JPH0532170A - 可変容量型ベーンポンプ装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ装置

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JPH0532170A
JPH0532170A JP3209826A JP20982691A JPH0532170A JP H0532170 A JPH0532170 A JP H0532170A JP 3209826 A JP3209826 A JP 3209826A JP 20982691 A JP20982691 A JP 20982691A JP H0532170 A JPH0532170 A JP H0532170A
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JP
Japan
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discharge
chamber
suction
pressure
vane
Prior art date
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Pending
Application number
JP3209826A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Inaguma
義治 稲熊
Toshiya Katou
豪哉 加藤
Seiji Kawakami
清治 河上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyoda Koki KK filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP3209826A priority Critical patent/JPH0532170A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切換弁にて、ポンプ吐出容量を低出力状態か
ら高出力状態に切換える際に、起こりがちな作動油(吐
出油)の逆流現象を防止する。 【構成】 切換弁1に連なる側の特定の吐出ポート(第
2吐出ポート)31’の圧力室27への開口部位置に、
ボールとスプリングとからなり、第2吐出ポート31’
から圧力室27への吐出油の流通のみを許容する逆止弁
32を設ける。 【効果】 低出力状態において、特定の吸入ポート4
1’と特定の吐出ポート31’とはベーンの飛び出し力
の不足により連通状態になる場合があるが、低出力状態
から高出力状態に切換わる際に、逆止弁32の作用によ
り作動油の逆流現象は防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可変容量型ベーンポンプ
に関するものであり、特に、自動車用動力舵取装置に作
動流体を供給するのに適した油圧ポンプ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車用動力舵取装置に用いられる油圧
ポンプ装置においては、低速走行時(一般にエンジン回
転速度が低い時)においても、十分な操舵力補助が行え
るようにポンプの吐出量が設定されている。従ってこの
ような油圧ポンプにおいてはエンジン回転速度(エンジ
ン回転数)の上昇に応じて、エンジン回転数に比例した
流量の作動油が吐出されることとなる。このことは本
来、操舵力補助をほとんど必要としない高速走行時(一
般にエンジン回転速度が高い時)において、作動油の流
量が過剰となる。このような現象に対処するため、ポン
プから吐出される作動油(吐出油)のうちの一部を、動
力舵取装置のパワーアシスト部には送らず、油圧ポンプ
側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロー
ルバルブ)方式が広く用いられている。
【0003】しかしながら、この流量制御弁方式におい
ては、油圧ポンプから吐出された高圧の吐出油が、流量
制御弁に導かれ、そこからバイパス路へ放出されて、そ
の後ポンプ吸入ポート側に還流されてくるものであるた
め、エンジンの高速回転時においては、エンジン回転数
に応じたエネルギー消費をしていることとなる。すなわ
ち流量制御弁によるバイパス還流方式では、車両走行時
の大部分を占める操舵力補助のほとんど必要とされない
時に、バイパス還流によるエネルギーロス(損失)を行
っていることとなり、これに伴い車両燃費の悪化をまね
くという問題点がある。そこで、このような操舵力補助
を必要としない時におけるエネルギー損失を低減化する
ための手段として、例えば特開昭60−256579号
公報記載のような切換弁を用いた方式のものが従来から
採用されている。
【0004】このものは、図5に示す如く、ロータ6、
ベーン、カムリング5、サイドプレート3、4、ハウジ
ング2等からなるベーンポンプにおいて、スプール1
1、スプリング15等からなる切換弁1が付け加えられ
た構成からなるものである。また、この切換弁1には吸
入口18、吐出口19が設けられており、この吸入口1
8からポンプ作動油が吸入され、切換弁吸入室16等を
経てポンプ吸入ポート41、41’に吸入されるように
なっている。また、上記吐出口19は動力舵取装置のパ
ワーアシスト部に連なっているとともに、切換弁圧力室
14を経由してポンプ圧力室27にも連なっており、ベ
ーンポンプからの吐出油を上記パワーアシスト部に送る
役目を担っている。
【0005】このような構成において、パワーアシスト
部が操舵力補助を行っていない状態にあっては、上記パ
ワーアシスト部の負荷圧も低いため、上記吐出口19か
ら上記切換弁圧力室14に伝播される圧力も低い値にな
っている。従って切換弁1内における切換弁圧力室14
と切換弁吸入室16との圧力差は小さく、スプール11
は、スプリング15の作用により図示のような左方に置
かれた状態となる。その結果、ベーンポンプの第2吸入
ポート41’は、上記吸入口18とはスプール11によ
って遮断されて、作動油が吸入されない状態となるが、
そのかわり、ベーンポンプの圧力室27とは切換弁1を
介して連通状態となる。その結果、第2吸入ポート4
1’と第2吐出ポート31’との間では吐出油がそのま
ま循環することとなり、ポンプ作用は行われない。従っ
て、ポンプ吐出流量は増大せず、またポンプ作用による
エネルギー消費も低減化されることとなる。
【0006】次に、パワーアシスト部が操舵力補助を開
始すると、上記パワーアシスト部の負荷圧が上昇する。
これによってこのパワーアシスト部に連なっている切換
弁圧力室14の圧力が上昇し、スプール11はスプリン
グ15のばね力に抗して右方に押され、二点鎖線図示の
位置へと移動する。その結果、ベーンポンプ圧力室27
とベーンポンプの第2吸入ポート41’との連通状態は
遮断されるとともに、上記第2吸入ポート41’へは、
上記吸入路18から新たな作動油が吸入されることとな
る。従って、第2吸入ポート41’と第2吐出ポート3
1’との間に形成されるポンプ室もポンプ作用を開始す
ることとなり、これによって吐出油の増量化が図られる
こととなる。以上のように、切換弁1を設けることによ
り、パワーアシスト部が操舵力補助用の作動油を少量し
か必要としない場合には、ベーンポンプの一部に作動油
を単に循環させるだけで、ポンプ機能を発揮させずに停
止させ、これによって、エネルギーロスを少なくする一
方、アイドリング時等の低回転数時に操舵力補助が開始
されて大量に作動油を必要とするときには、上記停止さ
せていたポンプ機能を復活させることによって十分なパ
ワーアシストを行わせようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記切換弁
方式によるポンプ吐出容量の増減を行うペーンポンプ装
置においては、上記低出力状態(低負荷圧状態)から高
出力状態(高負荷圧状態)に切換わる際に、高負荷圧の
作動油(吐出油)が圧力室から特定の吐出ポートよりポ
ンプ室に逆流し、特定の吸入ポート、吸入路等を経由し
てリザーブタンク側まで逆流してしまうという現象が起
きる場合がある。
【0008】すなわち、図3に示すように、ベーンポン
プ装置においては、ロータ6にはベーン7が収納される
スリットが設けられており、このスリットの底部には、
側面に位置するサイドプレート3に設けられた背圧溝3
3より供給される作動油(吐出油)が滞留するスリット
底部61が設けられている。このスリット底部61に滞
留する作動油の圧力によって、ベーン7は図4に示す如
く、カムリング5側に押し付けられ、上記ロータ6、ベ
ーン7、カムリング5等によってポンプ室56が形成さ
れることとなる。ところが、上記低負荷圧時にあって
は、特定のポンプ室には吐出油が循環するようになって
いるため、上記スリット底部61と上記ポンプ室56と
に導入される作動油の圧力はいずれも吐出圧であって、
上記両者間には圧力差がほとんど生じないこととなる。
更に、ポンプの回転速度が低い状態にあっては、遠心力
による上記ベーン7の上記カムリング5側への突出力が
小さく、ベーン7とスリットとの間の油の粘性抵抗に影
響されて、上記ベーン7の先端部とカムリング5の内周
面との間のシール性が低下する場合がある。その場合
は、上記シール部分は図4の二点鎖線図示の如く、隙間
を生じ、特定のポンプ室56においては、図3に示す如
く、特定の吐出ポート(第2吐出ポート)31’と特定
の吸入ポート(第2吸入ポート)41’とが連通状態と
なる。
【0009】このような状況下において、低負荷圧状態
から高負荷圧状態に切換わると、圧力室27の負荷圧が
高くなっているので特定の吐出ポート(第2吐出ポー
ト)31’からは、作動油が逆流することとなる。その
結果、圧力室27に滞留する高圧の作動油は、特定の吐
出ポート(第2吐出ポート)31’より特定のポンプ室
56内に逆流し、特定の吸入ポート(第2吸入ポート)
41’等を経て、リザーブタンク側へと逆流することと
なる。そのため、大量の作動油を必要としているパワー
アシスト部へは作動油が供給されず、ベーンポンプ装置
の出力が上がらないという問題が生ずる。このような問
題点を解消した可変容量型ベーンポンプ装置を提供しよ
うとするのが本発明の課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、ハウジング内に収納されて回転
駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運
動をするベーン、当該ベーンの外側にあって上記ロー
タ、ベーン等と共にポンプ室を形成するカムリング、上
記ロータ、ベーン、カムリングの側面にあってポンプ室
形成に寄与するサイドプレート、当該サイドプレートに
設けられた複数組の吸入ポート及び吐出ポート等からな
るベーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室か
ら送出される吐出油(作動油)の吐出流量が所定値以上
になった場合、その余剰の吐出油を上記吸入ポートに連
なるバイパス路にバイパス還流させる流量制御弁とから
なる油圧ポンプ装置であって、上記吸入ポート側に設け
られた吸入室に連なる吸入側通路、上記圧力室に連なる
吐出側通路、上記吸入ポートの一部に連なる連通路を有
し、更に、これら通路に連通するシリンダ室を有する切
換弁ハウジング、当該切換弁ハウジング内に収納された
スプール、スプリング等からなる切換弁を備えてなる可
変容量型ベーンポンプ装置において、上記複数組の吸入
ポート及び吐出ポートからなるもののうちの上記切換弁
に連通する特定の吸入ポートと対をなす側のいわゆる特
定の吐出ポートの上記圧力室側への出口の部分に吐出ポ
ートから圧力室への流通のみを許容する逆止弁を設ける
構成を採ることとした。
【0011】
【作用】上記構成を採ることにより、本発明において
は、ベーンポンプが作動を開始すると、例えば図2にお
いて、吸入路8から吸引された作動油は、吸入室28へ
と導かれ、この吸入室28に導かれた作動油のうちの一
部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧
されて第1吐出ポート31より圧力室27に吐出され
る。その後、オリフィス26aの前後に生じる圧力差で
作動する流量制御弁26によって流量制御を受けて動力
舵取装置のパワーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0012】ところで上記パワーアシスト部が操舵力補
助(パワーアシスト)を行っていない状態にあっては、
上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあ
り、従って圧力室27の圧力も低い状態におかれる。そ
の結果、切換弁1において、圧力導入路25からの導入
圧力も低いため切換弁圧力室14と切換弁吸入室16と
の間の圧力差は小さい。従って、スプール11はスプリ
ング15のばね力の作用によって左方に押され、図2の
実線図示の状態に置かれる。その結果、圧力室27に連
なる吐出側通路24と上記連通路23とは連通状態とな
り、圧力室27に滞留する吐出油の一部が第2吸入ポー
ト41’に導入され、第2吸入ポート41’と第2吐出
ポート31’とは吐出油が循環することとなる。
【0013】これに対して、上記パワーアシスト部が操
舵力補助を開始すると、負荷圧が上昇し、上記圧力室2
7の圧力が上昇する。その結果、切換弁圧力室14に
は、上記負荷圧に相当する大きな圧力が付加される。こ
れによって、上記スプール11は、スプリング15のば
ね力に抗して右方に移動し、二点鎖線図示の位置に来
る。その結果、上記吸入室28に連なる吸入側通路22
と上記連通路23とが連通状態となり、第2吸入ポート
41’にも作動油が導入されることとなり、上記停止し
ていたポンプ室もポンプ作用を開始し、第2吐出ポート
31’からも吐出油が吐出されることとなる。
【0014】これら一連の作動において、上記パワーア
シスト部の負荷圧が低圧から高圧に切換わる際、図2に
おける圧力室27の圧力も低圧から高圧に切換わる。こ
のとき、特定のポンプ室においては、図4に示す如く、
特に低速回転時では、ベーン7とカムリング5の内周面
とのシール性能が低下するため、リーク気味となる。そ
の結果、従来のものでは、図3に示すように、第2吐出
ポート31’側からは、圧力室27に滞留する高圧の作
動油(吐出油)が上記特定のポンプ室内に逆流すること
となるが、本発明においては、上記第2吐出ポート3
1’の先端部であって上記圧力室27に開口する位置
に、図2に示すような第2吐出ポート31’から圧力室
27への流通のみを許容する逆止弁32が設けられてい
るので、これの作用により逆流現象は防止される。
【0015】
【実施例】本発明にかかる実施例について図1を基に説
明する。本実施例の構成は、図1に示す如く、ロータ
6、ベーン7、カムリング5等からなるベーンポンプ
と、スプール11、スプリング15、等からなる切換弁
1とで構成される可変容量型ベーンポンプ装置であるこ
とを基本とするものである。このような基本構成におい
て、ベーンポンプは、従来から公知のものであり、ハウ
ジング2内に収納されて回転駆動されるロータ6、当該
ロータ6のスリット内にて摺動運動をするベーン7、当
該ベーン7の外側にあって上記ロータ6、ベーン7等と
ポンプ室を形成するカムリング5、上記ロータ6、ベー
ン7、カムリング5の側面にあってポンプ室形成に寄与
するサイドプレート3、4、当該サイドプレート3、4
に設けられた複数組の吸入ポート41、41’及び吐出
ポート31、31’等からなる油圧ポンプであることを
基本構成とし、これらに加えて、上記第2吸入ポート4
1’を上記サイドプレート3、4、及びカムリング5の
円周端付近に設けることとし、更に、上記各吐出ポート
31、31’に連なる圧力室27を有し、当該圧力室2
7に連なるようにオリフィス26a(図2)の前後に生
じる圧力差によって作動する流量制御弁26を有し、更
には、吸入路8と連通して、上記流量制御弁26から余
剰の作動油を吸入側にバイパス還流させるためのバイパ
ス路29を有し、当該バイパス路29の下流側には上記
吸入ポート41、41’に連なる吸入室28を有する構
成となっている。
【0016】また、切換弁1は、切換弁ハウジング12
内にシリンダ室13を有し、このシリンダ室13内にス
プール11、スプリング15を内蔵することを基本構成
とし、これらに加えて上記スプール11の一方の頭部側
には、上記圧力室27に圧力導入路25を介して連通す
る切換弁圧力室14が設けられており、他方の頭部側に
は上記吸入室28に圧力導入路21を介して連通する切
換弁吸入室16が設けられており、更には、上記吸入室
28に連なる吸入側通路22、上記圧力室27に連なる
吐出側通路24、及び上記吸入ポートのうちの一方であ
る第2吸入ポート41’に連なる連通路23が設けられ
ている構成となっている。更に、上記構成に加えて、上
記ベーンポンプのサイドプレート3に設けられた第2吐
出ポート31’の先端部であって、上記圧力室27への
開口部にボール及びスプリング等からなり、第2吐出ポ
ート31’から圧力室27への流通のみを許容する逆止
弁32が設けられている構成となっている。
【0017】上記構成を採る本実施例の作動状態につい
て説明する。ベーンポンプが作動を開始すると、例えば
図1において、吸入路8から吸引された作動油は、バイ
パス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室
28に導かれた作動油のうちの一部は第1吸入ポート4
1より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出ポート
31より圧力室27に吐出される。その後、オリフィス
26aの前後で生じる圧力差で作動する流量制御弁26
によって流量制御を受けて動力舵取装置のパワーアシス
ト部(図示せず)に送られる。
【0018】ところで上記パワーアシスト部が操舵力補
助(パワーアシスト)を行っていない状態にあっては、
上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあ
り、従って上記パワーアシスト部の負荷圧が伝播される
圧力室27の圧力も低い状態におかれる。その結果、圧
力導入路25からの導入圧力も低いため切換弁1内の切
換弁圧力室14内の圧力も低く、上記切換弁圧力室14
と切換弁吸入室16との間の圧力差は小さい。従って、
スプール11はスプリング15のばね力の作用によって
右方に押され、実線図示の状態に置かれる。その結果、
上記吸入室28に連なる吸入側通路22と第2吸入ポー
ト41’に連なる連通路23とは遮断される。そのかわ
り、圧力室27のオリフィス26aの上流側に連なる吐
出側通路24と上記連通路23とは連通状態となり、圧
力室27に滞留する吐出油の一部が第2吸入ポート4
1’に導入され、第2吸入ポート41’と第2吐出ポー
ト31’とは吐出油が循環することとなる(図1破線矢
印図示)。従って、パワーアシスト部が操舵力補助を行
なって居らず、負荷圧が低い状態にあるときは、一組の
吸入ポート41’と吐出ポート31’とからなるポンプ
室のポンプ機能は停止し、これによってポンプ作用によ
って生ずるエネルギー損失の低減化が図られることとな
る。
【0019】これに対して、上記パワーアシスト部が操
舵力補助を開始すると、負荷圧が上昇し、上記圧力室2
7の圧力が上昇する。その結果、切換弁圧力室14に
は、上記負荷圧に相当する圧力が付加される。これによ
って、上記スプール11は、スプリング15のばね力に
抗して左方に移動し、二点鎖線図示の位置に来る。その
結果、上記第2吸入ポート41’に連なる連通路23と
圧力室に連なる吐出側通路24との間は遮断されると同
時に、上記吸入室28に連なる吸入側通路22と上記連
通路23とが連通状態となり、第2吸入ポート41’に
も作動油が導入されることとなり、上記停止していたポ
ンプ室もポンプ作用を開始し、第2吐出ポート31’か
らも吐出油が吐出されることとなる(図1実線矢印図
示)。これによってベーンポンプの吐出容量は低回転数
時でも増加することとなり、アイドリング時におけるパ
ワーアシスト部の操舵力補助に寄与することとなる。
【0020】上記作動において、上記パワーアシスト部
の負荷圧が低圧から高圧に切換わる際、図1における圧
力室27の圧力も低圧から高圧に切換わる。これに伴っ
て、上記切換弁1もスプール11が左方に移動し、二点
鎖線図示の位置に移動し、その結果、第2吸入ポート4
1’と第2吐出ポート31’の間に構成される特定のポ
ンプ室からも作動油が吐出されることとなる。しかし低
負荷圧時では特定のポンプ室には吐出油が導入されてい
て、スリット底部との圧力差はほとんどなく、特定のポ
ンプ室の状態は、特にポンプ回転速度の低い状態では、
ベーン7のカムリング5側への遠心力による突出力が小
さく、ベーン7とベーン7を収納するスリット間の油の
粘性抵抗により、図4に示す如く、ベーン7とカムリン
グ5の内周面とのシール性能が低下するため、リーク気
味となる場合がある。その場合に切換弁1が作動して第
2吸入ポート41’と吸入室28とが連通状態になる
と、従来のものにおいては図3に示すように、第2吐出
ポート31’側からは、圧力室27に滞留する作動油
(吐出油)が上記特定のポンプ室内に逆流することとな
り、そこから、更に、高圧のオイルは吸入路8等を経て
図略のリザーブタンクまで遡ることとなる。しかしなが
ら、本発明においては、上記第2吐出ポート31’の先
端部であって上記圧力室27に開口する位置に、図1及
び図2に示すようなボールとスプリングとからなる逆止
弁32が設けられているので、この逆止弁32の作用に
より、上記従来のもののような圧力室27側から第2吐
出ポート31’への逆流現象は起こらない。
【0021】すなわち本発明のものにおいては、図4に
示すスリット底部61に高圧の吐出油が導入され、一
方、ポンプ室56には低圧の吸入作動油が導入されて、
上記ベーン7がカムリング5の内周面側へ十分に押付け
られることによって、上記特定のポンプ室からも十分に
昇圧された吐出油が吐出されるようになった時点におい
て、上記逆止弁32が開くこととなる。従って、上記特
定のポンプ室からの吐出油の圧力が不十分の状態におい
ては、上記逆止弁32は閉じられたままの状態にあるの
で、上記従来のものにおいて生じたような逆流現象は生
じないこととなり、結果的に、ポンプ装置における低出
力状態から高出力状態への切換動作は迅速に行われるこ
ととなる。
【0022】なお、本実施例においては、図1に示す如
く、ベーンポンプ本体と切換弁1とは別体のもので作製
し、これらを結合することによって可変容量型のベーン
ポンプ装置を形成することとしたが、本発明は必ずしも
このような別体型のものに限定されるものではない。但
し、本実施例のものの如く、別体型のものは、切換弁1
を有するタイプのものと切換弁1を有しないタイプのも
のとでベーンポンプ本体を共用化できるという利点があ
るため本実施例においては上記別体型のものを対象とし
て説明することとした。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、複数個の吸入ポート及
び吐出ポートを有するベーンポンプであって、動力舵取
装置パワーアシスト部の負荷圧が低い状態にあるとき
は、上記一部の吸入ポート及び吐出ポートを、吐出油が
循環するようにして、ポンプ機能を停止させ、上記負荷
圧が上昇したときには、上記停止していた部分のポンプ
機能を復活させるようにする切換弁を有する可変容量型
のベーンポンプ装置において、上記複数組の吸入ポート
及び吐出ポートからなるもののうちの、上記切換弁に連
通する特定の吸入ポートと対をなす特定の吐出ポートの
その先端部であって、上記圧力室への開口部に吐出ポー
トから圧力室への流通のみを許容する逆止弁を設けるこ
ととしたので、パワーアシスト部の負荷圧が低圧から高
圧に切換わり、上記停止していた特定のポンプ室のポン
プ機能を復活させようとする場合に、従来は、上記特定
の吐出ポートからの高圧の作動油(吐出油)が逆流する
場合があったが、上記逆止弁の働きによりこの現象を防
止することが可能となった。またこの逆流現象の防止効
果によりポンプ出力の切換え動作が正常になり、応答性
の良い操舵力補助(パワーアシスト)が行えるようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるベーンポンプ及び切換弁の構造
を示す縦断面図である。
【図2】本発明にかかるベーンポンプ及び切換弁の構成
を示すスケルトン構造図である。
【図3】ベーンポンプにおけるベーン、ロータ、カムリ
ング等によって形成されるポンプ室の構造を示す図であ
る。
【図4】ベーンポンプにおけるポンプ室の構成及びロー
タのスリット部に設けられたスリット底部の構造を示す
図である。
【図5】従来例における可変容量型ベーンポンプの構成
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 切換弁 11 スプール 12 切換弁ハウジング 13 シリンダ室 14 切換弁圧力室 15 スプリング 16 切換弁吸入室 2 ハウジング 21 圧力導入路 22 吸入側通路 23 連通路 24 吐出側通路 25 圧力導入路 26 流量制御弁 27 圧力室 28 吸入室 29 バイパス路 3 サイドプレート 31 第1吐出ポート 31’ 第2吐出ポート 32 逆止弁 33 背圧溝 4 サイドプレート 41 第1吸入ポート 41’ 第2吸入ポート 5 カムリング 56 ポンプ室 6 ロータ 61 スリット底部 7 ベーン 8 吸入路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河上 清治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ハウジング内に収納されて回転駆動され
    るロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運動をする
    ベーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン
    等と共にポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、
    ベーン、カムリングの側面にあってポンプ室形成に寄与
    するサイドプレート、当該サイドプレートに設けられた
    複数組の吸入ポート及び吐出ポート等からなるベーンポ
    ンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室より送出され
    る吐出油(作動油)の吐出流量が所定値以上になった場
    合、その余剰の吐出油を上記吸入ポートに連なるバイパ
    ス路にバイパス還流させる流量制御弁とからなる油圧ポ
    ンプ装置であって、上記吸入ポート側に設けられた吸入
    室に連なる吸入側通路、上記圧力室に連なる吐出側通
    路、上記吸入ポートのうちの特定のポートに連なる連通
    路を有し、更に、これら通路に連通するシリンダ室を有
    する切換弁ハウジング、当該切換弁ハウジング内に収納
    されたスプール、スプリング等からなる切換弁を備えて
    なる可変容量型ベーンポンプ装置において、上記複数組
    の吸入ポート及び吐出ポートからなるもののうちの上記
    切換弁に連通する特定の吸入ポートと対をなす側の吐出
    ポートの、上記圧力室側への開口部位置に吐出ポートか
    ら圧力室への流通のみを許容する逆止弁を備えてなるこ
    とを特徴とする可変容量型ベーンポンプ装置。
JP3209826A 1991-07-27 1991-07-27 可変容量型ベーンポンプ装置 Pending JPH0532170A (ja)

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