JPH05296999A - グルココルチコイドの効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンi及びその定量法 - Google Patents

グルココルチコイドの効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンi及びその定量法

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JPH05296999A
JPH05296999A JP13157892A JP13157892A JPH05296999A JP H05296999 A JPH05296999 A JP H05296999A JP 13157892 A JP13157892 A JP 13157892A JP 13157892 A JP13157892 A JP 13157892A JP H05296999 A JPH05296999 A JP H05296999A
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Taiji Kato
泰治 加藤
Kenji Kamimura
憲司 上村
Shigeki Kimura
茂樹 木村
Kuniyoshi Matsunaga
國義 松永
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Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】グルココルチコイドの効果判定マーカーとして
のヒトリポコルチンI及び該ヒトリポコルチンIを定量
する方法に関する。 【構成】体液中のヒトリポコルチンIを免疫学的方法に
より測定し、その濃度変化を確認し、グルココルチコイ
ドの効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンI及び
免疫学的測定によるヒトリポコルチンIの定量方法に関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルココルチコイドの
効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンI及び該ヒ
トリポコルチンIを定量する方法に関する。より詳細に
は、血漿又は血清中のヒトリポコルチンIを定量し、対
照水準と比較し、濃度変化を確認し、グルココルチコイ
ドの効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンI及び
免疫学的測定によるヒトリポコルチンIの定量方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】グルココルチコイドは副腎皮質ステロイ
ドホルモンであり、その薬理作用としては抗炎症作用、
細胞増殖抑制作用、タンパク同化抑制作用が知られてい
る。とりわけ抗炎症作用は強く、その作用機作はプロス
タグランディンやロイコトリエン等の起炎物質の合成阻
害であり、アラキドン酸カスケードの最初の段階でリン
脂質からアラキドン酸を遊離するホスホリパーゼA2
阻害する蛋白がグルココルチコイドによって誘導される
ことによると考えられている。
【0003】この誘導される蛋白はマクロコルチン、リ
ポモジュリン或いはレノコルチンと呼ばれたが、これら
が免疫学的に分離できない点などから共通の前駆体から
由来するものと考えられ、その名称はリポコルチンに統
一された〔(代謝、24巻、3号(1987)〕。
【0004】そのリポコルチンとしては、最近では塩基
配列レベルでリポコルチンIやリポコルチンIIが知ら
れ、更にリポコルチンIII、IV、V及びVIが報告
されている。
【0005】リポコルチンの生物学的作用としては、炎
症、免疫、凝固、細胞増殖・分化に及ぼす作用等、多く
の報告がある。しかし、細胞内での研究が主であり、細
胞外、特に血液中での動態についての報告はされていな
い。
【0006】また、リポコルチンの定量法はこれまでに
数々報告されている〔バイオケミカル アンド バイオ
フィジカル リサーチ コミュニケーションズ(Bioche
m. Biophys. Res. Commun.)109巻、223頁(19
82)、バイオケミカル ソサイアティ トランザクシ
ョンズ(Biochem. Soc. Trans.)18巻、1230
(1990)及びジャーナル オブ イムノロジカル
メソッド(J. Immunol.Meth.)131巻、119頁(1
990)〕。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
各測定は、それぞれラット腹腔液やマクロファージ培養
液、ラットの脳下垂体や視床下部組織中及びヒト単球中
のリポコルチンを測定しているのみであり、ヒト血清又
は血漿中のヒトリポコルチン濃度を定量した報告はなさ
れていない。
【0008】更に、グルココルチコイドの投与によって
誘導されるリポコルチンを血清又は血漿中で測定し、グ
ルココルチコイドの薬理効果と血清又は血漿中での濃度
との関連を見い出した報告はない。
【0009】グルココルチコイドによる抗炎症作用は、
そのメカニズムにおいてホスホリパーゼA2の阻害作用
がグルココルチコイドの投与により血液中に誘導され、
増加したリポコルチンにより行われると考えられている
ことから、グルココルチコイドによる抗炎症の効果は誘
導されたリポコルチン量に反映されるものと考えられ
る。従って、グルココルチコイド投与後の血液中のリポ
コルチン濃度を測定することによって、投与された患者
におけるグルココルチコイドの効果判定の指標になるも
のと考えられる。
【0010】発明者らは、ヒトリポコルチンIをヒト胎
盤より精製し、ヒトリポコルチンIに対する特異抗体を
作製し、得られた抗体と精製ヒトリポコルチンIを用い
た免疫測定法の開発により、正確に血清又は血漿中のヒ
トリポコルチンI濃度を測定できることを可能にした。
【0011】更にグルココルチコイド投与患者の血中の
ヒトリポコルチンI濃度を測定することにより、グルコ
コルチコイドにより誘導された血中ヒトリポコルチンI
量の増加を確認し、グルココルチコイドの効果判定の指
標としてのヒトリポコルチンIの有用性を見い出し、本
発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は血漿又は血清中
のグルココルチコイドの効果判定マーカーとしてのヒト
リポコルチンIを検定することにより、グルココルチコ
イドの薬理効果を判定する方法を提供するものである。
【0013】即ちヒトリポコルチンIをグルココルチコ
イドの効果判定マーカーとして定量することにより、診
断において投与されたグルココルチコイドの効果判定或
いは患者毎による最適投与量の設定をすることが可能で
ある。
【0014】本発明の効果判定の対象薬剤としてのグル
ココルチコイドとしては、その作用機作としてフォスフ
ォリパーゼA2阻害作用を有するヒトリポコルチンを誘
導する作用を有する薬剤であるが、具体的には例えば、
コルチゾール(Cortisol)、コルチゾン(Cortison
e)、デキサメサゾン(Dexamethasone)、コルチコステ
ロン(Corticosterone)等が挙げられる。
【0015】更に本発明は上記に述べたヒトリポコルチ
ンIの定量法も提供する。例えば、好適な定量法である
ヒトリポコルチンIに対する特異的抗体を用いる免疫測
定法に関し、その一例を詳細に説明する。
【0016】ヒトリポコルチンIは例えば、ヒト胎盤よ
り公知の方法に従って調製できる〔ジャーナル オブ
バイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)264
巻、6948頁(1989)〕。
【0017】調製されたヒトリポコルチンIを用い、ヒ
トリポコルチンI抗体を得ることができる。即ち、ヒト
リポコルチンIをそのまま若しくは適当なアジュバンド
と混合して動物の皮内、腹腔内などに注射する。この操
作を1〜2週間隔で繰り返して免疫する。免疫した動物
の細胞を骨髄腫細胞と細胞融合しヒトリポコルチンI抗
体を産生するハイブリドーマを得ることができる。得ら
れたハイブリドーマの培養液によりモノクローナル抗体
を得ることができる。ポリクローナル抗体は上記と同様
に動物にヒトリポコルチンIを免疫後、抗体産生の確認
された動物の血清中より得ることができる。
【0018】使用する抗体は調製したイムノグロブリン
分画そのものでも使用できるが、更にヒトリポコルチン
Iとの結合部位のみを分離した F(ab')2, Fab', Fab な
どの分画として使用することもできる。
【0019】一方、高度に精製したヒトリポコルチンI
又は抗ヒトリポコルチンI抗体を用いて、検出可能な標
識物質と結合させた標識ヒトリポコルチンI又は抗ヒト
リポコルチンI抗体を作成する。検出可能な標識物質と
しては、その検出感度がヒトリポコルチンIの定量法に
必要とされる検出感度に充分なものを選択する必要があ
る。具体的には各種放射性同位元素、各種酵素、蛍光物
質、金属イオンなどがあり、更に好ましくは 125I、
131I、β−D−ガラクトシダーゼ、パーオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダー
ゼ、マレートデヒドロゲナーゼ、フルオレセイン、メチ
ルウンベリフェロン、マグネシウムなどがあげられる。
【0020】これら検出可能な物質とヒトリポコルチン
I又は抗ヒトリポコルチンI抗体との結合は、既知の方
法が用いられる。例えば、放射性同位元素を用いる場合
にはクロラミンT、ヨードゲン(ピアス社製・登録商
標)などの試薬が用いられ、酵素の場合には二官能性試
薬によるカップリング法、過沃素酸酸化法などが応用で
きる。
【0021】このようにして得られた標識ヒトリポコル
チンI又は抗ヒトリポコルチンI抗体中には、本来目的
とする標識ヒトリポコルチンI又は標識抗ヒトリポコル
チンI抗体の他に、検出可能な物質とヒトリポコルチン
Iとの結合数の異なるもの、検出可能な物質がヒトリポ
コルチンI又は抗ヒトリポコルチンI抗体への結合操作
中に一部変化し本来の活性を失ったもの、結合反応に関
与しなかった検出可能な物質そのもの、あるいは検出可
能な物質がヒトリポコルチンI又は抗ヒトリポコルチン
I抗体に結合しなかったヒトリポコルチンI又は抗ヒト
リポコルチンI抗体そのものなどが混入していることが
ある。そこで定量の感度を上げるためには目的とする標
識ヒトリポコルチンI又は標識抗ヒトリポコルチンI抗
体のみを上記の混合物から分離することが好ましい。こ
のための方法としてはイオン交換クロマトグラフィー、
ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィーなどが利用できる。
【0022】上記以外にヒトリポコルチンIの定量に必
要な試薬としては、抗体を直接結合させた水不溶性担体
がある。更に水不溶性担体に不溶化させる抗体に結合す
る因子があり、抗体はイムノグロブリンであるから結合
する因子としては抗イムノグロブリン抗体、即ち第二抗
体を用いることができる。その他イムノグロブリン結合
蛋白質である微生物由来のプロテインA、プロテインG
なども用いることができる。これら結合する因子は抗体
の結合量を上げるためにアフィニティークロマトグラフ
ィー等の手段により高度に精製しておくことが好まし
い。結合する因子を不溶化するための水不溶性担体とし
ては、各種の多糖ゲル、ポリスチレンなどの合成樹脂で
作られた粒子、ビーズ、試験管、その他の小容器、同様
の形態のガラス、金属などの他、ニトロセルロース、ナ
イロンなどの合成薄膜などが適している。
【0023】これら水不溶性担体への結合する因子の不
溶化法としては、物理的吸着、共有結合などの化学的結
合が利用できる。例えば物理的吸着法では、一定濃度の
結合する因子の溶液にポリスチレンビーズ等を入れ、一
定時間放置することによりポリスチレンビーズ等に結合
する因子を物理的に不溶化することができる。この際、
不溶化に際して結合する因子の溶液を絶えず動かすこと
により水不溶性担体表面に結合する因子を均一に不溶化
することができる。又、結合する因子の溶液を15〜40℃
に保つことにより短時間に不溶化することができる。化
学的結合法では、各種カップリング用試薬、例えば臭化
シアン、グルタルアルデヒド、過沃素酸ナトリウム、カ
ルボジイミド誘導体、シラン剤、マレイミド誘導体、サ
クシニイミドエステル、オキシラン化合物、トシルクロ
ライド、カルボニルイミダゾール等々が用いられる。
【0024】このようにして調製された水不溶性担体に
不溶化された該抗体に結合する因子は、ヒトリポコルチ
ンIの定量に際してそのまま用いるのは好ましくない。
即ち、そのまま用いた場合、水不溶性担体の表面、ある
いは結合する因子の不溶化のために利用された化学的に
活性な反応基が定量に際して反応液成分を非特異的に吸
着結合し測定感度の悪化をもたらすのである。これを防
止するためには、結合する因子を不溶化した後の水不溶
性担体の表面を処理することが好ましい。この処理法と
しては、結合する因子を不溶化した後の水不溶性担体を
十分に洗浄した後、水不溶性担体の表面を不活性化する
方法が好ましい。水不溶性担体の表面を不活性化するた
めには、アルブミン、ゼラチン、その他の蛋白を1種以
上含む溶液、各種アミノ酸、その他のアミノ基を持つ化
合物の溶液、還元剤、酸化剤などが各々単独もしくは組
み合わせて用いることができる。
【0025】このようにして調製された試薬を用いてヒ
トリポコルチンIを定量する。まず、血清又は血漿の一
定量と抗体を結合させた水不溶化担体と緩衝液の一定量
を反応させる。この時の全反応液量は50〜1000μlが好
ましい。緩衝液としてはアルブミン、ゼラチンなどの一
種以上の蛋白質を0.01〜1%含むpH4〜pH8.5の緩衝液
が好ましく、反応温度は2℃〜40℃が好ましい。
【0026】反応時間は測定感度に影響する重要な因子
であり、操作性も考慮すると10分〜4日が好ましい。次
いでこの反応液に検出可能な物質で標識されたヒトリポ
コルチンI又は抗ヒトリポコルチン抗体を加え、更に反
応を行う。反応温度及び時間は上と同じく2℃〜40℃、
10分〜4日が好ましい。
【0027】反応後、水不溶性担体を水又は適当な緩衝
液で洗浄し、水不溶性担体に結合した検出可能な物質を
測定する。上記操作を既知濃度のヒトリポコルチンIを
含む標準液についても行い、標準液の測定値と生体体液
の測定値を比較することにより血漿又は血清のヒトリポ
コルチンIの濃度を定量することができる。
【0028】上記以外の公知の免疫学的測定方法を利用
してヒトリポコルチンIを定量することも、もちろん可
能である。
【0029】このようにして定量した生体体液中のヒト
リポコルチンI量はヒトにおけるグルココルチコイドの
薬理効果の判定指標又は最適投与量の設定指標として使
用することができる。そのためには臨床的に確立したグ
ルココルチコイドの投与を必要とする患者から採取され
た血清又は血漿試料を本発明の方法で定量し、これらの
測定で得られるヒトリポコルチンI濃度を調べる事が必
要である。本発明者らは、グルココルチコイドを投与さ
れた患者の血清又は血漿中のヒトリポコルチンIの濃度
を測定すると、投与されたグルココルチコイドによって
ヒトリポコルチンIの濃度が変動することが見いだし
た。従って、グルココルチコイド投与前と投与後の血清
又は血漿中のヒトリポコルチンI濃度の比較によりグル
ココルチコイドの効果の判定或いは個々の患者について
の最適投与量の設定を行う判断資料とすることが可能で
ある。
【0030】さらに、このような検定を行うことによっ
て、グルココルチコイドによるの治療の有効性などの判
断資料とすることが可能であり、副作用の強いステロイ
ド薬剤であるグルココルチコイドの各々の患者に対して
の最適投与量の設定を行うことが可能である。
【0031】以下、本発明の実施例について更に詳細に
説明する。尚、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、本実施例で用いた抗原及び抗体は以下のよう
にして調製した。
【0032】抗原 ヒトリポコルチンIはヒト胎盤よ
り〔ジャーナル オブ バイオロジカルケミストリー
(J. Biol. Chem.)264巻、6948頁(1989)〕
に従って、調製・精製した。
【0033】抗体 ポリクローナル抗体としては、ま
ずヒト胎盤由来リポコルチンIをウサギの皮下に0.5mg
/headずつ週1回、3週間投与し、最終投与3週間後よ
り毎週耳静脈より採取し、抗血清を得た。
【0034】次に得られた抗血清を50%飽和硫安塩析,
DEAE−celluloseによるイオン交換クロマトグラフィ
ー、更にCNBr−活性化Sepharose4B(ファルマシア製)
に抗原を結合させたアフィニティーカラムによるクロマ
トグラフィーで精製したものを使用した。
【0035】モノクローナル抗体としては、ヒト胎盤細
胞由来リポコルチンIを免疫したマウスから取り出した
脾臓細胞とマウスミエローマ細胞を融合して得られたハ
イブリドーマ4E4の培養液を45%を飽和硫安塩析、抗原
結合アフィニティーカラムを用いたクロマトグラフィー
により精製したものを使用した。
【0036】
【実施例】
実施例1 (1)抗体結合固相の作製 ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体をpH7.0
のリン酸緩衝液に溶解し、固相としてのポリスチレンビ
ーズを浸漬することにより、その表面に結合させた。
【0037】(2)各種標識物結合抗体及び標識物結合
ヒトリポコルチンIの作製 抗体又はヒトリポコルチンIへの標識酵素としては酵素
免疫測定法で一般的に使用されているパーオキシダー
ゼ、β−D−ガラクトシダーゼ又はアルカリフォスファ
ターゼで標識した。
【0038】抗体は、IgG,IgGをペプシン処理すること
により得られるF(ab')2、更にF(ab')2を還元剤により還
元することにより得られるFab'、IgGをパパイン処理す
ることにより得られるFabを使用した。
【0039】放射能ラベルの場合は、125Iをクロラミ
ンTを用いた方法により抗体又はヒトリポコルチンIに
標識した。
【0040】(3)標識酵素活性測定法 酵素活性を発色法、蛍光法、発光法につき測定した。用
いた標識酵素及び基質を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】尚、表中でAMPGDは3-(4-Methoxyspiro[1,2
-dioxetane-3,2'-tricyclo[3.3.1.3,7]decan]-4-yl)phe
nyl-β-glactopyranosideを示し、AMPPDは3-(4-Methoxy
spiro[1,2-dioxetane-3,2'-tricyclo[3.3.1.3,7]decan]
-4-yl)phenyl-phosphateを示す。
【0043】(4)免疫測定法 免疫測定法はサンドイッチ法と競合法を実施した。サンドイッチ法 検体10μlに抗体結合ポリスチレンビーズ(直径6.5m
m)1ケ、10mMリン酸ナトリウム緩衝液0.5ml(0.1% B
SA、0.5%ゼラチン、1mM MgCl2、1% NaN3、0.3M
NaCl)を加え、37℃で3時間反応させた。反応終了後、
ビーズを洗浄し、各種標識抗体溶液0.5mlを加え、4℃
で一夜反応させた。
【0044】反応終了後、ビーズを洗浄し、ビーズ上に
結合した標識物を測定した。酵素活性は37℃で測定し、
発色法は60分、蛍光法は30分、発光法は30秒で測定し
た。放射能は放射活性をシンチレーションカウンターを
用いて測定した。
【0045】競合法 検体10μlに抗体結合ポリスチレンビーズ(直径6.5m
m)1ケ、各種標識物で標識したヒトリポコルチンIを
溶解した10mMリン酸ナトリウム緩衝液(0.1% BSA、0.
5%ゼラチン、1mM MgCl2、1% NaN3、0.3M NaCl)
0.5mlを37℃で3時間反応させた。反応終了後、ビーズ
を洗浄し、ビーズ上に結合した標識物を測定した。酵素
活性は37℃で測定し発色法は60分、蛍光法は30分、発光
法は30秒で測定した。放射能は放射活性をシンチレーシ
ョンカウンターを用いて測定した。
【0046】(5)標準ヒトリポコルチンIの測定 標準ヒトリポコルチンI溶液10μlにウサギ抗ヒトリポ
コルチンIポリクローナル抗体F(ab')2を結合させた直
径6.5mmポリスチレンビーズ1ケ、10mMリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.0、0.1% BSA、0.5%ゼラチン、0.1M N
aCl)0.5mlを加え、37℃で3時間反応させた。
【0047】反応終了後、ビーズを洗浄し、β−D−ガ
ラクトシダーゼで標識したマウス抗ヒトリポコルチンI
モノクローナル抗体F(ab')2溶液0.5mlを加えて、4℃、
一夜反応させた。反応後、基質として発色基質はクロロ
フェノールレッド−β−D−ガラクトピラノシド溶液0.
5mlを加え、蛍光基質は4−メチルウンベリフェリル−
β−D−ガラクトピラノシド溶液0.5mlを加えて、それ
ぞれ37℃、1時間及び30分の酵素反応を行い、酵素反応
停止液として発色法は1%ガラクトース溶液2ml、蛍光
法は0.1Mグリシン−NaOH緩衝液(pH10.3)2mlを加えて
酵素反応を停止した。発色法は575nmで吸光度を、蛍光
法は励起波長390nm、測定波長460nmで蛍光強度を測定し
た。標準ヒトリポコルチンIの測定結果を図1に示し
た。発色法の測定感度は、10ng/Tube、蛍光法は1ng/
Tubeであった。
【0048】実施例2 血清中のヒトリポコルチンI量の定量 グルココルチコイド投与中の患者の血清中のヒトリポコ
ルチンI量を定量した。測定系での血清使用量は10μl
で実施例1の(5)と同じ方法で測定し、酵素活性は蛍
光法により測定し、それぞれの検体の蛍光強度を標準線
の蛍光強度から読み取り、ヒトリポコルチンI量として
求めた。
【0049】グルココルチコイド投与後のネフローゼ症
候群患者の血清中においてヒトリポコルチンI量の増加
が認められた。その結果を図2に示す。
【0050】実施例3 グルココルチコイド投与の患者の血清中のヒトリポコル
チンI量を定量した。測定系での血清使用量は10μlで
実施例1の(5)と同じ方法で測定し、酵素活性は発色
法により測定し、それぞれの検体の吸光度を標準線の吸
光度から読み取り、ヒトリポコルチンI量として求め
た。
【0051】グルココルチコイド投与患者(患者A〜患
者J)の血清中においてヒトリポコルチンI量の増加が
認められた。その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明により、ヒトリポコルチンIを精
度良く定量することが可能となり、定量された血漿又は
血清のヒトリポコルチンI量の変化により投与されたグ
ルココルチコイドの効果判定が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準ヒトリポコルチンIの検量線を示すもので
あり、図中で黒丸は蛍光法、白丸は発色法の結果を示
す。
【図2】ネフローゼ症候群患者に対するグルココルチコ
イド投与後の血漿中ヒトリポコルチンI量の変化を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 國義 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城屋 敷51 天野製薬株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト血漿又は血清中のヒトリポコルチンI
    を生体外でグルココルチコイドの効果判定マーカーとし
    て定量する方法。
  2. 【請求項2】ヒトリポコルチンIを含む血漿又は血清試
    料を、ヒトリポコルチンI特異的抗体との交差反応を利
    用し、該ヒトリポコルチンIを生体外で免疫学的に定量
    することを特徴とするヒトリポコルチンIの定量法。
  3. 【請求項3】ヒトリポコルチンIが薬剤により誘導され
    たものである請求項2記載の定量法。
  4. 【請求項4】対照水準よりグルココルチコイドの投与に
    より濃度が変動するヒトリポコルチンIの存在がグルコ
    コルチコイドの薬理効果判定の診断的指示である請求項
    2記載の定量法。
JP13157892A 1992-04-24 1992-04-24 グルココルチコイドの効果判定マーカーとしてのヒトリポコルチンi及びその定量法 Pending JPH05296999A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010500565A (ja) * 2006-08-10 2010-01-07 ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 癌治療法を有する患者の同定、評価、および治療のための方法
US11932937B2 (en) 2017-03-14 2024-03-19 Schunk Kohlenstofftechnik Gmbh Coated product and production method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010500565A (ja) * 2006-08-10 2010-01-07 ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 癌治療法を有する患者の同定、評価、および治療のための方法
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