JPH05286423A - 搬送台車の方向転換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】搬送台車自身の方向転換操作で建屋内の狭い通
路のコーナーを通過できるようにした搬送台車の方向転
換装置を提供する。 【構成】搬送台車３の前輪４と後輪５との間に挟まれた
車体底部の中央にジャッキ６と組合わせて、ジャッキの
先端に取付けた昇降フレーム８、該フレームの下面側に
軸受９を介して旋回自在に支持したターンベース１０と
からなる昇降式の車体旋回機構７を装備する。そして、
搬送台車が方向転換地点に差し掛かったところで車体を
ジャッキアップし、その場で車体を所望の向きに旋回さ
せた後、ジャッキダウンして次の進路へ向けて走行させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原子炉施設の建屋内を
走行する機材運搬用の搬送台車などを実施対象とした搬
送台車の方向転換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に原子炉施設の建屋では、建屋外へ
の放射線の漏出を避けるために、建屋の入口と建屋内の
各部屋との間が多重の放射線隔壁で仕切られている。そ
のために、建屋内の通路は通路幅が狭く、かつそのルー
トの途中には直角に曲がったコーナーが数多くある迷路
状通路となっている。

【０００３】一方、建屋内の各部屋に据付けた機器の保
守点検などで機材を搬入，搬出する場合には専用の搬送
台車が使用されるが、前記のように建屋内の通路は幅が
狭く、かつコーナーの曲がり角度が急峻であるために、
台車自身のハンドル操作による操舵では内輪差の影響で
通路の曲がり角を曲がり切ることができない場合が多
い。

【０００４】そこで、従来では図５で示すように建屋内
通路１の各コーナー部の天井にチェーンブロック２など
を設備しておき、搬送台車３が通路のコーナーに差し掛
かったところで搬送台車を床面から一旦吊り上げ、この
状態で車体を旋回操作して進行方向の向きを変え、再び
車体を床面上に吊り下ろして自走によりコーナーを通過
させるような策が採られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に建屋内通路の各コーナーにチェーンブロックを設置す
ることは設備費が嵩むほか、搬送台車を方向転換させる
作業には多くの人手と手間を必要とするなどの問題点が
ある。本発明は上記の点にかんがみなされたものであ
り、その目的は前記課題を解決し、建屋内通路の各コー
ナーにチェーンブロックなどを設備することなく、搬送
台車自身の方向転換操作で通路幅の狭いコーナーを支障
なく通過させることができるようにした新規な搬送台車
の方向転換装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の方向転換装置は、前輪と後輪との間に挟ま
れた車体底部の中央にジャッキと組合わせて車体旋回機
構を装備して構成するものとする。また、前記構成にお
ける車体旋回機構は、ジャッキの先端に取付けた昇降フ
レームと、該フレームの下面側に軸受を介して旋回自在
に支持したターンベースとで構成することができる。

【０００７】

【作用】上記の構成で搬送台車を方向転換させる際に
は、まず方向転換地点で搬送台車を一旦停止し、この位
置でジャッキ操作により旋回機構を下降して床面上に着
地させ、さらに車輪が床面から若干浮き上がるまで車体
をジャッキアップする。次に車体旋回機構の上に支えら
れている車体を人力により所望の向きに旋回させた後、
再びジャッキ操作により車体をジャッキダウンする。こ
れにより搬送台車のハンドル操作では曲がり切れない狭
い通路のコーナーも簡単に方向転換して通過できる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１〜図３において、搬送台車３の前輪４と後輪４
の間に挟まれた車体底部の中央には、複数本のジャッキ
５で支持された昇降式の車体旋回機構７が装備されてい
る。ここで、ジャッキ６は例えば油圧シリンダであり、
また車体旋回機構７はジャッキ６の先端に取付けた昇降
フレーム８と、昇降フレーム８にスラスト軸受９を介し
て旋回自在に支持されたターンベース１０とから構成さ
れている。

【０００９】次に前記構成による搬送台車３の方向転換
操作を図４で説明する。なお、図４では建屋内の通路１
に沿って右側から走行して来た搬送台車３が直角に曲が
ったコーナーを左折して進むものとする。ここで、搬送
台車３が通路１のコーナー曲がり角に差し掛かると、ま
ず図示実線位置で一旦停止する。次いで前記のジャッキ
６を操作して車体旋回機構７のターンベース１０を床面
上に着地させ、さらに前輪４と後輪５が床面から僅かに
浮き上がるまでジャッキアップする。この状態になると
搬送台車３の車体が旋回機構７の上に支えられるように
なる。次に、人力により車体旋回機構７の上で車体の向
きを９０゜旋回して図示鎖線の向きに方向転換した後、
ジャッキ６の操作により車体をジャッキダウンして車輪
を床面に着地させるとともに、さらに車体旋回機構７を
浮上位置に後退させる。これにより搬送台車３の方向転
換操作が終了し、搬送台車３は通路１をそのまま直進し
てコーナーを通過できる。また、搬送台車３が次のコー
ナーに差し掛かれば、前記と同様な操作で方向転換して
通過していく。

【００１０】なお、図示実施例の構成では、車体旋回機
構７をジャッキ６の下端側に取付けた構成を示したが、
車体旋回機構７を車体フレームの底部中央に固定し、そ
のターンベース８の下面側の複数箇所にジャッキ７を取
付けて実施することも可能である。

【００１１】

【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、搬送台車のハンドル操作による操舵では内輪差の影
響で曲がり切れない通路幅の狭いコーナーでも、搬送台
車自身に装備した方向転換装置の操作により、車体の向
きを簡単に転換して通路のコーナーを支障なく通過させ
ることができる。したがって、通路の各コーナーにはチ
ェーンブロックなどを設備する必要がなく、特に原子炉
施設の建屋などのようにコーナー箇所の多い建屋内の狭
い通路で運行する機材運搬用搬送台車に好適な実用的価
値の高い方向転換装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】搬送台車に装備した本発明実施例の方向転換装
置の構成図

【図２】図１における方向転換装置の拡大図

【図３】図２における要部の詳細構造図

【図４】建屋内通路のコーナーを方向転換して通過する
際の操作説明図

【図５】チェーンブロックを使用して搬送台車の方向転
換を行う従来方式の説明図

【符号の説明】

１ 建屋内通路 ３ 搬送台車 ４ 前輪 ５ 後輪 ６ ジャッキ ７ 車体旋回機構 ８ 昇降フレーム ９ 軸受 １０ ターンベース

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通路幅の狭いコーナーなどを通過する際に
   搬送台車の向きを通路に沿って変えるための方向転換装
   置であって、前輪と後輪との間に挟まれた車体底部の中
   央にジャッキと組合わせて車体旋回機構を装備したこと
   を特徴とする搬送台車の方向転換装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の方向転換装置において、車
   体旋回機構がジャッキの先端に取付けた昇降フレーム
   と、該フレームの下面側に軸受を介して旋回自在に支持
   したターンベースとからなることを特徴とする搬送台車
   の方向転換装置。
3. 【請求項３】搬送台車が原子炉施設の建屋内通路を走行
   する機材運搬用の搬送台車である請求項１記載の搬送台
   車の方向転換装置。