JPH0532211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】 この発明は、プリフオー
ムの射出成形からびんまたは容器などの成形品の
延伸吹込成形を連続して行うことができる、回転
式の射出延伸吹込成形機に関するものである。

【0002】

【従来の技術】 この種の成形機としては、特公
昭53−22096号公報に記載された成形機が一般に
知られている。この成形機は本発明者の開発によ
るもので、機台上の下部基盤とその上方の上部基
盤とを、周辺部にてタイロツドにより一体に連結
し、その２つの基盤の間にて、プリフオームの射
出成形、温調、延伸吹込成形、成形品の取外しな
どの各操作を順に行えるように構成されている。

【0003】 また上部基盤の上側に、射出コア及び
吹込コアの各装置や駆動装置などを取付け、保持
型兼用のネツク型を下側に有する回転盤を上部基
盤の下側面に設け、その回転盤をもつてネツク型
に射出成形したプリフオーム及び延伸吹込成形さ
れた成形品の移送を行うことができるように構成
している。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】 このような成
形機では、下部基盤と上部基盤とが固定状態にあ
るため、両基盤の間隔を成形品の高さ寸法に応じ
て変えることができず、その間隔に余裕を持たせ
ても、高さ寸法において成形制限を受け、汎用性
に欠けるばかりか、小型のびんなどを成形する際
には、射出及び吹込キヤビテイ型を一々嵩上げし
なければならない欠点があつた。

【0005】 また上部基盤側のネツク型に対し、射
出キヤビテイ型側を上下に移動して型開閉を行つ
ているため、射出装置を常時射出キヤビテイ型や
ホツトランナーブロツクにノズルタツチさせて置
くことができず、このため型開閉ごとのノズルタ
ツチ操作と、ノズルからの樹脂漏れ防止などの手
段を必要とする。

【0006】 更にまた、下方から上部基盤に射出キ
ヤビテイ型を押付けるようにして、ネツク型と射
出キヤビテイ型とを型締していることから、上部
基盤の中央部に型締力が集中して、上部基盤と共
に回転盤に撓みが生じ易いことと、型締ラムの上
端に射出キヤビテイ型を連結しているため、ノズ
ルタツチ時の側圧により、射出キヤビテイ型が型
閉じ時に横振れし易いことなどが原因で、プリフ
オームに偏肉が生じ易いなどの欠点をも有する。

【0007】 しかも回転盤による移送では、プリフ
オーム及び成形品は円軌跡を描くのに対して、下
部基盤の吹込キヤビテイ型はその円軌跡の接線と
平行に、かつまた半径方向に開閉自在に設けられ
ているので、成形品の直径より著しく大きく型開
きを行わないと、回転移送時に成形品が吹込キヤ
ビテイ型の端に当つて損傷する等の多くの課題を
有する。

【0008】 この発明は上記従来の課題を解決する
ために考えられたもので、その目的は成形品の高
さ寸法に応じて昇降盤と共に移送盤の高さを変え
ることができ、また射出キヤビテイ型を基盤上に
設置して射出ノズルを常時ノズルタツチさせるこ
とができ、更には型締力による昇降盤及び移送盤
の撓みを防止し得る新たな射出延伸吹込成形機を
提供することにある。

【0009】

【課題を解決するための手段】 上記目的による
この発明の特徴は、機台上に固定した基盤の上方
に、支持板を複数のタイロツドにより結合して設
け、その支持板と上記基盤との間のタイロツド
に、昇降盤及び昇降盤上部の型締板を上下動自在
に挿通し、その昇降盤の下側に該昇降盤の上側中
央に設けた駆動装置により120度間隔で間欠回転
する円形の移送盤を設け、その移送盤の下側面の
三方に半径方向に開閉自在な保持金型を取付け、
その保持金型の停止位置を射出操作部、延伸吹込
操作部、取出操作部として、基盤上に上記保持金
型と型閉する射出キヤビテイ型型及び吹込キヤビ
テイ型型とを設置し、その射出キヤビテイ型型の
上方の支持板に型締装置を上記型締板に型締ラム
を連結して設け、上記昇降盤と移送盤とに穿設し
た開口部より保持金型を貫通して上記射出キヤビ
テイ型型と型閉じする射出コアを上記型締板の下
側に取付け、上記基盤と昇降盤との間に、該昇降
盤を移送盤と共に上下動するシリンダとピストン
ロツドによる昇降装置を設けてなることにある。

【0010】

【作用】 上記構成よりなるこの発明では、昇降
装置のピストンロツドの縮小により、昇降盤が移
送盤と共に降下して射出キヤビテイ型と保持金型
とが型閉じし、反対にピストンロツドが伸長する
と、昇降盤が移送盤と共に上昇して元の位置に復
帰し、射出キヤビテイ型と保持金型とは型開きす
る。

【0011】 したがつて、プリフオームの射出成形
後に型締ラムを縮小しつつ昇降装置のピストンロ
ツドを伸長して、射出キヤビテイ型と射出コア及
び保持金型との型開を、昇降盤の復帰により行
い、その復帰位置を昇降装置により維持して、プ
リフオーム及び成形品の回動移送を移送盤により
行うことができる。

【0012】 また射出操作部における上方からの型
締力は基盤が受け、型締板と射出キヤビテイ型に
狭まれた状態にある昇降盤及び移送盤には、それ
自体が上下方向に対して自由状態にあることか
ら、型締力が中央部に集中して撓みが生ずるとい
うようなことがなく、撓みが原因とされるプリフ
オームの偏肉は生じない。

【0013】

【実施例】 図中１は機台で、上部に基盤２が固
定してある。この基盤２の上方には、支持板３が
周縁部の３個所をタイロツド４，４により基盤２
に結合して水平に位置している。

【0014】 また基盤２と支持板３との間には、昇
降盤５と型締盤６とが、縁部に穿設した耳片５
ａ，６ａを上記タイロツド４，４に摺動自在に挿
通して、水平にそして互いに昇降かつ接離自在に
設けてある。

【0015】 上記昇降盤５の下側面には、該昇降盤
５の上側中央部に固定した油圧または電動の駆動
装置７によつて、120度間隔で間欠回転する円形
の移送盤８が、円辺を部材９により抱持して、中
央部の軸１０により回転自在に取付けてある。

【0016】 上記移送盤８の下側面の三方には、半
径方向に開閉自在に取付けた一対の分割金型１１
によるネツク型兼用の保持金型１２があり、この
保持金型１２の停止位置を、図４に示すように、
それぞれ射出操作部Ａ、延伸吹込操作部Ｂ、取出
操作部Ｃとして使用できるようにしてある。

【0017】 射出操作部Ａに当たる基盤２上には、
射出キヤビテイ型１３が設置してある。この射出
キヤビテイ型１３は、ばね部材１４ａを介して基
盤上面にピン１４ｃにより止着した台座１４に載
置固定してある。

【0018】 また台座１４の内部には、ホツトラン
ナーブロツク１６が基盤２に固着して設けてあ
り、そのホツトランナーブロツク１６のスプルゲ
ートに射出装置１５が常時ノズルタツチしてい
る。

【0019】 上記ホツトランナーブロツク１６のノ
ズル１６ａの先端と、射出キヤビテイ型１３のキ
ヤビテイゲート１３ａとの間には、上記ばね部材
１４ａにより生じた台座底部と基盤上面との間〓
１４ｂと同程度のクリアランスがあり、上方から
の圧力によりばね部材１４ａが圧縮されて、台座
１４が基盤上面に底着したとき、ノズル１６ａの
先端がキヤビテイゲート１３ａにタツチするよう
にしてある。

【0020】 射出キヤビテイ型１３の上方の対応位
置には、油圧作動の型締装置１８が、シリンダ１
８ａを支持盤３に、型締ラム１９を型締盤６に連
結して設けてあり、その型締盤６の下側に昇降盤
５及び移送盤８に穿設した開口５ｂ，８ａより、
保持金型１２及び射出キヤビテイ型１３と型閉じ
する射出コア１７が下向きに取付けてある。

【0021】 上記延伸吹込成形部Ｂに当たる基盤２
上には、吹込キヤビテイ型２０が油圧作動の開閉
装置２１のピストンロツド２２に連結して、半径
方向に開閉自在に設置してある。

【0022】 また吹込キヤビテイ型２０の上方に
は、昇降盤５及び移送盤８に穿設した開口５ｂ，
８ａより、保持金型１２及び吹込キヤビテイ型２
０と型閉じする吹込コア２３が、型締盤６の下側
に止着して設けてある。

【0023】 更にまた型締盤６の上側には、該型締
盤６及び吹込コア２３を貫通して、上記吹込キヤ
ビテイ型２０の内部まで伸長するロツド２４の伸
縮装置２５が取付けてあり、エアにより作動する
ピストンロツド２６下端に上記伸長ロツド２４が
連結してある。

【0024】 上記取出操作部Ｃに当たる基盤２に
は、図５に示すように、成形品の導孔２７が穿設
してあり、その導孔２７と対応する上記型締盤６
の上側には取出装置２８が取付けてある。

【0025】 この取出装置２８は、エアにより作動
するピストンロツド２９の下端に、一対のクサビ
状の型開板３０を取付けたものからなり、該型開
板３０は型締盤６及び昇降盤５を貫通して、上記
保持金型１２の分割金型１１を半径方向に押し開
き、保持金型１２に口部が挟持された成形品を離
型する。

【0026】 ３１はエアまたは油圧作動の昇降装置
で、シリンダ３１ａを基盤２の盤面に佇設し、ピ
ストンロツド３１ｂを移送盤８の中央部の回動部
材７ａに連結して、基盤２と昇降盤５とにわたり
設けてある。

【0027】 この昇降装置３１による昇降盤５の上
昇位置は、ピストンロツド３１ｂの伸長長さによ
り制限されるが、その長さを加減して昇降盤５の
高さ位置を、成形品の高さ寸法に応じて任意に設
定することができ、その設定位置に移送盤８と共
に昇降盤５を維持して、移送盤８の回動によるプ
リフオーム４０及び成形品４１の移送を可能とす
る。

【0028】 なお、図示の例では、昇降装置３１を
中央部に設けているが、昇降盤５の周縁部に設け
てもよく、この場合には、複数の昇降装置をバラ
ンスよく配設することになる。

【0029】 上記実施例では、図２に示す型締状態
において、プリフオーム４０とびん状の成形品４
１の成形が完了し、次に型開きの工程に移行する
と、まず型締装置１８による型締力が除かれて、
型締ロツド１９が油圧により元に戻るようにな
る。

【0030】 また昇降装置３１ではピストンロツド
３１ｂが油圧などにより伸長作動して、昇降盤５
と共に移送盤８を上昇復帰する。これにより図２
に示すように、射出成形操作部Ａでは、射出コア
１７と保持金型１２及び射出キヤビテイ型１３の
型開きが行われ、プリフオーム４０は保持金型１
２にネツク部を保持されて射出キヤビテイ型１３
及び射出コア１７から離型する。

【0031】 上記型締力の解除に伴い射出キヤビテ
イ型側では、ばね部材１４ａの反発力により台座
１４がピン１４ｃによる制限位置まで基盤上面か
ら離れ、これによりホツトランナーブロツク１６
のノズル先端もキヤビテイゲート１３ａから離れ
て、ノズルタツチが解除される。

【0032】 延伸吹込操作部Ｂでは、吹込キヤビテ
イ型２０が型開され、更に吹込コア２３及び保持
金型１２の上方移動により、成形品４１の離型が
行われる。

【0033】 図１に示すように、型開が完了する
と、昇降装置３１により昇降盤５をその設定高さ
位置に維持した状態において、上記駆動装置７に
より移送盤８が120度回動する。そしてプリフオ
ーム４０は延伸吹込操作部Ｂに、成形品４１は取
出操作部Ｃへと移送される。

【0034】 停止後、昇降装置３１ではピストンロ
ツド３１ｂの縮小作動に切換わり、また型締装置
１８では型締作動に切換わつて、上記型締盤６と
昇降盤６及び移送盤８とが下降し、図１に示すよ
うに、射出操作部Ａでは射出キヤビテイ型１３、
保持金型１２、射出コア１７の型閉が行われる。

【0035】 延伸吹込操作部Ｂでは、図では省略し
たが、まず型開状態にある吹込金型２０の中央部
にプリフオームが位置し、その状態で吹込金型２
０が開閉装置２１により型閉されて、保持金型１
２及び吹込コア２３の型閉が行われる。

【0036】 更に型締装置１８により型締力を加え
て射出操作部ではプリフオーム４０の射出成形が
行われ、また延伸吹込操作部Ｂではびん状の成形
品４１の延伸吹込成形が行われる。取出操作部Ｃ
では、図５に示すように、取出装置２９が作動し
て、型開板３０を保持金型１２のパーテングライ
ンに押込んで、分割金型１１を半径方向に押し開
き、成形品４１を保持金型１２から離す。

【0037】 各操作部におけるける成形及び取出が
完了すると、工程は再び型開に切換わつて、昇降
盤５と型締ラム１９とが元の位置に戻される。

【0038】 このようなことから、プリフオーム４
０の射出成形からびん状成形品４１の延伸吹込成
形及び取出に至る工程が、昇降盤５及び移送盤８
の昇降動作と、移送盤５の120度ごとの間欠回転
とによつて、連続的に行われる。

【0039】

【発明の効果】 この発明は上述のように、基盤
と該基盤上方の支持板との間のタイロツドに、昇
降盤及び型締板を上下動自在に挿通し、その昇降
盤の下側に120度間隔で間欠回転し、かつ下側面
の三方に保持金型を有する円形の移送盤を設け、
その保持金型の停止位置を射出操作部、延伸吹込
操作部、取出操作部として、基盤上に上記保持金
型と型閉する射出キヤビテイ型及び吹込キヤビテ
イ型とを設置し、その射出キヤビテイ型の上方の
支持板に型締装置を上記型締板に型締ラムを連結
して設け、上記昇降盤と移送盤とに穿設した開口
部より保持金型を貫通して上記射出キヤビテイ型
と型閉じする射出コアを上記型締板の下側に取付
け、上記基盤と昇降盤との間に、該昇降盤を移送
盤と共に上下動するシリンダとピストンロツドに
よる昇降装置を設けてなることから、下記効果を
奏する。

【0040】 昇降盤に設けた移送盤は上下方向に対して自
由な状態にあるから、昇降装置のピストンロツド
の伸長範囲であれば、その高さ位置を昇降盤と共
に変更でき、成形品の高さ寸法に合わせることが
可能であるので、成形品の高さ寸法において成形
制限を受けず、小型のびんなどを成形する際に
も、射出及び吹込キヤビテイ型を一々嵩上げする
必要がない。

【0041】 射出キヤビテイ型を基盤上面に設置し、移送
盤側を上下動して型開閉が行われるので、射出装
置を常時射出キヤビテイ型やホツトランナーブロ
ツクなどにノズルタツチさせて置くことができ、
これまで行つていた型開閉ごとのノズルタツチ操
作が不要となり、また射出装置からの樹脂漏れも
なくなる。

【0042】 基盤上面に設置した射出キヤビテイ型に対し
型締が行なわれるので、型締装置を上下２箇所に
設ける必要がない。また射出キヤビテイ型と型締
盤との間に移送盤が昇降盤と共に挟まれた状態で
介在しても、上下方向には拘束されていないの
で、型締力により撓むということがなく、したが
つて撓みが原因となるプリフオームの偏肉が生じ
ない。

【0043】 昇降装置により昇降盤を上昇復帰させ、射出
及びキヤビテイ型から抜き出したプリフオーム及
び成形品を金型上部にて次の操作部に回転移送す
るので、基盤上面に金型があつても移送の障害と
ならず、また吹込キヤビテイ型の型開寸法も、こ
れまでのように成形品の直径より著しく大きく取
る必要がない。

【0044】 移送盤の下側面の三方に保持金型を配設した
ので、保持金型の設置面積が四方に保持金型を配
設した場合に比べて広くなり、保持金型を横長に
構成して成形品の取数を増すことができることか
ら、従来の成形機よりも量産性を有する。

【0045】 保持金型の数と型締装置の数が減ることか
ら、それに関連した各種装置も不要となり、成形
機全体が簡素化されることになるので、従来の成
形機に比べて保守管理が行き届き、またコストも
低減するなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る射出延伸吹込成形機の
型閉時における射出操作部から延伸吹込操作部に
わたる縦断側面図である。

【図２】 同じく型開時における射出操作部から
延伸吹込操作部にわたる縦断側面図である。

【図３】 同じく型開途中の射出操作部の縦断正
面図である。

【図４】 型締板より上部を切除した平面図であ
る。

【図５】 離型操作部の縦断側面図である。

【符号の説明】

１……機台 ２……基盤 ３……支持板 ４……タイロツド ５……昇降盤 ６……型締盤 ７……駆動装置 ８……移送盤 １２……保持金型 １３……射出キヤビテイ型 １７……射出コア １８……型締装置 １９……型締ロツド ２０……吹込キヤビテイ型 ２３……吹込コア ２４……伸長ロツド ２５……伸縮装置 ２８……取出装置 ３０……型開板 ３１……昇降装置 ３１ａ……シリンダ ３１ｂ……ピストンロツ
ド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 機台上に固定した基盤の上方に、支持板を複数
   のタイロツドにより結合して設け、その支持板と
   上記基盤との間のタイロツドに、昇降盤及び昇降
   盤上部の型締板を上下動自在に挿通し、その昇降
   盤の下側に該昇降盤の上側中央に設けた駆動装置
   により120度間隔で間欠回転する円形の移送盤を
   設け、その移送盤の下側面の三方に半径方向に開
   閉自在な保持金型を取付け、その保持金型の停止
   位置を射出操作部、延伸吹込操作部、取出操作部
   として、基盤上に上記保持金型と型閉する射出キ
   ヤビテイ型及び吹込キヤビテイ型とを設置し、そ
   の射出キヤビテイ型の上方の支持板に型締装置を
   上記型締板に型締ラムを連結して設け、上記昇降
   盤と移送盤とに穿設した開口部より保持金型を貫
   通して上記射出キヤビテイ型と型閉じする射出コ
   アを上記型締板の下側に取付け、上記基盤と昇降
   盤との間に、該昇降盤を移送盤と共に上下動する
   シリンダとピストンロツドによる昇降装置を設け
   てなることを特徴とする射出延伸吹込成形機。