JPH05341113A - カラーフイルターの作成方法 - Google Patents

カラーフイルターの作成方法

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JPH05341113A
JPH05341113A JP14939392A JP14939392A JPH05341113A JP H05341113 A JPH05341113 A JP H05341113A JP 14939392 A JP14939392 A JP 14939392A JP 14939392 A JP14939392 A JP 14939392A JP H05341113 A JPH05341113 A JP H05341113A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin layer
colored
color filter
layer
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JP14939392A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画素上に他色の感光性樹脂残膜が無く、画素
の抜け(白抜け)のない、さらに画素形状のよいカラー
フィルターを得ることが出来る作成方法を提供する。 【構成】 カラーフィルターの作成方法が、(1)着色
された感光性樹脂層を仮支持体に設けた画像形成材料
の、該感光性樹脂層を透明基板に加熱しながら密着させ
る工程、(2)該仮支持体を剥離する工程、(3)該感
光性樹脂層にパターン露光する工程、(4)該感光性樹
脂層を現像する工程、(5)パターン形成された該感光
性樹脂層を設けた基板を加熱処理する工程、(6)上記
(1)〜(5)を、異なる色相に着色された画像形成材
料について繰り返す工程、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶カラーディスプレ
ー等に使用する、カラーフィルターの作成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶用カラーフィルターは、ガラス等の
透明基板上に、赤色、緑色及び青色のドット状画像をそ
れぞれマトリックス状に配置し、それぞれの境界をブラ
ックマトリックスで区分した構造である。従来、カラー
フィルターの作成方法としては、支持体としてはガラス
等の透明基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)特
開昭63─298304号、特開昭63─309916
号あるいは特開平1─152449号等の明細書に記載
の着色した感光性樹脂液の塗布と露光、現像の繰り返し
による着色感光性樹脂液法(着色レジスト法)、4)特
開昭61─99103号、特開昭61─233704号
あるいは特開昭61─279802号明細書に記載のよ
うに、仮支持体上に形成した画像を順次、最終または仮
の支持体上に転写する方法、5)特開昭61─9910
2号公報に記載の予め着色した感光性樹脂液を仮支持体
上に塗布することにより着色層を形成し、順次直接、透
明基板上にこの感光性着色層を転写し、露光、現像する
ことを繰り返す方法等により多色画像を形成することが
知られている。そのほかにも電着法、蒸着法等の方法も
知られている。
【0003】次に、カラーフィルターの物理的化学的保
護と表面の平坦化を目的とする保護膜をその上に形成す
ることがある。保護膜としてはアクリル系、ウレタン
系、シリコーン系等の樹脂皮膜や酸化珪素等の金属酸化
物皮膜のような透明性の高い皮膜をスピンコート、ロー
ルコート、印刷法などにより塗布し、必要に応じて水平
放置、溶剤除去を行い、硬化させるといった方法が一般
的に用いられている。
【0004】さらにその上に、スパッタリング法や真空
蒸着法等の真空成膜法を用いて、酸化インジウム錫(I
TO)や酸化錫のような透明導電性の皮膜を成膜させた
後、エッチング法等により電極パターン加工を行い、透
明電極層を形成する。透明電極層は、着色画像とブラッ
クマトリックス層の下で、透明基板の上に形成すること
もある。
【0005】カラーフィルター製造に関する着色画像形
成の従来の主な方法において、1)染色法ではフォトレ
ジスト塗布、乾燥した透明な膜の部分的染色を繰り返す
ため防染層の形成と除去の反復が必要であり、製造工程
が煩雑であった。2)印刷法では、ガラスへの印刷イン
キの転写性が劣るため、着色パターンの形状不良や濃度
むらを生じやすく、さらに3色或いは4色のパターンの
位置合わせの点でも不利であり、この方法による品質の
よいフィルターの形成は困難であった。3)の方法で
は、着色層の濃度は着色層の厚みで決まるため、着色層
の濃度を一定にするためには精密な塗布技術を必要とし
た。さらに第1色目を形成後、第2色目の着色層を塗布
するのは第1の着色層に基づく表面の凹凸のため、実際
には均一な塗布層を得るのが困難であった。さらに4)
の方法は最終支持体への着色画像の転写時に各色の画像
を所望の位置に正しく配置する(以下、「位置合わせ」
と称する)ことが困難であった。5)の方法は着色画像
の形成の工程が簡略化され、露光、現像、濃度管理が容
易であり、さらに各着色画像の位置合わせに関して転写
操作でのずれを生成しないので本質的に優れている。ま
た予め一定の厚さで均一に塗布された着色感光性樹脂層
を転写することから、露光・現像特性も安定し、得られ
る最終着色画像の濃度管理も容易である。
【0006】しかしながら、第2色目以降の着色感光性
樹脂層を形成する際、既形成画素上に転写された着色感
光性樹脂層は非画素部に転写された着色感光性樹脂層に
くらべて現像性が悪く、未露光部である既形成画素上に
現像残りとして残膜が残る傾向がある。これは着色感光
性樹脂層が転写時の熱と圧力によって既形成画素上に接
着したため、または着色感光性樹脂層中の成分が既形成
画素中に移行したため、あるいはこれらが複合して起こ
ったためと考えられる。
【0007】既形成画素上の残膜を除去するためには、
現像時間を延長することが必要になるが、それでも完全
に除去するのは困難であり、現像時間延長による過現像
により画素の形状が崩れる等の問題が生じる。また、転
写時に透明ガラス基板と着色感光性樹脂層との間に小さ
な塵や異物を挟み込むと、現像時にその部分の着色感光
性樹脂層は剥がれてしまい、画素の抜けた(白抜けと称
する)カラーフィルターになる。これは着色レジスト溶
液の塗布によるカラーフィルター作成にはあまり見られ
ない現象である。
【0008】カラーフィルターを作成するためには赤
色、緑色、青色、黒色と4回の処理が必要になるため、
第1番目に形成した着色画像では4回、2番目に形成し
た着色画像では3回、3番目に形成した着色画像で2回
と複数回現像処理されることになる。転写時に透明ガラ
ス基板と着色感光性樹脂層の間にごく小さな塵を挟み込
んだ場合には、1回の現像で感光性樹脂層が剥がれるこ
とは稀で、2回目、3回目と他色の感光性樹脂層の現像
時に剥がれてしまうことが多い。クリーンルーム内での
作業とはいっても、ラミネーター、作業者、画像形成材
料等からの発塵は皆無ではなく、高歩留りを得るのは困
難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画素
上に他色の感光性樹脂残膜が無く、画素の抜け(白抜
け)のない、さらに画素形状のよいカラーフィルターを
得ることが出来る作成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、(1)
着色された感光性樹脂層を仮支持体に設けた画像形成材
料の、該感光性樹脂層を透明基板に加熱しながら密着さ
せる工程、(2)該仮支持体を剥離する工程、(3)該
感光性樹脂層にパターン露光する工程、(4)該感光性
樹脂層を現像する工程、(5)パターン形成された該感
光性樹脂層を設けた基板を加熱処理する工程、(6)上
記(1)〜(5)を、異なる色相に着色された画像形成
材料について繰り返す工程、を含むことを特徴とするカ
ラーフィルターの作成方法により達成された。以下、本
発明について詳細に説明する。
【0011】先ず、着色された感光性樹脂層を仮支持体
上に設けた画像形成材料について述べる。本発明で用い
る着色した感光性樹脂層のための仮支持体としては、可
撓性を有し加圧、もしくは加圧及び加熱下においても著
しい変形、収縮もしくは伸びを生じないことが必要であ
る。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、トリ酢酸セルローズフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムをあげ
ることができる。2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムが特に好ましい。該支持体の上には、着色した
感光性樹脂層を直接、もしくは紫外線透過性を有し酸素
透過性が低い中間層を介して設ける。さらに、転写時の
気泡混入を避ける目的で、熱可塑性樹脂層を設けるのが
好ましい。その場合は、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中
間層、感光性樹脂層の順に積層するのが好ましい。
【0012】中間層は、着色した感光性樹脂層を透明基
板に密着した後で、仮支持体を剥離し、パターン露光す
るに際し、着色した感光性樹脂層中での光硬化反応を阻
害する空気中からの酸素の拡散を防止するためと、3つ
の層を積層する場合に熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層が
混じり合わないようにするためのバリアー層として設け
られる。そのため、着色した感光性樹脂層からは機械的
に剥離できないようにし、かつ酸素の遮断能が高いこと
が好ましい。このような中間層はポリマーの溶液を仮支
持体上に直接、または熱可塑性樹脂層を介して塗布する
ことにより形成される。適当なポリマーとして、特公昭
46─32714号及び特公昭56─40824号の各
公報に記載されているポリビニルエーテル/無水マレイ
ン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性
塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル
澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性
ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エ
チレンオキサイド重合体、各種の澱粉及びその類似物か
らなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合
体、及びマレイネート樹脂、さらにこれらの2種以上の
組合せがあげられる。特に好ましいのは、ポリビニルア
ルコールとポリビニルピリドンの組合せである。ポリビ
ニルアルコールは鹸化率が80%以上であるものが好ま
しく、ポリビニルピロリドンの含有量は中間層固形分の
1重量%〜75重量%が好ましく、より好ましくは1重
量%〜60重量%、さらに好ましくは10重量%〜50
重量%である。1重量%未満では感光性樹脂層との十分
な密着が得られず、75重量%を超えると、酸素遮断能
が低下する。中間層の厚みは非常に薄く、約0.1〜5
μm、特に0.2〜2μmである。0.1μm未満だと
酸素の透過性が高すぎ、5μmを超えると、現像時また
は中間層除去時に時間が掛かり過ぎる。
【0013】熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、実質的
な軟化点が80℃以下であることが好ましい。軟化点が
80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、
エチレンとアクリル酸エステルの共重合体の鹸化物、ス
チレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体の鹸化
物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重
合体の鹸化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体の鹸化物等からすくなくとも1つ
選ばれるのが好ましいが、さらに「プラスチック性能便
覧」(日本プラスチック工業連盟、全日 本プラスチッ
ク成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年1
0月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高
分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものを使用するこ
とが出来る。また軟化点が80℃以上の有機高分子物質
においてもその有機高分子物質中に該高分子物質と相溶
性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80
℃以下に下げることも可能である。また、これらの有機
高分子物質中に仮支持体との接着力を調節するために、
実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で各種のポリマ
ーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型
剤等を加えることが可能である。
【0014】好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオク
チルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ートをあげることが出来る。熱可塑性樹脂層の厚みは6
μm以上が好ましい。この理由としては熱可塑性樹脂層
の厚みが5μm以下であると1μm以上の下地の凹凸を
完全に吸収することが出来ず、転写時に下地との間に気
泡を生じやすくなるためである。また上限については、
現像性、製造適性から100μm以下、好ましくは50
μm以下である。
【0015】感光性樹脂層はすくなくとも150℃以下
の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱
可塑性であることが好ましい。公知の光重合性組成物を
用いた層の大部分はこの性質を有するが、公知層の一部
は、熱可塑性結合剤の添加あるいは相溶性の可塑剤の添
加によってさらに改質することが出来る。
【0016】本発明の感光性樹脂層の素材としては公知
の、例えば特開平3−282404に記載されている感
光性樹脂全てが使用できる。具体的には、ネガ型ジアゾ
樹脂とバインダーからなる感光性樹脂層、光重合性組成
物、アジド化合物とバインダーからなる感光性樹脂組成
物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等があげられる。その中
でも特に好ましいのは光重合性樹脂である。その光重合
性樹脂は光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダ
ーを基本構成要素として含む。
【0017】感光性樹脂としては、アルカリ水溶液によ
り現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものが
知られているが、公害防止、労働安全性の確保の観点か
ら、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。
【0018】感光性樹脂層にはさらにカラーフィルター
の構成色である赤色、緑色、青色、黒色の顔料を添加す
るが、これらの好ましい具体例としては、カーミン6B
(C.I.12490)、フタロシアニングリーン
(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.
I.74160)、カーボンブラック等をあげることが
出来る。着色された感光性樹脂中の顔料の含有量は、1
〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは5
〜20重量%である。
【0019】本発明に用いる画像形成材料は、仮支持体
上に着色された感光性樹脂溶液を施し、乾燥することに
よって得られる。さらに、必要に応じて、熱可塑性樹脂
層、及び中間層を設けるが、その場合にはまず、熱可塑
性樹脂層溶液を施し、乾燥することにより、熱可塑性樹
脂層を設け、その後該熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂
層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布
し、乾燥し、その後感光性樹脂層を中間層を溶解しない
溶剤で塗布乾燥して設ける。
【0020】次に、上述したような方法で作成した画像
形成材料を用いて、カラーフィルターを製造する方法を
説明する。本発明の画像形成材料を用いてカラーフィル
ターを製造する場合、ブラックマトリックス遮光層の形
成方法により2通りの工程を選択することが出来る。
【0021】その1つはブラックマトリックス遮光層を
金属薄膜で形成する方法で、もう1つは赤色、緑色、青
色の各画素同様画像形成材料の転写により設ける方法で
ある。金属薄膜を用いる場合は赤色、緑色、青色の各画
素形成に先立って、金属薄膜によるブラックマトリック
ス遮光層を形成するのが好ましく、一方画像形成材料の
転写によりブラックマトリックス遮光層を形成する場合
には、赤色、緑色、青色の各画素形成後に設けるのが好
ましい。金属薄膜によるブラックマトリックス遮光層
は、約1mm厚のガラス基板にスパッタリング、真空蒸
着等の方法により、100〜300nmのCrを形成
し、フォトリソグラフィーによりマトリックス状にパタ
ーニングすることにより得られる。金属薄膜としてはC
r以外にも種々の材料を用いることが可能であるが、膜
が黒色であること、さらにガラス基板との密着性、膜の
緻密性、光遮断能からCrが好ましい。
【0022】先ず、約1mm厚の透明ガラス基板(もし
くは、Crブラックマトリックス遮光層形成基板)の上
に画像形成材料の感光性樹脂層を加圧加温下で貼り合わ
せる。この場合、予め透明ガラス基板にシランカップリ
ング剤等の下塗を施すことにより、感光性樹脂層と透明
ガラス基板との密着力が向上し、好ましい。貼り合わせ
には、従来公知のラミネーター、真空ラミネーターが使
用でき、より生産性を高めるためには、オートカットラ
ミネーターの使用も可能である。その後仮支持体を剥が
した後で、所定のフォトマスク、熱可塑性樹脂層、及び
中間層を介して露光し、現像する。ここで、仮支持体を
剥がす場合に熱可塑性樹脂層も一緒に剥がすのが高い解
像度を得るためにも、また現像時間を短縮するためにも
好ましい。仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性
樹脂層各層間の密着バランスをコントロールすることで
これは可能である。また、仮支持体を剥がす前に露光
し、その後仮支持体を剥がして現像することも可能であ
るが、高解像度を得るためには、露光前に剥がすのが好
ましい。
【0023】現像は公知の方法で、溶剤もしくは水性の
現像液、特にアルカリ水溶液に浸漬するか、スプレーか
らの現像液噴射を与えること、さらにブラシでのこす
り、または超音波を照射しつつ処理することで行われ
る。
【0024】次に、現像処理後の基板を加熱処理する。
加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは150℃〜
250℃の範囲で、処理時間はその温度に達してから1
分〜180分、好ましくは5分〜120分の範囲であ
る。処理温度が前述の範囲より低かったり、処理時間が
短かったりすると現像残りや白抜け改善に対する効果が
低く、処理温度が前述の範囲より高かったり、処理時間
が長かったりすると顔料の色相が変化する等の問題が生
ずる。加熱処理の方法には、従来公知の種々の方法を使
うことが出来る。即ち、復数枚の基板をカセットに収納
してコンベクションオーブンで処理する方法、ホットプ
レートで1枚ずつ処理する方法、赤外線ヒーターで処理
する方法等である。
【0025】画像形成材料貼り合わせから加熱処理まで
の工程を赤色、緑色、青色、黒色について繰り返せばカ
ラーフィルターを形成することが出来る。当然、金属薄
膜により予めブラックマトリックス遮光層を形成したガ
ラス基板を用いた場合は黒色画像形成工程は省くことが
出来る。また、最後の画素形成後の加熱処理は現像残り
や白抜け改善対策としては不要であるが、カラーフィル
ターの耐溶剤性向上、ガラス基板と画素との接着力向上
等の目的で実施するのが好ましい。
【0026】現像後の加熱処理により既形成画素上に、
以降転写した着色感光性樹脂の残膜が残らなくなるが、
これは加熱することで既形成画素膜中に残存する活性種
により3次元架橋が進み、既形成画素膜が不活性化する
ため、あるいは架橋の促進により膜が緻密化して、重ね
貼りされた着色感光性樹脂層中の成分の移行が妨げられ
るためと考えられる。
【0027】また、透明ガラス基板と、着色感光性樹脂
層の界面に小さな塵が挟み込まれてはいるが、1回の現
像では白抜けにつながらなかった場合において、現像後
の加熱処理により感光性樹脂層の硬化が進み、その後に
行われる他色の現像処理時にその部分の膜剥がれ、即ち
白抜けを防止することが出来る。
【0028】次に、本発明がもたらす他の効果について
述べる。上述したように、複数回現像されると過現像と
なり、画素の周縁部が溶出し、(サイドエッチと称す
る)画素の形状が崩れてしまう事がある。。特に緑色の
感光性樹脂の場合は着色材料がパターン露光用の紫外線
を強く吸収するため、内部まで充分に硬化させるのが困
難になり、複数回の現像で画素の周縁部の膜厚がサイド
エッチで薄くなってしまう。他色の感光性樹脂層につい
ても程度の差はあるが同じ事が言える。ところが、各色
の感光性樹脂層の現像処理後上述の範囲で加熱処理する
ことで感光性樹脂層の硬化が促進され、サイドエッチの
増加も防止することが出来る。さらに、必要に応じて、
カラーフィルター表面の物理的化学的保護と平坦化を目
的とする保護層をカラーフィルターに積層して設けても
よい。保護層としては、アクリル系、ウレタン系、シリ
コーン系等の樹脂皮膜や、酸化珪素等の金属酸化物のよ
うな透明性の高い皮膜が用いられるが、その形成方法と
しては樹脂皮膜は、スピンコート、ロールコート、印刷
法等のほか、上述した画像形成材料のように転写により
形成することもできる。また、金属酸化物等の無機皮膜
については、スパッタリング法、真空蒸着法等によって
設ける事が出来る。
【0029】
【実施例】
実施例1 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮
支持体の上に下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾
燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設け
た。
【0030】 熱可塑性樹脂層処方H1: メチルメタクリレート/2─エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリ レート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比) =55/28.8/11.7/4.5、重量平均分子量=90000) 15重量部 ポリプロピレングリコールジアクリレート(平均分子量=822) 6.5重量部 テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5重量部 p−トルエンスルホンアミド 0.5重量部 ベンゾフェノン 1.0重量部 メチルエチルケトン 30重量部 次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方B1からなる塗布
液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層
を設けた。
【0031】 中間層処方B1: ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205、鹸化率=80%) 130重量部 ポリビニルピロリドン(GAFコーポレーション社製PVP、K−90) 60重量部 フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製サーフロンS−131) 10重量部 蒸留水 3350重量部
【0032】上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する仮
支持体の上に、それぞれ表1の処方を有する、赤色(R
層用)、緑色(G層用)、青色(B層用)及び黒色(B
L層用)の4色の感光性溶液を塗布、乾燥させ、乾燥膜
厚が2μmの着色感光性樹脂層を形成した。
【0033】 表1:着色感光層用塗布液の組成 赤 緑 青 黒 (g) (g) (g) (g) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸共重合体 60 60 60 60 (モル比=73/27 , 粘度=0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレー 43.2 43.2 43.2 43.2 ト ミヒラーズケトン 2.4 2.4 2.4 2.4 2−(o−クロロフエニル)−4,5− 2.5 2.5 2.5 2.5 ジフェニルイミダゾール二量体 イルガジン・レッドBPT(赤色) 5.4 − − − スーダンブルー(青色) − 5.2 − − 銅フタロシアニン(緑色) − − 5.6 − カーボンブラック(黒色) − − − 5.6 メチルセロソルブアセテート 560 560 560 560 メチルエチルケトン 280 280 280 280 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0034】さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピ
レン(厚さ12μm)の被覆シートを圧着し、赤色、青
色、緑色及び黒色画像形成材料料を作成した。この画像
形成材料を用いて、以下の方法でカラーフィルターを作
成した。厚さ1.1mm、400mm×300mmの透
明ガラス基板(コーニング社#7059)を洗浄し、シ
ランカップリング剤(信越化学KBM−603)1%水
溶液に3分間浸漬後、30秒間純水洗浄して過剰なシラ
ンカップリング剤を洗い落とし、水切りしてオーブンで
110℃20分間熱処理した。赤色画像形成材料の被覆
シートを剥離し、感光性樹脂層面をシランカップリング
剤処理した透明ガラス基板にラミネーター(ソマール
(株)製オートカットラミネーターASL−24)を用
いて加圧(10kg/cm)、加熱して貼り合わせ、続
いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支
持体を除去した。次に所定のフォトマスクを介して露光
し、現像し、不要部を除去した後、コンベクションオー
ブンで加熱処理して透明ガラス基板上に赤色画素パター
ンを形成した。続いて、赤色画素パターンが形成された
ガラス基板上に緑色画像形成材料を上記と同様にして貼
り合わせ、剥離、露光、現像、加熱処理を行い、緑色画
素パターンを形成した。同様な工程を青色、黒色画像形
成材料で繰り返し、透明ガラス基板上にカラーフィルタ
ーを形成した。転写、露光、現像、加熱処理の各条件は
表2に示すとおりである。
【0035】 表2:転写、露光、現像、加熱処理条件 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 転写温 転写速度 露 光 現像1 現像2 加熱処理 加熱処理 色 温度 温度 時間 (℃) (m/分) (mj) (秒) (秒) (℃) (分) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 赤 130 0.2 20 70 50 180 5 緑 140 0.2 20 70 25 180 5 青 150 0.2 20 70 60 180 5 黒 130 0.2 300 70 25 220 60 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0036】その他の条件、表2の補足説明は次のとお
り。 1.現像1は、熱可塑性樹脂層、中間層を溶解除去する
ための現像で、現像液としてトリエタノールアミン1%
水溶液を用い、33℃でシャワー現像した。 2.現像2では、着色感光性樹脂層を現像し、現像液と
してカラーモザイク現像液CD−1000(富士ハント
エレクトロニクステクノロジー社製)1%水溶液を用
い、33℃でシャワー現像した。 3.加熱処理時間は、オーブン中で基板が設定温度(1
80℃、220℃)に達してからの時間を示す。 上述の条件により形成したカラーフィルターは画素上に
他の色相の感光性樹脂残膜が無く、白抜けも見られず、
各画素形状もよかった。
【0037】比較例1 加熱処理条件を次のA、B2条件にした以外は実施例と
全く同じ条件でカラーフィルターを形成した。 A:加熱処理なし。 B:各色現像後80℃1分間加熱処理。 その結果、A、Bとも約1/10の赤色画素上に緑色の
感光性樹脂残膜が、約1/5の緑色画素上に青色感光性
樹脂残膜が、赤、緑、青、3色の画素上の1部には黒色
感光性樹脂残膜が残っていた。また、各画素に白抜けが
目立ち、カラーフィルターとしての使用は不可であっ
た。
【0038】比較例2 現像2の時間を緑色については50秒、青色については
70秒、黒色についは50秒にした以外は比較例1と全
く同じ条件でカラーフィルターを形成した。その結果、
A、Bとも一部の赤色画素上に緑色の感光性樹脂残膜
が、また一部の緑色画素上に青色感光性樹脂残膜が、全
色の画素上の1部には黒色感光性樹脂残膜が僅かに残っ
た。何れも比較例1に比べごく薄い残膜であった。しか
し、過現像により緑色の画素パターン周縁部はかなりエ
ッチングされ、また各画素の白抜けは比較例1よりさら
に増加しており、カラーフィルターとしての使用は不可
であった。
【0039】
【発明の効果】本発明では、仮支持体上に設けた着色感
光性樹脂層を透明ガラス基板に転写し、仮支持体を剥離
し、パターン露光、現像を行った後、加熱処理を実施す
るという工程を異なる色相に着色された画像形成材料に
ついて繰り返すことにより、画素上に他の色相の感光性
樹脂層の残膜が無く、画素の抜け(白抜け)もなく、さ
らに画素パターン形状のよい優れたカラーフィルターを
製造することが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)着色された感光性樹脂層を仮支持
    体に設けた画像形成材料の、該感光性樹脂層を、透明基
    板に加熱しながら密着させる工程、(2)該仮支持体を
    剥離する工程、(3)該感光性樹脂層にパターン露光す
    る工程、(4)該感光性樹脂層を現像する工程、(5)
    パターン形成された該感光性樹脂層を設けた基板を加熱
    処理する工程、(6)上記(1)〜(5)を、異なる色
    相に着色された画像形成材料について繰り返す工程、を
    含むことを特徴とするカラーフィルターの作成方法。
  2. 【請求項2】 着色感光性樹脂層現像後、処理温度10
    0℃〜300℃、処理時間1分〜180分で加熱処理す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のカラー
    フィルターの作成方法。
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