JPH052982Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は左右に往復移動する苗載台から植付爪
によつて一株分の苗を取出し圃場に植付けるよう
にした田植機に関し、前記苗載台が左右移動終端
に至つたとき苗載台上の苗をこの傾斜下端に縦送
りする苗縦送り装置に関する。

「従来の技術」 従来、実開昭60−98324号公報に示す如く、苗
載台に苗縦送りローラを設けると共に、前記ロー
ラを駆動停止制御するクラツチを設ける技術があ
つた。

「考案が解決しようとする課題」 前記従来技術は、縦送り軸に縦送りクラツチア
ームを取付けていたから、該クラツチアームを軸
支する縦送り軸構造の簡略化を容易に行い得ない
と共に、縦送り軸回りに前記クラツチアームを回
転させるから、クラツチアーム取付部に小型化並
びにクラツチワイヤの張設スペースの確保などを
容易に図り得ない等の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、苗載台に苗縦送りローラを
設けると共に、前記ローラを駆動停止制御するク
ラツチを設ける田植機の苗縦送り装置において、
前記クラツチを入切するシフターを苗載台の条間
リブ裏面側に設け、苗載台傾斜方向軸芯線を中心
に回転自在に前記シフターを取付けると共に、ク
ラツチ操作用ワイヤを連結させるクラツチアーム
を前記条間リブに揺動自在に設け、クラツチアー
ムの揺動によつて前記シフターを苗載台傾斜方向
軸芯線回りに回転させるように構成したものであ
る。

「作用」 従つて、従来に比べて苗縦送りローラ軸構造の
簡略化を容易に行う得ると共に、苗載台傾斜方向
に細長い形状にシフターを形成して該シフター並
びにクラツチアームを条間リブ下面にコンパクト
に取付け得、条間リブを利用してシフター及びク
ラツチアームなどクラツチ操作用の機構の簡略化
並びに取付け強度の確保などを容易に図り得るも
のである。

「実施例」 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は縦送り部の説明図、第２図は乗用田
植機の側面図、第３図は同平面図を示し、図中１
は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン２を
搭載する車体フレーム３後端をミツシヨンケース
４に連設させ、前記ミツシヨンケース４の前部両
側にアクスルケース５を介して水田走行用前輪６
を支持させると共に、前記ミツシヨンケース４の
後部両側に伝動ケース７を連設し、前記伝動ケー
ス７後端部に水田走行用後輪８を支持させる。そ
して前記エンジン２等を覆うボンネツト９両側に
予備苗載台１０を取付けると共に、ステツプ11を
形成する車体カバー１２によつて前記伝動ケース
７等を覆い、前記車体カバー１２上部に運転席１
３を取付け、其の運転席１３の前方で前記ボンネ
ツト９後部に操向ハンドル１４を設ける。

また、図中１５は多条植え用の苗載台１６並び
に複数の植付爪１７などを具備する植付部であ
り、前高後低の合成樹脂製の後傾式苗載台１６を
支持部材である案内レール１８及びガイドレール
１９を介して植付ケース２０に左右往復摺動自在
に支持させると共に、クランク運動させる植付ア
ーム２１並びに植付爪駆動軸２２を介して植付ケ
ース２０に前記植付爪１７を取付ける。そして前
記植付ケース２０の下方に、植付均平用の主フロ
ート２３と、植付深さ調節リンク２５及び緩衝リ
ンク２６を介して支持する左右のサイドフロート
２４ａ，２４ｂとを配設すると共に、前記植付ケ
ース２０の前側にリンクヒツチ２７を設け、トツ
プリンク２８及びロアリンク２９を含む三点リン
ク機構３０を介して前記走行車１後側にこのリン
クヒツチ２７により植付部１５を連結させ、植付
部１５を昇降させる油圧シリンダ３１を前記ミツ
シヨンケース４後部とトツプリンク２８との間に
介設させ、前記油圧シリンダ３１の伸縮動作で植
付部１５を昇降させる一方、前記植付部１５を降
下させて各フロート２３，２４ａ，２４ｂを着地
させ、左右に往復移動させる苗載台１６から一株
分の苗を植付爪１７によつて順次取出して植付け
るように構成している。

また図中３２は走行変速レバー、３３は植付昇
降レバー、３４は植付深さ感度調節レバー、３５
は走行クラツチペダル、３６，３６は左右ブレー
キペダルである。

第４図にも示す如く、前記苗載台１６裏面の傾
斜下端近傍に上下一対の縦送り六角軸３７，３８
を平行に横架させると共に、単一の筒軸３９に一
体形成する左右一対の縦送りローラ４０，４０を
設け、該六角軸３７，３８に筒軸４０を遊嵌軸支
させて苗載台１６の各条ごとに２組の縦送りロー
ラ４０，４０を上下に配設し、この位置に丸環４
１を介して一対のローラ４０，４０を位置固定さ
せ、苗載台１６に開設した窓４２から苗載台１６
上面に各ローラ４０の上側を突出させる。

そして、苗載台１６が左右移動終端に至つたと
き、縦送り駆動カム及びホロワカムなどの縦送り
伝動機構を介して下側の六角軸３８を間欠的に回
転させることにより、各縦送りローラ４０を回転
させて苗マツト４３を苗取出し口に縦送りするも
ので、上下の六角軸３７，３８をプーリ４４，４
５及びベルト４６を介して連動連結すると共に、
該六角軸３７，３８と各ローラ４０とを回転停止
機構４７により継断自在に連動連結させている。

該回転停止機構４７は一条ごとに備えるもの
で、前記六角軸３７，３８に摺動自在に嵌合支持
させて前記筒軸３９の一端に設ける固定爪３９ａ
に適宜噛合せる可動爪４８ａを有する可動クラツ
チ４８と、六角軸３７，３８の固定カラー４９に
一端を支持させて前記可動クラツチ４８を筒軸３
９側に押圧するようにバネ力を付勢する復帰バネ
５０と、苗載台１６の条間リブ１６ａ裏面に固設
する上下一対のシヤーシ５１，５１に回転自在に
軸支して一条分の上下可動クラツチ４８，４８に
係合させるアーム部５２ａ，５２ａ及び５２ｂ，
５２ｂを設け各爪３９ａ，４８ａの噛合せを解除
するシフター５２とから構成し、通常は前記バネ
５０力により各爪３９ａ，４８ａを噛合せた状態
の各条の回転停止機構４７により上下の六角軸３
７，３８と各縦送りローラ４０とを連動連結させ
る一方、シフター５２を回転させることによりこ
のアーム部５２ａ，５２ａ及び５２ｂ，５２ｂを
介してバネ５０力に抗し各爪３９ａ，４８ａの噛
合せを解除した状態の回転停止機構４７でもつて
各条別に縦送りローラ４０を上下２組同時に停止
させるように構成している。

第５図に示す如く、前記シフター５２を回転さ
せるＬ形のクラツチアーム５３を備え、前記条間
リブ１６ａ裏面の固定ブラケツト５４に支軸５５
を介して前記アーム５３中間を回動自在に支持さ
せ、前記シフター５２を突設するピン部５２ｃを
前記アーム５３の一端に開設する長孔５３ａに係
入支持する一方、後述する植付ユニツトクラツチ
５６を継断操作する植付ユニツトクラツチレバー
５７にワイヤ５８を介して前記アーム５３の他端
側を連結し、前記クラツチレバー５７の切操作に
よるアーム５３の揺動時シフター５２を回転させ
て前記回転停止機構４７を切操作するように構成
している。

前記植付ユニツトクラツチ５６は左右最外側の
それぞれ２条［苗載台１６ｂ，１６ｂ，１６ｃ，
１６ｃ］と中央の１条［苗載台１６ｄ］の植付爪
１７の駆動をそれぞれ停止させるべく前記植付ケ
ース２０の三つのユニツト２０ａ，２０ｂ，２０
ｃ内に各別に設けていて、運転席１３近傍の３本
のクラツチレバー５７，５７，５７に各ユニツト
２０ａ，２０ｂ，２０ｃ内の植付ユニツトクラツ
チ５６，５６，５６をそれぞれシフター５９．ク
ラツチワイヤ６０並びにこれらに相当する条の回
転停止機構４７の前記クラツチアーム５３と前記
クラツチワイヤ５８を介して連動連結させ、各ユ
ニツト２０ａ，２０ｂ，２０ｃごとのクラツチレ
バー５７の切操作時この条の植付爪１７の駆動を
停止させると共に、この条の縦送りローラ４０に
よる苗の縦送りも停止させるように構成してい
る。

上記から明らかなように、苗載台１６に苗縦送
りローラ４０を設けると共に、前記ローラ４０を
駆動停止制御するクラツチ４８を設ける田植機の
苗縦送り装置において、前記クラツチ４８を入切
するシフター５２を苗載台１６の条間リブ１６ａ
裏面側に設け、苗載台１６傾斜方向軸芯線を中心
に回転自在に前記シフター５２を取付けると共
に、クラツチ４８操作用ワイヤ５８を連結させる
クラツチアーム５３を前記条間リブ１６ａに揺動
自在に設け、クラツチアーム５３の揺動によつて
前記シフター５２を苗載台１６傾斜方向軸芯線回
りに回転させ、前記クラツチ４８を入切するよう
に構成している。

なお第６図及び第７図に示す如く、左右最外側
のそれぞれ２条の回転停止機構４７はそのクラツ
チアーム５３，５３を一組として一本のワイヤ５
８を介して植付ユニツトクラツチレバー５７に連
結していて、ユニツト２０ａ，２０ｃに相当する
２条の苗の縦送りを同時に停止させるように構成
している。

本実施例は上記の如く構成するものにして、畦
際作業などにおいて左或いは右２条の植付けを中
断するためこの条に相当するユニツトクラツチレ
バー５７を切操作したときには、ケースユニツト
２０ａ或いは２０ｂ内の植付ユニツトクラツチ５
６が切状態となつて植付爪１７の駆動が停止する
と同時に、この条に相当する回転停止機構４７が
切状態となつて縦送りローラ４０の回転が停止す
る。この結果、植付爪１７の駆動が停止され苗の
取出しが行われなくなつた場合には、苗載台１６
上の苗の縦送りも同時に停止されるものであるか
ら、必要時以外苗マツト４３にローラ４０を作用
されることなく、この苗マツト４３裏面をローラ
４０の摺接回転により削り損傷させたり、全体の
形崩れ及び部分的な浮上り等が解消され、植付再
開後の苗の縦送りが正常に行えるようになる。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、苗載
台１６に苗縦送りローラ４０を設けると共に、前
記ローラ４０を駆動停止制御するクラツチ４８を
設ける田植機の苗縦送り装置において、前記クラ
ツチ４８を入切するシフター５２を苗載台１６の
条間リブ１６ａ裏面側に設け、苗載台１６傾斜方
向軸芯線を中心に回転自在に前記シフター５２を
取付けると共に、クラツチ４８操作用ワイヤ５８
を連結させるクラツチアーム５３を前記条間リブ
１６ａに揺動自在に設け、クラツチアーム５３の
揺動によつて前記シフター５２を苗載台１６傾斜
方向軸芯線回りに回転させるもので、従来に比べ
て苗縦送りローラ４０軸構造の簡略化を容易に行
うことができると共に、苗載台１６傾斜方向に細
長い形状にシフター５２を形成して該シフター５
２並びにクラツチアーム５３を条間リブ１６ａ下
面にコンパクトに取付けることができ、条間リブ
１６ａを利用してシフター５２及びクラツチアー
ム５３などクラツチ４８操作用の機構の簡略化並
びに取付け強度の確保などを容易に図ることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦送り部の説明図、第２図は乗用田植
機の側面図、第３図は同平面図、第４図は植付部
の側面図、第５図は第１図の部分拡大説明図、第
６図は第１図の変形構造を示す説明図、第７図は
第６図の部分拡大説明図である。 １６……苗載台、４０……苗縦送りローラ、４
７……回転停止機構、５６……植付ユニツトクラ
ツチ、５７……植付ユニツトクラツチレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗載台１６に苗縦送りローラ４０を設けると共
   に、前記ローラ４０を駆動停止制御するクラツチ
   ４８を設ける田植機の苗縦送り装置において、前
   記クラツチ４８を入切するシフター５２を苗載台
   １６の条間リブ１６ａ裏面側に設け、苗載台１６
   傾斜方向軸芯線を中心に回転自在に前記シフター
   ５２を取付けると共に、クラツチ４８操作用ワイ
   ヤ５８を連結させるクラツチアーム５３を前記条
   間リブ１６ａに揺動自在に設け、クラツチアーム
   ５３の揺動によつて前記シフター５２を苗載台１
   ６傾斜方向軸芯線回りに回転させるように構成し
   たことを特徴とする田植機の苗縦送り装置。