JPH053272A - 放熱器、放熱装置および放熱器の製造方法 - Google Patents
放熱器、放熱装置および放熱器の製造方法Info
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Abstract
きさ、配列等を自由に設定できる放熱器、放熱装置およ
び放熱器の製造方法を提供する。 【構成】熱伝導材で形成された薄板15にスリット16
を複数形成することでピンフィン部17が構成された放
熱用フィン要素12を互いの間に所定間隔を隔てるスペ
ーサ13を介して複数積層してなる積層体14を備えて
いる。
Description
の冷却や熱交換器に用いられる放熱器、放熱装置および
放熱器の製造方法に関する。
がある。このうち、ピンフィンタイプの放熱器は、前縁
効果を有効に発揮させることができるので、放熱面積を
一定にして比較した場合、プレートフィンタイプの放熱
器に比べて数倍の性能を得ることが可能である。
通常、図43(a),(b) に示すように、2枚の熱伝導板1
a,1bを平行に配置するとともに各熱伝導板1a,1
bに対向関係に孔2a,2bを複数対設け、これら対を
なす孔2a,2bに金属細線3を通し、これら金属細線
3の両端部を孔2a,2bの内面に接合した構造となっ
ている。そして、熱伝導板1a,1bの一方または両方
を発熱源または熱輸送媒体に接触させるとともに熱伝導
板1a,1b間に図中太矢印4で示すように熱交換用流
体または冷却用流体を流し、各金属細線3の表面を介し
てこれらの流体に熱を伝えるようにしている。
効果を効率よく発揮させるために金属細線3の外径を1
mm以下に設定することが望ましい。また放熱特性を一段
と向上させるには、金属細線3の数を可能な限り多くす
ることが必要である。このため、上記構造を採用した従
来の放熱器にあっては、熱伝導板1a,1bへの孔開
け、金属細線3の装着・接合に膨大な工数が必要とな
り、製造コストが極めて高くなると言う問題があった。
に、図44に示すように、熱伝導板1a,1bに孔を開
ける工程を省略し、熱伝導板1a,1bの内面に、たと
えば半田や銀ロウなどの接合材層5a,5bを使って各
金属細線3の両端部を接合する構造が提案されている。
を省略できるので、ある程度製造コストを下げることが
できる。しかし、各金属細線3を熱伝導板1a,1bの
内面に接合する際に、一時的に各金属細線3を位置決め
保持する必要があるため、金属細線3の間隔や配列パタ
ーンなどに制限を受け易い問題があった。さらに、熱伝
導板1a,1bと金属細線3とが直接接触していない場
所では、熱が接合材層5a,5bを介して金属細線3に
伝わるので、この部分での熱抵抗が大きくなると言う問
題点があった。
ン構造を採用した従来の放熱器にあっては、構造的に製
造工程の複雑化を招き、製造コストが高くなるばかり
か、フィンとなる部分の間隔や配列パターンに制約を受
け、しかも熱抵抗が大きい等の問題があった。
なる部分の大きさ、形状、ピッチ、配列等を自由に設定
でき、しかも熱抵抗の小さい放熱器、放熱装置および放
熱器の製造方法を提供することを目的としている。
に、本発明に係る放熱器の代表的なものは、熱伝導材で
形成された薄板にスリットを複数形成して構成された放
熱用フィン要素を互いの間に所定間隔を隔てる手段を介
して複数積層してなる積層体を備えている。
トと、この通風ダクト内に発熱源に対して熱的接触状態
に、かつ内部に上記通風ダクト内を通流する冷却用流体
のほぼ全部を通流させる関係に配置され、熱伝導材で形
成された薄板にスリットを複数設けて形成された放熱用
フィン要素を互いの間に所定間隔を隔てる手段を介して
複数積層してなる積層体を主体とした放熱器を備えてい
る。
表的なものは、熱伝導材で形成された薄板に複数のスリ
ットを設けて放熱用フィン要素を形成する工程と、この
工程によって形成された複数の放熱用フィン要素を互い
の間にスペーサ要素を介在させて積層する工程と、しか
る後に前記放熱用フィン要素と前記スペーサ要素とを一
体的に接合して積層体を得る工程とを備えている。
置では、熱伝導材で形成された薄板にスリットを複数形
成して構成された放熱用フィン要素を互いの間に所定間
隔をあけて複数積層してなる積層体を備えている。積層
体の主体は放熱用フィン要素であり、この放熱用フィン
要素の製作に際しては打抜き加工やエッチング加工等の
採用でどのような大きさ、パターンのものでも容易に形
成できる。したがって、製作工程を大幅に簡略化できる
ばかりか、放熱用フィン要素におけるフィンに供される
部分の幅、数、間隔、形状、分布を自由に設定すること
ができ、所望とするピンフィンタイプの放熱器を低コス
トで実現できる。
熱伝導材で形成された薄板に複数のスリットを設けて放
熱用フィン要素を形成し、これら要素を互いの間にスペ
ーサ要素を介在させて積層し、これらを一体的に接合す
る工程だけで積層体を得るようにしており、これらの工
程には技術的に困難な工程が存在していないので、放熱
器の製造コストの低下に寄与できる。
る。図1には本発明の一実施例に係る放熱器11の外観
が示されている。この放熱器11は、放熱用フィン要素
12を互いの間にスペーサ13を介して複数積層してな
る積層体14を主体にして構成されている。
ように、銅やアルミニウムなどの良熱伝導材で、たとえ
ば長方形に形成された薄板15と、この薄板15にその
短手辺と平行に複数形成されたスリット16と、スリッ
ト16間に残存している部分で形成された実質的なピン
フィン部17とで構成されている。
れ、たとえば集積回路パッケージの放熱に用いられる場
合には、たとえば0.2mm 程度のものが選ばれる。また、
この場合にはスリット16の幅はたとえば0.1 〜1.0mm
程度に、ピンフィン部17の幅はたとえば0.2mm 程度に
設定される。そして、スリット16は打抜き加工やエッ
チング加工で形成される。
薄板15と同じ材料で、0.1 〜1.0mm 程度の厚みを有す
るものが用いられている。各スペーサ13は、図3に示
すように、隣接する放熱用フィン要素12の長手辺縁部
間(スリット16が並設されている方向に沿った縁部間
である。ピンフィン部17が長く、スリット16の並設
数が少ない場合には、上記説明における短手辺と長手辺
との関係が逆になる場合も生じる。にスリット16を塞
がない幅に装着されている。このようにスペーサ13を
スリット16の並設されている方向に沿って放熱用フィ
ン要素12の縁部に装着するようにしたことが本発明の
構成上の特徴の1つである。そして、これらスペーサ1
3と各放熱用フィン要素12とは半田等で接合され、こ
の接合によって全体として角型ブロック状の積層体14
が形成されている。したがって、積層体14の内部は、
スリット16の存在および隣接する放熱用フィン要素1
2間に形成された間隙の存在によって、図2(a),(b),
(c) に示すように、あたかも剣山状に形成されている。
体14の外面で、スペーサ13が位置している、たとえ
ば一方の外面が熱輸送媒体に接触している伝熱板あるい
は発熱源を搭載した伝熱板18に半田等の接合材で固定
される。なお、LSIパッケージ等の放熱器として利用
する場合には、伝熱板18等の部材を介さずに積層体1
4を直接パッケージ表面に取り付けて利用する方が熱抵
抗を小さくでき、冷却性能を向上させることができる。
勿論、他の発熱体に直接取り付けても同様に冷却性能を
向上させることができる。そして、たとえば図1中太矢
印19あるいは2点鎖線太矢印20で示すように冷却用
流体が通流する雰囲気中に積層体14を位置させて使用
される。このように配置すると、冷却用流体が積層体1
4内を流れ、各放熱用フィン要素12に形成されたピン
フィン部17に良好に接触する。したがって、伝熱板1
8から各放熱用フィン要素12に伝わった熱がピンフィ
ン部17を介して速やかに冷却用流体に伝わり、放熱器
としての機能が良好に発揮される。なお、冷却用流体の
通流のさせ方は、上記方向に限定されるものではなく、
斜め方向や天板をなくした場合は上方から吹付けるよう
に供給してもよい。
15にスリット16を複数形成して構成された放熱用フ
ィン要素12を互いの間にスペーサ13を介在させて複
数積層してなる積層体14を主体にして放熱器11を構
成している。積層体14を構成している放熱用フィン要
素12の製作に際しては、打抜き加工やエッチング加工
等の採用でどのような大きさ、パターンのものでも容易
に形成できる。したがって、製作工程を大幅に簡略化で
きるばかりか、放熱用フィン要素12におけるフィンに
供される部分の幅、数、間隔、形状、分布を自由に設定
することができる。この結果、所望とするピンフィンタ
イプの放熱器を低コストで実現できる。さらに、上記の
ように構成された放熱器11の特徴として以下のことが
挙げられる。すなわち、放熱用フィン要素12とスペー
サ13とを積層した構成であるので、放熱器11の図1
中状面と下面とはそれぞれ1枚の一体的な板状部材とみ
なすことができ、放熱器11の上面あるいは下面を伝熱
板として利用できる。したがって、放熱器11をLSI
パッケージ等にそのまま接合して冷却を行うことができ
る。次に、上記のように構成される放熱器の製造方法に
ついて説明する。図4には本発明の製造方法の一例が示
されている。
アルミニウム等の良熱伝導材からなる長方形の薄板15
を用意する。この薄板15に、その短辺と平行にたとえ
ばエッチング加工で複数のスリット16を形成する。こ
のスリット16の形成に際しては、スリット16間に所
望幅の実質的なピンフィン部17が形成されるように
し、また薄板15の周縁部にスリットの設けられていな
い枠状の部分21が残るようにする。また、同時に薄板
15の長手方向両端部に位置決め用の孔22を設ける。
このようにして放熱用フィン要素12に供される部品2
3を製作する。
板15と同一材質で、薄板15と外形寸法が同一(この
場合、厚みは異なっていてもよい。)の薄板24を用意
する。そして、この薄板24に打抜き加工を施し、薄板
15に設けられている枠状の部分21に相当する領域が
残った枠体25を形成する。同時に薄板24の長手方向
両端部に位置決め用の孔26を形成する。このようにし
てスペーサ13に供される部品27を製作する。次に、
これら2種類の部品23,27を、同図(c) に示すよう
に、その位置決め用の孔22,26を位置決めピン28
に嵌合させながら交互に積層する。
周面を接合する。あるいは部品23と部品27との接触
部を接合する。これらの接合は圧着や拡散接合や半田付
けまたは銀ロウ付けあるいは接着剤などにより簡単に実
現できる。なお、周面接合の場合には、レーザや電子ビ
ーム等を走査させて溶融接合させることができる。
ク29に対して図5に示すように、位置決めに利用され
た両端を、たとえばワイヤー放電加工機30等で切断
(トリミング加工)除去して積層体14を完成させる。
フィン部17と、これに繋がり熱源または発熱体に接触
する枠状の部分21とが、一枚の薄板で一体に形成され
ているため熱抵抗が極めて小さい。また、前述の如く、
枠状の部分21がスペーサ13と一体的に接合されてい
るので、この接合部分も一枚の薄板となり、この部分に
伝熱板としての働きを行わせることができ、発熱体(L
SIパッケージ等)に直接取り付けることができる。こ
の場合、発熱体との接触面を研摩、研削等の機械加工等
により平面性を良好にしておくことで、直接取付けた場
合の接触熱抵抗を極めて小さくできる。図6には本発明
に係る別の製造方法の例が示されている。
ように、銅あるいはアルミニウム等の良熱伝導材からな
る長方形の薄板15を用意する。この薄板15に、その
短辺と平行にたとえばエッチング加工で複数のスリット
16を形成し、スリット16間に所望幅の実質的なピン
フィン部17の形成された放熱用フィン要素12を製作
する。この例では位置決め用の孔を設けていない。
3を用意する。この製造方法では、先の製造方法のよう
な枠状のものではなくリボン状のスペーサ13を用い
る。ここでは、製造性を考慮の上、スペーサ13として
リボン状の半田(あるいはリボン状の銀ロウ等)を用い
ている。この点がこの製造方法において最も特徴ある点
である。
ン要素12の周囲の少なくとも一部を囲んで積層時の位
置決めを行ない得るように構成された位置決め治具31
内に、放熱用フィン要素12と半田を兼ねたリボン状の
スペーサ13(このリボン状のスペーサ13は、放熱用
フィン要素12の両縁部に2個1組として配置され
る。)とを交互に積層配置する。その後、位置決め治具
31に蓋32を装着し、熱処理炉(図示省略)内にて加
熱し、半田によって放熱用フィン要素12同士を所定隙
間を隔てて接合する。
33により接合一体化された積層体14からなる放熱器
が形成される。この場合、半田等の接合層は数μmと薄
くてもよく、実質的に放熱用フィン要素同志間に隙間が
ほとんど生じない場合には、放熱性能を考慮してピンフ
ィン部が重ならないようにフィン要素をずらして積層す
るか、後述するように異なる形状のフィン要素を積層す
ればよい。
先の実施例と同様に良熱伝導体のリボン状のスペーサ1
3を用いる場合には、位置決め治具31で接合する側面
以外の側面を囲んで位置決めし、放熱用フィン要素12
とスペーサ13との間は接合せずに、囲まれていない側
面にて放熱用フィン要素12とスペーサ13とを別途接
合すればよく、この接合には先の実施例同様の接合方法
が適用できる。勿論、特に側面にて接合する場合には、
半田,銀ロウ,あるいは電子ビームやレーザによる溶融
接合が採用できる。図8には本発明のさらに別の製造方
法が示されている。
は、同図(a),(b)に示すように、半田銅クラッド板34
を利用していることにある。半田銅クラッド板34は、
銅の薄板35の両側に予めリボン状の半田36が設けら
れており、この半田36が両面に設けられているものが
両面半田銅クラッド板であり、同図(a),(b) はこれを示
している。片面だけに半田36が設けられた片面半田銅
クラッド板でも以下の製造方法を適用できる。この場合
にも半田の代りに銀ロウクラッド板等を利用できる。
ッド板34に先の実施例同様に複数のスリット16を設
け、これらスリット16間にピンフィン部17の形成さ
れた放熱用フィン要素12aを製作する。
と同様に放熱用フィン要素12aを位置決め治具31内
に積層する。その後、熱処理炉内で半田36を溶かし、
これによって同図(e) に示すように、放熱用フィン要素
12a同士が所定間隔を隔てて接合一体化された積層体
14からなる放熱器を得る。このような製造方法によっ
て、簡単に積層体14、つまり放熱器を製造することが
できる。
れたスペーサあるいはリボン状の半田あるいはロウから
なるスペーサを用いているが、図9に示すように、両面
に半田層37(あるいは銀ロウ層等)を有したリボン状
のスペーサ13aを用いてもよい。このような形でスペ
ーサ13aを用いると、接合部に半田層を一様に分布さ
せることができるので、確実な接合を実現できるととも
に、放熱用フィン要素12間に確実に間隙を形成するこ
とができる。
10に示すように、断面楕円形のスペーサ13bや断面
多角形のスペーサを用いてもよい。このような断面形状
のスペーサ13bを用いると、半田38等の接合材で接
合したときに接合面積を広くでき、確実な接合を実現で
きる。
を積層体14の外面から後退した位置に配置すると、後
退によって形成された凹部39内に充填されるように半
田38等の接合材を設けて接合することができるので、
より確実な接合を実現できる。
に、外面側に凹部40の形成されたスペーサ13cを用
いると、凹部40に半田38等の接合材を充填できるの
で、確実な接合を実現できる。
別体に形成されたスペーサを用いているが、図14に示
すように放熱用フィン要素12bの製作時に対向する両
辺部を180度折り曲げたり、あるいは図15に示すよ
うに90度折り曲げたりして形成された折曲部41,4
2をスペーサとして用いてもよい。このように構成する
と、工数を一層少なくできる。
て放熱用フィン要素を構成しているが、図16に示すよ
うに、良熱伝導材で形成された枠体43の対向する少な
くとも2辺間にワイヤボンデング技術等で実質的に複数
本の金属細線44を張設し、これら金属細線44をピン
フィン部とした放熱用フィン要素12cを用いてもよ
い。この場合、枠体43に段部45を設け、この段部4
5に半田等の接合材を充填することによって放熱用フィ
ン要素12c同志を接合してもよい。なお、上記例おい
て、枠体43を用いる代りに、2本の棒状部材を用い、
この棒状部材を固定しておき、これら棒状部材間に金属
細線44を張設してもよい。これらの例において、複数
の金属細線44を張設する代りに、長い金属細線を巻回
張設するようにしてもよい。
長方形の薄板に、その短辺と平行に複数のスリットを形
成し、スリット間に所望幅の実質的なピンフィン部の形
成された放熱用フィン要素を組み込んでいるが、図17
に示すように、スリット16を2列あるいは3列以上配
置した放熱用フィン要素12dを組込むようにしてもよ
い。また、図17に類似の構成として、放熱用フィン要
素12をピンフィン部17の長手方向が90度異なるよ
うに互い違いにスペーサを介して積層すれば、ピンフィ
ン部を3次元マトリックス状に構成することができる。
また、薄板15にスリット16を形成する際に、スリッ
ト16の方向を薄板15毎に異ならせ、ピンフィン部1
7の長手方向をそれぞれ異ならせた放熱用フィン要素1
2を積層すれば種々の積層体14を構成することができ
る。
7の分布を長手方向に異ならせた放熱用フィン要素12
eを組込んでもよいし、図19に示すようにピンフィン
部17の幅を長手方向(スリットの並設される方向に沿
う方向)に異ならせた放熱用フィン要素12fを組込ん
でもよいし、さらに図20に示すようにピンフィン部1
7aおよびスリット16aの幅を軸方向に異ならせた放
熱用フィン要素12gを組込んでもよい。また、図21
に示すように、ピンフィン部17bの幅を軸方向にたと
えば周期的(あるいはランダム)に変化させた放熱用フ
ィン要素12hを組込むようにしてもよい。これら図1
8乃至図20に示したものは、スリット16の幅を変化
させることで、その構成を達成しているが、これはスペ
ーサ13あるいは薄板15の厚みを同様に変えることに
よっても実現できる。また、図21に示すように、ピン
フィン部の幅等を変化させる場合、エッチングを複数回
実施することによって種々の形状を実現することができ
る。たとえば、ピンフィン部の角をエッチングして円柱
状に形成したり、柱状のピンフィン部の一部に板状のフ
ィン部を突出させた形状にすることもできる。
は、図22(a) に示すように、冷却用流体の流れ方向4
6を基準にして上流側に位置する放熱用フィン要素12
のピンフィン部17に対して下流側に位置する放熱用フ
ィン要素12のピンフィン部17が完全に重ならないよ
うに、上流側のピンフィン部17と下流側のピンフィン
部17とを丁度1/2ピッチずらして千鳥配列が形成さ
れるように接合したり、同図(b) に示すように上流側の
ピンフィン部17に対して下流側のピンフィン部17が
少しずつずれる階段状配列が形成されるように接合して
もよい。このように構成すると、下流側に位置するピン
フィン部にも冷却用流体を衝突させることができるの
で、冷却性能(放熱性能)を向上させることができる。
なお、同様の効果は、図17に類似した構成として先に
説明したピンフィン部の方向を異ならせる構成を採用す
ることによっても達成できる。
熱器11を空調機(エアコン等)の熱交換器として利用
する場合の組込み例が示されている。すなわち、この場
合には、接合治具47内に放熱器11と空調機の配管4
8とを交互に配置し、両者の接触部を半田等で接合す
る。接合後、接合治具47を取り外すことにより、図2
4に示すように流体(冷媒)49の流路となる配管48
と放熱器11とが一体的に接合されて複数段重ねられた
空調機の熱交換器50を得ることができる。図25には
図1に示すように構成された放熱器11とダクト51と
使って集積回路パッケージ52を冷却するようにした放
熱装置53が示されている。
ケージ52を搭載した回路基板(支持板)54で構成さ
れている。そして、放熱器11は、ダクト51内に発熱
源である集積回路パッケージ52に対して熱的接触状態
に、かつ内部にダクト51内を通流する冷却用流体55
のほぼ全部を通流させる関係に配置されている。
冷却用流体55を確実に通流させることができるので、
放熱器11のピンフィン部の数を多くして集積回路パッ
ケージ52を良好に冷却することができる。なお、上述
した例では、放熱器11の一側面だけを集積回路パッケ
ージ52に熱的に接触させているが、図26に示すよう
に、放熱器11の対向する両面をそれぞれ集積回路パッ
ケージ52に熱的に接触させるようにしてもよい。な
お、上記例では回路基板をダクト壁として利用している
が、集積回路パッケージ52をダクト外に配置し、放熱
器11のみがダクト内に配置されるように新たにダクト
を別に形成してもよい。
いる積層体14を角柱状に形成しているが、図27に示
すように、冷却用流体56の流れ方向を基準にして、下
流側の厚みが薄くなる断面形状に積層体14aを構成し
てもよい。このように構成すると、積層体14a内を通
流する冷却用流体56の流速が下流側程速くなるので、
流れ方向に沿ってほぼ一様な放熱特性を発揮させること
ができる。
いる積層体の外面を平坦あるいは傾斜面に形成している
が、図28に示すように、積層体14bの外面に凹凸5
7を設けるとともに発熱体を搭載した伝熱板58にも凹
凸59を設け、これら凹凸57,59を嵌合させること
によって積層体14bの装着時の位置合わせを容易化で
きるようにしてもよい。
の中央部に伝熱板等への取付けに供されるボルトを挿入
するための貫通孔60を設けるようにしてもよい。この
貫通孔60の設け方は、図29を参照しながら説明する
と以下の通りである。すなわち、貫通孔60に対応する
部分は、薄板15とスペーサ13とを2分割し(図中紙
面に対して前方と後方とに分割)、貫通孔60に対応す
る部分には上記構成要素が存在しないように薄板15と
スペーサ13の大きさを設定することで積層後に必然的
に貫通孔60を形成することができる。この貫通孔60
はボルトで積層体14を取付けるためのものであるが、
伝熱板等への取付けはこれに限らず、銀ロウ、接着剤
(エポキシ樹脂等)によって行ってもよい。また、貫通
孔60を設けた場合でも、その積層体の上にねじ孔の形
成された板を別途積層してねじ止めしたり、ねじが突出
形成された板を取付け用に用いてもよい。
要素12間に、これらとは別体に形成されたスペーサを
介在させたり、放熱用フィン要素の一部に折曲部を形成
し、この折曲部をスペーサとして使用しているが、図3
0に示すように、熱伝導材で形成され、対向する2つの
面に放熱用フィン要素12の両縁部を嵌入させる一対の
溝61a,61bを複数対設けてなる支持体62を設
け、この支持体62の対をなす溝に放熱用フィン要素1
2を装着するとともに、これら放熱用フィン要素12を
接合材で支持体62に接合して積層体14dを構成する
ようにしてもよい。
熱伝導材で形成され、U字状の溝63を有した支持体6
4を設け、上記溝63内に対向する2辺に90度の折曲
部65を備えた放熱用フィン要素12iを上記折曲部6
5をスペーサとして積層し、これら放熱用フィン要素1
2iの各折曲部65を支持体64に接合材で接合するこ
とによって積層体14eを構成するようにしてもよい。
この場合、予め折曲部65を形成せずに、溝63内に、
この溝の幅よりも幅が広い放熱用フィン要素を挿入する
ことで、結果として折曲部を形成するようにしてもよ
い。
伝熱棒67を植設し、この伝熱棒67にスリーブ68を
装着する。そして、放熱用フィン要素12jに一方向へ
の折曲部69を有したボス孔70を設け、折曲部69を
スペーサとして各放熱用フィン要素12jのボス孔70
をスリーブ68に嵌合させ、伝熱棒67,スリーブ6
8、各折曲部69を一体に接合することによって積層体
14fを構成するようにしてもよい。なお、伝熱棒に限
らず、伝熱板に積層体を嵌合させるようにしてもよい。
また、このような伝熱棒や伝熱板のようなものを設ける
場合には、これら伝熱棒等から周囲に伝熱板を所定間隔
を有して複数積層するように突出させ、これら伝熱板の
間に本発明放熱器の積層体を挿入取付けすることもでき
る。この構成は、従来の多段円板状フィンのフィン間に
本発明を放熱器を挾持する構成に相当し、放熱表面積を
極めて大きくできる。
体71の封入されたヒートパイプ72の放熱筒部73の
外周に各放熱用フィン要素12jのボス孔70を嵌合さ
せるとともに各折曲部69を放熱筒部73に接合させる
ことによって積層体14gとヒートパイプ72とを組合
わせた構成にしてもよい。
成の積層体14と内部に作動流体74を封入した、いわ
ゆるヒートパイプ要素75とを接合材で接合した構成の
放熱器11aとしてもよい。さらに、図36に示すよう
に、積層体14h内の下部に作動流体76を封入した、
ヒートパイプ要素77を一体に設けた放熱器11bとし
てもよい。
ン要素12m同志の間隔を保持するためのスペーサとし
てヒートパイプ78を介在させた構成の積層体14iと
してもよい。このヒートパイプに代えて、図38に示す
ように、冷媒液案内用パイプ79を介在させた構成の積
層体14jにしてもよい。図39には上記のように構成
された積層体14jを有した放熱器11cを使って基板
80に搭載された集積回路パッケージ81を冷却してい
る図が示されている。すなわち、集積回路パッケージ8
1に接触するように冷媒液流路82を設け、この冷媒液
流路82の両端をマニホールド83,84を介して積層
体14jの冷媒液案内用パイプ79に接続して冷媒液の
循環路を構成し、この循環路にポンプ85で強制的に冷
媒液を循環させている。そして、図示しない送風機を使
って図中太矢印86で示すよう空気流を流し、この空気
流を積層体14j内に流すことによって熱を奪うように
している。なお、上述した例ではスペーサを兼用した冷
媒液案内用パイプ79内に冷媒液を通流させるようにし
ているが、図40および図41に示すように、放熱用フ
ィン要素12n内に冷媒液通路87を設け、この冷媒液
通路87に冷媒液を通流させるようにしてもよい。ま
た、頭38に示される例において、スペーサとして冷媒
液案内用パイプでないものを用い、別途このパイプを積
層体の上下面等に配置してもよい。この場合にはパイプ
を大型化して流量を多くすることもできる。
面板を取り除いた構造の積層体14mを有した放熱器1
1dとしてもよい。このように、積層体14mをいわゆ
る剣山状に構成することで、上面に向けて吹付けるよう
に冷却媒体を供給することができる。なお、図中88は
発熱体または伝熱板を示している。この構成の製造方法
としては、たとえば図1に示す積層体14の上面板部分
を切断するか、あるいは図3に示すような放熱用フィン
要素12の一方の縁部を予め形成せず(スリット16を
端部まで形成)、スペーサ13を片方の縁部だけに対応
させて設ければよい。
種々変形できることは勿論である。また、本発明に係る
放熱器の構造は、そのまま放熱器以外のものとしても利
用可能である。たとえば、ピンフィン部を白金等の触媒
で形成すれば、触媒そのものとして利用できるし、ピン
フィン部に触媒を付着(コーティング)させれば、触媒
担体としても利用できる。また、種々の濾過用のフィル
タや電波フィルタとしても利用できる。濾過用フィルタ
の場合には、積層体を接合してしまわずに、分解可能に
治具で接合しておけば、フィルタの分解清掃の容易化を
図ることができる。
抵抗が小さく、しかもバリエーシヨンに富んだ放熱器を
低コストで実現できる。
に見た図で、(b) は図1のB−B線に沿って切断し矢印
方向に見た図で、(c) は図1のC−C線に沿って切断し
矢印方向に見た図、
スペーサとを取出して示す斜視図、
図、
めの図、
図、
ための図、
ための図、
するための図、
を説明するための図、
変形例を説明するための図、
る変形例を説明するための図、
変形例を説明するための図、
を説明するための図、
斜視図、
めの斜視図、
するための斜視図、
ための斜視図、
明するための斜視図、
するための斜視図、
断面図、
例を説明するための斜視図、
面図、
断面図、
例を説明するための図、
例を説明するための図、
斜視図、
視図、
を示す斜視図、
付け部分を拡大して示す断面図、
て示す斜視図、
示す斜視図、
に切欠して示す斜視図、
局部的に切欠して示す斜視図、
ための斜視図、
面図、
し矢印方向に見た図で、(b) は図40におけるF−F線
に沿って切断し矢印方向に見た図、
上面図で、(b) は(a) におけるG−G線切断矢視図、
におけるX−X線に沿って切断し矢印方向に見た図、
側面図。
f,12g,12h,12i,12j,12k,12
m,12n,12p…放熱用フィン要素、 13,13a,13b,13c…スペーサ、 14,14a,14b,14c,14d,14e,14
f,14g,14h,14i,14j,14m…積層
体、 15…薄板、 16…スリット、 17…ピンフィン部、 22,26…位置決め用の孔、 23…放熱用フィン要素部品、 27…スペーサ要素部品、 28…位置決め用のピン、 29…積層体ブロック、 41,42,65,69…折曲部、 43…枠体、 44…金属細線、 51,51a…ダクト、 52…集積回路パッケージ、 60…ボルト装着用の貫通孔、 61a,61b…溝、 62,64…支持体、 72,78…ヒートパイプ、 75,77…ヒートパイプ要素、 79…冷媒液案内管、 87…冷媒液通路。
Claims (17)
- 【請求項1】放熱用フィン要素を互いの間に所定間隔を
隔てる手段を介して複数積層してなる積層体を具備して
なることを特徴とする放熱器。 - 【請求項2】前記各放熱用フィン要素は、熱伝導材で形
成された薄板にスリットを複数形成して構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の放熱器。 - 【請求項3】前記薄板の前記スリット間に残存している
部分は、実質的にピン状のフィンを構成していることを
特徴とする請求項2に記載の放熱器。 - 【請求項4】前記所定間隔を隔てる手段は、前記放熱用
フィン要素とは別体に熱伝導材で形成されたスペーサ要
素もしくは上記放熱用フィン要素の周縁部の少なくとも
一部分を折曲して形成された折曲部もしくは上記放熱用
フィン要素の周縁部の少なくとも一部分に予め突出形成
された段部で構成されていることを特徴とする請求項1
に記載の放熱器。 - 【請求項5】前記所定間隔を隔てる手段は、熱伝導材で
形成され、対向する2つの面に前記放熱用フィン要素の
両縁部を嵌入させる一対の溝を複数対設けてなる支持体
で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放
熱器。 - 【請求項6】前記各放熱用フィン要素は、熱伝導材で形
成された枠体と、この枠体の少なくとも対向する2つの
辺間に張設された実質的に複数の金属細線とで構成され
ていることを特徴とする請求項1に記載の放熱器。 - 【請求項7】前記各放熱用フィン要素と前記各所定間隔
を隔てる手段とをそれぞれ一体的に接合することで、こ
の接合部を伝熱板として上記放熱用フィン要素と一体的
に構成したことを特徴とする請求項1に記載の放熱器。 - 【請求項8】前記所定間隔を隔てる手段は、前記薄板に
複数並設されたスリットの並設方向に沿う上記薄板の縁
部に対応して配設されていることを特徴とする請求項2
に記載の放熱器。 - 【請求項9】熱伝導材で形成された薄板にスリットを複
数形成して構成された放熱用フィン要素を互いの間に所
定間隔を隔てる手段を介して複数積層してなる積層体
と、この積層体への熱輸送路を構成するヒートパイプと
を具備してなることを特徴とする放熱器。 - 【請求項10】熱伝導材で形成された薄板にスリットを
複数形成して構成された放熱用フィン要素を互いの間に
熱輸送流体案内用のパイプを介在させて複数積層してな
る積層体を具備してなることを特徴とする放熱器。 - 【請求項11】通風ダクトと、この通風ダクト内に発熱
源に対して熱的接触状態に、かつ内部に上記通風ダクト
内を通流する冷却用流体のほぼ全部を通流させる関係に
配置され、熱伝導材で形成された薄板にスリットを複数
設けて形成された放熱用フィン要素を互いの間に所定間
隔を隔てる手段を介して複数積層してなる積層体を備え
た放熱器とを具備してなることを特徴とする放熱装置。 - 【請求項12】前記通風ダクトは、一部または全部の壁
が前記発熱体を支持する支持体で構成されていることを
特徴とする請求項11に記載の放熱装置。 - 【請求項13】熱伝導材で形成された薄板に複数のスリ
ットを設けて放熱用フィン要素を形成する工程と、この
工程によって形成された複数の放熱用フィン要素をスペ
ーサ要素の存在下のもとに順次積層する工程と、しかる
後に外面または接触部を一体的に接合して積層体を得る
工程とを具備してなることを特徴とする放熱器の製造方
法。 - 【請求項14】前記放熱用フィン要素を形成する工程
は、前記薄板の周縁部の少なくとも一部に前記スペーサ
要素となり得る折曲げ部を形成する工程を含んでいるこ
とを特徴とする請求項13に記載の放熱器の製造方法。 - 【請求項15】熱伝導材で形成された第1の薄板に周縁
部を枠状に残して複数のスリットを設けて放熱用フィン
要素部品を形成する工程と、前記第1の薄板とほぼ同一
形状の第2の薄板に前記第1の薄板に残された枠状の部
分とほぼ同一形状の枠状の部分が残るように孔を設けて
スペーサ要素部品を形成する工程と、前記放熱用フィン
要素部品と前記スペーサ要素部品とを交互に積層する工
程と、しかる後に外面または接触部を一体的に接合して
積層体を得る工程とを具備してなることを特徴とする放
熱器の製造方法。 - 【請求項16】熱伝導材で形成された薄板に複数のスリ
ットを設けて放熱用フィン要素を形成する工程と、この
工程によって形成された複数の放熱用フィン要素を互い
の間にスペーサ要素としてのリボン状接合材または両面
に接合材層を有したリボンを介在させて積層する工程
と、しかる後に積層物を加熱して前記半田を溶融させて
一体的に接合された積層体を得る工程とを具備してなる
ことを特徴とする放熱器の製造方法。 - 【請求項17】熱伝導材で形成された薄板の少なくとも
一部にあらかじめ任意の厚みを有する接合材が取着され
た接合材付きクラッド板に複数のスリットを形成して放
熱用フィン要素を形成する工程と、この工程によって形
成された複数の放熱用フィン要素を積層する工程と、し
かる後に積層物を加熱して前記接合材を溶融させて一体
的に接合された積層体を得る工程とを具備してなること
を特徴とする放熱器の製造方法。
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