる。そのため、モーター４のプーリー７が 一定方向に回転して、この動力をシリンダー６のプーリー８に伝達する。シリン ダー６のプーリー７の回転により、シリンダー６内に充填されている油に圧力が 加わり、この圧力がパイプ１２を通り、２つのシリンダー１０に一様に伝達され る。シリンダー１０の油圧が強まると、ピストンロッド１３が押し下げられ、取 付杆１４が下降すると共に、ゴム板１６が自動車本体１１の下面より下降して路 面１９に当接し、ゴム板１６と路面１９との摩擦で車にブレーキがきく。次に、 足をブレーキペダル１より外ずし、ブレーキペダル１をスプリング２の弾性力に より戻すと、スイッチ３が切替えられ、モーター４に前と逆方向に電流が流れる 。そのため、モーター４のプーリー７が前と逆方向に回転する。この動力をベル ト９を介してシリンダー６のプーリー８に伝達され、シリンダー６のピストンが 移動してシリンダー６内の油圧が低下する。この低下した圧力がパイプ１２を通 り、各シリンダー１０に一様に伝達され、ピストンロッド１３は上昇し、これに 連動してゴム板１６も上昇する。ゴム板１６が自動車本体１１のアンダーボディ の例えばフロントフロアパンに当接すると、これに密着し、モーター４のプーリ ー７は回転を停止し、ブレーキは開放される。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、以上のように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。 従来の内部拡張式ブレーキであると雨水等がブレーキドラム内に浸入する場合 があるが、本考案は、油圧によりピストンロッドを上下動させる構造であるので 、水に濡れても作動に影響を与えない。 又、ブレーキがゴム板と路面との摩擦によりきかせるため、常用ブレーキと相 俟って、常用ブレーキを補助する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す説明図である。

【図２】ゴム板が下降した状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ブレーキペダル ２ スプリング ３ スイッチ ４ モーター ５ 電源 ６ シリンダー ７ プーリー ８ プーリー ９ ベルト １０ シリンダー １１ 自動車本体 １２ パイプ １３ ピストンロッド １４ 取付杆 １５ 鉄鈑 １６ ゴム板 １７ スプリング １８ 線 １９ 路面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車本体１１の下部左右両側にシリン
   ダー１０を夫々取り付け、該シリンダー１０のピストン
   ロッド１３の下端部に、ゴム板１６を固着した取付杆１
   ４を固着し、スイッチ３の切替えにより前記シリンダー
   １０内の油圧を変化させてピストンロッド１３を上下動
   させることによりゴム板１６を上昇若しくは下降させる
   ように構成したことを特徴とする緊急用補助ブレーキ。