JPH0526875A - 一体型多層分析要素 - Google Patents

一体型多層分析要素

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JPH0526875A
JPH0526875A JP20612991A JP20612991A JPH0526875A JP H0526875 A JPH0526875 A JP H0526875A JP 20612991 A JP20612991 A JP 20612991A JP 20612991 A JP20612991 A JP 20612991A JP H0526875 A JPH0526875 A JP H0526875A
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JP
Japan
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layer
water
reagent
analytical element
microporous
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JP20612991A
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English (en)
Inventor
Masao Kitajima
昌夫 北島
Shigeki Asakawa
茂樹 浅川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜厚が薄く優れた展開作用を有する多孔性展
開層を備えた一体型多層分析要素を提供することを目的
とする。 【構成】 水不透過性支持体(10)の上に親水性ポリマ
ーバインダーを含む吸水層(12)(または試薬層)及び
多孔性展開層(14)がこの順に積層一体化されてなる一
体型多層分析要素において、展開層(14)を弗素含有ポ
リマーからなる微多孔性層で構成し、さらにこの展開層
に界面活性剤を含有させた。 【効果】 展開時間が早く、均一な分析結果が得られ
る。また良好な血球・血漿分離機能を有し、全血試料の
分析にも適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体試料中の特定の成分
を分析するための改良された乾式の一体型多層分析要素
に関し、詳しくは水性液体試料の分析、特に体液を試料
として用いる臨床検査に有用な一体型多層分析要素に関
する。
【0002】
【技術的背景】従来の乾式分析要素の一形態として、透
明支持体の上に呈色反応試薬と親水性ポリマーバインダ
ーを含む吸水性の試薬層と最外層に多孔性展開層(以
下、展開層ということがある) を設けた一体型多層分析
要素(以下、多層分析要素ということがある) が多数提
案されている。多層分析要素の展開層はその上側表面(
透明支持体から遠い側の表面) に点着供給された水性液
体試料(例、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、唾
液、髄液、膣液、尿、飲料水、ジュース、酒類、川水、
工場排水等) を水性液体試料中に含有されている成分を
実質的に偏在させることなしに横方向に拡げ単位面積当
りほぼ一定容量の割合で親水性ポリマーを含む吸水性の
試薬層又は吸水層に供給する作用(展開作用、展延作
用、又はメータリング作用といわれる)をする層であ
る。
【0003】多孔性展開層のうちで、特開昭49-53888
(US 3,992,158)(以下 US は米国特許を意味する)等
に記載のメンブランフィルタ(ブラッシュドポリマー)
に代表される非繊維性等方的微多孔質媒体層、特開昭55
-90859等に記載のポリマーミクロビーズが水不膨潤性の
接着剤で点接触状に接着されてなる連続空隙含有三次元
格子粒状構造物層に代表される非繊維性多孔性展開層
は、多種の水性液体試料に対し優れた展開作用を示す。
しかしこれらの多孔性媒体を用いた展開層は、試料とし
て全血を用いると、血液中の赤血球等の固形成分により
微空隙が目詰りして展開作用が損なわれやすい。また、
高分子成分である蛋白質を高濃度に含む血漿又は血清を
用いる場合にも、高分子成分により微空隙が目詰りして
展開作用が損なわれることがあるという問題点があっ
た。
【0004】これに対し特開昭55-164356(US 3,292,27
2)、特開昭57-66359(US 4,783,315)等に記載の織物布
地からなる多孔性展開層、特開昭60-222769(EP 0 169 3
02A)(以下 EP はEPC 特許を意味する)等に記載の編物
布地からなる多孔性展開層は水性液体試料として血液を
用いる場合に全血、血漿、血清のいずれをも良好に展開
することができ、かつ一体型多層分析要素の製造の容易
さ、要素の丈夫さ等の種々の点で優れた多孔性展開層で
あった。
【0005】展開層に点着された試料液は、層内横方向
(展延方向)に拡散するだけでなく、層縦方向(厚さ方
向)にも拡散して下層に達する。しかし層内横方向に展
開して点着中心部より離れた部位(展開周辺部)にある
試料液は、層縦(厚さ)方向への拡散・移動の開始が、
その点着中心部よりも時間的に遅くなる。層内横方向へ
の展開が早ければ、展開周辺部の試料液も大きな時間差
がなくその下の層に達するので問題は生じないが、層内
横方向への展開が遅い場合には、点着中心部に多くの試
料液が供給されることになる。その結果、下層で生じる
発色反応等による色素像は中心部が濃く周辺部が薄いも
のとなり(いわゆるリンギング現象)、光学密度計測値
のバラツキの原因となる。展開層では、一般に、液の層
の横方向への展開(拡散浸透)が縦方向への拡散浸透に
比べて早すぎても遅すぎても好ましくないのであって、
両者がほぼ同時に進行し完了することが好ましい。展開
層の横方向への液の展開が早すぎれば、下側にある親水
性バインダ−層が水を吸収して起こる膨潤が追いつかな
くなって、液が親水性バインダ−層に吸収されずに、展
開層の表面と内部で横方向にだけ広がってしまう。その
結果として、親水性バインダ−層(試薬層も含む)へ到
達する単位面積当りの水性液体試料が少なくなるので、
アナライトの検出感度が低くなる。逆に展開層の横方向
への液の展開が遅すぎれば、展開層の面方向での液量の
非一様分布が生じて発色の非一様性(例、リンギング)
が生じやすい。
【0006】また展開層より下の層での発色反応に酸素
供給が律速段階となるものについては、展開層が薄く下
層に酸素供給しやすいものが有利である。しかし、前述
の従来の高分子多孔性媒体の場合は機械的強度の関係上
膜厚の薄さに限界があった。また前述の織物、編物布地
を展開層にする場合でも、その素材の関係上あまり薄く
することはできない。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、膜厚が薄く優れた展開
作用(メータリング作用)を有する新たな素材からなる
多孔性展開層を備えた一体型多層分析要素を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、尿酸、クレアチニン、
アンモニア、諸種の酵素(活性値) 等の極めて微量の生
体成分の定量分析が可能な一体型多層分析要素を提供す
ることである。本発明の他の目的は、水性液体試料とし
て血液を用いる場合に、血球成分による目詰まりが少な
く、全血での測定値と血漿又は血清での測定値との対応
づけ又は両測定値相互の換算が容易な一体型多層分析要
素を提供することである。本発明の他の目的は、全血試
料を用いてヘマトクリット値又はヘモグロビン濃度を測
定できる一体型多層分析要素を提供することである。
【0008】
【発明の構成】前記の本発明の目的は、水不透過性支持
体の上に親水性ポリマーバインダーを含む吸水層(また
は試薬層)及び多孔性展開層がこの順に積層一体化され
てなる一体型多層分析要素において、前記展開層が、弗
素含有ポリマーからなる微多孔性層からなり、かつ界面
活性剤を含有していることを特徴とする一体型多層分析
要素、により達成された。本発明の一体型多層分析要素
の特徴は多孔性展開層(以下、単に展開層ということが
ある)として弗素含有ポリマーからなる微多孔性層で構
成し、かつその展開層に界面活性剤を含有させることに
ある。またこの展開層に試薬成分を含有させてもよい。
【0009】
【作用及び効果】本発明は、界面活性剤を有する弗素含
有ポリマーからなる微多孔性層が膜厚の薄い状態でも優
れた展開作用を有すること見出した本発明者の知見に基
づくものであり、この微多孔性層を展開層として多層分
析要素に適用したものである。本発明の展開層は、機械
的強度の高い弗素含有ポリマーをその媒体としているの
で、膜厚を薄くすることができ、展開時間並びに下層へ
の移送時間を短縮することができる。その結果、いわゆ
るリンギング現象が抑えられ再現性の高い計測値を得る
ことができる。また膜厚を薄くできるので、発色反応に
酸素供給が律速段階となるものについては、下層への酸
素供給が妨げれず有利である。また弗素含有ポリマーか
らなる微多孔性層は界面活性剤含浸による親水性付加に
より水性液体試料の浸透・拡散を妨げることはないが、
血球成分についてはその浸透・通過を抑えるので、良好
な血球・血漿分離機能を有する。しかも血球成分による
目詰まりが少ないので、全血試料をそのまま分析するこ
とができる。
【0010】
【発明の構成の詳細な説明】多層分析要素の層構成 図1に本発明の多層分析要素の一実施例を示す。この図
1において、符号10は光透過性水不透過性支持体であ
り、その上には吸水層(または試薬層)12、展開層1
4が積層されている。
【0011】支持体 本発明の一体型多層分析要素の光透過性水不透過性支持
体としては前述の特許明細書等に記載の多層分析要素に
用いられているような水不透過性の透明支持体を用いる
ことができる。その具体例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ビスフェノールAのポリカルボネート、ポ
リスチレン、セルロースエステル(例、セルロースジア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースアセ
テートプロピオネート等)等のポリマーからなる厚さ約
50μm から約1mm、好ましくは約80μm から約300 μm
の範囲の透明支持体を用いることができる。支持体の表
面には必要により前記の諸特許明細書等により公知の下
塗層又は接着層を設けて支持体の上に設けられる吸水層
又は試薬層等との接着を強固にすることができる。
【0012】吸水層 吸水層は水を吸収して膨潤する親水性ポリマーを主成分
として構成される層であって、層の界面に到達又は浸透
した水を吸収することができる層である。吸水層に用い
ることができる親水性ポリマーは水吸収時の膨潤率が30
℃で約150 %から約2000%、好ましくは約250 %から約
1500%の範囲の天然又は合成親水性ポリマーである。そ
の例として特開昭59-171864 (EP 0 119 861A) 特開昭
60-108753(US 4 781 890) 等に記載のゼラチン(例、酸
処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等) ゼラチン誘導体
(例、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアクリレートグラ
フトゼラチン等)、アガロース、ルラン、プルラン誘導
体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン等をあげることができる。吸水層の乾
燥時の厚さは約1μm から約100 μm 好ましくは約3μ
m から約50μm特に好ましくは約5μm から約30μm の
範囲であり、また実質的に透明であることが好ましい。
吸水層には公知の媒染剤、塩基性ポリマー、酸性ポリマ
ー等を含有させることができる。
【0013】試薬層 吸水層の代わりに試薬層を設けてもよい。この試薬層
は、液体試料中の測定対象成分と反応して検出可能な変
化を生じさせる少なくとも一つの試薬と親水性ポリマー
バインダーを含み、実質的に非孔性で吸水性の層又は微
多孔性で水浸透性の層である。検出可能な変化とは主と
して光学的測定方法により検出できる変化を意味してお
り、例えば色変化、発色(呈色)、蛍光発生、紫外線領
域における吸収波長の変化、混濁発生等である。
【0014】試薬層として実質的に非孔性で吸水性の層
を試薬層を用いる場合、親水性ポリマーは試薬又は試薬
組成物を実質的に一様に溶解又は分散させる媒体として
作用し、また液体試料中の水を吸収して水とともに被検
成分を試薬層に到達させる作用を少なくとも有するもの
である。この親水性ポリマーとしては前記の吸水層に用
いられる吸水性の親水性ポリマーと同じポリマーから適
宜に選択して用いることができる。実質的に非孔性の試
薬層の乾燥厚さは約3 μm から約50μm 、好ましくは約
5 μm から約30μm の範囲であり、また試薬層は実質的
に透明であることが好ましい。
【0015】試薬層として微多孔性で水浸透性の層を用
いる場合、この試薬層は固体微粒子と親水性ポリマーバ
インダーから構成される微多孔性構造体層に試薬又は試
薬組成物が含有保持させることにより構成できる。ここ
でいう微多孔性構造体層とは微多孔性微粒子又は非多孔
性微粒子と微粒子間を接着して微多孔性連続空隙構造を
保持する親水性ポリマーバインダーからなる構造物の層
である。微多孔性試薬層に用いられる微多孔性微粒子又
は非多孔性微粒子の例として微結晶性セルロース、セル
ロース微粉末又は微粒子等のセルロース微粒子;シリ
カ、珪藻土等の二酸化珪素化合物の微粒子;沸石等の珪
酸塩の微粒子;ポリマーミクロビーズ、ガラスミクロビ
ーズ、諸種のセラミックスビーズ等があげられる。親水
性ポリマーバインダーとして前記の吸水層に用いられる
吸水性の親水性ポリマーと同じポリマーから適宜に選択
して用いることができるほか特開昭59-145965(US 4 902
477) 等に記載の親水性構成繰返し単位を約2 %以上含
有するコポリマーの水性ラテックス等を用いることがで
きる。微多孔性試薬層の乾燥層厚は約7 μm から約50μ
m 、好ましくは約10μm から約30μm の範囲である。
【0016】試薬層に含有される試薬は液体試料中の分
析対象成分とこの成分を分析するために選択した化学反
応によって決まり、選択した化学反応が2種以上の試薬
が関与する反応の場合にはそれらの試薬を一つの試薬層
内に混合して含有させることもできるし、必要に応じて
2種以上の試薬を2層以上の別個の層に含有させること
もできる。試薬層に含有させる試薬として前記の諸特許
明細書に記載の酵素を含む試薬組成物やその他の公知の
分析試薬系又は臨床生化学診断試薬系等がある。また試
薬層には公知のpH緩衝剤組成物、高分子pH緩衝剤、塩基
性ポリマー、酸性ポリマー、高分子媒染剤等を含有させ
ることができる。
【0017】吸水層及び実質的に非孔性の試薬層はいず
れも前記の光透過性水不透過性支持体の上に公知の塗布
方法により設けることができる。微多孔性試薬層は特開
昭59-120957(EP 0 114 403A)、特開昭59-145965(US 4 9
02 477) 等に記載の方法に従って設けることができる。
必要に応じて支持体の表面を公知の物理化学的活性化処
理又は化学的活性化処理し、あるいは透明な下塗層
(例、ゼラチン下塗層)を設けて支持体と吸水層又は支
持体と試薬層との間の接着力を強くすることができる。
支持体と試薬層の間に吸水層を設けることができ、試薬
層が微多孔性試薬層の場合には試薬層と支持体の間に吸
水層を設けることが好ましい。
【0018】光遮蔽層 試薬層又は吸水層の上に光遮蔽層を設けることができ
る。光遮蔽層は光遮蔽性又は光遮蔽性と光反射性を兼ね
備えた微粒子又は微粉末(以下、単に微粒子という)が
少量の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに
分散保持されている水透過性又は水浸透性の層である。
光遮蔽層は試薬層又は吸水層における検出可能な変化
(色変化、発色等)光透過性支持体側から反射測光する
際に後述する多孔性展開層に点着供給された水性液体試
料の色、特に全血試料に含まれるヘモグロビンの赤色等
を遮蔽するとともに光反射層又は背景層としても機能す
る。光遮蔽性と光反射性とを兼ね備えた微粒子の例とし
て二酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ型又はブ
ルカイト型の粒子径約0.1 μm から約1.2 μm の微結晶
粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微粒子又
は微小フレーク等がある。光遮蔽性微粒子の例としてカ
ーボンブラック、ガスブラック、カーボンミクロビーズ
等があり、これらのうちで二酸化チタン微粒子、硫酸バ
リウム微粒子が好ましい。被膜形成能を有する親水性ポ
リマーバインダーとしては吸水層に用いられるのと同じ
親水性ポリマーの他に弱親水性の再生セルロース、セル
ロースアセテート等があり、これらのうちではゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が好まし
い。ゼラチン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤(架橋
剤) を混合して用いることができる。光遮蔽層は光遮蔽
性微粒子と親水性ポリマーとの水性分散液を公知の方法
により試薬層又は吸水層の上に塗布し乾燥することによ
り設けることができる。光遮蔽性微粒子と親水性ポリマ
ーバインダーとの乾燥時の体積比は光遮蔽性微粒子10に
対しポリマーバインダーが約2.5 から約7.5 、好ましく
は約3.0 から約6.5 の範囲であり、光遮蔽性微粒子が二
酸化チタン微粒子の場合には重量比で二酸化チタン微粒
子10に対しポリマーバインダーが約0.6 から約1.8 、好
ましくは約0.8から約1.5 の範囲である。光遮蔽層の乾
燥層厚は約3 μm から約30μm 、好ましくは約5 μm か
ら約20μm の範囲である。
【0019】接着層 試薬層、吸水層又は光遮蔽層の上には後述する多孔性展
開層を接着し積層するために接着層を設けることができ
る。接着層は水で湿潤しているとき、又は水を含んで膨
潤しているときに多孔性展開層を接着して一体化できる
親水性ポリマーから主としてなる。接着層に用いうる親
水性ポリマーとしては吸水層に用いるのと同じ親水性ポ
リマーがあげられ、これらのうちでゼラチン、ゼラチン
誘導体、ポリアクリルアミド等が好ましい。接着層の乾
燥層厚は約0.5 μmから約20μm、好ましくは約1 μm か
ら約10μm の範囲である。接着層には界面活性剤を含有
させることができる。界面活性剤としてはノニオン性界
面活性剤、特にオキシエチレン基又はオキシプロピレン
基が8 〜15個連なった鎖状構造を含むノニオン性界面活
性剤が好ましい。接着層は親水性ポリマーと所望により
加えられる界面活性剤等を含む水溶液を公知の方法で試
薬層、吸水層又は光遮蔽層の上に塗布して設けることが
できる。
【0020】接着層を設けるかわりに、エポキシ樹脂系
接着剤(例、アラルダイト-100)、シリコ−ン系接着
剤、アクリレ−ト系接着剤等の感圧型の接着剤を用い
て、部分接着法により、試薬層、吸水層、光遮蔽層など
の上に弗素含有ポリマ−の微多孔性膜を接着して積層一
体化することもできる。部分接着とは、特開昭61-4959
(EP0 166 365A) 、特開昭62-138756 〜138758(EP 0 226
465A) 等に記載の、『隣接する2層の界面の間に部分
的(又は断続的)に配置された接着剤によって実質的に
密着され一体化されており、かつ隣接する2面及びその
間において液体の一様通過が実質的に妨げられないよう
に構成されている接着』である。感圧型接着剤を試薬
層、吸水層、光遮蔽層などの上に部分的に配置する方法
は特開昭61-4959 、特開昭62-138756 、特開昭64-23160
(DE 37 21 236A) 等に記載の諸種の方法によることがで
きる。それらの諸方法のうちでは印刷法による方法が好
ましい。印刷法のうちで、感圧接着剤を印刷版(グラビ
ア印刷版又は凹版が好ましい)ロ−ラ−を用いて試薬
層、吸水層、光遮蔽層などの上に転写し付着させる方法
及び隣接する2層を貼りあわせる方法は、例えば、日本
印刷学会編『印刷工学便覧』(技報堂出版(株)、1983
年)839 〜853 頁等に記載の公知の装置及び方法により
実施することができる。
【0021】展開層 吸水層又は試薬層の上に直接又は接着層を介して、又は
光遮蔽層(光反射層)の上に接着層を介して、弗素含有
ポリマーからなる微多孔性層からなる多孔性展開層を設
ける。展開層はその上側表面(透明支持体から遠い側の
表面)に点着供給された水性液体試料をその中に含有し
ている成分を実質的に偏在させることなしに横方向に拡
げ単位面積当りほぼ一定容量の割合で親水性ポリマーバ
インダーを含む吸水層、又は吸水性又は水浸透性の試薬
層に供給する作用(展開作用、展延作用又はメータリン
グ作用)をする層である。さらに展開層は水性液体試料
中の分析を阻害する非溶解性物質(例、全血試料中の赤
血球等)を濾過除去する作用をもする層である。
【0022】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、そのま
までは、撥水性が高く(濡れ性が低く)乾式分析要素の
展開層として用いようとしても、水性液体試料ははじか
れてしまって、膜の表面や内部に拡散、浸透しないこと
は、周知の事実である。本発明の多層分析要素では、弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に親水性を付与し親水性を
高める手段として、弗素含有ポリマーの微多孔性膜の外
部表面及び内部の空隙の表面を実質的に親水化するに充
分な量の界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔性膜に
含浸させることにより、あるいは、グロ−放電処理など
の物理化学的な表面改質手段により、前記の水性液体試
料がはじかれる問題点を解決した。
【0023】展開層をなす微多孔性層を構成する弗素含
有ポリマーとしては、ポリビニリデンフルオリドやポリ
テトラフルオロエチレンなどがあり、ポリテトラフルオ
ロエチレンが好ましい。製法、その他により膜の性質は
かなり異なるが、一般には Teflon 、Tefzol(du Pont
社製)、Halar(Allied Chemical 社製)、Kel-F(3M社
製)などが知られており、それらを用いることができ
る。弗素含有ポリマーからなる微多孔性層の微孔のサイ
ズは、約0.2 μm から約15μm 好ましくは約1μm から
約5μm の範囲、空隙率は約40%から約90%、好ましく
は約50%から約85%の範囲、層の厚さは約1μm から約
200 μm 好ましくは約5μm から約100 μm 、最も好ま
しくは約10μm から約80μm の範囲である。
【0024】展開層をなす弗素含有ポリマーの微多孔性
層としては、特表昭63-501594(WO 87/02267)に記載のポ
リテトラフルオロエチレンのフィブリル(微細繊維) か
らなる微多孔性のマトリックス膜(微多孔性膜) である
Gore-Tex(W.L.Gore and Associates 社製)、Zitex(No
rton社製)、ポアフロン(住友電工社製) などがある。
これらの微多孔性膜は、ポリテトラフルオロエチレンの
微粉末を密度を変えてシンタリングしたり、一方向ある
いは二方向に延伸して作製され、1層構成の非ラミネ−
トタイプの膜と2層構成で織物布地、編物布地、紙やそ
の他の多孔性膜の上にラミネ−トした構造の膜がある。
二軸延伸微多孔膜と一軸延伸微多孔膜とをラミネートし
た構造の複合微多孔膜もある。これらの微多孔性膜は孔
径(微孔のサイズ)約0.1 μm から約60μm 、膜の厚さ
は約20μm から約700μm である。その他に US 3 368 8
72(実施例3及び4)、US 3 260 413( 実施例3及び
4)、特開昭53-92195(US 4 201 548)等に記載のポリテ
トラフルオロエチレンの微多孔性膜 US 3 649 505 に記
載のポリビニリデンフルオリドの微多孔性膜などがあ
る。
【0025】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
うち、展開層に適している特性としては、孔径が赤血球
を実質的に通過させない程度に小さいこと、膜厚が比較
的薄いこと、空隙率が大きいことである。具体例として
は、孔径約1 μm から約20μm 、好ましくは1 μm から
約10μm 、膜厚約20μm から約100 μm、好ましくは約3
0μm から約80μm 、空隙率は約45%から約95%、好ま
しくは約60%から約90%、最も好ましくは約65%から約
85%の範囲のものが適している。一軸延伸又は二軸延伸
した非ラミネ−トタイプの微多孔膜は、延伸により、孔
の断面サイズが短径約1 μm 、長径約10μm 以上という
ような長楕円状の形状をとる。また、延伸により空隙率
が大きくなり、かつ濾過長の短い薄い微多孔膜が作りや
すい。濾過長が短い微多孔膜では、血液中の有形成分
(主として赤血球)による目詰りが生じがたく、かつ血
球と血漿の分離に要する時間が短いので、その結果、分
離効率が高くなるという特徴がある。
【0026】界面活性剤 弗素含有ポリマーの微多孔性膜を親水性化処理に用いら
れる界面活性剤としては、非イオン性(ノニオン性) 陰
イオン性(アニオン性) 陽イオン性(カチオン性) 両性
いずれの界面活性剤をも用いることができる。これらの
界面活性剤のうちでは、ノニオン性界面活性剤が、赤血
球を溶血させる作用が著しく低いので、全血を検体とす
るための多層分析要素においては有利である。ノニオン
性界面活性剤としては、アルキルフェノキシポリエトキ
シエタノール、アルキルポリエーテルアルコール、ポリ
エチレングリコールモノエステル、ポリエチレングリコ
ールジエステル、高級アルコールエチレンオキシド付加
物(縮合物) 多価アルコールエステルエチレンオキシド
付加物(縮合物) 高級脂肪酸アルカノールアミドなどが
ある。ノニオン性界面活性剤の具体例として、次のもの
がある。 アルキルフェノキシポリエトキシエタノール: イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有…Triton X-100) (オキシエチレン単位平均5 含有…Triton X-45) ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 含有…IGEPAL CO-630) (オキシエチレン単位平均10〜11含有…IGEPAL CO-710) (オキシエチレン単位平均9 含有…LENEX 698) アルキルエーテルアルコール: 高級アルコール ポリオキシエチレン エーテル(Polyo
xyethylene Etherof Fatty Alcohol) (Triton X-67 [CA Registry No. 59030-15-8])
【0027】水性液体試料がはじかれることなく展開・
移送されるに充分な親水性を弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に付与するには、一般に、弗素含有ポリマーの微多
孔性膜の空隙体積の約0.1 %から約20%、好ましくは約
0.5 %から約10%、最も好ましくは約1.0 %から約5.0
%の界面活性剤で微多孔性膜の空隙の表面が被覆される
ことが必要である。例えば、厚さが50μm の弗素含有ポ
リマーの微多孔性膜の場合に、含浸される界面活性剤の
好ましい量は、0.5g/m2 から2.5g/m2 の範囲である。弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に界面活性剤を含浸させる
方法としては、界面活性剤の低沸点(沸点約50℃から約
120 ℃の範囲が好ましい)の有機溶媒(例、アルコー
ル、エステル、ケトン)溶液に弗素含有ポリマーの微多
孔性膜を浸漬し、溶液を微多孔性膜の内部空隙に実質的
に充分に行きわたらせた後、微多孔性膜を溶液から静か
に引き上げ、風(温風が好ましい)を送り乾燥させる方
法が一般的である。展開層に含有させる試薬成分等の他
の成分とともに界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に含有させることもできる。
【0028】展開層の積層一体化 弗素含有ポリマ−の微多孔性膜、特にポリテトラフルオ
ロエチレンの微多孔性膜そのものは、極めて疎水性が高
く、ゼラチンなどの親水性ポリマ−層への接着は困難で
あると従来から考えられており、従来一体型多層分析要
素の展開層としては用いられていなかった。しかるに、
本発明の一体型多層分析要素で展開層として用られる、
微多孔性であって表面及び内部表面が界面活性剤により
親水化されている、膜厚が比較的薄い弗素含有ポリマ−
の微多孔性膜では、ゼラチンなどの親水性ポリマ−層と
一様な密着状態を容易に形成させることができ、水性液
体試料、特に血液をムラなく一様に親水性ポリマ−層へ
移行させることができる程度の接着が実現できることが
判明した。
【0029】展開層の積層 弗素含有ポリマーの微多孔性膜をゼラチン等の親水性ポ
リマーをバインダーポリマーとする吸水層、試薬層、光
遮蔽層又は接着層に接着するには、特開昭55-164356(US
4 292 272)、特開昭57-66359(US 4 783 315)等に記
載の方法に従って実施することができる。例えば、前記
の親水性ポリマーを含む層の表面に予め水(又は界面活
性剤を少量含む水)をほぼ一様に供給して湿潤させてお
き、その上に界面活性剤を含浸させた弗素含有ポリマー
の微多孔性膜を重ね、温度を一定に保ちつつ全面に一様
に軽く圧力を加えてラミネート圧着する方法が一般的で
ある。また、吸水層、試薬層又は接着層の親水性ポリマ
ーバインダーがゼラチン又はゼラチン誘導体の場合に
は、層の塗布後ゼラチン(誘導体)が未乾燥のゲル状態
の間に弗素含有ポリマーの微多孔性層を接着積層し一体
化する方法によることもできる。このようにして弗素含
有ポリマーの微多孔性層を展開層として有する一体型多
層分析要素が完成する。展開層に用いられる弗素含有ポ
リマーの微多孔性層は、特開昭57-66359(US 4783 31
5)に記載の物理的活性化処理(好ましくはグロー放電
処理又はコロナ放電処理)を微多孔性層の少なくとも片
面に施すことにより微多孔性層の表面を親水化し、下側
(支持体に近い側)の層との接着力を強化することがで
きる。
【0030】試薬組成物又はその一部の成分は展開層に
含有させることができる。殊に酵素に代表される高分子
物質又は蛋白に結合した被検成分の解離剤等が試薬組成
物の成分として含まれる場合にはその試薬成分を展開層
に含有させるのが好ましいことがある。展開層に試薬組
成物又はその一部の成分を含有させるには、酵素につい
て「Research Disclosure 」#12626(October 1974)、
特開昭50-137192(US 3983 005)、特開昭57-208997(US
4 452887) 等、酵素の基質について特開昭57-208998(US
4 897 347) 等、蛋白に結合した被検成分の解離剤につ
いて特開昭59-171864(EP 0 119 861A)等、その他の成分
について特開昭59-46854(US 4 587 100)(実施例7)等
に記載の方法に従って実施することができる。
【0031】その他の層構成要素 本発明の一体型多層分析要素には前述の諸層のほかに必
要に応じて特開昭51-40191(US 4 042 335)、特開昭53
-131089(US 4 144 306)等に記載の検出層又は媒染層、
特開昭54-29700(US 4 166 093)等に記載のマイグレー
ション阻止層、特開昭51-40191(US 4 042 335)等に記
載の中間層、特開昭56-8549 (US 4 356149)に記載の
試薬含有微粒子分散層、特開昭52-3488 (US Re 30 26
7)に記載の特定の疎水性ポリマーの均質薄層からなる
バリアー層(透析層)、特開昭58-77661(US 4 548 90
6)、特開昭60-44865等に記載の空気バリアー層、特開
昭60-21452に記載のガス透過性粘着性中間層等を組み込
んで設けることができる。
【0032】本発明の一体型多層分析要素は一辺約5mm
から約30mmの正方形又はほぼ同サイズの円形等の小片に
裁断し特開昭57-63452、特開昭54-156079(US 4 169 75
1) 実開昭56-142454(US 4 387 990) 実開昭58-32350、
特表昭58-501144(WO 83/00391)等に記載のスライド枠等
に収めて分析スライドとして用いるのが製造、包装、輸
送、保存、測定操作等の観点で好ましい。しかし、尿試
験紙のようなスティックの一部に取付けた形状で用いる
こともできる。
【0033】本発明の一体型多層分析要素は前述の諸特
許明細書に記載の方法に従い、約5μL から約50μL 、
好ましくは約8 μL から約20μL の水性液体試料を多孔
性展開層に点着供給し、必要に応じて約20℃から約45℃
の範囲の実質的に一定の温度でインクベーションの後
に、光透過性支持体側から多層分析要素内の色変化、発
色等の検出可能な変化を反射測光し比色法の原理により
液体試料中の測定対象成分の定量に供する。光透過性水
不透過性支持体の上に吸水層と弗素含有ポリマーからな
る微多孔性層からなる展開層を設けた一体型多層分析要
素では特開昭56-96245(US 4 340 565)又は特開昭56-9
7872(US 4 337 222)に記載の一体型多層分析要素と同
様にしてヘマトクリット値又は血中ヘモグロビン濃度値
を求めることができる。なお、本発明の一体型多層分析
要素は織物又は編物生地を実開昭57-42951(DE31 33 53
8A)(DE はドイツ国特許を意味する) に記載の一定の形
の一定面積の水性液体試料点着供給用ポーラス層(パッ
チ)として最上層に設けた態様とすることもできる。以
下で実施例および比較例により本発明を具体的に詳細に
説明する。
【0034】
【実施例1】親水化処理しゼラチン下塗層を有する厚さ
180 μmの無色透明ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(支持体)の上にアルカリ処理脱イオンゼラチ
ン水溶液を乾燥層厚20μm になるようにして塗布し乾燥
して吸水層を設けた。一方、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)の微多孔性膜(Zitex A-110, Norton 社製;孔
サイズ平均30μm 〜60μm )を、アルキルポリエーテル
アルコール(Triton X-67 )5 %含有のイソプロピルア
ルコール溶液に浸漬し、温風で乾燥させてノニオン性界
面活性剤を含浸させた。乾燥後のノニオン性界面活性剤
の含有量は、微多孔性膜1m2当り1.8gであった。ついで
吸水層を水でほぼ一様に湿潤させ、その上に前述の含浸
処理した微多孔性膜を吸水層の上にかさね全体を加圧ロ
ーラー間を通過させ微多孔性膜を吸水層に一様にラミネ
ートしてPTFE微多孔性膜展開層を有する一体型多層分析
要素を調製した。
【0035】
【比較例1】織物布地として100 %木綿の平織ブロード
布地( 糸の太さ綿番手100S相当、布地の厚さ140 μm )
に実施例1と同じノニオン性界面活性剤を実施例1と同
様にして含浸させたほかは実施例1と同様にして一体型
多層分析要素を調製した。
【0036】ついで実施例1及び比較例1の各多層分析
要素の展開層に10μL の健常者のヒト全血(ヘマクリッ
ト値41%)を点着供給し展開に要する時間と展開面積を
測定し表1の結果を得た。
【0037】
【表1】 ────────────────────────── 多層分析要素 展開面積 展開時間 展開状況 ────────────────────────── 実施例 1 150mm2 10秒 一様 比較例 1 80mm2 90秒 一様 ──────────────────────────
【0038】表1のデータから、展開層としてノニオン
性界面活性剤としてアルキルポリエーテルアルコール
(Triton X-67 )を含浸させたPTFE微多孔性層を有する
本発明の一体型多層分析要素では、展開に要する時間が
著しく短く、かつ展開面積、展開時間、展開状況いずれ
も好ましいことが明らかである。それに対して比較例1
の多層分析要素では展開に要する時間が比較的長く、展
開面積が小さすぎることが明らかになった。
【0039】
【実施例2】全血中のグルコース濃度定量用一体型多層
分析要素を作製した。ゼラチン下塗層を有する厚さ185
μm の無色透明PET フィルム支持体の上に下記組成のグ
ルコース測定用試薬層を塗布し乾燥した。 グルコース測定用試薬組成(1m2 当りの被覆量) グルコースオキシダーゼ 10,000IU ペルオキシダーゼ 10,000IU 1,7-ジヒドロキシナフタレン 500mg 4-アミノアンチピリン 1.2g 脱イオンゼラチン 20g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有) 200mg この試薬層の上に、200mg のノニルフェノキシポリエト
キシエタノール( オキシエチレン単位平均9 〜10含有)
8.0gの二酸化チタン微粒子( ルチル型、粒子径0.25〜0.
40μm)及び1.0gの脱イオンゼラチンの割合の水分散液を
塗布し乾燥して乾燥層厚が約5 μm の光遮蔽層を設け
た。ついでこの光遮蔽層の上に2.7g/m2 の脱イオンゼラ
チンと140mg/m2のノニルフェノキシポリエトキシエタノ
ール(オキシエチレン単位平均9 〜10含有)になるよう
にしてゼラチン水溶液を塗布しを乾燥して乾燥層厚約2
μm の接着層を設けた。ついで接着層を水でほぼ一様に
湿潤させ、その上に実施例1 と同様にしてノニオン性界
面活性剤を含浸させた実施例1と同種のPTFEの微多孔性
膜を接着層にかさね全体を加圧ローラー間を通過させ微
多孔性膜を接着層に様一にラミネートして展開層を設け
た。このようにして調製したグルコース濃度定量用一体
型多層分析要素を用い、グルコースを添加してグルコー
ス含有量を表2に記載の数値に調整したヒト血漿を展開
層にそれぞれ10μL ずつ点着供給し37℃で6分インクベ
ーションした後反射光学濃度計を用い中心波長510nm の
可視光で発色光学濃度を反射測光し、またヒト血漿と管
理血清を点着供給して展開面積を測定して表2の測定値
を得た。
【0040】
【表2】 ────────────────────────── グルコース濃度(*1) 反射光学濃度測定値 103 mg/dL 0.497 252 0.750 320 0.839 450 0.982 ────────────────────────── 水性液体試料 展開面積測定値 ヒト血漿 128 mm2 Versatol-P(*2) 127 mm2 ────────────────────────── (*1) ヒト血漿のグルコース濃度はヘキソキナーゼ-G-6
-PDH法で検定した値 (*2) Werner-Lambert社製管理血清
【0041】表2の結果から本発明の多層分析要素では
検量線の傾きが大きく、グルコース含有量の大きい領域
に至っても検量線の傾きが小さくならないので被検成分
であるグルコース含有量の広い範囲にわたって定量的な
測定が可能であることが判った。
【0042】
【実施例3】全血中のヘモグロビン濃度定量用一体型多
層分析要素を、特開昭56-97872(US4 337 222)実施例
1に準じて作成し、ヘモグロビン濃度を測定した。親水
化処理しゼラチン下塗層を有する厚さ180 μm の無色透
明PET フィルム(支持体) の上にアルカリ処理脱イオン
ゼラチン水溶液を乾燥層厚20μm になるようにして塗布
し乾燥して吸水層を設けた。一方、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)の微多孔性膜(Zitex A-150, Norton 社
製;孔サイズ平均3 μm ) を、アルキルポリエーテルア
ルコール(Triton X-67 )5 %含有のイソプロピルアル
コール溶液に浸漬し、温風で乾燥させてノニオン性界面
活性剤を含浸させた。乾燥後のノニオン性界面活性剤の
含有量は、微多孔性膜1m2 当り1.1gであった。ついで吸
水層を0.5 重量%のノニルフェノキシポリエトキシエタ
ノール( オキシエチレン単位平均9 〜10含有) を含む水
でほぼ一様に湿潤させ、その上に前述の含浸処理した微
多孔性膜を吸水層の上にかさね全体を加圧ローラー間を
通過させ微多孔性膜を吸水層に一様にラミネートしてPT
FE微多孔性膜展開層を有する全血中のヘモグロビン濃度
定量用一体型多層分析要素を調製した。
【0043】輸血用ACD 保存血を遠心分離により分画
し、血球成分と血漿成分とに分けた後、両者を種々の割
合で混合してヘマトクリット値0 から70%の一連の全血
試料を調製した。それぞれの全血試料について生理食塩
水で稀釈した溶液を作り、溶液の吸光度を測定すること
によりヘモグロビン濃度を測定したところ、2.9 〜21.2
mg/dL であった。
【0044】このようにして調製した全血試料それぞれ
の10μL を多層分析要素の展開層に点着した。点着され
た全血試料はヘモグロビン濃度に関係なくほぼ同じ直径
の円状に展開された。血液分析装置富士ドライケム5500
型(富士写真フイルム(株)製臨床検査測定装置)で、
全血試料の点着後、透明PET 支持体側から分析要素の波
長540nm における6分後の反射光学濃度を反射測光し
た。全血試料のヘモグロビン濃度と反射光学濃度値との
対応は表5のとおりであって、両者は良好な相関を示し
た。表3のデータから、本発明の PTFE 微多孔性膜展開
層を有する全血中のヘモグロビン濃度定量用一体型多層
分析要素は、全血をそのまま用いてヘモグロビン濃度を
高精度で定量できることが明らかである。
【0045】
【表3】 ────────────────────────── ヘモグロビン濃度 反射光学濃度測定値 2.9 mg/dL 0.482 6.1 0.675 9.4 0.898 13.0 1.313 18.0 1.924 21.2 2.218 ──────────────────────────
【0046】
【実施例4】PTFE微多孔膜を展開層としたグルコース濃
度定量用乾式分析要素 ゼラチン下塗層を有する厚さ180 μm の無色透明PET フ
ィルム(支持体)の上に下記組成のグルコース測定用呈
色試薬層を水溶液から塗布し乾燥して設けた。 グルコース測定用試薬層の組成(1m2 当りの被覆量) グルコースオキシダーゼ 10,000IU ペルオキシダーゼ 10,000IU 1,7-ジヒドロキシナフタレン 1.0g 4-アミノアンチピリン 1.0g 脱イオンゼラチン 20g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有) 500mg この試薬層の上に下記被覆量の光遮蔽層を水分散液から
塗布し乾燥して設けた。 光遮蔽層の組成(1m2 当りの被覆量) 二酸化チタン微粒子 10g 脱イオンゼラチン 5g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有) 200mg この光遮蔽層の上に下記被覆量の接着層を水溶液から塗
布し乾燥して設けた。 接着層の組成(1m2 当りの被覆量) 脱イオンゼラチン 5g 酢酸カルシウム 1g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有) 100mg 一方、PTFE膜として、Zitex A-110 (孔サイズ平均30〜
60μm ;Norton社製)を用意し、この膜をノニルフェノ
キシポリエトキシエタノール(オキシエチレン単位平均
9 〜10含有)(ノニオン界面活性剤)を5 %含むエタノ
ール溶液に浸漬し、脱泡後乾燥させて、ノニオン界面活
性剤の含有量約2g/m2 の表面及び内部表面を親水化処理
したPTFE微多孔性膜を調製した。ついで、前記の試薬層
から接着層までを設けた多層積層物を15mm×15mmの正方
形のチップに裁断した。また、親水化処理したPTFE微多
孔性膜も15mm×15mmの正方形のチップに裁断した。つい
で裁断した積層物チップの接着層をノニルフェノキシポ
リエトキシエタノール(オキシエチレン単位平均9 〜10
含有)を0.2 %含有する水でほぼ一様に湿潤させ、その
上に同じサイズに裁断したPTFE微多孔性膜をかさね全体
に一様に軽く圧力をかけてPTFE微多孔性膜を接着層に一
様に接着させて展開層を設け、軽く圧力がかかっている
状態で特開昭57-63425に記載のスライド枠に収めて固定
してグルコース定量用スライドを完成させた。
【0047】性能評価試験4-1 異なる濃度でグルコースを含有する3種類の管理血清CP
-L、CP-M、CP-H(富士ドライケム用管理血清、富士写真
フイルム(株)製)を検体として用い、それぞれ10μL
をPTFE微多孔性膜の上に点着し、スライドを富士ドライ
ケム5500アナライザ−(富士写真フイルム(株)製)に
装填し、6 分のインクベ−ションの後に中心波長510nm
の可視光で透明支持体側から分析要素の発色の光学濃度
(ODR)を反射観測した。一方、同じ管理血清3種類
について、日立7050湿式アナライザ−で、標準試薬(G-
6-PDH 法試薬)を用いて、そのグルコース含有量を測定
した。日立7050アナライザ−によるグルコース含有量測
定値とスライドの反射光学濃度値は表4のとうりであっ
た。
【0048】
【表4】 ──────────────────────────────── 検体 管理血清 CP-L CP-M CP-H ──────────────────────────────── 日立7050のグルコース濃度測定値 54mg/dL 270mg/dL 520mg/dL 本発明の乾式分析要素 ODR 0.292 0.756 0.805 ────────────────────────────────
【0049】性能評価試験4-2 健常者2名の静脈値をヘパリン−NaF 採血し、その一部
を遠心分離して血漿を取り出した。その血漿について、
標準試薬(G-6-PDH 法試薬)を用いて、日立7050湿式ア
ナライザーでそのグルコース含有量を測定したところ、
86mg/dL と98mg/dL であった。ヘパリン−NaF 採血した
同じ2名の静脈血のそれぞれ10μL を前記の分析スライ
ドのPTFE微多孔性膜の上に点着し、スライドを富士ドラ
イケム5500アナライザー(富士写真フイルム(株)製)
に装填し、6 分のインクベーションの後に中心波長510n
m の可視光で透明支持体側から分析要素の発色の光学濃
度(ODR)を反射測光した。表4の測定値から作成し
た検量線を用いて静脈血のグルコース濃度を求めたとこ
ろ、それぞれ、84mg/dL と97mg/dL となった。これらの
測定値は、湿式アナライザーで、標準試薬(G-6-PDH 法
試薬)を用いて、測定されたグルコース濃度と極めて近
い測定値であり、本発明の一体型多層分析要素は全血を
試料として、良好な精度でグルコース濃度を定量できる
ことを示している。
【0050】
【実施例5】PTFE微多孔膜として、Zitex A-135 (孔サ
イズ平均5 〜10μm ;Norton社製)を用いたほかは実施
例4と同様にしてグルコース定量用スライドを完成させ
た。 性能評価試験5-1 健常者の静脈血をヘパリン−NaF 採血し、これに50%グ
ルコース水溶液の少量を添加し、グルコース濃度の異な
る4種類の血糖測定用全血検体を調製した。4種類の全
血検体について性能評価試験4-1 と同様にして反射光学
濃度値(ODR)を測定した。一方、4種類の全血検体
それぞれから一部をプラスチック製の遠心用チュ−ブに
分取し、遠心分離して上清液(血漿)を取り出した。そ
の血漿について性能評価試験4−2と同様にして日立70
50湿式アナライザーでそのグルコース含有量を測定し
た。 日立7050アナライザーによるグルコース含有量測
定値とスライドの反射光学濃度値は表5の通りであっ
た。
【0051】
【表5】 ───────────────────────────────── 検体 全血検体 検体-1 検体-2 検体-3 検体-4 ───────────────────────────────── 日立7050による濃度測定値 86mg/dL 151mg/dL 236mg/dL 388mg/dL 本発明の乾式分析要素 ODR 0.255 0.294 0.355 0.406 ─────────────────────────────────
【0052】性能評価試験5-2 健常者2名の静脈血をヘパリン−NaF 採血し、その一部
を遠心分離して血漿を取り出した。その血漿について、
性能評価試験5-1 と同様にして、日立7050湿式アナライ
ザーでそのグルコース含有量を測定したところ、94mg/d
L と106mg/dLであった。ヘパリン−NaF 採血した同じ2
名の静脈血のそれぞれ10μL を前記の分析スライドのPT
FE微多孔性膜の上に点着し、スライドを富士ドライケム
5500アナライザー(富士写真フイルム(株)製)に装填
し、6 分のインクベーションの後に中心波長510nm の可
視光で透明支持体側から分析要素の発色の光学濃度(O
DR)を反射測光した。表5の測定値から作成した検量
線を用いて静脈血のグルコース濃度を求めたところ、そ
れぞれ、97mg/dL と108mg/dLとなった。これらの測定値
は、湿式アナライザーで、標準試薬(G-6-PDH 法試薬)
を用いて、測定されたグルコース濃度と極めて近い測定
値であり、本発明の一体型多層分析要素は全血を試料と
して、良好な精度でグルコース濃度を定量できることを
示している。実施例4及び5のデ−タは、本発明の、親
水性ポリマ−からなる試薬層の上にノニオン界面活性剤
を含浸させたPTFE微多孔性膜を展開層として接着した一
体型多層分析要素の反射光学濃度値と、対応する湿式法
の標準試薬系を用いて測定したグルコース含有量値とは
良好な相関を有すること、及び本発明の一体型多層分析
要素は良好な検量線を有することを示すもので、本発明
の一体型多層分析要素を用いて、全血、血漿、血清いず
れについても正確にグルコース含有量を定量できること
が確認された。
【0053】
【実施例6】特願平2-281088の実施例11に記載のプロセ
スと同様にして尿素窒素(BUN )定量用一体型層分析要
素を調整した。まず、透明ポリエチレンテレフタレート
(PET )フィルム(厚さ180 μm )の上に、下記被覆量
になるように塗布乾燥して指示薬層を設けた。 ポリビニルメチルエーテル(重量平均分子量約4万) 4.4g/m2 ブロムクレゾールブルー 140mg/m2 NaOH 8.4mg/m2 その上から平均孔径0.2 μm 空隙率75%、厚さ100 μ
m のポリエチレン製メンブランフィルターを一様に圧着
して液体遮断層を設けた。次いで、液体遮断層の上に下
記の被覆量になるように塗布、乾燥し、反応試薬層を設
けた。 ヒドロキシエチルセルロ−ス 16g/m2 (平均分子量約4万、5wt%水溶液25℃での粘度60〜110cps, 平均置換度DS=1.0〜1.3 、平均置換モル数MS=1.8〜2.5 ) エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩 300mg/m2 オルト燐酸にナトリウム塩 200mg/m2 Taps 3g/m2 Tris 3g/m2 ウレア−ゼ 3000U/m2 p-ノニルフェノキシポリグリシド−ル 200mg/m2 (グリシド−ル単位平均10) NaOHを添加して塗布液のpHを8.00に調節した。 一方、PTFE膜として、Zitex A-110 (孔サイズ平均30〜
60μm ;Norton社製)を用意し、この膜をノニルフェノ
キシポリエトキシエタノール(オキシエチレン単位平均
9 〜10含有)(ノニオン界面活性剤)を5 %含むエタノ
ール溶液に浸漬し、脱泡後乾燥させて、ノニオン界面活
性剤の含有量約2g/m2 の表面及び内部表面を親水化処理
したPTFE微孔性膜を調整した。ついで、前記の指示薬層
から反応試薬層までを設けた多層積層物を15mm×15mmの
正方形のチップに裁断した。また、親水化処理したPTFE
微多孔性膜も15mm×15mmの正方形のチップに裁断した。
ついで裁断した積層物チップの接着層をノニルフェノキ
シポリグリシド−ル(グリシド−ル単位平均10含有)を
0.2 %含有する水でほぼ一様に湿潤させ、その上に同じ
サイズに裁断したPTFE微多孔性膜をかさね全体に一様に
軽く圧力をかけてPTFE微多孔性膜を接着層に一様に接着
させて展開層を設け、軽く圧力がかかっている状態で特
開昭57-63452に記載のスライド枠に収めて固定してBU
N(尿素窒素)定量分析スライドを完成させた。
【0054】性能評価試験6 健常者の静脈血をヘパリン−NaF を含む採血管に捕集
し、ついで4 本の試験管に5mL ずつ分注した。粉末の尿
素を生理食塩水に溶解して、尿素含有量10%の生理食塩
水溶液を用意し、これらの全血にそれぞれ、5 μL 、15
μL 、30μL 添加し、尿素濃度の異なる4種類のBUN
測定用全血試料を調整した。4種類前記の分析スライド
に4種類の全血試料を10μL ずつ点着し、富士ドライケ
ム5500アナライザーで中心波長625nm の可視光で透明支
持体側から分析スライドの指示薬層の発色光学濃度を反
射測光したところ、それぞれの反射光学濃度値(OD
R)は表6に示す値であった。一方、4種類の全血検体
それぞれから一部をプラスチック製の遠心用チュ−ブに
分取し、遠心分離し、上清液(血漿)を取り出した。そ
の血漿について、標準試薬(ウレア−ゼ−GLDH法試
薬)を用いて、日立7050湿式アナライザーでそのBUN
含有量を測定した。また、同じ血漿について、前記と同
様にして、富士ドライケム5500アナライザーでそのBU
N含有量を測定した。日立7050アナライザーによるBU
N含有量測定値と分析スライドの反射光学濃度値は表6
のとおりであった。
【0055】
【表6】 ──────────────────────────────── 血漿試料 検体-1 検体-2 検体-3 検体-4 ──────────────────────────────── 日立7050による濃度測定値 11mg/dL 38mg/dL 62mg/dL 115mg/dL 本発明の乾式分析要素 ODR 0.171 0.263 0.343 0.477 ──────────────────────────────── 全血試料 本発明の乾式分析要素ODR 0.158 0.244 0.308 0.441 ────────────────────────────────
【0056】表6のデ−タは、本発明の、親水性ポリマ
−からなる試薬層の上にノニオン界面活性剤を含浸させ
たPTFE微多孔性膜を展開層として接着した一体型多層分
析要素の反射光学濃度値と、対応する湿式法の標準試薬
系を用いて測定したBUN含有量値とは良好な相関を有
すること、及び本発明の一体型多層分析要素は良好な検
量線を有することを示すもので、本発明の一体型多層分
析要素を用いて、全血、血漿、血清いずれについても正
確にBUN含有量を定量できることが確認された。
【0057】
【実施例7】PTFE微多孔膜を展開層としたGGT (γ- グ
ルタミルトランスペプチダーゼ)活性定量用乾式分析要
ゼラチン下塗層を有する厚さ180 μm の無色透明PET フ
ィルム(支持体)の上に下記組成の吸水層を水溶液から
塗布し乾燥して設けた。 吸水層の組成(1m2 当りの被覆量) アルカリ処理脱イオンゼラチン 20g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均9 〜10含有) 1.0g 1 2 - ビス(ビニルスルホミルアセトアミド)エタン 300mg 吸水層の上に下記被覆量の接着層を水溶液から塗布し乾燥して設けた。 接着層の組成(1m2 当りの被覆量) 脱イオンゼラチン 4g ノニルフェノキシポリグリシド−ル (グリシド−ル単位平均10含有) 500mg 一方、PTFE膜として、CHEMCARD(米国 Chemamtics 社製
全血中コレステロール定量用試験片)から、PTFEのフィ
ブリル(微細繊維)構造を持った微多孔性膜(ノニオン
界面活性剤含浸)を剥し取った。ついで、前記の吸水層
から接着層までを設けた多層積層物を15mm×15mmの正方
形のチップに裁断した。裁断した積層物チップの接着層
の上に0.4 %ノニルフェノキシポリグリシド−ル(グリ
シド−ル単位平均10含有)水溶液をほぼ一様に供給して
湿潤させておき、剥し取ったPTFEのフィブリルの微多孔
性膜をかさね全体に一様に軽く圧力をかけてPTFE微多孔
性マトリックス膜を接着層に一様に接着させて展開層を
設けた。次に、PTFE微多孔膜展開層に下記の組成の試薬
組成物水溶液を塗布量120mL/m2になるようにして塗布
し、乾燥させて、展開層に試薬組成物を含浸させた。試薬組成物水溶液の調製 下記の組成のバッファ−水溶液を調製した。 トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン 3.0g グリシルグリシン 650mg セチルトリメチルアンモニウム・ブロミド 600mg 水 20.0g 前記のバッファ−水溶液に、γ- グルタミル-p- ニト
ロアニリド2.28g を2N-塩化水素酸水溶液1mL とエタノ
ール1mL との混合液の溶解させたものを添加し、つい
で、6N- 塩化水素酸水溶液約1.3mL を添加してpH8.3 に
調製して、試薬組成物水溶液とした。その後、試薬組成
物を含浸させたPTFE微多孔膜展開層に軽く圧力がかかっ
ている状態で特開昭57-63452に記載のスライド枠に収め
て固定してGGT活性定量用スライドを完成させた。
【0058】性能評価試験7 健常者の静脈血をヘパリン−NaF 採血し、これにGGT
活性値1900U/L と検定されたウシ腎GGT含有pH7.5 の
バッファー含有生理食塩水溶液の少量を添加し、GGT
活性値の異なる3種類の全血検体を調製した。3種類の
全血検体から、それぞれ10μL をPTFE微多孔性膜の上に
点着し、富士ドライケム5500アナライザー(富士写真フ
イルム(株)製)に装填し、37℃でインクベーションし
つつ、2分及び5 分経過時に中心波長400nm の近紫外光
で透明支持体側から反射測光で分析要素の発色の光学濃
度値を測定し、5 分値から2 分値を差し引いた差(OD
R5 分-2分)を求めた。一方、4種類の全血検体それぞ
れから一部をプラスチック製の遠心用チュ−ブに分取
し、遠心分離し、上清液(血漿)を取り出した。その血
漿について、日立7050湿式アナライザーで、標準試薬
(γ- グルタミル-3- カルボキシ-4-ニトロアニリド基
質法試薬)を用いて、そのGGT含有量を測定した。日
立7050アナライザーによるGGT含有量測定値とスライ
ドの反射光学濃度値は表7の通りであった。
【0059】
【表7】 ──────────────────────────────── 血漿試料 検体-1 検体-2 検体-3 ──────────────────────────────── 日立7050による濃度測定値 18.2U/L 327U/L 698U/L ──────────────────────────────── 全血試料 本発明の乾式分析要素 ODR 5分-2分 0.032 0 .173 0.298 ────────────────────────────────
【0060】表7の測定値から、特開昭62-32344に記載
の乾式分析要素のための反射測光法式での反応速度法に
よる酵素活性値測定用の検量線の作成方法で検量線を作
成したところ、良好な定量精度で実用できる検量線が得
られた。従って、本発明の一体型多層分析要素は全血を
試料として、良好な精度でGGT活性値を定量できるこ
とが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一体型多層分析要素の一実施態様の層
構成を示す断面図である。
【図2、図3】本発明の一体型多層分析要素の他の実施
態様の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 透光性支持体 11 指示薬層 12 吸水層または試薬層 13 液体遮断層 14 展開層 15 反応試薬層 16 光遮蔽層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不透過性支持体の上に親水性ポリマー
    バインダーを含む吸水層及び多孔性展開層がこの順に積
    層一体化されてなる一体型多層分析要素において、 前記展開層が、弗素含有ポリマーからなる微多孔性層か
    らなり、かつ界面活性剤を含有していることを特徴とす
    る一体型多層分析要素。
  2. 【請求項2】 水不透過性支持体の上に液体試料中の成
    分と反応して検出可能な変化を生じさせる少なくとも一
    つの試薬を含む少なくとも一つの吸水性又は水浸透性の
    試薬層及び多孔性展開層がこの順に積層一体化されてな
    る一体型多層分析要素において、 前記展開層が、弗素含有ポリマーからなる微多孔性層か
    らなり、かつ界面活性剤を含有していることを特徴とす
    る一体型多層分析要素。
  3. 【請求項3】 不透過性支持体の上に親水性ポリマーバ
    インダーを含む吸水層及び液体試料中の成分と反応して
    検出可能な変化を生じさせる少なくとも一つの試薬を含
    む多孔性展開層がこの順に積層一体化されてなる一体型
    多層分析要素でにおいて、 前記展開層が、弗素含有ポリマーからなる微多孔性層か
    らなり、かつ界面活性剤を含有していることを特徴とす
    る一体型多層分析要素。
  4. 【請求項4】 前記弗素含有ポリマーがポリテトラフル
    オロエチレンであり、前記界面活性剤がノニオン性界面
    活性剤である請求項1、2又は3に記載の一体型多層分
    析要素。
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