JPH05320436A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05320436A
JPH05320436A JP15860392A JP15860392A JPH05320436A JP H05320436 A JPH05320436 A JP H05320436A JP 15860392 A JP15860392 A JP 15860392A JP 15860392 A JP15860392 A JP 15860392A JP H05320436 A JPH05320436 A JP H05320436A
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JP
Japan
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resin
copolymer
weight
ethylene
pva
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Application number
JP15860392A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Watanabe
和幸 渡辺
Toshiyuki Iwashita
敏行 岩下
Osamu Miyaji
修 宮地
Katsuaki Tsutsumi
克明 堤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可塑剤のブリード、ガスバリアー性等を原因
となる可塑剤を配合せずに溶融時の均一混合性、溶融成
形性に優れ、ガスバリアー性および機械的性質に優れた
ポリビニルアルコール系樹脂組成物。 【構成】 (a)ポリビニルアルコール系樹脂20〜9
8重量%、(b)少なくともエチレンとアクリルアミド
誘導体及び/またはメタクリルアミド誘導体とからなる
共重合体2〜80重量%からなる溶融押出可能なポリビ
ニルアルコール系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融押出成形可能なガ
スバリア性、機械的強度に優れたポリビニルアルコール
系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系樹脂(以下、P
VAという。)は溶融温度と熱分解温度が極めて近い
為、溶融押出成形が不可能であった。また、PVA膜は
高湿度下では柔軟で強靭であるが、低湿度下では柔軟性
を失い脆く破れ易くなる問題があった。
【0003】この解決方法としてα−オレフィンと酢酸
ビニルを共重合し鹸化する方法が知られていた。
【0004】この代表的なものとしてはエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体樹脂(以下、EVOH樹脂とい
う。)が知られている。
【0005】EVOH樹脂は溶融押出成形が可能である
が、PVAよりも非常に高価であり、しかも低湿度の条
件下ではPVAよりもガスバリア性が劣り使用に際して
制限があった。
【0006】PVAは溶融押出成形が出来ないため、例
えばフィルムを得る方法として、「ポバール」;P−3
74ページ:高分子刊行会(1984年4月25日発
行)に開示されているように、PVAをグリコール類の
ような可塑剤を含む水に溶解し乾燥ドラムまたはベルト
の上にスリットを通じて流延するか、ロールコーターに
よって塗布し、ドラムまたは、ベルトで水分を乾燥しフ
ィルムを得るキャスティング法、あるいはPVAに可塑
剤と適当量の水を含浸させたペレットを作り、これを特
殊な溶解、混練、脱泡機構を持った押出機で押出成形す
る方法がある。例えばこの押出成形はBRITISH POLYMER
JOURNAL VOL.20 NO.4,P335(1988)に述べられている様
に、PVA溶液を二軸押出機で連続混練し、脱泡したの
ち水溶液を単軸押出機に導き、温度を均一化しながら加
圧計量し、ろ過したのちキャストダイから押出し成形す
る方法等の提案がある。
【0007】このようにPVAの成形は特殊な成形機を
必要とし、その上ゲル成分の除去の為のろ過工程や成膜
後水溶液の水分を乾燥する工程などを必要とし非常に煩
雑であった。
【0008】従って、通常の熱可塑性樹脂のように、樹
脂のペレットを直接溶融成形できることが望まれてい
た。
【0009】PVAを溶融成形可能にし脆弱化を防止す
る方法としては、例えばジプロピレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン等の可塑剤をPVAに添加し、融点、流動開始温度を
低下することにより溶融成形する方法が知られている。
この方法についてはR.K.Tubbs,J.Polymer.Sci,A3,4181
(1965) 、高分子化学第26巻P118(1969)等
に詳細に述べられている。
【0010】しかしこの方法によると、流動開始温度を
低下するのに有効であるものの、ガスバリア性を低下す
るとか、一般に成形品の強度が低下し、また高温下で水
分を吸収して軟化しやすく、一方低温下では硬くなり脆
化する傾向があり、その上長時間保存すると可塑剤が成
形物の表面にブリードするという問題などがあった。
【0011】またこれ以外にもEVOHの溶融成形性の
付与のために、例えばPVAにEVOH樹脂を混合し溶
融成形可能とする方法(特開昭49−33945号公
報)、炭素数が5〜30の長鎖α−オレフィン−酢酸ビ
ニル共重合体の鹸化物、いわゆる変性PVAとしポリオ
レフィン以外のポリマーと混合する方法(特開昭49−
117536号公報)、変性PVAにビスフェノール類
を混合する方法(特開昭50−123151号公報)、
PVAとポリオレフィン樹脂とを化学結合しポリオレフ
ィン樹脂を混合し溶融成形可能とする方法(特開昭60
−188488号公報)等が数多く提案されてきた。
【0012】また、ポリオレフィンとPVA及びアルコ
ール基を含む可塑剤の混合物からなるガスタイト材料
(特開平3−12437号公報)、ポリオレフィンとポ
リアリキレンオキシエステル含有PVA及び可塑剤から
なるガスシール材料(国際公開WO90/12061明
細書)、ポリオレフィンとポリアリキレンオキシエステ
ル含有PVA有PVA及びポリアミドからなる材料(国
際公開WO90/12062明細書)、ポリオレフィン
とポリアリキレンオキシエステル含有PVA及び非晶性
ポリアミドからなる材料(国際公開WO90/1206
3明細書)、シラン基含有ポリオレフィンとPVAを化
学的に結合した変性ポリオレフィン等も溶融成形性を与
える方法として良く知られている方法である。
【0013】しかし、これらの方法はいずれも溶融成形
性及び均一混合性ともにまだ十分とはいえず、EVOH
に比して大幅にガスバリア性も劣るものであった。また
機械的混合も充分とは言えない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術に
は、可塑剤の添加による可塑剤のブリード、樹脂のガス
バリア性の低下や溶融成形性の改善の不十分さ、混合し
た樹脂の溶融時の均一混合性の不備などがあった。
【0015】本発明は、溶融成形性に優れ、ガスバリア
性及び機械的強度に優れたPVA系樹脂組成物の開発を
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決すべくなされたものであり、(a)ポリビニルアルコ
ール系樹脂20〜98重量%及び(b)少なくともエチ
レンとアクリルアミド誘導体及び/またはメタクリルア
ミド誘導体とからなる共重合体:2〜80重量%からな
ることを特徴とする溶融押出成形可能なポリビニルアル
コール系樹脂組成物及び、(a)ポリビニルアルコール
系樹脂:少なくとも15重量%(b)少なくともエチレ
ンとアクリルアミド誘導体及び/またはメタクリルアミ
ド誘導体とからなる共重合体:2〜80重量%及び
(c)その他の熱可塑性樹脂:2〜80重量%からなる
ことを特徴とする溶融押出成形可能なポリビニルアルコ
ール系樹脂組成物を開発することにより上記目的を達成
した。
【0017】本発明においてポリビニルアルコール系樹
脂(PVA)とは、ポリ酢酸ビニルの部分もしくは完全
鹸化物または酢酸ビニルと炭素数4以上のオレフィン、
カルボン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アクリレ
ートエステル、アクリルアミドまたはその誘導体、不飽
和カルボン酸等のラジカル重合性モノマーとの共重合体
を部分的に、もしくは完全に鹸化したいわゆる変性ポリ
ビニルアルコール樹脂(変性PVA)をいう。
【0018】このPVAに含められる変性PVAとは、
更に詳述すれば以下に述べる共重合物(共重合成分は通
常5モル%以下である。)の部分または完全鹸化物をい
う。
【0019】例えば、酢酸ビニルと炭素数4〜18のオ
レフィンとの共重合物、酢酸ビニルとカルボン酸ビニル
(バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等)との
共重合物、酢酸ビニルとアルキルビニルエーテル(ラウ
リルビニルエーテル、メチルビニルエーテル等)との共
重合物、酢酸ビニルと(メタ)アクリレート(メチルメ
タアクリレート等)との共重合物、酢酸ビニルとアクリ
ルアミド(アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド等)との共重合体、酢酸ビニ
ルと不飽和カルボン酸またはこれらの無水物もしくはエ
ステル(アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマー
ル酸、イタコン酸等)との共重合物、酢酸ビニルとスル
ホン酸モノマー(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸
等)共重合体、酢酸ビニルとカチオン性モノマー(ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ビニルイミダゾー
ル、ビニルピリジン、ビニルサクシイミド等)との共重
合物、酢酸ビニルとその他のモノマー(ビニレンカーボ
ネート、アリルアルコール、アリルアセテート等)との
共重合物などの鹸化物である。
【0020】これらは通常良く知られた方法、すなわち
塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合で得られる
が、これらのうち塊状重合は重合時の粘度の上昇、重合
器へのポリマーの付着、重合熱の除去が困難などの問題
がある。乳化重合は乳化重合した液をそのまま接着剤及
び塗料などの原料として用いられるのが便利であり、P
VAの製造方法としてはあまり用いられない。一方、懸
濁重合は製造条件などの調節が難しいなどの問題点があ
る。
【0021】PVAの製造方法としては、以下に述べる
溶液重合が一般に好適に用いられる。溶液重合は酢酸モ
ノマーをメタノール、エタノール、酢酸メチルなどの溶
媒で希釈し、触媒を添加重合し重合熱を溶媒の蒸発熱で
除去する方法が取られている。
【0022】溶液重合は粘度が低いので撹拌が容易とな
り、重合熱除去も容易となる。これらの重合は通常、加
熱により分解する開始剤を使用する方法が用いられる。
【0023】その他、紫外線による重合、γ線などの放
射線による重合、Redox触媒による低温重合があ
る。しかし、これらの方法は未だ工業的規模では用いら
れていない。
【0024】加熱により分解する開始剤としては過酸化
ベンゾイル(BPO)アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)等が通常用いられている。
【0025】このように重合されたポリ酢酸ビニルまた
はその共重合体をアルカリ触媒や酸触媒を用い鹸化反応
によってPVAを得ることができる。
【0026】この様に得られるPVAの重合度は50以
上のものが良い。とりわけ、溶融流動性及び機械的強度
等を考慮すると重合度200ないし重合度2000のも
のが好ましい。
【0027】一方、ポリ酢酸ビニルまたは酢酸ビニル共
重合体中の酢酸ビニルの鹸化度については50モル%以
上が良く、ガスバリア性を考慮すると鹸化度70モル%
以上のものを用いるほうが好ましい。
【0028】本発明でいう、エチレンとアクリルアミド
誘導体及び/またはメタクリルアミド誘導体(以下アク
リルアミド誘導体等という。)とからなる共重合体の樹
脂については高分子論文集,Vol.35,No.1
2,pp.795(1978)、米国特許3,629,
209号公報、特公昭43−21655号公報、特公昭
44−19537号公報、特公昭43−23766号公
報、特公昭43−9063号公報または特開昭63−3
04010号公報等に記載されている通常の方法で得る
ことができる。
【0029】本発明において用いられるアクリルアミド
誘導体等とは、N−アルキルアクリルアミド、N,N−
ジアルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリル
アミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミド及びこ
れらの混合物である。
【0030】具体的にはN−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルア
ミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチ
ルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−
プロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリル
アミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−
ジエチルメタクリルアミド等があげられる。
【0031】好ましくはこれらのうち、N−エチルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t
−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロ
ピルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミ
ドが良い。
【0032】該共重合体のアクリルアミド誘導体等の含
有量は2〜50重量%であり、5〜45重量%の範囲が
好ましい。アクリルアミド誘導体等の含有量が2重量%
未満ではPVAとの相溶性に劣り、溶融成形性が損なわ
れ好ましくない。一方、50重量%以上では、共重合体
の柔軟性が次第に失われ、PVAに配合した時、得られ
る各種成形体は硬くて、脆くなる等、機械的特性が劣る
ことになる。
【0033】なお、上記共重合体はエチレン及び上記ア
クリルアミド誘導体等のほかに重合性第三成分のモノマ
ーを含むことも可能である。
【0034】該第三成分のモノマーとしてはエステル系
化合物、酸化合物、エーテル系化合物、炭化水素系化合
物等を挙げることができる。具体的に記せば、エステル
系化合物としてアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸ベンジル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノ
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、フ
マル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フ
マル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、
フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイ
ン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチルを例示
することができる。酸化合物としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸等を例示することがで
きる。
【0035】エーテル化合物としては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテル等を例示することができ
る。
【0036】炭化水素化合物としては、スチレン、ノル
ボルネン、ブタジエンが例示でき、その他のモノマーと
してアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレ
イン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニルシラ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を挙げることができ
る。
【0037】目的とする用途に応じて第三成分のモノマ
ーの一種ないしは二種以上を選定することができる。こ
れら第三成分のモノマーに由来する単位の重合体中にお
ける含量は多くとも40重量%である。該含量が40重
量%を越えるとPVAに溶融成形性を与える本来の特性
を損なうことになる。
【0038】本発明に係る少なくともエチレン、アクリ
ルアミド誘導体及び上記第三成分からなる共重合体が本
来の性質を示すためには、アクリルアミド誘導体等及び
第三成分のモノマー単位の総量が該共重合体中多くとも
50重量%であるのが好ましく、更に好ましくは該総量
が多くとも45重量%とすることである。
【0039】本発明で利用しうる上記第三成分のモノマ
ーは基本的には本発明のアクリルアミド誘導体等と反応
しないものが好ましいが、使用量を化学量論を考慮して
行えば、該アクリルアミド誘導体等と反応しうるモノマ
ーも使用しうる。
【0040】特に透明性を要求する用途に対しては、上
記共重合体の結晶性を低下させるために上記第三成分の
モノマーを少なくとも3重量%含有させるのが好まし
い。更に好ましくは少なくとも5重量%、特に好ましく
は少なくとも10重量%用いる。
【0041】また、工業材料用途等において耐油性が要
求される分野に使用する場合は、極性の高い第三成分の
モノマーを選定し共重合させることが好ましい。特に具
体的に好ましいモノマーを示せば、アクリロニトリル、
アクリル酸、アクリル酸エステル等を挙げることができ
る。
【0042】また、用途が食品包装の分野では衛生性と
共に低臭、低味が強く要求される。そのため、該分野で
は第三成分のモノマーはモノマーによる臭気および共重
合体中に残存する量に依存し、一概には限定できない
が、多くとも10重量%が好ましい。
【0043】少なくともエチレンとアクリルアミド誘導
体等からなる共重合体の製造に関しては、通常良く知ら
れている方法によって、得ることができる。
【0044】また、本発明にいうその他の熱可塑性樹脂
とは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレ
ンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合樹脂のポ
リオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をいう。
【0045】エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンの共重合樹脂とは、エチレン−ブテン−1共重合体、
エチレン−4メチルペンテン−1共重合体、エチレン−
ヘキセン−1共重合体、エチレン−プロピレンゴムなど
をブレンドした変性ポリプロピレン、変性ポリブテン、
変性4メチルペンテン−1、あるいは上述のポリオレフ
ィン系ポリマーに不飽和カルボン酸またはその無水物を
有機過酸化物の存在下にグラフトしたものである。さら
に上記エチレン、オレフィン類とともに他のラジカル重
合性モノマー(例えばメチルメタアクリレート、エチル
アクリレ−ト等)とともに共重合したものも対象として
含まれる。
【0046】これらのうち経済性を考慮すると、上記の
うちポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましい。
【0047】本発明の樹脂組成物の混合割合に関して
は、少なくともエチレンとアクリルアミド誘導体等とか
らなる共重合体を2〜80重量%の範囲で配合する必要
がある。
【0048】2重量%未満の配合では、PVAの溶融押
出成形性が発現せず好ましくない。一方、80重量%以
上配合すると、樹脂組成物のガスバリア性が劣り使用に
耐えない。
【0049】また、その他の熱可塑性樹脂を配合すると
きは、それのみをPVAと混合しても、均一に混合でき
ず得られたものは外観が悪く、機械的特性に劣るもので
ある。
【0050】従って、その他の熱可塑性樹脂とPVAと
混合する際は、少なくともエチレンとアクリルアミド誘
導体等とからなる共重合体を、必ず樹脂組成物に対して
2重量%〜80重量%の範囲で配合する必要がある。2
重量%以下ではPVAとその他の熱可塑性樹脂との相溶
性改善効果が乏しく、ガスバリア性が発現しない。80
重量%以上では、ガスバリア性が著しく悪化し、好まし
くない。好ましくは4〜70重量%の範囲で用いると良
い。
【0051】その他の熱可塑性樹脂の混合割合は使用す
る用途によって任意に選択することができる。得られる
樹脂組成物のガスバリア性を考慮すると、PVAと少な
くともエチレンとアクリルアミド誘導体等とからなる共
重合体及びその他の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物全
体中、PVAの割合が15重量%以上、好ましくは20
重量%以上になるよう配合する必要がある。
【0052】上記樹脂組成物の溶融指数(MFR, JI
S−K6758により荷重2.16Kg,温度230℃)
は特に制限されるものではなく、成形法によって選ばれ
るが、押出成形によっては0.1〜50の範囲が適当で
ある。
【0053】本発明の樹脂組成物は公知の溶融成形法及
び圧縮成形法によりフィルム、シート、チューブ、ボト
ルなどに成形できる。
【0054】例えば積層品を得る方法としてはウレタン
系、アクリル系等のドライラミ接着剤を用い、本発明の
樹脂組成物のフィルムにその他の熱可塑性樹脂フィルム
を積層するいわゆるドライラミ成形法やサンドラミネー
ション法によつて行なってもよいし、又は共押出ラミ、
共押出法(フィードブロック、マルチマニホールド法)
共射出成形法、共押出パイプ成形法及び本樹脂組成物を
溶媒に溶解しコーティングする溶液コート成形法等各種
の方法で行っても良い。
【0055】このようにして得られた多層積層体は、さ
らに真空成形機、圧縮成形機、延伸ブロー成形機等を用
い再加熱し、延伸操作を加える方法、あるいは前述の多
層積層体を一軸、あるいは二軸延伸機を用いて加熱延伸
操作を施すことができる。
【0056】本発明の樹脂組成物に積層する更に他の熱
可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィン
の共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフテレート樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
アミド樹脂等の熱可塑性樹脂がある。
【0057】ここでエチレンと炭素数が3〜12のα−
オレフィンの共重合体とは、エチレン−ブテン−1共重
合体、エチレン−4メチルペンテン−1共重合体、エチ
レン−ヘキセン−1共重合体、及びエチレン−プロピレ
ンゴムなどをブレンドした変性ポリプロピレン、変性ポ
リブテン、変性ポリ−4メチルペンテン、あるいは上述
のポリオレフィン系ポリマーに不飽和カルボン酸または
その無水物を有機過酸化物の存在下にグラフト重合、あ
るいは他のモノマー(例えばメチルメタアクリレート、
エチルアクリレート等)とともに共重合したものも対象
として含まれる。
【0058】多層積層体の層構成は本発明の樹脂組成物
をA層,接着樹脂層をB層,更に他の熱可塑性樹脂をC
層とするとA/B/C,C/B/A/B/C,C/B/
金属箔/A/B/C等が代表的なものとして挙げられ
る。この場合の両外層の熱可塑性樹脂は異なるものでも
良いし、同じ樹脂を用いても良い。
【0059】尚、接着樹脂層とは前述したウレタン系、
アクリル系、ポリエステル系等のいわゆるドライラミ接
着剤及び共押出成形法においては公知の接着性樹脂を利
用できる。
【0060】接着性樹脂としては、例えばポリオレフィ
ン樹脂に不飽和カルボン酸、酸無水物またはエステル単
量体をグラフトまたは共重合した樹脂がある。これらグ
ラフト方法はポリオレフィン樹脂を有機過酸化物と上記
成分を溶融混練しグラフト変性する方法、あるいは熱キ
シレンにポリオレフィン樹脂を溶解し有機過酸化物で上
記成分をグラフトする方法で得たものを挙げることがで
きる。
【0061】この場合の不飽和カルボン酸、酸無水物、
エステル単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、
メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジ−n−
ブチル、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、フ
マル酸無水物、イタコン酸、イタコン酸無水物、5−ノ
ルボルネン−2,3−無水物、シトラコン酸、シトラコ
ン酸無水物、クロトン酸、クロトン酸無水物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム等
を挙げることができる。また上記グラフト重合体につい
ては米国特許4026967号及び米国特許39536
55号、特開昭51−98784、特公昭44−154
23、特公昭49−4822等に詳細に記載されてい
る。
【0062】また本発明の樹脂組成物を得る為のブレン
ド方法に関しては、特に制限なく、リボンブレンダー、
高速ミキサー、ニーダー、ペレタイザー、ミキシングロ
ールなどを用いペレツト化し乾燥するのが好ましい。一
方、各成分を直接成形機に供給し成形加工しても良い。
【0063】本発明の樹脂組成物には熱可塑性樹脂に慣
用の他の添加剤を配合できる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤として2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、
2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−1’−ヒドロキシフェニル)プロピネート、
4,4’−チオビス−(6−ブチルフェノール)、紫外
線吸収剤としてはエチル−2−シアノ−3、3−ジフェ
ニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、可塑剤としてフタル酸ジ
メチル、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリエ
チレングリコール、ジエチレングリコールフタル酸ジエ
チル、ワックス、流動パラフィン、りん酸エステル、帯
電防止剤としてはトモノステアレート、ソルビタンモノ
パルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシ
ド、カーボワックス、滑剤としてエチレンビスステアロ
アミド、ブチルステアレート等、着色剤としてカーボン
ブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリ
ン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ等、充填剤とし
てグラスファイバー、アスベスト、マイカ、バラストナ
イト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カ
ルシウム等である。又、他の多くの高分子化合物も本発
明の作用効果が阻害されない程度にブレンドすることも
できる。
【0064】
【作用】ガスバリア性に優れたPVAは単独の重合体で
は溶融押出成形不能である。これに少なくともエチレン
とアクリルアミド等との共重合体2〜80重量%をブレ
ンドしたもの、あるいはさらにPVA15〜98重量%
に対して、少なくともエチレンとアクリルアミド誘導体
等からなる共重合体2〜80重量%を含むように配合
し、その他の熱可塑性樹脂とともに配合することにより
溶融押出成形が可能となり、しかもガスバリア性、機械
的強度に優れる樹脂組成物となる。原因は定かでない
が、結果的に見てエチレンとアクリルアミド誘導体等と
からなる共重合体がPVAとの混合あるいはPVAとそ
の他の熱可塑性樹脂との混合に際して、何らかの作用を
しているものと思われる。
【0065】
【実施例】以下、実施例をあげ本発明を更に詳しく説明
する。 (実施例1〜14、比較例1〜6)(エチレン−N,N
−ジメチルアクリルアミド共重合体樹脂の調製)内容量
2リッターの高圧反応釜を用い、重合温度190〜21
0℃、重合圧力1100〜1300気圧の条件で、以下
の共重合体を得た。 (A)エチレン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重
合体(N,N−ジメチルアクリルアミドの含有量=1
9.2重量%) (B)エチレン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重
合体(N,N−ジメチルアクリルアミド含有量=37重
量%) (C)エチレン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重
合体(N,N−ジメチルアクリルアミド含有量=11.
4重量%) (D)エチレン−メチルメタアクリレート−N,N−ジ
メチルアクリルアミド共重合体(メチルメタアクリレー
ト含有量=6.2重量%、N,Nジメチルアクリルアミ
ド含有量=9.1重量%) 尚、N,N−ジメチルアクリルアミドの含有量は赤外分
光器及び13C−NMRを用い測定した。
【0066】(PVAとエチレン−N,N−ジメチルア
クリルアミド共重合体樹脂及びその他の熱可塑性樹脂の
混合)神戸製鋼製KTX−37型同方向2軸ベント付き
押出機を使用し、温度220℃の条件で、上記で得たエ
チレン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体樹脂
とPVAとその他の熱可塑性樹脂とを混合し、表1に示
す樹脂組成物を得た。
【0067】《その他の熱可塑性樹脂》 (E)低密度ポリエチレン 密度0.923、温度190℃,荷重2.16Kg下で
のメルトインデックスが3.5(g/10min)の低
密度ポリエチレンである、昭和電工製ショウレックスL
130 (F)温度230℃,荷重2.16Kg下でのメルトイ
ンデックスが6.5(g/10min)のポリプロピレ
ンである、昭和電工製ショウアロマーFG461とを混
合し、表1に示す樹脂組成物を得た。
【0068】《混合用PVA》 (ア)鹸化度88%、重合度300 (イ)鹸化度99.3%、重合度500 (ウ)鹸化度88.5%、重合度2400 これらの樹脂組成物を温度60℃で1昼夜真空乾燥した
のち、吉井鉄工製キャストフィルム成形機を用い、温度
220℃で厚み30μmのフィルムを作成し、このフィ
ルムを用い、モダンコントロール社製OXTRAN−1
0/50Aを使用し、酸素透過量(単位:CC-/m2・day・a
tm)の測定を行った。尚、溶融成形時の成形性を併せて
観察した。この成形性の基準は以下の通りに行なった。
【0069】《成形性》 記号◎印:フィルムの穴開き、ゲル化等の発生がまった
くなく良好な膜状態。 記号○印:若干フィシュアイの発生がみられるものの、
良好な膜状態。 記号×印:溶融押出成形が全くできないかまたは穴開き
のある膜状態。 比較例4及び比較例5についてはフィルムの穴開きの無
い部分を選択し、酸素透過量の測定を実施した。これら
の結果を併せて表1に示す。
【0070】《機械的強度》東洋精機製作所製振子式フ
ィルムインパクトテスター(球径1インチ)を用い、フ
ィルム衝撃強度の測定を行った。これらの結果を表1に
併せて示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は溶融成形性、ガス
バリア性、機械的強度、等が極めて良好であり、食品包
装材料、医薬品包装材料、化粧品包装材料やあるいはガ
スバリア性を要求される容器として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 克明 大分県大分市大字中ノ洲2昭和電工株式会 社大分工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリビニルアルコール系樹脂20〜
    98重量%及び(b)少なくともエチレンとアクリルア
    ミド誘導体及び/またはメタクリルアミド誘導体とから
    なる共重合体:2〜80重量%からなることを特徴とす
    る溶融押出成形可能なポリビニルアルコール系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(a)ポリビニルアルコール系樹脂:少な
    くとも15重量%(b)少なくともエチレンとアクリル
    アミド誘導体及び/またはメタクリルアミド誘導体とか
    らなる共重合体:2〜80重量%及び(c)その他の熱
    可塑性樹脂:2〜80重量%からなることを特徴とする
    溶融押出成形可能なポリビニルアルコール系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 エチレンとアクリルアミド誘導体及び/
    またはメタクリルアミド誘導体からなる共重合体のアク
    リルアミド誘導体及び/またはメタクリルアミド誘導体
    の含有量が2〜50重量%である請求項1または2記載
    のポリビニルアルコール系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリルアミド誘導体がN−アルキル置
    換アクリルアミド誘導体及び/またはN,N−ジメチル
    アクリルアミドである請求項1または2記載のポリビニ
    ルアルコール系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 その他の熱可塑性樹脂がポリオレフィン
    系樹脂であることを特徴とする請求項2記載のポリビニ
    ルアルコール系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアルコール系樹脂が、ビニル
    アルコール単位と酢酸ビニルとからなる重合度50以上
    の共重合体であり、鹸化度が50モル%以上である請求
    項1または2記載のポリビニルアルコール系樹脂組成
    物。
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