JPH0527324A - 投影型表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】装置本体全体を傾けることなく投影方向をスク
リーン高さに合せて任意に変えることができる投影型表
示装置を提供する。 【構成】表示パネル１２の表示像を投影レンズ１４に集
光させる集光レンズ１３の径を表示パネル１２の表示画
面よりも十分大きくするとともに、この集光レンズ１３
と投影レンズ１４とを、この両レンズ１３，１４を表示
パネル１２の表示画面の高さ方向に一体的に平行移動さ
せるレンズ移動機構１６に支持させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は投影型表示装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示パネル等の表示パネルを用いて
画像を表示する表示装置として、表示パネルの表示像を
スクリーン面に拡大投影する投影型のものがある。

【０００３】この投影型の表示装置は、表示パネルの光
出射側に集光レンズと投影レンズを配置し、前記表示パ
ネルの表示像を集光レンズにより投影レンズに集光して
この投影レンズにより装置本体の前方に設置したスクリ
ーン面を拡大投影するもので、この投影型表示装置によ
れば、表示パネルの表示画面が小さくても、この表示パ
ネルの表示像を大きく拡大してみることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
投影型表示装置は、表示パネルと集光レンズと投影レン
ズとを装置本体の前後方向に並べて所定の位置関係で配
置固定したものであるために、表示像の投影方向が決ま
っており、そのために、スクリーンが装置本体に対して
斜め上方や斜め下方にある場合には、装置本体全体をス
クリーン高さに合せて前上がりまたは前下がりに傾け
て、投影像をスクリーン面に投影しなければならなかっ
た。

【０００５】この発明は上記のような実情にかんがみて
なされたものであって、その目的とするところは、装置
本体全体を傾けることなく投影方向をスクリーン高さに
合せて任意に変えることができるようにした投影型表示
装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の投影型表示装
置は、表示パネルの表示像を投影レンズに集光させる集
光レンズの径を表示パネルの表示画面よりも十分大きく
するとともに、この集光レンズと投影レンズとを、この
両レンズを表示パネルの表示画面の高さ方向に一体的に
平行移動させるレンズ移動機構に支持させたことを特徴
とするものである。

【０００７】

【作用】すなわち、この発明の投影型表示装置は、レン
ズ移動機構により集光レンズと投影レンズとを表示パネ
ルの表示画面の高さ方向に一体的に平行移動させること
によって表示像の投影方向を変化させるようにしたもの
であり、前記集光レンズの径を表示パネルの表示画面よ
りも十分大きくしておけば、集光レンズと投影レンズと
を上記のように移動させた場合にも表示パネルの表示像
全体を集光レンズにより投影レンズに集光して欠けのな
い完全な画像をスクリーン面に投影することができる。
したがって、この投影型表示装置によれば、装置本体全
体を傾けることなく投影方向をスクリーン高さに合せて
任意に変えることができる。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を液晶表示パネル
に表示像をスクリーン面に拡大投影する液晶プロジェク
タについて図面を参照し説明する。

【０００９】図２において、１はプロジェクタ本体であ
り、このプロジェクタ本体１は次のような構成となって
いる。すなわち、２はプロジェクタ本体１のケースであ
り、このケース２の前面には透明板４を備えた投影窓３
が設けられている。

【００１０】このケース２内は、その中央部に設けた断
熱壁５によって後部側の光源室２ａと前部側の表示部室
２ｂとに仕切られており、光源室２ａ内には光源８が設
けられている。

【００１１】この光源８は、キセノンランプやハロゲン
ランプ等の高輝度の光源ランプ１０と、この光源ランプ
１０からの放射光をプロジェクタ本体１の前方に向けて
反射させるリフレクタ１１とからなっており、リフレク
タ１１は光源ボックス９内に支持され、また光源ランプ
１０はリフレクタ１１の中心部に挿通固定されている。
上記リフレクタ１１は光源ランプ１０からの放射光をリ
フレクタ光軸に平行な平行光として反射させる放物面鏡
リフレクタとされており、光源ランプ１０はその発光部
Ｆをリフレクタ１１の焦点上に位置させて設置されてい
る。なお、上記断熱壁５には、光源８からの投射光を透
過させる透光窓６が開口されており、この透光窓６には
耐熱ガラス等からなる透明板７が設けられている。

【００１２】また、前記断熱壁５から前部側の表示部室
１ｂ内には、スクリーン投影像（例えばテレビジョン画
像）を表示する透過型のドットマトリックス液晶表示パ
ネル１２が垂直に配置されるとともに、この表示パネル
１２の光出射側に、サーキュラフレネルレンズからなる
集光レンズ１３と、投影レンズ１４とが配置されてお
り、前記液晶表示パネル１２は表示パネル冷却器１５の
前面（光源８に対して反対側の面）に固定され、集光レ
ンズ１３と投影レンズ１４は後述するレンズ移動機構１
６に支持されている。

【００１３】上記表示パネル冷却器１５は、前後面が透
明な密閉容器内にエチレングリコール水溶液等の透明な
冷却液を充填したもので、熱に弱い液晶表示パネル１２
を常時強制冷却して光源８からの放射熱による液晶表示
パネル１２の昇温を防いでいる。

【００１４】上記レンズ移動機構１６は、図１および図
２に示すように、集光レンズ１３と投影レンズ１４の配
置位置の中間部両側に位置させてケース２内に垂直に設
けられた回転可能な２本のスクリューシャフト１７，１
７と、このスクリューシャフト１７，１７の回転によっ
て昇降される昇降体１８とからなっており、上記スクリ
ューシャフト１７，１７は、その一方のスクリューシャ
フト１７を手動で回転させることによって各スクリュー
シャフト１７，１７の上端のプーリ部１７ａ，１７ａに
巻回したベルト１９を介して同調回転されるようになっ
ている。

【００１５】２０は上記スクリューシャフト１７，１７
を回転させるための手動操作つまみであり、この操作つ
まみ２０はケース２の一側壁を貫通する回転軸２１の外
端に固定されており、この回転軸２１の内端には、前記
一方のスクリューシャフト１７の下端部に固定した傘歯
車２３と 合する傘歯車２２が固定されている。

【００１６】前記昇降体１８は、中間部において上記各
スクリューシャフト１７，１７とそれぞれ螺合してスク
リューシャフト１７，１７の回転により昇降される左右
一対の水平アーム１８ａ，１８ａと、この両アーム１８
ａ，１８ａの後端に両側を固定された集光レンズ保持枠
１８ｂと、上記両アーム１８ａ，１８ａの先端に両側を
固定された投影レンズ保持筒１８ｃとからなっており、
前記集光レンズ１３は昇降体１８の集光レンズ保持枠１
８ｂに保持固定され、投影レンズ１４は昇降体１８の投
影レンズ保持筒１８ｃに保持させた鏡筒１４ａ内に設け
られている。

【００１７】すなわち、上記レンズ移動機構１６は、集
光レンズ１３と投影レンズ１４とを液晶表示パネル１２
の表示画面の高さ方向（垂直方向）に一体的に平行移動
させるものであり、前記集光レンズ１３は、これを上下
動させた場合でも液晶表示パネル１２の画面と対向した
状態を保つように、液晶表示パネル１２の表示画面より
も十分大きな径（この実施例では液晶表示パネル１２の
表示画面高さのほぼ２倍の径）のものとされている。

【００１８】また、上記鏡筒１４ａは投影レンズ保持筒
１８ｃに螺合されており、投影レンズ１４は、その鏡筒
１４ａを回転させることによってスクリーン面にピント
の合った投影像を結像させるように前後動される。

【００１９】この液晶プロジェクタは、光源８により液
晶表示パネル１２を照射するとともにこの液晶表示パネ
ル１２の表示像をプロジェクタ本体１の前方に配置した
スクリーン面に拡大像として投影するもので、光源８か
らの投射光（平行光）は、断熱壁５の透光窓６および表
示パネル冷却器１５を通って液晶表示パネル１２に入射
し、この液晶表示パネル１２を透過した光つまり液晶表
示パネル１２の表示像は、集光レンズ１３により投影レ
ンズ１４に集光されてこの投影レンズ１４によりスクリ
ーン面に拡大される。

【００２０】しかして、上記液晶プロジェクタにおいて
は、集光レンズ１３と投影レンズ１４とを、この両レン
ズ１３，１４を液晶表示パネル１２の表示画面の高さ方
向に一体的に平行移動させるレンズ移動機構１６に支持
させているから、レンズ移動機構１６により集光レンズ
１３と投影レンズ１４とを移動させることで、プロジェ
クタ本体１全体を傾けることなく投影方向をスクリーン
の高さに合せて任意に変えることができる。

【００２１】すなわち、スクリースをプロジェクタ本体
１と同じ高さに設置してこのスクリーン面に液晶表示パ
ネル１２の表示像を投影する場合は、図２に示すよう
に、集光レンズ１３と投影レンズ１４とをその中心が液
晶表示パネル１２の表示画面に中心と同じ高さにくる高
さに移動させておけばよく、このようにすれば、液晶表
示パネル１２の表示像を、プロジェクタ本体１と同じ高
さに設置したスクリーン（図示せず）面に投影すること
ができる。

【００２２】また、図３に示すようにスクリーンＳをプ
ロジェクタ本体１の斜め下方に設置してこのスクリーン
Ｓ面に液晶表示パネル１２の表示像を投影する場合は、
図示のように集光レンズ１３と投影レンズ１４とを下方
に移動させてやればよく、この場合は、液晶表示パネル
１２の表示像が集光レンズ１３の上側部分によって投影
レンズ１４に集光され、この投影レンズ１４によってス
クリーンＳ面に投影される。

【００２３】この場合、上記液晶プロジェクタでは、集
光レンズ１３の径を液晶表示パネル１２の表示画面より
も十分大きくしているから、集光レンズ１３と投影レン
ズ１４とを上記のように移動させた場合にも液晶表示パ
ネル１２の表示像全体を集光レンズ１３により投影レン
ズ１４に集光して欠けのない完全な画像をスクリーンＳ
面に投影することができる。

【００２４】これは、図４に示すようにスクリーンＳを
プロジェクタ本体１の斜め上方に設置してこのスクリー
ンＳ面に液晶表示パネル１２の表示像を投影する場合も
同様であり、この場合は、集光レンズ１３と投影レンズ
１４とを上方に移動させることにより、液晶表示パネル
１２の表示像が集光レンズ１３の下側部分によって投影
レンズ１４に集光され、この投影レンズ１４によってス
クリーンＳ面に投影される。

【００２５】したがって、上記液晶プロジェクタによれ
ばスクリーンＳをプロジェクタ本体１の斜め下方または
斜め上方に設置した場合でも、プロジェクタ本体１全体
を傾けることなく投影方向をスクリーンＳに向けてやる
ことができる。

【００２６】なお、上記実施例では、レンズ移動機構１
６としてスクリューシャフト１７，１７を使用するもの
を示したが、このレンズ移動機構は上記実施例のものに
限られるものではないし、またこのレンズ移動機構は電
動式としてもよい。

【００２７】また上記実施例では液晶プロジェクタにつ
いて説明したが、この発明は、液晶表示パネル以外の表
示パネル（例えばエレクトロクロミック表示パネル等）
の表示像をスクリーン面に投影する投影型表示装置にも
広く適用できることはもちろんである。

【００２８】

【発明の効果】この発明の投影型表示装置は、表示パネ
ルの表示像を投影レンズに集光させる集光レンズの径を
表示パネルの表示画面よりも十分大きくするとともに、
この集光レンズと投影レンズとを、この両レンズを表示
パネルの表示画面の高さ方向に一体的に平行移動させる
レンズ移動機構に支持させたものであるから、レンズ移
動機構により集光レンズと投影レンズとを表示パネルの
表示画面の高さ方向に一体的に平行移動させることによ
って表示像の投影方向を変化させることができ、したが
って、装置本体全体を傾けることなく投影方向をスクリ
ーン高さに合せて任意に変えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による液晶プロジェクタの
レンズ移動機構部分の拡大斜視図。

【図２】上記液晶プロジェクタの縦断側面図。

【図３】上記液晶プロジェクタの投影方向を斜め下方に
変えた状態の縦断側面図。

【図４】上記液晶プロジェクタの投影方向を斜め上方に
変えた状態の縦断側面図。

【符号の説明】

１……プロジェクタ本体、８…光源、１２…液晶表示パ
ネル、１３…集光レンズ、１４…投影レンズ、１４…鏡
筒、１６…レンズ移動機構、１７…スクリューシャフ
ト、１８…昇降体、１８ａ…昇降アーム、１８ｂ…集光
レンズ保持枠、１８ｃ…投影レンズ保持筒、Ｓ…スクリ
ーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 表示パネルの光出射側に集光レンズと投
   影レンズを配置し、前記表示パネルの表示像を集光レン
   ズにより投影レンズに集光してこの投影レンズによりス
   クリーン面に拡大投影する投影型表示装置において、前
   記集光レンズの径を前記表示パネルの表示画面よりも十
   分大きくするとともに、この集光レンズと前記投影レン
   ズとを、この両レンズを前記表示パネルの表示画面の高
   さ方向に一体的に平行移動させるレンズ移動機構に支持
   させたことを特徴とする投影型表示装置。