JPH05295105A - アルコール性水酸基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

アルコール性水酸基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法

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JPH05295105A
JPH05295105A JP10298192A JP10298192A JPH05295105A JP H05295105 A JPH05295105 A JP H05295105A JP 10298192 A JP10298192 A JP 10298192A JP 10298192 A JP10298192 A JP 10298192A JP H05295105 A JPH05295105 A JP H05295105A
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alcoholic hydroxyl
phenol derivative
polymer
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JP10298192A
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Toru Tsukahara
徹 塚原
Hiromi Nishimura
寛美 西村
Mitsutoshi Aritomi
充利 有富
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化9】 (式中、Jは各々−R1 −[S(O)a −R2 (OH)
bc を表す。ここで、aは1又は2、b及びcは1〜
6、R1 及びR2 は多価炭化水素基を表し、m及びn
は、1≦m、m+n≦4,Kは特定の1価の置換基を表
す)で示されるフェノール誘導体0.2〜50モル%
と、一般式(II) 【化10】 (式中、Qは水素原子又は特定の1価の置換基を表す)
で示されるフェノール誘導体99.8〜50モル%とを
共重合させる、式(I)と式(II)の構造単位を含む数
平均重合度が10〜400のアルコール性水酸基を有す
るポリフェニレンエーテルの製造方法。 【効果】 ポリマーアロイの相溶化剤として極めて効果
の優れたポリマーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコール性水酸基を
有するフェノール誘導体と他のフェノール誘導体とを酸
化共重合させて、アルコール性水酸基を分子中に任意の
個数有する新規なアルコール性水酸基を有するポリフェ
ニレンエーテル(以下、PPEと略称する)の製造方法
に関する。
【0002】このアルコール性水酸基を有するPPE
は、塗装性、メッキ性、接着性、ガスバリアー性等が優
れた樹脂であり、フィルム、容器、車部材、電気部材、
ポリマーアロイの相溶化剤及びPPEの改質剤として有
用である。
【0003】
【従来の技術】近年、樹脂材料に対する品質要求は多様
化、かつ高度化の一途をたどっている。そのため、有用
な官能基を有する樹脂の開発が強く求められており、P
PEについても例外ではない。
【0004】すなわち、PPEと、PPEに対し非相溶
の樹脂、例えばポリプロピレンとのブレンドにおいて、
ブレンド状態がミクロ分散形態を示し、かつ強固な界面
強度を得るためには、ブレンドする双方の樹脂それぞれ
に対して、親和性を有するセグメントよりなるブロック
重合体や、グラフト重合体を相溶化剤として用いること
が有効である。これらの相溶化剤を合成するための重要
な方法の一つは、互いに反応し合う官能基を有するポリ
マー同士を結合させる方法である。
【0005】官能基をPPEに導入する方法としては、
官能基を有するモノマー化合物の重合、又は官能基を有
するモノマー化合物との共重合がある。これらの方法に
よれば、ポリマー中に単に官能基を導入するのみならず
官能基の導入個数、得られるポリマーの分子量を制御す
ることも可能である。
【0006】しかしながら、これまでPPEに関して知
られている共重合体は、その主鎖ベンゼン環の置換基が
アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン原子又
はオキシアルキル基の範囲にとどまっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性官能
基であるアルコール性水酸基を1分子中に任意の個数有
する官能化PPEの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Jは各々−R1 −[S(O)a
2 −(OH)bc を表す。ここで、aは1又は2を
表し、b及びcは1〜6の整数を表す。R1 及びR2
炭素数1〜20の多価炭化水素基を表す。Kは各々ハロ
ゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アミノアルキル基、ハロ炭化水素
基、ハロ炭化水素オキシ基又は炭化水素オキシ基を表
す。m及びnは共に整数で、1≦m、m+n≦4を満た
す。式中のJ、Kはそれぞれ異っていてもよい)で示さ
れるフェノール誘導体0.2〜50モル%と一般式(I
I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Qは各々水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アミノア
ルキル基、ハロ炭化水素基、ハロ炭化水素オキシ基又は
炭化水素オキシ基を表す。式中のQは、それぞれ異って
いてもよい)で示されるフェノール誘導体99.8〜5
0モル%とを共重合させることを特徴とする式(I)と
式(II)の構造単位を含む数平均重合度が10〜400
のアルコール性水酸基を有するポリフェニレンエーテル
の製造方法である。
【0013】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
は、一般式(I)で示されるフェノール誘導体1種又は
2種以上と一般式(II)で示されるフェノール誘導体の
1種又は2種以上とを酸化共重合することにより得られ
る一般式(III)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、J、K、m及びnは前記と同義で
ある)で示される構造単位x個と、一般式(IV)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Qは前記と同義である)で示され
る構造単位y個を含む樹脂の製造方法である。ここで、
xとyの和は10〜400であり、x/(x+y)は
0.002〜0.5、y/(x+y)は0.998〜
0.5である。
【0018】<一般式(I)で示されるフェノール誘導
体>置換基J及びKを説明するため、置換基JのうちR
1 、R2 及び置換基Kの具体例を、それぞれ以下に示
す。
【0019】R1 の具体例:メチレン、エチレン、エチ
ルエチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン、
1,1−、1,2−若しくは1,3−ジメチルトリメチ
レン、1−、2−若しくは3−メチルトリメチレン等の
アルキレン基;1,2−、1,3−若しくは1,4−フ
ェニレン等のアリーレン基等の2価基;3,7−ジメチ
ル−1,2,6−オクタントリイル、3,7−ジメチル
−1,3,6−オクタントリイル、3,7−ジメチル−
1,2,7−オクタントリイル、3,7−ジメチル−
1,3,7−オクタントリイル、等の3価基。
【0020】R2 の具体例:メチレン、エチレン、エチ
リデン、イソプロピリデン、1,2−ジメチルエチレ
ン、エチルエチレン、プロピレン、メチルメチレン、ト
リメチレン、イソプロピルエチレン、テトラメチレン、
ペンタメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン、1,
1−、1,2−若しくは1,3−ジメチルトリメチレ
ン、1−、2−若しくは3−メチルトリメチレン、1,
2−、1,3−若しくは1,4−フェニレン、ベンジリ
デン、フェニルベンジリデン等の2価基;1,1,2−
エタントリイル、1,2,3−、1,1,3−、1,
2,2−、1,1,2−プロパントリイル、1,3,5
−、1,2,3−、1,2,4−ベンジルトリイル等の
3価基;1,1,2,2−エタンテトライル等の4価基
【0021】Kの具体例:フッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン原子;メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチ
ル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−
へキシル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しく
は4−メチルペンチル、ヘプチル、イソプロピル、sec
−ブチル又は1−メチルペンチル等の第一級又は第二級
アルキル基;アリル等のアルケニル基;フェニル、o
−、m−若しくはp−トリル、o−、m−若しくはp−
メトキシフェニル等のアリール基;2−アミノエチル、
2−若しくは3−アミノプロピル基等のアミノアルキル
基;
【0022】2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2
−若しくは3−クロロプロピル、2−若しくは3−ブロ
モプロピル、o−、m−若しくはp−クロロフェニル、
o−、m−若しくはp−ブロモフェニル等のハロ炭化水
素基;o−、m−若しくはp−クロロフェノキシ、o
−、m−若しくはp−ブロモフェノキシ、2−若しくは
3−クロロプロポキシ、2−若しくは3−ブロモプロポ
キシ等のハロ炭化水素オキシ基;メトキシ、エトキ
シ、、n−若しくは iso−プロポキシ、n−ブトキシ、
フェノキシ、o−、m−若しくはp−メチルフェノキシ
等の炭化水素オキシ基等
【0023】これらの中で、本発明の一般式(I)に示
すアルコール性水酸基を有するフェノール誘導体として
好ましいものは、例えば、2−{3−(2−ヒドロキシ
エチルスルホニル)プロピル}−6−メチルフェノー
ル、2−{3−(2,3−ジヒドロキシプロピルスルホ
ニル)プロピル}−6−メチルフェノール、2−{3−
(2−ヒドロキシ−1−メチルプロピルスルホニル)プ
ロピル}−6−メチルフェノール、2−{3−(2−ヒ
ドロキシプロピルスルホニル)プロピル}−6−メチル
フェノール、2−{3−(2−ヒドロキシエチルスルフ
ィニル)プロピル}−6−メチルフェノール、2−{3
−(2,3−ジヒドロキシプロピルスルフィニル)プロ
ピル}−6−メチルフェノール、2−{3−(2−ヒド
ロキシ−1−メチルプロピルスルフィニル)プロピル}
−6−メチルフェノール、2−{3−(2−ヒドロキシ
プロピルスルフィニル)プロピル}−6−メチルフェノ
ール等である。
【0024】中でも2−{3−(2−ヒドロキシエチル
スルホニル)プロピル}−6−メチルフェノール、2−
{3−(2,3−ジヒドロキシプロピルスルホニル)プ
ロピル}−6−メチルフェノール等がより好ましい。
【0025】こられの化合物は、対応するスルフィド結
合を有するフェノール化合物を公知の方法で酸化するこ
とで得ることができる(丸善(株)、新実験化学講座1
4/有機化合物の合成と反応III 、1753頁、175
9頁)。
【0026】<一般式(II)で示されるフェノール誘導
体>本発明で使用する一般式(II)で示されるフェノー
ル誘導体としては、o−、m−若しくはp−クレゾー
ル、2,6−、2,5−、2,4−若しくは3,5−ジ
メチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、
2,6−ジエチルフェノール、2,3,5−若しくは
2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−
t−ブチルフェノール、2−アリルフェノール、2,6
−ジアリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノ
ール、2−アリル−5−クロロフェノール、2−アリル
−3−メトキシフェノール、2−アリル−3−イソブチ
ル−6−メチルフェノール又は2−アリル−6−エチル
フェノール等が用いられる。
【0027】こられの中で好適なものは2,6−ジメチ
ルフェノール、多量部の2,6−ジメチルフェノールに
少量部の2,3,6−トリメチルフェノール及びo−若
しくはp−クレゾールから選ばれた1種又は2種以上の
モノマー化合物の混合物等である。
【0028】更に、一般式(I)、一般式(II)のフェ
ノール誘導体の一部(20重量%以下)を、ビスフェノ
ールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシン、
ハイドロキノン、2,2−ビス(3′,5′−ジメチル
−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、又は
3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒド
ロキシビフェニルのような多価ヒドロキシ芳香族化合物
に置き換えて共重合させることもできる。
【0029】本発明のポリマーの製造は、通常のPPE
の酸化重合と同様に行うことができる(例えば、米国特
許3422062号、同第3306874号、同第33
06875号、同第3257257号及び同第3257
358号各明細書)。酸化重合に用いられる触媒は、特
に限定されないが、所望の重合度が得られる如何なる触
媒でもよい。例えば、第一銅塩−アミン、第二銅塩−ア
ミン−アルカリ金属水酸化物、マンガン塩−アミン、マ
ンガン塩−アミン−アルカリ金属水酸化物などよりなる
多くの触媒系が知られている。
【0030】本発明で得られるアルコール性水酸基を有
するPPEは、ランダム共重合体又はブロック共重合体
であり、数平均重合度は10〜400である。400を
超えると、溶融粘度の増加による成形加工性の低下など
があり、取扱が容易でない。一方、10未満では、樹脂
として、機械的強度などが十分でない。
【0031】また、ポリマー中、一般式(III )で示さ
れる構造単位の割合は、0.2〜50モル%であり、
0.5〜40モル%の範囲が好ましい。0.2モル%未
満では官能基導入による相溶化剤としての効果が乏し
く、50モル%を超えると共重合体がゲル化を生じやす
く、また、成形が困難となる。
【0032】<アルコール性水酸基を有するPPE>本
発明で得られるアルコール性水酸基を有するPPEを用
いることで、PPEと他の異種ポリマーとの相溶性が向
上し、島となるポリマーが海となるポリマー中に均一に
微細分散することが可能となる。これによりPPEの持
つ欠点、例えば、成形性、耐溶剤性が改良される。
【0033】異種ポリマーとしては、本発明のアルコー
ル性水酸基を有するPPEの構造単位である一般式(II
I )中の官能基と反応可能な部位を有するポリマーであ
ればよく、具体的には、ポリアミド、飽和ポリエステル
等が挙げられる。また、反応可能部位を変性によって付
与された各種変性ポリマー、例えば、カルボン酸変性ポ
リオレフィン、エポキシ基変性ポリオレフィン、カルボ
ン酸変性ポリフェニレンスルフィド等を用いることも可
能である。
【0034】樹脂組成物の配合組成は、本発明で得られ
るアルコール性水酸基を有するPPE(A)と異種ポリ
マー(B)が重量比で10:90〜90:10の範囲で
あり、好ましくは、20:80〜80:20の範囲であ
る。また、成分(A)は、その一部をポリ(2,6−ジ
メチルフェニレンエーテル)(C)で置き換えることも
可能で、その量は、成分(A)、(B)及び(C)の合
計を100重量%として、次に示すとおりである。 (A)10〜90重量% (B)10〜90重量% (C)0〜80重量%
【0035】必要により、ガラス繊維、顔料、無機充填
剤、難燃剤、抗酸化剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤等を配合することができる。
【0036】樹脂組成物を製造する溶融混練装置として
は、プラストミル、バンバリーミキサー、押出機等が例
示される。また、その他の装置でもいわゆる高粘度撹拌
機、ないし高粘度混合機であればよく、例えば、多軸混
練機、横型二軸円板装置や横型二軸表面更新機のような
横型二軸撹拌機又はダブルヘリカルリボン撹拌機のよう
な縦型撹拌機等が利用できる。
【0037】混練温度は、150〜380℃の範囲で実
施可能であるが、好ましくは、200〜320℃の範囲
である。混練時間については、好ましくは0.5〜20
分、更に好ましくは1〜10分であある。
【0038】
【作用】本発明で得られるアルコール性水酸基を有する
PPEは、アルコール性水酸基を有するフェノール誘導
体(I)と、フェノール誘導体(II)とを共重合させる
ので、PPEに後からヒドロキシエチルメタクリレート
等をグラフト反応させてアルコール性水酸基を導入する
よりも、多くの官能基を導入することができる。
【0039】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、実施例
を以下に示すが、本発明はそれらに限定されるものでは
ない。なお、以下で部及び%は重量基準による。ポリマ
ー中のアルコール性水酸基の含量は主鎖フェニレン環の
繰返し数に対しモル%で示し、 1H−NMRにより、δ
4.05付近のアルコール性水酸基を有するメチレン基
に由来するシグナルの積分強度より算定した。また、数
平均分子量(以下、Mn と略称する)、重量平均分子量
(以下、Mwと略称する)はGPCにより測定したポリ
スチレン換算値である。
【0040】合成例:2−{3−(2−ヒドロキシエチ
ルスルホニル)プロピル}−6−メチルフェノールの合
成 窒素ガス雰囲気下で、2−アリル−6−メチルフェノー
ル496部と2−ヒドロキシエタンチオール392部と
をエタノール785部に溶かした。還流温度にて2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルを1.9%含むエタ
ノール溶液1600部を滴下し、10時間反応させた。
反応後エタノールをエバポレーターにて除去し、更に真
空下で110℃に昇温して未反応の2−ヒドロキシエタ
ンチオールや副生成物の2−ヒドロキシエチルジスルフ
ィドを除き、2−{3−(2−ヒドロキシエチルチオ)
プロピル}−6−メチルフェノールを得た。
【0041】この2−{3−(2−ヒドロキシエチルチ
オ)プロピル}−6−メチルフェノール100部と純水
400部を撹拌混合し乳化液とした。この乳化液のpH値
を酢酸にて3.5に調整し、タングステン酸ナトリウム
1.9部を加えた。50℃にて30%過酸化水素水11
1部を滴下した後、90℃に昇温し6時間反応させた。
【0042】反応後、反応液をクロロホルム抽出し、目
的の2−{3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル)プ
ロピル}−6−メチルフェノールを収率33%で得た。
【0043】実施例1 合成例で得た2−{3−(2−ヒドロキシエチルスルホ
ニル)プロピル}−6−メチルフェノール106部、
2,6−ジメチルフェノール950部及び水酸化ナトリ
ウム9.1部をキシレン2890部及びメタノール76
6部に溶かした。次にジエタノールアミン20.5部、
ジブチルアミン12.6部及びメタノール316部に溶
かした塩化マンガン四水和物0.48部をこの順に加え
た。
【0044】重合反応は2段に分けて行った。前段は、
温度を40℃に保ち酸素ガスを流量0.8リットル/分
の割合で導入して固体が析出するまで反応させた。後段
は、温度を30℃に保ち、酸素ガスを流量0.8リット
ル/分、及び窒素ガス8リットル/分の割合で導入し、
ポリマーの析出が止まるまで反応させた。次いでポリマ
ーを塩酸酸性のメタノールで洗浄し、触媒を失活させ
た。
【0045】これにより、次式(V)及び(VI)に示す
構造単位がランダムに共重合したアルコール性水酸基を
有するPPEを得た。
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】分析の結果アルコール性水酸基含量は2.
7モル%であった。すなわち、式(V)で示される構造
単位が2.7モル%、式(VI)で示される構造単位が9
7.3モル%のPPEが得られた。また、分子量等は下
記のとおりである。 収率:91% アルコール性水酸基含量:2.7モル% Mn:9,200 Mw:19,800
【0049】実施例2 合成例で得たフェノール誘導体を53部、2,6−ジメ
チルフェノールを970部、水酸化ナトリウム20部、
ジエタノールアミン40部及び塩化マンガン四水和物
0.96部を用いた以外は、実施例1と同様の条件で実
施した。得られた共重合体は下記のとおりである。 収率:98% アルコール性水酸基含量:1.3モル% Mn:19,300 Mw:50,600
【0050】実施例3 水酸化ナトリウム20部、ジエタノールアミン40部及
び塩化マンガン四水和物0.96部を用いた以外は、実
施例1と同様の条件で実施した。得られた共重合体は下
記のとおりである。 収率:88% アルコール性水酸基含量:2.1モル% Mn:20,100 Mw:54,300
【0051】応用例 実施例1で得たアルコール性水酸基を有するPPE(表
1中で変性PPEと記す)とポリブチレンテレフタレー
ト(三菱化成社製ノバドール5010、表1中PBTと
記す)を表1に示す組成に従って、各成分を、東洋精機
製作所製ラボプラストミル混練機を用い、250℃、1
80rpm にて10分間混練した後、粉砕して粒状の樹脂
組成物を得た。このものを、下記の方法に従って測定評
価し、結果を表1に示した。
【0052】(1)耐衝撃強度:カスタム・サイエンテ
ィフィック(Custom Scientific )社製CS−183M
MXミニマックス射出成形機を用いて、温度280℃
で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験
片を射出成形し、カスタム・サイエンティフィックス社
製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS−138TI
型を用いて、23℃におけるノッチ無しアイゾット衝撃
強度を測定した。
【0053】(2)混合状態の評価:上記(1)の試験
片の一部を切り出し、トルエンエッチングをした後、走
査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−2400)にて分
散粒径を観察した。
【0054】
【表1】
【0055】比較応用例 実施例1で得たアルコール性水酸基を有するPPEの代
わりにポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)
(日本ポリエーテル社製、30℃におけるクロロホルム
中で測定した固有粘度0.31dl/g 、表1中で未変性
PPEと記す)を用いた以外は、応用例と同様に行っ
た。応用例と同様に測定評価し、結果を表1に示した。
【0056】
【発明の効果】本発明で得られるアルコール性水酸基を
有するPPEは、ポリマーアロイの相溶化剤として極め
て効果が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たアルコール性水酸基を有するP
PEの 1H−NMRチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Jは各々−R1 −[S(O)a −R2 −(O
    H)bc を表す。ここで、aは1又は2を表し、b及
    びcは1〜6の整数を表す。R1 及びR2 は炭素数1〜
    20の多価炭化水素基を表す。Kは各々ハロゲン原子、
    第一級若しくは第二級アルキル基、アルケニル基、アリ
    ール基、アミノアルキル基、ハロ炭化水素基、ハロ炭化
    水素オキシ基又は炭化水素オキシ基を表す。m及びnは
    共に整数で、1≦m、m+n≦4を満たす。式中のJ、
    Kはそれぞれ異っていてもよい)で示されるフェノール
    誘導体0.2〜50モル%と一般式(II) 【化2】 (式中、Qは各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルケニル基、アリール基、アミノアルキル基、ハ
    ロ炭化水素基、ハロ炭化水素オキシ基又は炭化水素オキ
    シ基を表す。式中のQはそれぞれ異っていてもよい)で
    示されるフェノール誘導体99.8〜50モル%とを共
    重合させることを特徴とする式(I)と式(II)の構造
    単位を含む数平均重合度が10〜400のアルコール性
    水酸基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002053661A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高融点2,5−ジ置換フェノール酸化重合体
JP2002060485A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 官能基を有する2,5−ジ置換フェノール酸化共重合体

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JP2002060485A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 官能基を有する2,5−ジ置換フェノール酸化共重合体

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