JPH05303400A - 音声再生装置と音声再生方法 - Google Patents

音声再生装置と音声再生方法

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JPH05303400A
JPH05303400A JP4109459A JP10945992A JPH05303400A JP H05303400 A JPH05303400 A JP H05303400A JP 4109459 A JP4109459 A JP 4109459A JP 10945992 A JP10945992 A JP 10945992A JP H05303400 A JPH05303400 A JP H05303400A
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JP
Japan
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compression ratio
time domain
speed
recording
output
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Application number
JP4109459A
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English (en)
Inventor
Masayuki Misaki
正之 三崎
Ryoji Suzuki
良二 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響信号を記録時より高速に再生する際に、
記録時と同一の音程を保ちつつデータ廃棄率及び遅延量
を少なくする音声再生装置および音声再生方法を提供す
る。 【構成】 信号再生手段201、AD変換器202、デ
ィジタルメモリ203、クロックレート設定手段205
を動作させることにより、記録時より高速のサンプリン
グ周期 Tn/Rtでサンプリングされた音響信号がディジタ
ルメモリ203に記憶されている。時間領域伸縮処理手
段10はディジタルメモリ203の出力信号を圧縮比設
定手段12によって与えられる圧縮比Scによって時間領
域圧縮する。比較手段13は、相対速度Rtと速度の閾値
Rsとを比較し、RtがRsより大きいときには圧縮比を1/
Rsに設定してメモリ制御手段11の動作と圧縮比設定手
段12の設定値を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録された音声信号の速
度を記録時に比べて高速再生する音声再生装置と音声再
生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録した音声信号の再生速度
を可変する機能をもつ様々な装置が提案されている。最
も簡単な例はアナログテープレコーダのキュー(早送り
再生)、レビュー(巻戻し再生)であるが、これらの高
速再生音声は記録時の音声と比べると音程・速度の両方
が変化しているため、内容を聴取することや頭出しを行
うことはほとんど不可能である。また、高速再生時に音
程が変化しないように補償を行う装置も提案されてい
る。以下、音程補償を行なう従来の音声再生装置につい
て、図面を参照しながら説明を行なう。
【0003】図11は、従来の音声再生装置の構成を示
すものである。同図において、201は信号再生手段、
202はAD変換器、203はディジタルメモリ、20
4はDA変換器、205はクロックレート設定手段、2
06はメモリ制御手段である。
【0004】以上のように構成された音声再生装置につ
いて、以下その動作について説明する。ここでは、記録
時の再生速度より高速に再生する場合において、通常の
速度及び音程に戻して再生する装置について示す。
【0005】記録速度に対してRt倍(Rt > 0)の相対速度
で音響信号を再生する。信号再生手段201は、磁気テ
ープなどに記録されている音響信号を電気信号に変換し
て、適切なレベルの信号として取り出す。この信号は音
程および速度は通常のRt倍になっているため、内容を理
解するのは困難である。そして、信号再生手段201の
出力はAD変換器202によりディジタル信号に変換さ
れる。AD変換器202のサンプリング周期はクロック
レート設定手段205によって相対速度Rtに反比例する
サンプリング周期Tn/Rtに変換される。前記ディジタル
信号はメモリ制御手段206の制御に従って周期Tn/Rt
で、ディジタルメモリ203の所定のアドレスに書き込
まれる。ディジタルメモリ203は、データを一時的に
記憶するバッファメモリとして機能させている。そし
て、ディジタルメモリ203に記録されたディジタル信
号はメモリ制御手段206によって示されるアドレスの
データを周期Tnで順次読み出して、DA変換器204で
サンプリング周期Tnでアナログ信号へ戻されて出力され
る。
【0006】次に、高速再生時に変化している音程と速
度を、記録時すなわち通常の音程と速度に戻すかについ
て示す。VTRやカセットテープレコーダなどを記録時
より高速で再生すると、再生される周波数が高くなる方
向にシフトしてしまう。いま、記録時の音響信号につい
て、標本化定理が満足されるサンプリング周期をTnであ
るとすると、高速再生された音響信号をディジタル信号
にAD変換する際には記録時に必要なサンプリング周期
の1/Rt倍、すなわち、Tn/Rtで標本化する必要があ
る。逆に、相対速度Rtで高速再生するときに、サンプリ
ング周期をTn/RtでAD変換した信号をサンプリング周
期TnでDA変換することによって、通常の音程の音響信
号が復元されることになる。ここで、AD変換したすべ
てのデータを再生するのは当然のことながら時間的に不
可能なので、入力音声の一部分のみを通常の速度と音程
で連続して再生し、残りの大部分は廃棄するという操作
を繰り返すことになる。
【0007】図12は相対速度5の場合の処理の概要を
示すデータ処理例である。同図において、Tfは高速再生
を行った時の処理の繰り返し周期であり、TcはAD変換
したデータを必要な量だけディジタルメモリに書き込み
を行うのに必要な時間である。図12(b)の未処理デー
タの図よりわかるように、高速再生時に実際に使用され
るデータと使用されずに廃棄されるデータの比はTc:(Tf
-Tc)、即ち1:4である。従って、記録時の音響信号5T
fの時間のうち実際に聴取できる時間がTfであり、残り
の4Tfの時間のデータは廃棄されてしまう。この処理を
高速再生して周期Tfで繰り返すものである。ここでディ
ジタルメモリに記憶するデータ量が64Kワードの場合
に、相対速度を5、基準となるサンプリング周期を50
[μsec]とすると、Tfは3.2768[sec]となる。すなわち、
相対速度5で高速再生を行っているときには、記録時の
音響信号を16.384[sec]毎に3.2768[sec]だけ取り出して
聴取していることになる。また、再生信号のうちで廃棄
されるデータ量の割合を廃棄率Raとすると、次式のよう
に表される。
【0008】
【数5】
【0009】図12の例では相対速度を5に設定してい
るので、廃棄率Raは0.8となり、再生信号の多くの部分
が全く利用できずに廃棄されている。次に出力として聴
取される音響信号と実際に再生している入力信号とは遅
延時間を生じているので、出力として聴取される音響信
号をもとに所望の信号部分をサーチするとすると、大き
なズレを生じることになる。この入出力信号間の最大遅
延量の値を Tdとすると次式のように表される。
【0010】
【数6】
【0011】この式より、TdはTfの関数でもあるのでこ
れを小さくすることで最大遅延を少なくすることも可能
ではあるが、あまりTfを小さくし過ぎてしまうと内容を
認知できなくなって、音響信号によるサーチはできなく
なる。図12の例では、Tfが3.2768[sec]に対して最大
遅延量Tdは、13.08[sec]となる。図13に相対速度Rtと
圧縮率Sc、廃棄率Raおよび最大遅延量Tdの関係を示す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上に示したように、
従来例では再生すべき音響信号のうちの大部分を全く使
用せずに廃棄してしまう。そして、廃棄されるデータ量
の割合は高速再生する相対速度Rtが大きくなるほど増加
する。また、廃棄率が大きくなるに伴って、入力信号に
含まれる情報を聞き逃す確率が高くなることや、聴取さ
れる音響信号と現在再生している音響信号部分との最大
遅延量が増大することにより、所望の信号部分を再生音
を元にサーチすることは困難となる。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、記録時と同じ音程を保ちつつ廃棄率を小さく、しか
も入出力信号間の遅延量を少なくすることができる音声
生成装置および音声再生方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載の音声再生装置では、ディジタルメモリ
から読み出したディジタル信号を時間領域伸縮を行う時
間領域伸縮処理手段と相対速度と閾値との比較を行う比
較手段とを有する構成としている。
【0015】請求項2記載の音声再生装置では、圧縮比
設定手段および選択手段の動作モードを決定し、時間領
域伸縮すべき圧縮比の値を求めるモード制御手段とディ
ジタルメモリから読み出したディジタル信号を時間領域
伸縮処理手段で時間領域伸縮する、あるいはそのままの
出力するかを選択する選択手段とを有する構成としてい
る。
【0016】請求項3記載の音声再生方法では、ディジ
タルメモリから読み出したディジタル信号を相対速度Rt
の値に応じて
【0017】
【数7】
【0018】に示す圧縮比Scで時間領域圧縮を行うアル
ゴリズムを用いている。請求項4記載の音声再生方法で
は、ディジタルメモリから読み出したディジタル信号を
相対速度Rtの値に応じて
【0019】
【数8】
【0020】に示す圧縮比Scで時間領域圧縮を行うアル
ゴリズムを用いている。請求項5記載の音声再生方法で
は、ディジタルメモリから読み出したディジタル信号を
相対速度Rtの値に応じて
【0021】
【数9】
【0022】に示す圧縮比Scで時間領域圧縮を行うアル
ゴリズムを用いている。
【0023】
【作用】請求項1記載の構成により、所定の閾値以上の
相対速度の場合には時間領域伸縮処理によって通常の音
程を保ちつつ記録時より速く音響信号を再生することに
より、従来より多くの音響信号を同一時間で再生できる
ので、記録時と同じ音程を保ちつつ廃棄率および入出力
信号間の最大遅延量を従来より少なくすることができる
ものである。
【0024】請求項2記載の構成により、時間領域伸縮
処理によって通常の音程を保ちつつ記録時より速く音響
信号を再生する、あるいは通常の音程でかつ通常の速度
で音響信号を再生することにより、従来と同等以上の音
響信号を同一時間で再生できるので、記録時と同じ音程
を保ちつつ廃棄率および入出力信号間の最大遅延量を従
来以下にすることができるものである。
【0025】請求項3記載の方法により、(数7)で与
えられる圧縮比Scで時間領域圧縮することによって、通
常の音程で、かつ、速度Rsの速度で再生した音響信号を
得ることができ、記録時と同じ音程を保ちつつ廃棄率お
よび入出力信号間の最大遅延量を従来より少なくするこ
とができるものである。
【0026】請求項4記載の方法により、(数8)で与
えられる圧縮比Scで時間領域圧縮することによって、通
常の音程で、かつ、相対速度Rtの値に応じた速度Rs(k)
(k=1,2,...,n)の速度で再生した音響信号を得ることが
でき、記録時と同じ音程を保ちつつ廃棄率および入出力
信号間の最大遅延量を従来より少なくすることができる
ものである。
【0027】請求項5記載の方法により、(数9)で与
えられる圧縮比Scで時間領域圧縮することによって、高
速再生する速度が閾値Rsの値より小さい相対速度Rtの場
合にはすべての音響信号を利用して時間領域圧縮を行
い、閾値Rsの値より大きい相対速度Rtの場合には入力さ
れた音響信号の一部分を廃棄して時間領域圧縮すること
で、通常の音程で、かつ、記録時より速く相対速度Rt以
下の速度で再生した音響信号を得ることができ、記録時
と同じ音程を保ちつつ廃棄率および入出力信号間の最大
遅延量を従来より少なくすることができるものである。
【0028】
【実施例】以下本発明の第1の実施例について、図面を
参照しながら説明する。
【0029】図1は本発明の第1の実施例における音声
再生装置の構成図を示したものである。図1において、
201は信号再生手段、202はAD変換器、203は
ディジタルメモリ、204はDA変換器、205はクロ
ックレート設定手段、10は時間領域伸縮処理手段、1
1はメモリ制御手段、12は圧縮比設定手段、13は比
較手段である。このうち、201、202、203、2
04、205については従来例と同様の構成要素であ
る。
【0030】本実施例では、高速再生する相対速度Rtと
与えられた速度の閾値Rsをもとに処理内容が変更され
る。まず、圧縮比の定義であるがこれは時間領域伸縮
(= TimeScale Modification、以下TSMと記す)する
入力信号とその出力信号との時間長比で定義する。従っ
て、以下に述べる音声再生装置では高速再生時の処理に
ついてのみ述べているので、圧縮比は常に1.0より大き
い値になる。TSM処理については例えば「ディジタル
音声処理」(122ページ〜124ページ、古井貞煕
著、東海大学出版会)などに述べられている。従来例と
ほぼ同様に信号再生手段201、AD変換器202、デ
ィジタルメモリ203、クロックレート設定手段205
を動作させることにより、記録時より高速のサンプリン
グ周期 Tn/Rtでサンプリングされた音響信号がディジタ
ルメモリ203に記憶されている。時間領域伸縮処理手
段10はディジタルメモリ203の出力信号を圧縮比設
定手段12によって与えられる圧縮比Scによって時間領
域圧縮する。比較手段13は、相対速度Rtと速度の閾値
Rsとを比較し、RtがRsより大きいときには圧縮比を1/
Rsに設定してメモリ制御手段11の動作と圧縮比設定手
段12の設定値を制御する。
【0031】次に、高速再生時に如何にデータが出力さ
れるかを模式図を用いて説明する。図2は、第1の実施
例における相対速度が2、および、5の場合のデータ処
理の模式図を示している。本実施例では、閾値Rsが2.
0、すなわち記録速度に対する相対速度が2.0以上の場合
に圧縮比0.5の時間領域圧縮処理を行うことを仮定して
いる。相対速度2の場合において、図2(b)は未処理デ
ータであり、(c)は処理後のデータである。また、相対
速度5の場合において、図2(d)は未処理データであ
り、(e)は処理後のデータである。同図より明らかなよ
うに相対速度2の場合にはすべてのデータを利用して出
力を演算している。本実施例におけるデータの廃棄率Ra
1は一般に次式のように表される。
【0032】
【数10】
【0033】図2(c)の例では相対速度を2、圧縮比を
0.5に設定しているので、廃棄率Ra1は(数10)により
0.0となる。図2(e)の例では相対速度を5、圧縮比を0.
5に設定しているので、廃棄率Ra1は(数10)により0.
6となる。
【0034】次に本実施例における入出力信号間の最大
遅延量Td1は、次式のように表される。
【0035】
【数11】
【0036】Td1を計算するため、従来例と同様にTfを
3.2768[sec]、相対速度を5、とし圧縮比Scを0.5として
求めると、図2(c)の場合は0.0[sec]となり、図2(e)の
場合は9.8304[sec]となる。
【0037】図3は相対速度Rtと圧縮比Sc、廃棄率Ra、
最大遅延量Tdとの関係を表した図である。相対速度が大
きいほど、廃棄率と最大遅延量が大きくなる様子がわか
る。
【0038】以上のように本実施例によれば、記録時と
同じ音程を保ちつつ廃棄率Ra1および最大遅延量Td1のい
ずれも従来例より小さい値にした再生音を得られること
が容易に理解される。
【0039】なお、本実施例では従来例と同様にVTR
やカセットテープレコーダなどの磁気記録媒体へ記録さ
れた音響信号情報に適用するように記載しているが、記
録媒体が半導体メモリや光ディスク等であっても構わな
い。
【0040】以下本発明の第2の実施例について、図面
を参照しながら説明する。図4は本発明の第2の実施例
における音声再生装置の構成図を示したものである。図
4において、201は信号再生手段、202はAD変換
器、203はディジタルメモリ、204はDA変換器、
205はクロックレート設定手段、10は時間領域伸縮
処理手段、11はメモリ制御手段、12は圧縮比設定手
段、20はモード制御手段、21は選択手段である。こ
のうち、201、202、203、204、205につ
いては従来例と同様の構成要素である。
【0041】本実施例では、高速再生する相対速度Rtと
与えられた圧縮比Scをもとに処理内容が変更される。従
来例とほぼ同様に信号再生手段201、AD変換器20
2、ディジタルメモリ203、クロックレート設定手段
205を動作させることにより、記録時より高速のサン
プリング周期 Tn/Rtでサンプリングされた音響信号がデ
ィジタルメモリ203に記憶されている。時間領域伸縮
処理手段10はディジタルメモリ203の出力信号を圧
縮比設定手段12によって与えられる圧縮比Scによって
時間領域圧縮する。モード制御手段20は、圧縮比Scが
1.0の場合には、時間領域圧縮をせずに従来モードで動
作させる制御を、圧縮比Scが1より大きい場合は時間領
域圧縮処理手段を用いる時間圧縮モードで動作させる制
御をメモリ制御手段11、圧縮比設定手段12、選択手
段21に対して行う。圧縮比が1より大きい場合、すな
わち、時間圧縮モードで動作させる場合には、相対速度
Rtと圧縮比Scとを比較し、Rtが1/Scより小さいときに
は圧縮比を1/Rtにし、また、Rtが1/Scより大きいと
きには圧縮比はそのままScにしてメモリ制御手段11、
圧縮比設定手段12、選択手段21を制御する。
【0042】次に、高速再生時に如何にデータが出力さ
れるかを模式図を用いて説明する。図5は、第2の実施
例における相対速度が5の場合のデータ処理の模式図で
ある。与えられた圧縮比Scが1.0の場合、図5(c)のよう
に従来例と同様のデータ処理が行われる。一方、圧縮比
Scが1.0より小さい値の場合はTSM処理を行うので使
用されるデータ量は圧縮比Scが1.0の場合より多くな
る。図5(d)は圧縮比Scが0.5の場合における模式図を示
したものである。図において1&2と記載している領域
は、信号1と信号2を用いてTSM処理を行うことを表
すことにする。ここでは、圧縮比Scを0.5としているか
ら(c)に比べると2倍のデータ量を使用することにな
る。従って、(c)でTfの時間に信号1の部分を記録時と
同じ速度で再生する代わりに、(d)ではTfの時間に信号
1と信号2の部分を記録時と同じ音程で、かつ、2倍の
速度で再生することになる。すなわち、(d)では同じ時
間内で(c)の2倍の情報を、聴取することになる。本実
施例におけるデータの廃棄率は第1の実施例と同様に
(数10)で表される。
【0043】図5(d)の例では相対速度を5、圧縮比を
0.5に設定しているので、廃棄率Ra1は(数10)により
0.6となる。相対速度が大きいほど、あるいは、圧縮比
の値が1に近い値を取るほど、廃棄率Ra1は大きくな
る。図5(c)は従来例と同じ廃棄率で0.8となる。
【0044】次に本実施例の装置における入出力信号間
の最大遅延量Td1は第1の実施例と同様に(数11)の
ように表される。
【0045】従来例と同様にTfを3.2768[sec]、相対速
度を5、とし圧縮比Scを0.5として図5(d)の例の最大遅
延量Td1を求めると、9.8304[sec]となる。図5(c)の例
は従来例と同様に13.08[sec]となる。
【0046】以上のように本実施例によれば、従来方式
と同様の再生だけでなく、記録時と同じ音程を保ちつつ
廃棄率Ra1および最大遅延量Td1のいずれも従来例と同じ
あるいは小さい値にした再生音を得られることが容易に
理解される。
【0047】なお、本実施例では従来例と同様にVTR
やカセットテープレコーダなどの磁気記録媒体へ記録さ
れた音響信号情報に適用するように記載しているが、記
録媒体が半導体メモリや光ディスク等であっても構わな
い。
【0048】以下本発明の第3の実施例について、図面
を参照しながら説明する。図6は本発明の第3の実施例
における音声再生方法のフローチャートを示したもので
ある。以下にその説明を行う。
【0049】音響信号を記録している記録媒体が磁気記
録媒体の時には一時的に音響信号をバッファとしてRA
Mに記録する必要があるが、半導体メモリを記録媒体に
している場合には、そのまま以下の処理を行えば良い。
すなわち、磁気記録媒体等の場合にはRAMへの音響信
号の書き込みを行いつつ、これとは別に以下の処理を行
う必要がある。本実施例では、サンプリング周期Tnでデ
ィジタル化された音響信号が以下の処理を行うに十分な
数だけすでにランダムアクセスメモリ(以下RAMと記
す)に記憶されているものとする。すなわち、時間領域
圧縮を行うことができるだけのデータ量がすでにRAM
上に存在していることが必要条件となる。
【0050】次に記号の定義を示す。これから再生しよ
うとするメモリの先頭アドレスを示すポインタをPとす
る。音響信号はポインタPから連続して記録されている
ものとする。このデータ列に対し、再生出力はNf個単位
をフレームとして処理後に出力され、これを繰り返すも
のとする。Na(0<Na≦Nf)は時間領域圧縮を行って出力
するデータの個数を、Nb(0≦Nb<Nf)は無音を出力する
データの個数を示す。ここで、NfはNaとNbの和に等しく
なる。記録時との相対速度がRtで高速再生を行うとする
と、記録時にNf個のデータを再生する時間に高速再生時
にはRt・Nf個のデータを消費する必要がある。
【0051】以下、図6のフローチャートに沿って説明
を行う。まず、初期設定として Rt,Nf,Na,Nbの値を決定
する。そして、Rtの値に応じて時間圧縮する圧縮比Scを
求める。ここでは(数8)で表される例として以下の式
に従う場合について説明を行う。
【0052】
【数12】
【0053】以下は、1フレームの処理、すなわち、繰
り返して処理を行う部分である。 (a)ポインタP以後のデータに対して(数12)で与え
られる圧縮比Scで時間領域圧縮を行ってNa個データを出
力する。
【0054】(b)Nb個の無音データを出力する。この処
理は、フレーム間が不連続に接続されるときに強制的に
無音を挿入する場合に適用される。
【0055】(c)ポインタPの示すアドレスをRt・Nfだけ
増加させて、次の処理に備える。さらに処理を続ける場
合には(a)〜(c)の処理を繰り返して行う。
【0056】次に、高速再生時に如何にデータが出力さ
れるかを模式図を用いて説明する。図7は、第3の実施
例における相対速度が2、3、および、5の場合のデー
タ処理の模式図を示している。本実施例では、閾値Rs
(1)が2.0、すなわち記録速度に対する相対速度が2.0以
上の場合の処理を行うことを仮定している。圧縮比Scは
(数12 9)に示すように相対速度が2以上3未満の
時に1/2、相対速度が3以上4未満の時に1/3、相
対速度が4以上の時には1/4と、相対速度の値により
設定を変更する。相対速度2の場合、図7(b)は未処理
データであり、(c)は処理後のデータである。相対速度
3の場合、図7(d)は未処理データであり、(e)は処理後
のデータである。また、相対速度5の場合、図7(f)は
未処理データであり、(g)は処理後のデータである。同
図より明らかなように相対速度2あるいは3の場合には
すべてのデータを利用して出力を演算している。これに
対して相対速度が5の場合には一部を廃棄している。本
実施例におけるデータの廃棄率Raは、次式のように表さ
れる。
【0057】
【数13】
【0058】図7(c)および(e)の例では相対速度を2お
よび3に設定しているので、廃棄率Raはいずれも0.0と
なる。図7(g)の例では相対速度を5に設定しているの
で、廃棄率Raは0.2となる。相対速度と閾値との位置関
係により廃棄率は不連続に変動する。廃棄率Raを(数
8)に基づいて一般的に書き表すと以下のようになる。
【0059】
【数14】
【0060】次に本実施例における入出力信号間の最大
遅延量Tdは、次式のように表される。
【0061】
【数15】
【0062】Tdを計算するため、従来例と同様にTfを3.
2768[sec]とすると、図7(c)および(e)の場合は0.0[se
c]となり、図7(g)の場合は3.2768[sec]となる。最大遅
延量も相対速度と閾値との位置関係により不連続に変動
する。最大遅延量Tdを(数8)に基づいて一般的に書き
表すと以下のようになる。
【0063】
【数16】
【0064】図8は本実施例における相対速度Rtと圧縮
比Sc、廃棄率Ra、および最大遅延量Tdとの関係を示した
ものである。図13の従来例の場合と比較すると違いが
良くわかる。
【0065】以上のように本実施例によれば、廃棄率Ra
および最大遅延量Tdのいずれも従来例より小さい値にし
た再生音を得られることが容易に理解される。
【0066】次に(数9)で表される例として、圧縮比
Scが以下の式に従う場合について説明を行う。
【0067】
【数17】
【0068】(数17)で示した圧縮比を与える場合に
は、相対速度が2未満の場合には入力される音響信号の
すべてを用いる時間領域圧縮を行い、それ以上の場合に
は圧縮比は固定の時間圧縮を行う。この場合の廃棄率
は、次式のようにあらわせる。
【0069】
【数18】
【0070】そして、(数9)で表される圧縮比をもと
に一般的に廃棄率を書き表すと以下のようになる。
【0071】
【数19】
【0072】また、最大遅延量は次式のようになる。
【0073】
【数20】
【0074】そして、(数9)で表される圧縮比をもと
に一般的に最大遅延量を書き表すと以下のようになる。
【0075】
【数21】
【0076】この例の場合の相対速度Rtと圧縮比Sc、廃
棄率Raおよび最大遅延量Tdの関係は図9のようになる。
【0077】以上のように本実施例によれば、廃棄率Ra
3および最大遅延量Td3のいずれも従来例より小さい値に
した再生音を得られることが容易に理解される。
【0078】次に(数22)で表される例として、圧縮
比Scが以下の式に従う場合について説明を行う。
【0079】
【数22】
【0080】
【数23】
【0081】(数23)で示した圧縮比を与える場合に
は、相対速度が2未満の場合には入力される音響信号の
すべてを用いる時間領域圧縮を行い、それ以上の場合に
は圧縮比は固定の時間圧縮を行う。この場合の廃棄率
は、次式のようにあらわせる。
【0082】
【数24】
【0083】そして、(数22)で表される圧縮比をも
とに一般的に廃棄率を書き表すと以下のようになる。
【0084】
【数25】
【0085】また、最大遅延量は次式のようになる。
【0086】
【数26】
【0087】そして、(数22)で表される圧縮比をも
とに一般的に最大遅延量を書き表すと以下のようにな
る。
【0088】
【数27】
【0089】この例の場合の相対速度Rtと圧縮比Sc、廃
棄率Raおよび最大遅延量Tdの関係は図10のようにな
る。
【0090】以上のように本実施例によれば、廃棄率Ra
4および最大遅延量Td4のいずれも従来例より小さい値に
した再生音を得られることが容易に理解される。
【0091】
【発明の効果】本発明の音声再生装置は、圧縮比設定手
段で与えられる圧縮比で時間領域伸縮を行う時間領域伸
縮処理手段を設けたことにより、通常の音程を保ちつつ
記録時より速く音響信号を再生でき、廃棄率および最大
遅延量を同等以下に低減できるものである。従って、V
TRなどで音響信号をもとにしたサーチを行うときでも
再生内容の抜け、および、時間のずれが従来より少なく
設定できる。そして、通常速度のまま再生する選択も可
能となる。圧縮比を変更する閾値を可変することで動作
を変更することも可能である。これは、例えば記録され
ている内容が難解な音声などでは再生速度が2倍を越え
ると再生内容を理解できなくなることがあるが、本発明
では閾値を変更するのみで速度を可変できる。また、本
発明の音声再生方法では、フレーム間の不連続感を低減
する目的で無音データを挿入することも可能としてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図
【図2】本発明の第1の実施例におけるデータ処理の模
式図
【図3】本発明の第1の実施例における相対速度と圧縮
比、廃棄率および最大遅延量の関係を示す特性図
【図4】本発明の第2の実施例の構成図
【図5】本発明の第2の実施例におけるデータ処理の模
式図
【図6】本発明の第3の実施例における処理概要を示す
フローチャート
【図7】本発明の第3の実施例におけるデータ処理の模
式図
【図8】本発明の第3の実施例における相対速度と圧縮
比、廃棄率および最大遅延量の関係を示す特性図
【図9】本発明の第3の実施例における相対速度と圧縮
比、廃棄率および最大遅延量の関係を示す特性図
【図10】本発明の第3の実施例における相対速度と圧
縮比、廃棄率および最大遅延量の関係を示す特性図
【図11】従来例の構成図
【図12】従来例のデータ処理の模式図
【図13】従来例における相対速度と圧縮比、廃棄率お
よび最大遅延量の関係を示す特性図
【符号の説明】
10 時間領域伸縮処理手段 11 メモリ制御手段 12 圧縮比設定手段 13 比較手段 20 モード制御手段 21 選択手段 201 信号再生手段 202 AD変換器 203 ディジタルメモリ 204 DA変換器 205 クロックレート設定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に記録された音響信号を所定の閾
    値Rs以上である記録時との相対速度Rt(Rt>Rs≧1)で高
    速に読みだす信号再生手段と、読みだした音響信号をデ
    ィジタル信号に変換するAD変換器と、前記AD変換器
    のサンプリング周期をTn/Rtに設定するクロックレート
    設定手段と、前記AD変換器の出力をメモリ制御手段の
    制御により記憶するディジタルメモリと、前記ディジタ
    ルメモリから読み出したディジタル信号を圧縮比設定手
    段で与えられる圧縮比で時間領域伸縮を行う時間領域伸
    縮処理手段と、前記時間領域伸縮処理手段の出力をサン
    プリング周期Tnでアナログ信号に変換するDA変換器
    と、前記相対速度Rtの値と閾値Rsとを比較して圧縮比の
    値を求める比較器と、前記比較器の出力に基づいて前記
    ディジタルメモリへデータの書き込みおよび読み出しの
    制御を行う前記メモリ制御手段と、前記比較器の出力に
    基づいて前記時間領域伸縮処理手段の圧縮比を設定する
    前記圧縮比設定手段とを有し、高速再生した音響信号を
    記録時の音程でかつ、記録時のRs倍の速度で再生する制
    御を行うことを特徴とする音声再生装置。
  2. 【請求項2】記録媒体に記録された音響信号を記録時と
    の相対速度Rt(Rt≧1)で高速に読みだす信号再生手段
    と、読みだした音響信号をディジタル信号に変換するA
    D変換器と、前記AD変換器のサンプリング周期をTn/
    Rtに設定するクロックレート設定手段と、前記AD変換
    器の出力をメモリ制御手段の制御により記憶するディジ
    タルメモリと、前記ディジタルメモリから読み出したデ
    ィジタル信号を圧縮比設定手段で与えられる圧縮比で時
    間領域伸縮を行う時間領域伸縮処理手段と、サンプリン
    グ周期Tnでアナログ信号に変換するDA変換器と、前記
    相対速度Rtの値と圧縮比とを考慮して前記メモリ制御手
    段、前記圧縮比設定手段および選択手段の動作モードを
    決定し、時間領域伸縮すべき圧縮比の値を求めるモード
    制御手段と、前記時間領域伸縮処理手段の出力あるいは
    前記ディジタルメモリの出力を前記モード制御手段が与
    える動作モードにより選択して前記DA変換器へ出力す
    る前記選択手段と、前記モード制御手段の出力に基づい
    て前記ディジタルメモリへデータの書き込みおよび読み
    出しの制御を行う前記メモリ制御手段と、前記モード制
    御手段の出力に基づいて前記時間領域伸縮処理手段の圧
    縮比を設定する前記圧縮比設定手段とを有し、高速再生
    した音響信号を記録時の音程でかつ、記録時と同一もし
    くは早い速度で再生する制御を行うことを特徴とする音
    声再生装置。
  3. 【請求項3】ディジタルメモリに記憶されている音響信
    号を、記録時との相対速度Rt(Rt>1)で高速に再生する際
    に、所定の閾値Rs以上の相対速度Rtに対して圧縮比Scを
    以下の式のように求め、 【数1】 再生を行うディジタルメモリの先頭アドレスを示すポイ
    ンタをPとし、所定のデータ数Nf個単位で、 (a) ポインタP以後のデータに対して前記圧縮比Scで時
    間領域圧縮した後にNa個(0<Na≦Nf)のデータを出力
    し、 (b) Nb個(Nb=Nf-Na)の無音データを出力し、 (c) ポインタPの示すアドレスをRt・Nf増加させる 処理を繰り返して行うことで、音程は記録時と同一で、
    かつ、高速に音響信号を再生することを特徴とする音声
    再生方法。
  4. 【請求項4】圧縮比Scが以下の式により与えられ、Rtの
    値に応じて段階的に圧縮比を変化させて時間領域圧縮す
    ることを特徴とする請求項3記載の音声再生方法。 【数2】
  5. 【請求項5】圧縮比Scが以下の式により与えられ、Rtの
    値が所定の閾値以下の場合にはRtに反比例した圧縮比で
    時間領域圧縮することを特徴とする請求項3記載の音声
    再生方法。 【数3】
  6. 【請求項6】圧縮比Scが以下の式により与えられ、Rtの
    値が所定の閾値以下の場合にはRtに反比例した圧縮比で
    時間圧縮し、その閾値より大きいRtに対してはRtの値に
    応じて段階的に圧縮比を変化させて時間領域圧縮するこ
    とを特徴とする請求項3記載の音声再生方法。 【数4】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08292798A (ja) * 1995-04-24 1996-11-05 Nec Corp 音声再生制御方式
WO2006093195A1 (ja) * 2005-03-01 2006-09-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 再生装置及び再生方法

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JPH08292798A (ja) * 1995-04-24 1996-11-05 Nec Corp 音声再生制御方式
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