JPH05286140A - ノズルプレートおよびその製造方法およびそのノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

ノズルプレートおよびその製造方法およびそのノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH05286140A
JPH05286140A JP4085802A JP8580292A JPH05286140A JP H05286140 A JPH05286140 A JP H05286140A JP 4085802 A JP4085802 A JP 4085802A JP 8580292 A JP8580292 A JP 8580292A JP H05286140 A JPH05286140 A JP H05286140A
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JP
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nozzle plate
nozzle
resin material
ink
fibrous substance
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JP4085802A
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English (en)
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Shinji Tezuka
伸治 手塚
Takashi Ogaki
傑 大垣
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ノズルプレートおよびその製造方法
およびそのノズルプレートを有するインクジェット記録
ヘッドの製造方法に関し、メニスカス量を小さくするこ
とができ、印字スピードを高くすることができるととも
に吐出不良が発生するのを防止することができるノズル
プレートとそのノズルプレートを短い工程で高い生産性
で製造することができる製造方法およびインク壁とノズ
ルプレートを一体的に製造することができ、製造が容易
なインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供すること
を目的としている。 【構成】ノズルプレート11を、インク噴射を行なうノズ
ル孔14を有する金属酸化物の繊維状物質あるいはウイス
カーが混入された樹脂材料から構成し、ノズル孔14内
に、樹脂材料に混入された繊維状物質によって多数の孔
に仕切られた流路18を成形している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノズルプレートおよび
その製造方法およびそのノズルプレートを有するインク
ジェット記録ヘッドの製造方法に関し、詳しくは、イン
クを噴射させるノズル孔が形成されたノズルプレートお
よびその製造方法、およびインクを飛翔させて記録を行
なうインク記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、約数10μmの微小ノズルよりイン
ク滴を噴射させて印字を行なう記録技術としてインクジ
ェット方式が知られている。この方式を図6に示すと、
インクジェット記録ノズルは、ノズル孔1aが形成され
たノズルプレート1と、このノズルプレート1に取付け
られ、インク2の流路を画成する凹状のインク流路3が
形成されるインク壁4と、から構成されており、図示し
ない圧力発生手段によりインクに圧力を加えることによ
り、ノズル孔1aから図中左側に向かってインク滴を噴
射するようになっている。
【0003】ノズル孔1aには図示しない記録媒体(記
録紙)が対向配置されており、インク滴はこの記録媒体
に飛翔されて印字される。一方、インク2表面の挙動を
見て見ると、無負荷状態ではインク2の表面張力によっ
てノズル内部に引き込まれてメニスカスが形成される。
そして、インク噴射時に圧力発生手段によって圧力が加
えられると、インク2がノズル前方(ノズル孔1a側)
に向かって押し出されてインク滴が噴射される。この
後、インク流路3内は減圧状態になるため、メニスカス
が大きく流路2内に引き込まれ、図示しないインク供給
口によりインクが吸入され、無負荷状態のメニスカス量
まで回復される。以上が噴射の1サイクルである。
【0004】ところが、このような従来のインクジェッ
ト記録ヘッドにあっては、メニスカスがノズル内部まで
引き込まれてしまうため、この際にメニスカス量が大き
いと引き込まれたメニスカスが回復するまでの所要時間
がかかり、印字スピードが高くできないという不具合が
発生するとともに、気泡をインク流路3内に巻き込んで
しまい、吐出不良が発生してしまった。
【0005】このような不具合を解消するものとして、
特開平2−1323号公報に記載されたようなものがあ
る。このものは、ノズルプレートのインク流路側をノズ
ル孔より径の小さな多数の孔からなる形状にして、メニ
スカス量を小さくするようにしている。すなわち、表面
張力Tの液体が曲率半径rのメニスカスを形成している
場合、このメニスカスは式P=2T/rで示す圧力をイ
ンクに及ぼしている。
【0006】したがって、上述したようにノズル孔の半
径を小さくすることにより、メニスカス量を小さくして
上記不具合を解消することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット装置ヘッドにあっては、径の小さな
多数の孔をフォトリソグラフィーおよび電鋳技術を組合
せることにより、製造しているため、多大な工程を必要
として生産性が非常に小さくなってしまうという問題が
あった。また、インク壁とノズルプレートが別部品から
製造されているため、インク壁とノズルプレートを接合
する工程が必要となってしまい、その際に高度な位置決
め作業が必要となって製造が非常に面倒なものになって
しまうという問題があった。
【0008】そこで本発明は、メニスカス量を小さくす
ることができ、印字スピードを高くすることができると
ともに吐出不良が発生するのを防止することができるノ
ズルプレートとそのノズルプレートを短い工程で高い生
産性で製造することができる製造方法およびインク壁と
ノズルプレートを一体的に製造することができ、製造が
容易なインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、インクに圧力を作用させて
微小ノズルからインク滴を噴射させて記録を行なうイン
クジェット記録ヘッドに用いるノズルプレートにおい
て、インク噴射を行なうノズル孔を有する金属酸化物の
繊維状物質あるいはウイスカーが混入された樹脂材料か
らなり、ノズル孔内に、樹脂材料に混入された繊維状物
質あるいはウイスカーによって多数の孔に仕切られた流
路が成形されることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、前記繊維状物質あるいはウイスカーの径が、
ノズル孔の径に対して1/5以下であることを特徴とし
ている。請求項3記載の発明は、上記課題を解決するた
めに、前記流路がインクの入口側のみに形成され、イン
クの噴射側に繊維状物質あるいはウイスカーを含まない
ノズル孔が開口されることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るために、前記樹脂材料のインクの噴射側に繊維状物質
あるいはウイスカーを含まない樹脂フィルムが溶着さ
れ、樹脂材料に形成されたノズル孔に多数の孔に仕切ら
れた流路が連通されたことを特徴としている。請求項5
記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1記
載のノズルプレートの製造方法において、金属酸化物の
繊維状物質あるいはウイスカーが混入された樹脂材料を
準備し、該樹脂材料に0.5J/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエ
ネルギー密度のエキシマレーザ光を照射させることによ
り、ノズル孔を開口させるようにしたことを特徴として
いる。
【0012】請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項3記載のノズルプレートの製造方法に
おいて、金属酸化物の繊維状物質あるいはウイスカーが
混入された樹脂材料を準備し、インクの噴射側から該樹
脂材料に2J/cm2・PS以上のエネルギー密度のエキシマ
レーザ光を照射させることにより、該噴射側の金属酸化
物の繊維状物質あるいはウイスカーと共に樹脂材料を同
時に除去することにより、ノズル孔を開口させるように
したことを特徴としている。
【0013】請求項7記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項4記載のノズルプレートの製造方法に
おいて、金属酸化物の繊維状物質あるいはウイスカーが
混入された樹脂材料および該樹脂材料に溶着された樹脂
フィルムからなるノズルプレートを準備し、該樹脂材料
に0.5J/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエキ
シマレーザ光を樹脂フイルム側から照射させることによ
り、ノズル孔を開口させるようにしたことを特徴として
いる。
【0014】請求項8記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1〜4の何れかに記載のノズルプレー
トを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、前記ノズルプレートおよび該ノズルプレートと一体
形成されインク流路が形成された凹状のインク壁を準備
し、ノズルプレートからインク流路側にエキシマレーザ
光を照射させることにより、ノズル孔を開口させたこと
を特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明では、ノズルプレートが、
インク噴射を行なうノズル孔を有する金属酸化物の繊維
状物質あるいはウイスカーが混入された樹脂材料からな
り、ノズル孔内に、樹脂材料に混入された繊維状物質あ
るいはウイスカーによって多数の孔に仕切られた流路が
成形されている。したがって、ノズル内に引き込まれる
メニスカス量が小さくなり、印字スピードが高くなると
ともに吐出不良が発生することがない。
【0016】請求項2記載の発明では、繊維状物質ある
いはウイスカーの径が、ノズル孔の径に対して1/5以
下に形成される。したがって、インク滴の噴射時に繊維
状物質あるいはウイスカーが抵抗にならず、インク滴が
スムースに噴射される。請求項3記載の発明では、多数
の孔に仕切られた流路がインクの入口側にのみに形成さ
れ、インクの噴射側に繊維状物質あるいはウイスカーを
含まないノズル孔が開口される。したがって、インク滴
の直進性が向上され、インク滴の噴射性能が向上する。
【0017】請求項4記載の発明では、ノズルプレート
を構成する樹脂材料のインクの噴射側に、繊維状物質あ
るいはウイスカーを含まない樹脂フィルムが溶着され、
樹脂材料に形成されたノズル孔に多数の孔に仕切られた
流路が連通される。したがって、インク滴の直進性が向
上され、インク滴の噴射性能が向上する。請求項5記載
の発明では、金属酸化物の繊維状物質あるいはウイスカ
ーが混入された樹脂材料が準備され、該樹脂材料に0.5J
/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエキシマレ
ーザ光が照射されることにより、ノズル孔が開口され
る。したがって、樹脂の分子間の結合エネルギーと繊維
状物質あるいはウイスカーの分子間の結合エネルギーが
異なるため、エキシマレーザ光が照射されることにより
結合エネルギーの高い繊維状物質あるいはウイスカーを
残して樹脂のみが除去される。このため、樹脂材料に混
入された繊維状物質あるいはウイスカーによって多数の
孔に仕切られた流路が成形される。この結果、ノズルプ
レートが短い工程で、しかも高い生産性で製造される。
【0018】請求項6記載の発明では、金属酸化物の繊
維状物質あるいはウイスカーが混入された樹脂材料が準
備され、インクの噴射側から該樹脂材料に2J/cm2・PS
以上のエネルギー密度のエキシマレーザ光が照射される
ことにより、該噴射側の金属酸化物の繊維状物質あるい
はウイスカーと共に樹脂材料を同時に除去される。した
がって、樹脂の分子間の結合エネルギーと繊維状物質あ
るいはウイスカーの分子間の結合エネルギーが異なるた
め、エキシマレーザ光が照射されることにより結合エネ
ルギーの高い繊維状物質あるいはウイスカーを残して樹
脂のみが除去される。このとき、繊維状物質あるいはウ
イスカーの除去速度が樹脂の除去速度よりも遅いため、
インクの噴射側の繊維状物質あるいはウイスカーが除去
され、インクの入口側の繊維状物質あるいはウイスカー
が残る。このため、多数の孔に仕切られた流路がインク
の入口側のみに形成され、インクの噴射側に繊維状物質
あるいはウイスカーを含まないノズル孔が開口される。
この結果、ノズルプレートが短い工程で、しかも高い生
産性で製造される。
【0019】請求項7記載の発明では、金属酸化物の繊
維状物質あるいはウイスカーが混入された樹脂材料およ
び該樹脂材料に溶着された樹脂フィルムからなるノズル
プレートが準備され、該樹脂材料に0.5J/cm2・PS〜5J
/cm2・PSのエネルギー密度のエキシマレーザ光が照射さ
れる。したがって、樹脂の分子間の結合エネルギーと繊
維状物質あるいはウイスカーの分子間の結合エネルギー
が異なるため、エキシマレーザ光が照射されることによ
り結合エネルギーの高い繊維状物質あるいはウイスカー
を残して樹脂のみが除去され、このとき、噴射側のノズ
ル孔部分が全て開口される。このため、多数の孔に仕切
られた流路がインクの入口側のみに形成され、インクの
噴射側に繊維状物質あるいはウイスカーを含まないノズ
ル孔が開口される。この結果、ノズルプレートが短い工
程で、しかも高い生産性で製造される。
【0020】請求項8記載の発明では、ノズルプレート
および該ノズルプレートと一体形成されインク流路が形
成された凹状のインク壁が準備され、ノズルプレートか
らインク流路側にエキシマレーザ光が照射されることに
より、ノズル孔が開口される。したがって、ノズルプレ
ートとインク壁とが一体的となった状態でインクジェッ
ト装置ヘッドが製造され、その製造が容易に行なわれ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1〜3は請求項1、2、5、8の何れかに記載の発明
に係るノズルプレートおよびその製造方法およびそのノ
ズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドの製造
方法の一実施例を示す図である。
【0022】まず、構成を説明する。図1はノズル孔が
形成されたノズルプレートを示す図、図2はノズルプレ
ートにノズル孔を形成する方法を示す図、図3はインク
ジェット記録ヘッドを示す図である。図1〜3におい
て、10は樹脂材料、11はノズルプレート、12はマスク、
13はエキシマレーザ光、14はノズル孔、15は繊維状物
質、16はインク流通路17が構成されるインク壁、18は流
路、19はインクジェット記録ヘッドである。
【0023】ノズルプレート11はガラス繊維、炭素ある
いはTiO2等の金属酸化物の繊維状物質15が混入され
た樹脂材料10からなり、射出成形あるいはプレス成形等
によって所望の寸法形状に形成されている。また、この
繊維状物質15の径は開口されるノズル孔14の径の1/5
以下に設定されている。マスク12はエキシマレーザ光13
に対する遮光性および耐加工性を有する部材のノズル孔
14に対する開口部12aが形成されている。
【0024】以上のような構成でノズルプレート11を製
造する方法について説明する。マスク12を樹脂材料10と
図示しないエキシマレーザの間に配設し、エキシマレー
ザ光13を照射する。このとき、0.5J/cm2・PS〜5J/cm2
・PSのエネルギー密度のエキシマレーザ光13を樹脂材料1
0に照射する。このため、樹脂材料10にはノズル孔14が
形成され、このノズル孔14内には繊維状物質15によって
多数の孔に仕切られた流路18が成形される。また、この
とき、この繊維状物質15の径はノズル孔14の径に対して
1/5以下に形成される。
【0025】一方、本実施例によるインクジェット記録
ヘッド19は、図3に示すようにノズルプレート11とイン
ク壁16を一体的に形成し、ノズルプレート11にインクの
噴射側からエキシマレーザ光13を照射することにより、
繊維状物質15によって多数の孔に仕切られた流路18を成
形することができる。このように本実施例では、ノズル
プレート11を、インク噴射を行なうノズル孔14を有する
金属酸化物の繊維状物質が混入された樹脂材料から構成
し、ノズル孔14内に、樹脂材料に混入された繊維状物質
によって多数の孔に仕切られた流路18を成形している。
このため、式P=2T/r(但し、Tは表面張力、rは
メニスカスの曲率半径)から明らかなようにノズル孔14
を多数の流路18によって仕切ることによりメニスカス量
を小さくすることができる。この結果、ノズル14内(す
なわち、インク流路17内)に引き込まれるメニスカス量
を小さくすることができ、印字スピードを高くすること
ができるとともに吐出不良が発生するのを防止すること
ができる。
【0026】また、繊維状物質15の径をノズル孔14の径
に対して1/5以下に設定しているため、インク滴の噴
射時に繊維状物質15が抵抗にならないようにすることが
でき、インク滴をスムースに噴射することができる。ま
た、金属酸化物の繊維状物質15が混入された樹脂材料に
0.5J/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエキシ
マレーザ光を照射させることにより、上述した流路18を
簡単に成形することができ、ノズルプレート11を短い工
程で、しかも高い生産性で製造することができる。
【0027】さらに、ノズルプレート11および該ノズル
プレート11と一体形成されインク流路17が形成された凹
状のインク壁16を準備し、ノズルプレート11からインク
流路17側にエキシマレーザ光13を照射することにより、
ノズル孔14を開口しているため、ノズルプレート11とイ
ンク壁16とが一体的となった状態でインクジェット記録
ヘッド19を製造することができ、その製造を容易に行な
うことができる。なお、本実施例では、ノズルプレート
11に繊維状物質15を混入させているが、これに限らず、
金属酸化物のウイスカーを混入させるようにしてもよ
く、また、金属性物質ならば、適宜何でも良い。
【0028】図4、5は請求項3、4、6、7の何れか
に記載の発明に係るノズルプレートおよびその製造方法
の一実施例を示す図である。なお、上記実施例と同様の
構成には同一番号を付して説明を省略する。本実施例の
特徴的な構成は、繊維状物質で仕切られた流路をインク
の入口側のみに形成し、インクの噴射側に繊維状物質を
含まないノズル孔を開口するようにしたものである。な
お、本実施例では、上記実施例と同様の構成には同一番
号を付して説明を省略する。
【0029】本実施例では、ノズルプレート21は、ガラ
ス繊維、炭素あるいはTiO2等の金属酸化物の繊維状
物質が混入さた樹脂材料22および該樹脂材料22に溶着さ
れ繊維状物質が混入されていない樹脂フィルム23から構
成されている。ノズルプレート21のノズル孔24には繊維
状物質25で仕切られた流路26が形成されており、この流
路26はインクの入口側(図中下方側)にのみに形成さ
れ、インクの噴射側(図中上方側)には繊維状物質が形
成されていない。
【0030】このようなノズルプレート21の製造方法を
図5に基づいて説明する。まず、それぞれ射出成形ある
いはプレス成形等によって所望の寸法形状に形成された
樹脂材料22および該樹脂22に樹脂フィルム23が溶着され
たものを準備し、樹脂フィルム23とエキシマレーザの間
にマスク12を介装して樹脂フィルム23側から0.5J/cm2
PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエキシマレーザ光1
3を照射する。
【0031】このとき、樹脂の分子間の結合エネルギー
と繊維状物質25の分子間の結合エネルギーが異なるた
め、エキシマレーザ光13が照射されることにより結合エ
ネルギーの高い繊維状物質25を残して樹脂のみが除去さ
れ、このとき、噴射側のノズル孔24部分が全て開口され
る。この結果、多数の孔に仕切られた流路26がインクの
入口側のみに形成され、インクの噴射側に繊維状物質を
含まないノズル孔24が開口される。
【0032】この結果、本実施例では、上記実施例と同
様の効果を得ることができる上に、インクの噴射側に流
路26を形成しないようにすることができるため、インク
滴の直進性を向上することができ、インク滴の噴射性能
を向上させることができる。なお、本実施例にあって
も、繊維状物質25に限らずウイスカーを混入しても良
い。
【0033】また、本実施例では、樹脂材料22に樹脂フ
ィルム23を溶着することにより、インクの噴射側に流路
26を形成しないようにしているが、インクの噴射側に流
路26を形成しないようにする方法としてはこれに限定さ
れるものではない。すなわち、金属酸化物の繊維状物質
あるいはウイスカーが混入された樹脂材料を準備し、イ
ンクの噴射側から該樹脂材料に2J/cm2・PS以上のエネ
ルギー密度のエキシマレーザ光を照射させる。このよう
にすると、樹脂の分子間の結合エネルギーと繊維状物質
の分子間の結合エネルギーが異なるため、結合エネルギ
ーの高い繊維状物質あるいはウイスカーを残して樹脂の
みが除去される。
【0034】このとき、繊維状物質あるいはウイスカー
の除去速度が樹脂の除去速度よりも遅いため、インクの
噴射側の繊維状物質あるいはウイスカーが除去され、イ
ンクの入口側の繊維状物質あるいはウイスカーが残る。
この結果、多数の孔に仕切られた流路がインクの入口側
にのみに形成され、図4に示すように(但し、この場合
にはノズルプレートを構成する部材の全てが繊維状物質
あるいはウイスカーが混入された樹脂材料であるものと
する)インクの噴射側に繊維状物質あるいはウイスカー
を含まないノズル孔が開口される。したがって、インク
滴の直進性を向上することができ、インク滴の噴射性能
を向上させることができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ノズル内
に引き込まれるメニスカス量を非常に小さくすることが
でき、印字スピードを高くすることができるとともに吐
出不良が発生するのを防止することができる。請求項2
記載の発明によれば、インク滴の噴射時に繊維状物質あ
るいはウイスカーが抵抗になるのを防止することがで
き、インク滴をスムースに噴射することができる。
【0036】請求項3、4記載の発明によれば、インク
滴の直進性を向上させることができ、インク滴の噴射性
能を向上させることができる。請求項5記載の発明によ
れば、樹脂材料に混入された繊維状物質あるいはウイス
カーによって多数の孔に仕切られた流路をノズル孔内に
成形することができる。この結果、ノズルプレートを短
い工程で、しかも高い生産性で製造することができる。
【0037】請求項6、7記載の発明によれば、多数の
孔に仕切られた流路をインクの入口側にのみに形成する
ことができ、インクの噴射側に繊維状物質あるいはウイ
スカーを含まないノズル孔を開口することができる。こ
の結果、ノズルプレートを短い工程で、しかも高い生産
性で製造することができる。請求項8記載の発明によれ
ば、ノズルプレートとインク壁とが一体的となった状態
でインクジェット記録ヘッドを製造することができ、そ
の製造を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2、5、8何れか記載のノズルプレ
ートの一実施例の構成図であり、(a)はその断面図、
(b)はその上面図である。
【図2】一実施例のノズルプレートの製造方法を示す図
である。
【図3】インクジェット記録ヘッドの製造方法を示す図
である。
【図4】請求項3、4、6、7何れか記載のノズルプレ
ートの一実施例の構成図である。
【図5】一実施例のノズルプレートの製造方法を示す図
である。
【図6】従来のインクジェット記録ヘッドの構成図であ
る。
【符号の説明】
10、22 樹脂材料 11、21 ノズルプレート 13 エキシマレーザ光 14、24 ノズル孔 15、25 繊維状物質 16 インク壁 17 インク流路 18、26 流路 23 樹脂フィルム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクに圧力を作用させて微小ノズルから
    インク滴を噴射させて記録を行なうインクジェット記録
    ヘッドに用いるノズルプレートにおいて、インク噴射を
    行なうノズル孔を有する金属酸化物の繊維状物質あるい
    はウイスカーが混入された樹脂材料からなり、ノズル孔
    内に、樹脂材料に混入された繊維状物質あるいはウイス
    カーによって多数の孔に仕切られた流路が成形されるこ
    とを特徴とするノズルプレート。
  2. 【請求項2】前記繊維状物質あるいはウイスカーの径
    が、ノズル孔の径に対して1/5以下であることを特徴
    とする請求項1記載のノズルプレート。
  3. 【請求項3】前記流路がインクの入口側のみに形成さ
    れ、インクの噴射側に繊維状物質あるいはウイスカーを
    含まないノズル孔が開口されることを特徴とする請求項
    1または2記載のノズルプレート。
  4. 【請求項4】前記樹脂材料のインクの噴射側に繊維状物
    質あるいはウイスカーを含まない樹脂フィルムが溶着さ
    れ、樹脂材料に形成されたノズル孔に多数の孔に仕切ら
    れた流路が連通されたことを特徴とする請求項1または
    2記載のノズルプレート。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載のノズルプレートの
    製造方法において、金属酸化物の繊維状物質あるいはウ
    イスカーが混入された樹脂材料を準備し、該樹脂材料に
    0.5J/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエキシ
    マレーザ光を照射させることにより、ノズル孔を開口さ
    せるようにしたことを特徴とするノズルプレートの製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項3記載のノズルプレートの製造方法
    において、金属酸化物の繊維状物質あるいはウイスカー
    が混入された樹脂材料を準備し、インクの噴射側から該
    樹脂材料に2J/cm2・PS以上のエネルギー密度のエキシ
    マレーザ光を照射させることにより、該噴射側の金属酸
    化物の繊維状物質あるいはウイスカーと共に樹脂材料を
    同時に除去することにより、ノズル孔を開口させるよう
    にしたことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4記載のノズルプレートの製造方法
    において、金属酸化物の繊維状物質あるいはウイスカー
    が混入された樹脂材料および該樹脂材料に溶着された樹
    脂フィルムからなるノズルプレートを準備し、該樹脂材
    料に0.5J/cm2・PS〜5J/cm2・PSのエネルギー密度のエ
    キシマレーザ光を樹脂フイルム側から照射させることに
    より、ノズル孔を開口させるようにしたことを特徴とす
    るノズルプレートの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜4の何れかに記載のノズルプレ
    ートを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法にお
    いて、前記ノズルプレートおよび該ノズルプレートと一
    体形成されインク流路が形成された凹状のインク壁を準
    備し、ノズルプレートからインク流路側にエキシマレー
    ザ光を照射させることにより、ノズル孔を開口させたこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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