JPH05308143A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JPH05308143A
JPH05308143A JP4250220A JP25022092A JPH05308143A JP H05308143 A JPH05308143 A JP H05308143A JP 4250220 A JP4250220 A JP 4250220A JP 25022092 A JP25022092 A JP 25022092A JP H05308143 A JPH05308143 A JP H05308143A
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淳 工藤
Masayoshi Koba
正義 木場
Hiroshi Imagawa
容 今川
Setsu Akiyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、可撓性基板として金属箔を
ラミネートした布帛を用い、その上に非晶質シリコン薄
膜を形成することにより、基板のカール変形を起こさせ
ず、しかも適当な表面粗さまたは凹凸を実現し、入射光
の表面における多重反射を可能にし、それらによって光
吸収率を向上させるとと同時に通電面積を大ならしめる
太陽電池を提供することである。 【構成】 本発明に係る太陽電池は、可撓性基板として
布帛を使用し、この布帛表面に金属箔を貼り合わせさら
にこの金属箔上に光起電力要素としての非晶質シリコン
薄膜を形成させることにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、繊維布帛表面に金属
箔が貼り合され、さらにその金属箔上に光起電力発生要
素としての非晶質シリコンの薄膜が形成された可撓性を
具備し、かつ通電性能を著しく高め得た太陽電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、非晶質薄膜を、ステンレス板、
ガラス板などの非可撓性基板に設けた太陽電池や、ポリ
イミドなどの樹脂薄膜のような比較的可撓性を有する基
板に設けた太陽電池はよく知られている。非晶質太陽電
池を製造するに際して、可撓性基板を用いることにより
達成される特徴は、基板上に必要な非晶質シリコンを連
続的に設けることができ、かつ製造コストおよび製造の
容易性の面で非可撓性基板に比べて極めて優位に立てる
ことである。さらに、可撓性基板上に形成された非晶質
太陽電池は、従来の非可撓性基板上に形成された太陽電
池と違い、シート状であるので製品形状に任意性を持た
せることができ、今後の用途開発により、その応用が広
がることが期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このような
非晶質太陽電池を可撓性基板上に形成させる場合、現在
一般に用いられているグロー放電法によれば、良質の非
晶質シリコン薄膜を得ようとするとき、250℃〜35
0℃の高温を必要とし、高分子フィルムを用いる場合に
は耐熱性に優れたポリイミドフィルムしか適用できな
い。しかしながら、ポリイミドフィルムは、このような
高温時における初期ヤング率があまりに大きくなく、非
晶質シリコン製造時の熱応力に耐えるに十分な膜の強さ
を有していないという問題がある。すなわち、十分な膜
の強さを有していない基板の場合には、非晶質シリコン
薄膜を基板上に設ける際、非晶質シリコン薄膜と基板双
方の熱膨脹係数の差異に基づく熱応力が基板の機械的強
度を越え基板がカールしてしまうということになる。こ
のカールの程度が大きくなると、入射光線に対する受光
面の角度が効率のよい状態を保てない領域を生じ、太陽
電池としての効率が大幅に低下してしまうという重大な
欠陥を招来させることが確認されている。
【0004】従来、可撓性基板を用いて非晶質シリコン
太陽電池を実現するには、少なくとも250℃程度の耐
熱性に加えて、このような高温時において製膜の際の熱
応力に耐えることのできる腰の強い基板を供しなければ
ならない。さらに基板表面に適宜な表面粗さないし凹凸
を付与することも光電変換効率を向上させるに有効であ
るが、表面粗さないし凹凸に関しては、従来のポリイミ
ドフィルムは表面が平滑すぎるため、一旦表面で反射し
た光は再び利用されることなく太陽電池外へ放出され、
高い光電変換効率を得ることが難しい状況にあった。
【0005】したがって、この発明の主な目的は、可撓
性基板として金属箔をラミネートした布帛を用い、その
上に非晶質シリコン薄膜を形成することにより、基板の
カール変形を起こさせず、しかも適当な表面粗さまたは
凹凸を実現し、入射光の表面における多重反射を可能に
し、それらによって光吸収率を向上させると同時に通電
面積を大ならしめる太陽電池を提供することである。す
なわち、布帛を基板に用いる太陽電池では上述のごとく
メリットが奏されはするが、下部電極の形成にあたり布
帛の上に単に金属を蒸着させる方法では布帛表面のみに
しか金属が蒸着せず通電面積に限界があったし、布帛表
面で金属と金属とがつながらない場合が惹起し通電効率
が低減する不都合も内在していた。かかる通電性が高め
られないと最終的には変換効率の高い太陽電池が作製で
きないことになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、非晶質シ
リコン薄膜の製膜に要する基板温度を下げ、可撓性基板
の選択範囲を広げ、かつ製膜時のカールを防止し、適宜
な表面粗さないし凹凸を有する基板上に非晶質シリコン
太陽電池を作製することに関し鋭意検討した結果、布帛
を非晶質シリコン太陽電池の基板として用い、この布帛
表面に金属箔を貼り合わせ、さらにこの金属箔上に好ま
しくはクラスタイオンビーム法により非晶質シリコン薄
膜を形成させることで、この発明の目的を有利に達成す
ることができた。
【0007】この発明は、可撓性基板として布帛を使用
し、この布帛表面に金属箔を貼り合わせさらにこの金属
箔上に光起電力要素としての非晶質シリコン薄膜を、好
ましくはクラスタイオンビーム法により、形成させるこ
とを特徴とするものであるが、ここに布帛とは織布、ニ
ット、不織布などの繊維布帛状物を含むものであり、目
付としては10〜400g/m2 の範囲のものである。
布帛としての構成、組織、外観を左右する大きな因子と
しては、糸の選択および織布、ニット方式の選択がある
が、目的とする布帛構造から糸の太さ、断面形状、モノ
フィラメント、マルチフィラメントなどの選択をし、適
宜な織布、ニット方式を選択し、非晶質太陽電池として
好適な基板を形成する。布帛を構成する繊維素材は特に
制限を設けるものではないが、たとえば耐熱性のある芳
香族ポリアミド(ノーメックス)からなる不織布、織布
も用いられる。
【0008】このような布帛を太陽電池用基板として用
いる特徴の1つは、その良好なフレキシビリティの性質
にある。従来、ポリイミドフィルムが可撓性基板として
用いられているが、フィルムのフレキシビリティは、言
わば、一方向的であり、二次曲面、たとえば球面に沿わ
せようとすれば、硬い折れしわが発生して好ましくな
い。すなわち、電気的に断線したり、人体に違和感を与
えたりする。このように、たとえばポリイミドフィルム
を基板とした太陽電池は、フレキシビリティが大幅に不
足している。一方、布帛を基板として作製した太陽電池
は、十分なフレキシビリティの性質を有する。また布帛
を用いるメリットは、シリコン薄膜形成太陽電池をロー
ル状に巻上げる際にシリコン面を保護する点にもある。
【0009】また本発明に係る非晶質シリコン薄膜を有
する太陽電池とは、シリコン系の非晶質薄膜を用いてシ
ョットキ型、pin型、またはタンデム型の素子構造を
形成した太陽電池である。なお、シリコン系の非晶質薄
膜としては、Si、Si−Ge、Si−C、Si−N等
の単体または化合物からなる水素化アモルファス膜また
はフッ素化アモルファス膜が含まれる。
【0010】次に、この発明に従って、布帛を基板とし
て用いその上に上述した非晶質シリコン薄膜を形成する
好ましい方法である、クラスタイオンビーム法について
述べる。クラスタイオンビーム法は、少なくとも1個の
噴射ノズルを有する密閉型のるつぼ内に、形成しようと
する物質の成分元素を収納して加熱、蒸気化し、この蒸
気をこの蒸気の圧力よりも十分低い圧力の高真空中、た
とえば前記るつぼ内の蒸気圧力よりも100分の1以下
の圧力の高真空中に、噴射ノズルから噴射させ、噴射時
の断熱膨脹に基づく過冷却現象により、通常100〜2
000個程度の原子がファンデルワールス力により緩く
結合した塊状の原子集団、いわゆるクラスタを形成し、
さらにこのクラスタの少なくとも一部をイオン化し、ノ
ズル噴射時に付与された運動エネルギにより、または必
要に応じて与えられる電解により、加速して基板表面に
到達させ、基板上に前記成分元素の薄膜を形成しようと
するものである。
【0011】この場合、基板温度、るつぼ周囲空間の真
空度、クラスタのイオン化率、またはクラスタイオンを
加速する場合はその加速電圧などを種々設定することに
より、基板に成長させる物質をアモルファス状態、多結
晶状態、単結晶状態と任意に制御することができる特徴
を有し、かつクラスタ形成空間に反応性のガスを導入す
ることによって、化合物の薄膜も容易に形成することが
できる。
【0012】この発明の好ましい実施例では、このクラ
スタイオンビーム蒸着法を用いて、光電変換要素として
の非晶質シリコン薄膜を形成する。このクラスタイオン
ビーム蒸着法を用いて光電変換要素としての非晶質シリ
コン薄膜を製造する方法について、本発明者等は種々の
検討を行なったが、条件を適切に選択すれば、200℃
以下の基板温度においても極めて良質な非晶質シリコン
薄膜を得ることができることを確認した。従来のグロー
放電法では、良質な非晶質シリコン薄膜を得ようとすれ
ば、少なくとも250℃以上の基板温度を必要とするた
め、可撓性基板材質の選択の範囲が極めて狭かった。こ
れに対して、クラスタイオンビーム蒸着法を用いると、
基板温度が200℃以下でよく、具体的には180℃程
度でも良質な非晶質シリコン薄膜を得ることができるこ
とを確認した。したがって、ポリエステル、レーヨン、
ポリノジック繊維などの極めて一般的に繊維素材から作
った布帛も非晶質シリコン太陽電池用の基板として供し
得ることが分かった。この発明の布帛形成に供し得る繊
維素材としては、上記のような有機物素材に限定され
ず、上述した芳香族ポリアミド繊維のほか、ガラス繊
維、スチール繊維のような無機物のものであってもよ
く、要するに、布帛を形成することができる繊維素材で
あればよい。さらに加えて、クラスタイオンビーム法
は、ステップカバーリング性に優れており、この発明に
使用する布帛基板のように段差のあるものに対しても均
一性に優れた薄膜を形成することができる。さらにステ
ップカバーリング性は複数個のるつぼを適切に配置し、
それらを同時に用いて膜形成を行なうことにより向上さ
せることもできる。
【0013】基板の耐熱性については、前述のようにク
ラスタイオンビーム法によれば、180℃程度でも良質
な非晶質シリコン薄膜を得ることができることを確認し
たが、基板の強度、剛性、表面粗さないし凹凸に関して
は、布帛の構成、糸の構成などを適宜選ぶことで任意に
設定できるため、非晶質シリコン薄膜の製膜時のカール
防止が可能でかつ太陽電池用基板として適宜な表面粗さ
ないし凹凸を付与することも可能である。
【0014】この発明では布帛を太陽電池の基板として
用いるため、布帛基板表面に金属箔を貼り合わせて電極
を形成する必要がある。金属箔としては特に限定するも
のではなく、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、ニッケ
ル、タングステン、銅、金、銀などの金属箔が用いら
れ、これを耐熱接着剤を介してラミネートして下部電極
を作製する。このように布帛に金属箔をラミネートする
ことにより、通電面積を高め得ることができ変換効率の
良い太陽電池が作製できる。なお、耐熱性接着剤とは、
分解ガスを発生させず(金属箔を通してシリコン薄膜側
にガスが拡散してはならない)、さらに可撓性を減じさ
せないものを使用することが望ましい。具体的にはポリ
イミド系接着剤、エポキシ系接着剤が好適に用いられ
る。
【0015】またラミネート形成は布帛と所定の金属箔
とを必要に応じて接着剤を介在させて、たとえばプレス
ローラにて圧着させて形成される。
【0016】さらに本発明における好適な実施態様とし
て金属蒸着を施した金属箔を下部電極に用いる点を挙げ
ることができる。これにより金属箔を保護するとともに
さらに太陽電池の通電性が高められ、終局的に変換効率
の高い電池が得られる。この際用いる蒸着金属はニッケ
ル、クロム、モリブデン、タングステンなどがあり、通
常の蒸着(スパッタリング、イオンプレーティング、ク
ラスタイオンビーム蒸着、真空蒸着等を含む)手段によ
って金属箔上に薄膜として形成される。
【0017】電極を形成した布帛基板の上に光電変換要
素としての非晶質シリコン薄膜を形成するために、好ま
しくはクラスタイオンビーム法を用いることは既に述べ
た。図面は、この発明に従って非晶質シリコン薄膜を製
膜するために用いる装置の一例を示す図である。図面を
参照して、0.5〜2.0mm程度の孔径のノズル5を
有するるつぼ4が設けられる。このるつぼ4には、適度
な大きさに粉砕されたシリコンを充填する。ノズル5の
前方に基板9としての布帛(金属箔ラミネートされてい
る)が置かれ、その途中に加速電極8が配置され、ノズ
ル5と加速電極8の間にイオン化電極7が配置される。
イオン化電極の側部に、イオン化電極7に向けてガス導
入管6が設けられる。図面のこれらの各部材が、図示し
ない真空容器内に、適宜な支持部材により支持されて配
置され、この真空容器が少なくとも10-5Torr以下
の高真空雰囲気に排気される。
【0018】次いで、ガス導入パイプ6を介して真空容
器内に水素、ホスフィン、ジボランを供給し、真空容器
内の圧力を10-6ないし10-3Torrに維持する。基
板9も適当な温度に加熱する。
【0019】次いで、るつぼ4を加熱し、るつぼ4内に
充填されているシリコンを加熱溶融させて、シリコンの
蒸気を発生させる。この場合、シリコンの加熱温度は、
るつぼ4の周囲空間、すなわち真空容器内の圧力に応じ
て設定されるものであり、るつぼ4内の圧力をP、真空
容器内の圧力をPOとした場合、P/PO≧102 、好
ましくはP/PO≧104 となるように設定する。実際
は、加熱温度としては、1400〜2300℃程度の範
囲で設定する。しかし、この圧力差により、シリコンの
蒸気がノズル5よりるつぼ4の外に噴出し、この際断熱
膨脹に基づく過冷却現象により蒸気状のシリコン原子や
分子がファンデルワールス力で緩く結合したクラスタが
形成される。
【0020】ところで、るつぼ4の外へ噴出によって運
動エネルギを得た蒸気流はイオン化室に入り、ここで少
なくとも一部がイオン化され、いわゆるクラスタイオン
が形成される。
【0021】加速電極8に適当な加速電圧を印加し、ク
ラスタイオンを加速して基板9に射突させる。その際、
真空層内での射突の際の衝撃でクラスタは個々の原子に
分離し、原子状態で基板9の表面を移動する、いわゆる
表面マイグレーション効果および一部イオン化されてい
るシリコンイオンの作るイオン化効果により、シリコン
動作の結合が促進される。一方、真空容器内に導入され
たH2 はその一部が電子の射突によってイオン化された
りまたは単体原子となって前記イオン蒸気流とともに基
板9に射突し、表面を移動する。基板9を移動しつつ結
合していくシリコンの未結合部分にHが結合し、ダング
リングボンドがHにより閉じられた構造の非晶質シリコ
ン薄膜が形成されたことになる。
【0022】さらに詳しく述べると、i型非晶質シリコ
ン薄膜を作るためには、導入ガスとしてH2 ガスのみを
用い、またP型シリコン薄膜を作るためには導入ガスと
してH2 ガスおよびジボランガス(B2 5 )を用い、
またN型シリコン薄膜を作るためには導入ガスとしてH
2 ガスおよびホスフィンガス(PH3 )を用いる。した
がって、光電変換要素としての非晶質シリコン層として
は、裏面電極を形成させた布帛基板9にまずn層、次い
でi層、最後にp層を順次形成させることになる。次
に、この非晶質シリコン薄膜を太陽電池デバイスとする
ために、n層、i層、およびp層を積層させた布帛基板
を真空層内に装着し、たとえばショットキ接合セルの場
合には、ショットキ障壁金属としては白金、金、パラジ
ウムなどをスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法(クラスタイオンビーム法を含む)などで100
Å程度の膜厚で堆積させる。また、ヘテロフェイス接合
セルの場合には、酸化インジウム、酸化錫、酸化錫−酸
化インジウムなどの膜を200〜5000Å程度の膜厚
になるようにスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法(クラスタイオンビーム法を含む)などで堆積
させて表面電極を形成させる。次に、収集電極をショッ
トキ障壁金属、ヘテロフェイス電極の表面上に設けて非
晶質シリコン太陽電池デバイスを完成する。この発明に
より非晶質シリコン太陽電池は、布帛基板上に金属箔よ
りなる裏面電極を形成させ、この金属上にクラスタイオ
ンビーム法により、n層、i層、p層の非晶質シリコン
膜を順次設け、その上にショットキ障壁金属またはヘテ
ロ(フェイス)電極を設け、その上にさらに収集電極を
設けた基本構造を有する。
【0023】
【発明の作用効果】以上述べたように、この発明の太陽
電池は、布帛を基板として用いその布帛表面に金属箔を
ラミネートし、その上に非晶質シリコン薄膜を形成した
ことを特徴とする。その結果、通電面積が大となり、通
電性能の高められた変換効率の高い太陽電池が作製でき
た。さらに金属箔側には適当な表面粗さないし凹凸が実
現されるため、太陽電池に入射する入射光は多重反射さ
れ、光吸収率が向上することも一因としてより変換効率
の高い太陽電池が得られる。また、基板として布帛を用
いることで良好なフレキシビリティが達成され、その結
果この発明の太陽電池の用途が広がり、たとえば、テン
ト、ヨットの帆などへの商品展開も容易に考えられ、ま
た電気的断線が減じ、この発明の太陽電池を衣服などに
用いたとき人体に対する違和感が減じられる。
【0024】なお、この発明の好ましい実施例では、非
晶質シリコン薄膜の形成法としてクラスタイオンビーム
法が用いられる。このクラスタイオンビーム法を用いる
ことで、基板温度として200℃以下で、具体的には1
80℃でも、極めて良質な非晶質シリコン薄膜を得るこ
とができる。このように、必要とする基板温度が大幅に
下がるため、基板の選択範囲が広がり、芳香族ポリアミ
ド繊維(Nomex)、ガラス繊維はもちろん使用可能
であるが、ポリエステル、レーヨン、ポリノジックなど
の一般的な繊維素材も使える。また糸の太さ、素材、断
面形状、マルチフィラメント、、モノフィラメントなど
の選択および布帛としての組織、目付などを適宜に選択
することで、任意の表面粗さないし凹凸および強度、剛
性を設定することができる。その結果として、製膜時の
カール防止も可能であり、また上述のように適宜な表面
粗さないし凹凸を実現することができるので、後述の実
施例に示すごとく、優れた光電変換効率を達成すること
ができる。また、クラスタイオンビーム法を非晶質シリ
コン薄膜形成法に採用し、布帛を基板として用いること
から、製膜中の熱応力に耐え得る剛性を有した太陽電池
を実現することが可能となる。
【実施例】以下に、この発明の実施例について説明す
る。
【0025】実施例1 経糸75デニール、緯糸75デニール、目付60g/m
2 の芳香族ポリアミド(Nomex)平織り織布にポリ
イミド系接着剤を介して厚み10μmのアルミ箔をプレ
スローラにて貼り合わせ裏面電極を形成させた。この裏
面電極を形成させた織布基板を1×10-2Torrの真
空下で150℃、2Hrsの乾燥を行なった。この乾燥
した基板をクラスタイオンビーム法の基板支持台に緊張
下でセットし、5×10-5Torrに排気しながら、1
80℃にこの基板を加熱した。5×10-7Torrの真
空まで達したとき、真空層内にH2 ガスと水素ガスで1
%に希釈したホスフィンガス(PH3 )を5対1の流量
比で導入し、真空層内を1×10-4Torrに維持し
た。るつぼ加熱温度2000〜2200℃、イオン化電
流200mA(300V)、基板温度180℃の条件
で、n型の非晶質シリコン薄膜を200Åの厚みで形成
させた。
【0026】次いで、水素ガスのみの導入ガスで、前記
と同様にして、n型の非結晶質シリコン薄膜上にi型の
非晶質シリコン薄膜を3000Åの厚みで形成させた。
次いで、水素ガスと水素ガスで希釈した1%のジボラン
ガスを真空容器内に導入し、p型の非晶質シリコン薄膜
を100Åの厚みで形成させ、布帛基板上にpin型の
非晶質シリコン薄膜を設けた。このようにして得られた
pin型非晶質シリコン薄膜をスパッタ装置に装着し、
酸化錫−酸化インジウム薄膜を100Å堆積させ、ヘテ
ロフェイス層とした。
【0027】最後に、このヘテロフェイス層上に収集電
極としてパラジウムを1000Åの厚みでくし型に堆積
させ、布帛基板上にpinヘテロフェイス型太陽電池デ
バイスを実現した。この太陽電池デバイスの性能を表1
に示す。
【0028】実施例2 使用原糸75デニールのポリノジック繊維、目付80g
/m2 のニット地上に、ポリイミド系の接着剤を介して
厚み10μmの銅箔をプレスローラにて積層し、裏面電
極の形成を行なった。この裏面電極の形成を行なったニ
ット布帛を1×10-2Torrの真空下で150℃、2
Hrsの乾燥を行なった。この乾燥した布帛基板をスパ
ッタリング装置に装着し、さらにタングステンをターゲ
ットとして厚さ1.5μmのタングステン薄膜を上記銅
箔上に形成させた。pinヘテロフェイス型太陽電池デ
バイスは実施例1と同様の条件で作製した。このデバイ
スの電池性能を表1に示す。
【0029】実施例3 厚み10μmのアルミ箔を、スパッタ蒸着装置中に緊張
状態でセットし、基板加熱装置により180℃に昇温し
た後、Arガスを導入し、ニクロムをターゲットとして
1μmの薄膜を形成した。経糸75デニール、緯糸75
デニール、目付60g/m2 のポリエステル平織り織布
に、この金属箔をプレスローラにて貼り合わせ裏面電極
の形成を行なった。このとき、裏面電極の金属箔側には
織布の表面起伏が反映され、またニクロム薄膜にひび割
れなどは生じなかった。
【0030】この基板上に、pinヘテロフェイス型太
陽電池デバイスを実施例1と同様の条件で作製した。た
だし、p層形成時には、H2 、B2 5 とともにC2
2 ガスを導入しa−SiC:Hを形成した。C2 2
流量はH2 の流量の1/10とした。このデバイスは、
表1に示す電池性能を示した。
【0031】比較例 基板として125μmの厚みのポリイミドフィルムを選
び、このフィルムを×10-2Torrの真空下で150
℃、2Hrsの乾燥を行なった。この乾燥したポリイミ
ドフィルムをスパッタリング装置に装着し、タングステ
ンをターゲットとして厚さ1.5μmのタングステン薄
膜を裏面電極として形成させた。非晶質シリコン薄膜は
容量結合方式の高周波(13.56MHz)グロー放電
装置を用いて、前記裏面電極を形成させた基板をグロー
放電装置のアノード側の電極上に緊張下で装着し、8×
10-6Torrに配置しながら250℃にこの基板を加
熱した。その後、N2 ガスを500ml/min導入
し、1.0TorrN2 ガス雰囲気で200Wの高周波
電力を印加し、基板のイオンボンバードを20分行な
い、基板をクリーニングした。次に、水素ガスで希釈し
た10%のシランガスと水素ガスで0.1%に希釈した
ホスフィンガスをグロー放電装置内に導入し、6×10
-1Torrのこのガス雰囲気で100Wの高周波電力を
印加し、200Åのn型の非晶質シリコン薄膜を形成し
た。次いで水素ガスとシランガスで前記と同様にして、
n型の非晶質シリコン薄膜上にi型の非晶質薄膜を30
00Åの厚みで形成させた。次いで、水素ガスで10%
のシランガスと水素ガスで0.1%に希釈したジボラン
ガスをグロー放電装置内に導入し、i型非晶質シリコン
薄膜上に300Åのp型非晶質シリコン薄膜を形成さ
せ、布帛基板上にpin型非晶質シリコン薄膜を設け
た。このようにして得たpin型非晶質シリコン薄膜を
スパッタ装置に装着し、酸化錫−酸化インジウム薄膜を
1000Å堆積させ、ヘテロフェイス層とした。最後に
このヘテロフェイス層上に収集電極としてパラジウムを
1000Åくし型に堆積させ、可撓性ポリイミドフィル
ム基板上にpinヘテロフェイス型太陽電池デバイスを
得た。
【0032】なお、実施例1および実施例3の太陽電池
デバイスの初期特性および比較例の太陽電池デバイスの
初期特性はAM=1に調節したオリエル社製ソーラーシ
ュミレータで測定した。なお、この測定に際しては、太
陽電池デバイス形成工程を通じて一度もサンプルの緊張
を解かずに測定用試料に供した。
【0033】実施例4 実施例1〜3での太陽電池デバイスの初期特性は緊張状
態を一度も解かない条件下で測定した結果を示したが、
この実施例では各試料の緊張状態を一度解いた条件下で
測定した結果を示す。実施例1〜3の試料については緊
張を解いてもカールがほとんどなく電池特性も緊張を解
く前とほとんど変わらない結果を得たが、ポリイミドフ
ィルムはカールが著しく電池特性においても緊張を解く
前は変換効率3.2%であったものが2.4%に減少し
ていた。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】クラスタイオンビーム装置の基本構造の説明図
である。
【符号の説明】
4 るつぼ 5 ノズル 6 ガス導入管 7 イオン化電極 8 加速電極 9 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今川 容 滋賀県大津市堅田二丁目1番Aの401号 (72)発明者 秋山 節 滋賀県守山市播磨田町280番8号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛基板表面に金属箔が貼り合わさ
    れ、さらに該金属箔上に非晶質シリコン薄膜が形成され
    てなる非晶質シリコン薄膜を有する太陽電池。
  2. 【請求項2】 金属蒸着を施した金属膜を用いる、請求
    項1に記載の太陽電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006366A (ja) * 2008-04-18 2010-01-14 Lockheed Martin Corp 電子機器を有するラミネート構造および方法
JP2011501421A (ja) * 2007-10-18 2011-01-06 ドリッテ・パテントポートフォリオ・ベタイリグンスゲゼルシャフト・エムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー 半導体コンポーネント

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JPH0550150A (ja) * 1991-08-16 1993-03-02 Kobe Steel Ltd 温間プレス成形法及び温間プレス成形用薄鋼板の製造法

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