JPH05263038A - 被覆用組成物 - Google Patents

被覆用組成物

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JPH05263038A
JPH05263038A JP9200992A JP9200992A JPH05263038A JP H05263038 A JPH05263038 A JP H05263038A JP 9200992 A JP9200992 A JP 9200992A JP 9200992 A JP9200992 A JP 9200992A JP H05263038 A JPH05263038 A JP H05263038A
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JP
Japan
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coating composition
hydroxyl group
resin
monomer
chlorinated polyolefin
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JP9200992A
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English (en)
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Takayuki Shirai
孝行 白井
Toshiaki Cho
俊明 長
Keiji Urata
啓司 浦田
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種合成樹脂のフィルム、シート又は成型物
に対し優れた諸物性を示す塗料、印刷インキ等の被覆用
組成物、或は接着剤用樹脂組成物を提供する。 【構成】 塩素化ポリオレフィンに、1分子中にエチレ
ン性不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含有する単量
体をグラフト共重合した後、有機ジイソシアネート及び
高分子ポリオールでウレタン化し、更に1分子中にエチ
レン性不飽和結合を少なくとも1個含有する単量体及び
/又は1分子中にエチレン性不飽和結合と水酸基を少な
くとも1個含有する単量体をグラフト共重合して得られ
る被覆用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種プラスチックの保
護及び美粧を目的として用いられる被覆用組成物に関
し、更に詳しくは、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂等、各種合成樹脂のフィルム、シート又は
成形物に対し優れた諸物性を示す塗料及び印刷インキあ
るいは接着剤用の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チックは、高生産性でデザインの自由度が広く、軽量、
防錆、耐衝撃性等多くの利点があるため、近年、自動車
部品、電気部品、建築資材等の材料として多く用いられ
ている。とりわけポリオレフィン系樹脂は、価格が安く
成形性、耐薬品性、耐熱性、耐水性、良好な電気特性な
ど多くの優れた性質を有するため、工業材料として広範
囲に使用されており、将来その需要の伸びが最も期待さ
れている材料の一つである。しかしながらポリオレフィ
ン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等、極性を有する
合成樹脂と異なり、非極性でかつ結晶性のため、塗装や
接着が困難であると言う欠点を有する。
【0003】そこで従来よりポリオレフィン系樹脂成形
物の表面を、プラズマ処理やガス炎処理し活性化するこ
とにより付着性を改良しているが、この方法は工程が複
雑で多大な設備費や時間的なロスを伴うこと、又成形物
の形の複雑さ及び樹脂中の顔料や添加物の影響により、
表面処理効果にバラツキを生ずる等の欠点を有してい
る。
【0004】このような前処理なしに塗装する方法とし
て、自動車のポリプロピレンバンパー塗装に見られるよ
うなプライマー組成物が種々提案されているが、これと
てもツーコート仕上げという煩雑さを伴うものである。
【0005】ワンコート仕上げ用の被覆用組成物として
は、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する
塩素化ポリオレフィンや環化ゴム等があるが、耐候性、
耐湿性、耐ガソリン性等が劣り十分な塗膜性能を示さな
い。そのため良好な塗料物性を有するアクリル樹脂やア
ルキッド樹脂を混合して使用する試みがなされている。
しかし本来アクリル樹脂やアルキッド樹脂は塩素化ポリ
オレフィンと相溶性が悪いため、塗膜の光沢が低下し、
外観を著しく損なうなどの問題を生ずる。
【0006】これらの欠点を改良するため特開昭58−
71966号公報に見られるような、アクリル系単量体
と塩素化ポリオレフィンを共重合して得られる被覆用組
成物や、特開昭59−27968号公報に見られるよう
な、水酸基を有するアクリル系単量体等と塩素化ポリオ
レフィンを共重合させた塩素化ポリオレフィン変性水酸
基含有アクリル共重合体と、イソシアネート化合物を必
須成分として成る塗料組成物や、特開昭62−9537
2号公報に見られるような、塩素化ポリオレフインと液
状ゴムの存在下で、水酸基を有するアクリル系単量体等
と共重合した水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフ
ィン及びイソシアネート化合物を主成分として成る接着
剤樹脂組成物などが提案されている。しかしこれらの組
成物も塗膜が硬く耐衝撃性や耐屈曲性が劣りバランスの
取れた塗膜とは言い難い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、各種プラスチ
ック成型物にワンコート塗装が可能で、バランスの取れ
た塗膜性能を有する被覆用組成物を提供することを目的
とする。
【0008】本発明者等は、塩素含有率が5〜50wt%
の範囲に塩素化された塩素化ポリオレフィンに、1分子
中にエチレン性不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含
有する単量体をグラフト共重合した水酸基含有塩素化ポ
リオレフィン(I)と、有機ジイソシアネート(II)及
び高分子ポリオール(III) を、イソシアネート基/水酸
基のモル比が0.1〜0.9の範囲で反応して得られる
樹脂に、1分子中にエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個含有する単量体及び/又は1分子中にエチレン性不
飽和結合と水酸基を少なくとも1個含有する単量体をグ
ラフト共重合して得られる被覆用組成物が、上記目的を
達成することを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】
【作用】本発明に用いられる塩素化ポリオレフィンは、
ポリオレフィン系樹脂に対し付着性を付与するための成
分であり、塩素含有率は5〜50wt%の範囲で使用する
のが好ましい。塩素含有率が低すぎると低温での溶液状
態や塗膜の外観が悪くなる。塩素含有率が高すぎるとポ
リオレフィン系樹脂に対する付着性が低下する。
【0010】塩素化ポリオレフィンの原料としては、結
晶性ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、ポリブデ
ン−1、ポリペンテン−1、4−メチルペンテン−1、
低密度又は高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン
共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物等が
ある。
【0011】ポリオレフィンの塩素化は通常の反応方法
で容易に実施できる。例えばポリオレフィンを水又は四
塩化炭素のごとき媒体に分散又は溶解し、触媒の存在下
あるいは紫外線の照射下において、加圧又は常圧下で5
0〜120℃の温度範囲で塩素ガスを吹き込むことによ
り行われる。又、塩素吹き込み中に空気、酸素、オゾン
より選ばれた少なくとも1種又は2種以上を同時に吹き
込み、塩素化ポリオレフィンを酸化することは、塩素化
ポリオレフィンと単量体の共重合反応を円滑に進める上
で有利な手段である。
【0012】本発明に用いられる1分子中にエチレン性
不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含有する単量体
は、塩素化ポリオレフィンに水酸基を導入し、水酸基含
有塩素化ポリオレフィン(I)を得るためのもので、例
えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等があり、上記水酸基
含有(メタ)アクリレートをカプロラクトン類でエステ
ル化した(ポリ)カプロラクトン変性(メタ)アクリレ
ート(例えば、ダイセル化学工業(株)、商品名プラク
セルFA、プラクセルFMシリーズ等)も使用できる。
又、α,β不飽和カルボン酸もしくはその無水物とジオ
ール類を反応させて得られるエステル類や、1,4−ブ
テングリコール、アリルアルコール等、1分子中にエチ
レン性不飽和結合と水酸基を有する単量体もしくは化合
物であれば使用できる。
【0013】本発明に係わる塩素化ポリオレフィンと単
量体のグラフト共重合は、溶液重合によって行われる。
使用する溶剤はトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤が
好ましく、他に酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール等のアルコール系溶剤、脂肪族系溶剤、環状
脂肪族系溶剤等を併用しても差し支えない。
【0014】重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
シド、ジ−tert−ブチルパーオキシドのようなパーオキ
シド類やアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾニト
リル類がある。
【0015】グラフト共重合の方法は、上記塩素化ポリ
オレフィンを溶剤で適当に希釈して混合し、重合開始剤
を添加した後加温し、単量体を徐々に加えながら反応す
ることを基本プロセスとするが、この塩素化ポリオレフ
ィンと単量体をあらかじめ混合し、重合開始剤を添加し
た後加温し反応しても良い。本発明に係わる水酸基含有
塩素化ポリオレフィン(I)と有機ジイソシアネート
(II)及び高分子ポリオール(III) を反応して得られる
樹脂(IV)は、末端官能基を水酸基にする必要があるた
め、イソシアネート基/水酸基のモル比は1.0未満に
する必要があり、好ましくは0.1〜0.9である。
【0016】使用できる有機ジイソシアネートとして
は、芳香族や脂肪族及び脂環族のジイソシアネート類が
あり、例えばトリレンジイソシアネート、キシレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート等
がある。
【0017】高分子ポリオールとしては、ポリエーテル
ポリオールやポリエステルポリオール等があり、ポリエ
ーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリカーボネートジオール類、ビスフェノ
ールAに酸化エチレンや酸化プロピレンを付加して得ら
れるグリコール類等がある。ポリエステルポリオールと
しては、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル
酸、フタル酸、セバシン酸等のジカルボン酸とエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタ
メチレンジオール等のグリコールを重縮合させて得られ
るアジペート類があり、例えばポリエチレンアジペー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジ
ペート、ポリ3−メチルペンタンアジペート等である。
又、ラクトンの開環重合によって得られるポリカプロラ
クトンジオール類やポリブタジエン水素添加物のグリコ
ール等も使用できる。
【0018】樹脂(IV)を得るための反応方法は、従来
より公知のウレタンプレポリマー樹脂製造方法を利用す
れば良く、反応溶剤としては上記のグラフト反応に使用
した溶剤がそのまま使用できる。
【0019】樹脂(IV)に、更に1分子中にエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個含有する単量体及び/又は
1分子中にエチレン性不飽和結合と水酸基を少なくとも
1個含有する単量体をグラフト共重合する反応は、上記
したグラフト共重合反応と全く同様な方法で実施でき
る。
【0020】この際使用する1分子中にエチレン性不飽
和結合を少なくとも1個含有する単量体としては、例え
ば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等が
あり、ポリスチレンやポリ(メタ)アクリレートの末端
に重合可能な(メタ)アクリロイル基を有するマクロモ
ノマー等の化合物も使用できる。1分子中にエチレン性
不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含有する単量体と
しては、上記した水酸基を含有する単量体がそのまま使
用できる。
【0021】該被覆用組成物中に含まれる塩素化ポリオ
レフィン(a)の含有量は5〜90wt%が好ましい。5
wt%以下だとポリオレフィンに対する付着性が劣り、9
0wt%以上だと塗膜の物性バランスが悪くなる。
【0022】本発明の被覆用組成物は、硬化剤としてイ
ソシアネート化合物を配合することにより、耐ガソリン
性、耐候性、耐湿性、耐熱水性(ボイル、レトルト性)
等、塗料やインキに必要な塗膜物性を向上させることが
できる。この際用いるイソシアネート化合物としては、
前記した有機ジイソシアネート類が使用できるが、これ
らの有機ジイソシアネート類を、ビューレット体、イソ
シアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等
のイソシアネート誘導体に変性して用いるのがより好ま
しい。
【0023】本発明の被覆用組成物は、そのままコーテ
ィングして用いても良いが、顔料、溶剤、その他の添加
剤を加え混練、分散し塗料やインキとして用いることが
できる。更に、ポリプロピレン系樹脂を始めとする各種
プラスチックの接着あるいは塗装用のプライマーとして
も使用できる。
【0024】又、該被覆用組成物はそれだけでバランス
の取れた塗膜物性を示すが、必要であれば、アルキッド
樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルポリオール、ポリエ
ステル樹脂、ポリエステルポリオール、ポリエーテル樹
脂、ポリエーテルポリオール、ポリウレタン樹脂、塩素
化ポリオレフィン等を更に添加して用いても差し支えな
い。
【0025】本発明の特徴とするところは、塩素化ポリ
オレフィンにウレタンプレポリマーとアクリル成分を導
入することにより、ポリオレフィン系樹脂を始めとする
各種プラスチックに塗装できる被覆用組成物を得ること
にある。即ち、塩素化ポリオレフィンはポリオレフィン
系樹脂に付着する成分として、ウレタンやアクリルはそ
の他の極性を有するプラスチックに付着する成分である
と同時に、耐候性、耐溶剤性を付与する成分として作用
しているものと思われる。更に、ウレタンは塗膜に強靭
な柔軟性を付与する成分として、アクリルは硬度や耐摩
耗性を付与する成分として作用しているものと思われ
る。
【0026】本発明のように、塩素化ポリオレフィンと
ウレタン及びアクリル成分を共重合することにより、他
に例を見ないバランスの取れた被覆用組成物を得ること
ができた。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】(試作例−1)数平均分子量が5,000
のアイソタクチックポリプロピレン500gをグラスラ
イニングされた反応釜に投入し、8リットルの四塩化炭
素を加え、温度110℃、圧力2kg/cm2 で十分に溶解
した後、紫外線を照射しつつ塩素含有率が30wt%にな
るまで反応釜底部より塩素ガスを導入した。次に四塩化
炭素を留去し、トルエン置換し、不揮発分が50wt%の
塩素化ポリプロピレンのトレエン溶液を得た。
【0029】(試作例−2)数平均分子量が15,00
0のアイソタクチックポリプロピレン500gを塩素ガ
スと空気を同時に吹き込む以外は、試作例−1とまった
く同様な方法で塩素化を行い、塩素含有率が30wt%で
不揮発分が50wt%の塩素化ポリプロピレンのトルエン
溶液を得た。
【0030】(試作例−3)攪拌機と温度計とモノマー
を還流するための冷却管を取り付けたフラスコ中に、試
作例−1で得た塩素化ポリプロピレン(不揮発分50wt
%)1,000g、ベンゾイルパーオキシド2.5gを
投入し、85℃で30分間撹拌した。次に2−ヒドロキ
シエチルアクリレート17.5g、トルエン17.5g
の混合物を約1時間かけて添加し、更に約3時間グラフ
ト共重合反応を行い、水酸基含有塩素化ポリプロピレン
(不揮発分50wt%)を得た。
【0031】(試作例−4)試作例−2で得た塩素化ポ
リプロピレン(不揮発分50wt%)1,000gを採取
する以外は試作例−3と全く同様な配合割合と反応方法
でグラフト共重合反応を行い、水酸基含有塩素化ポリプ
ロピレン(不揮発分50wt%)を得た。
【0032】(実施例−1)試作例−3で得た水酸基含
有塩素化ポリプロピレン(不揮発分50wt%)200
g、ヘキサメチレンジイソシアネート12.8g、商品
名クラポールP−1010((株)クラレ製、3−メチ
ルペンタンアジペート系高分子ジオール、分子量1,0
00)100gを試作例−3と同様なフラスコ中に投入
し、85℃で数時間反応させた後トルエンを213g添
加した。次に、ベンゾイルパーオキシド1.5gを投入
し、85℃で30分間撹拌した後、シクロヘキシルアク
リレート77.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト22.5gを約3時間かけて添加し、更に約7時間グ
ラフト共重合反応を行い、均一で透明な反応物(不揮発
分50wt%)を得た。次に得られた反応物100gと二
酸化チタン26gをサンドミルで2時間混練した後、イ
ソシアネート硬化剤N3390(バイエル社製、ヘキサ
メチレンジイソシアネート系、イソシアヌレート体)1
2.7gを添加し、No.4フォードカップで13〜15
秒/20℃になるようキシレンで粘度調整を行い、ポリ
プロピレン板、TX−933A(三菱油化(株)製)に
スプレー塗装した。室温で15分間乾燥した後、80℃
で30分間強制乾燥し、1週間室内に静置した後、塗膜
の試験を行った。結果を表1に示す。
【0033】(実施例−2)試作例−4で得た水酸基含
有塩素化ポリプロピレン(不揮発分50wt%)240
g、ヘキサメチレンジイソシアネート7.3g、プラク
セルL−212AL(ダイセル化学工業(株)製、カプ
ロラクトン系高分子ジオール、分子量1,200)60
g、トルエン180g、ベンゾイルパーオキシド1.5
g、n−ブチルアクリレート93.6g、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート26.4gの配合割合で、実施例
−2の方法に準じ反応を行い、均一で透明な反応物(不
揮発分50wt%)を得た。次に得られた反応物100
g、二酸化チタン26g、イシソアネート硬化剤デスモ
ジュールZ4370(バイエル社、イソホロンジイソシ
アネート系、イソシアヌレート体)21.5gの配合割
合で、実施例−1と同様な方法で塗料調整及び塗膜の試
験を行った。結果を表1に示す。
【0034】(比較例−1)試作例−3と同様なフラス
コ中に、試作例−2で得た塩素化ポリプロピレン(不揮
発分50wt%)160g、トルエン120g、ベンゾイ
ルパーオキシド1.0gを投入し、85℃で30分間撹
拌した。次にメチルメタクリレート49g、ラウリルメ
タクリレート49g、メタクリル酸2g、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート20gの混合物を約3時間で添加
し、更に約7時間グラフト共重合反応を行った後、トル
エンを100g投入し、反応を停止させ、均一で透明な
反応物(不揮発分40wt%)を得た。次に得られた反応
物100g、二酸化チタン21g、デスモジュールN3
390 7.5gの配合割合で、実施例−1と同様な方
法で塗料調整及び塗膜の試験を行った。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】塗膜試験方法 〇付着性 塗面上1mm間隔で素地に達する100個の碁盤目を作
り、その上にセロファン粘着テープを密着させて180
°方向に引き剥し、塗膜の残存する程度で判定した。
【0037】〇促進耐候性 カーボンアーク式のサンシャインウェザーメーターを使
用した。光沢度は60°鏡面反射、白色度はハンターで
測定した。
【0038】〇耐温水性 40℃の温水に塗装板を120時間及び240時間浸せ
きし、塗膜の状態を調べた。
【0039】〇耐ガソリン性 (ラビンビ100回)脱脂綿にガソリンをしみ込ませ、
塗面を100回ラビングし塗膜の状態を調べた。 (浸せき2時間)塗面上に素地に達するスクラッチ(×
印)を入れ、ガソリンに2時間浸せきし塗膜の状態を調
べた。
【0040】〇耐屈曲性 1/2φインチマンドレルで180°折り曲げ、塗膜の
状態を調べた。
【0041】〇耐衝撃性 耐衝撃性デュポン式衝撃試験機で、撃芯1/2φイン
チ、荷重500gを使用し、塗面上に50cmの高さから
落下させ、塗膜の状態を調べた。
【0042】(実施例−3)実施例−1で得た反応物で
インキを調整し、コーティングロッド#4で未処理ポリ
プロピレンフィルム(以下未処理PPと称す)、コロナ
放電処理ポリプロピレンフィルム(以下処理PPと称
す)、ポリエチレンテレフチレートフィルム(以下PE
Tと称す)、ナイロンフィルム(以下NYと称す)にそ
れぞれ塗工し、24時間室温で乾燥した後、セロファン
粘着テープを用いセロテープ剥離試験及びヒートシール
強度試験を行った。結果を表2に示す。尚、インキの配
合処方は表3に示す。
【0043】(実施例−4)実施例−2で得た反応物
で、実施例−3と同様な試験を行った。結果を表2に示
す。
【0044】(比較例−2)試作例−2で得た塩素化ポ
リプロピレンで、実施例−3と同様な試験を行った。結
果を表2に示す。
【0045】(比較例−3)商品名サンブレンIB−4
50(ポリウレタン樹脂、不揮発分30wt%、三洋化成
化学工業(株)製)で、実施例−3と同様な試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】 ・セロテープ剥離試験 インキ塗工面にセロファン粘着テープを貼りつけ、一気
に剥した時の剥離状態で判定した。 ・ヒートシール強度試験 インキ塗工面を重ね合わせて、110℃−1kg/cm2
1秒間の圧着条件でヒートシールを行い、24時間後テ
ンシロンにて180°剥離強度試験を行った。(引張り
速度50mm/min)
【0047】
【表3】 ・サンブレンIB−450は不揮発分30wt%(メチル
エチルケトン/イソプロパノール=2/1溶液) ・二酸化チタン(石原産業(株)製、ルチル型R−82
0) ・カーミン6BN(東洋インキ製造(株)製、アゾ系有
機顔料)
【0048】
【発明の効果】(表1の結果より)比較例−1は、塩素
化ポリプロピレンに水酸基を有するアクリル系単量体及
びその他のアクリル系単量体をグラフト共重合した組成
物であるが、実施例−1及び2のように塩素化ポリプロ
ピレンをウレタンで変性した後、更にアクリル系単量体
をグラフト共重合することにより、従来より持つ優れた
性質、例えば付着性、外観、耐ガソリン性、耐候性等を
損なうことなく、塗膜に柔軟性を付与することができ、
本発明品が耐屈曲性、耐衝撃性を著しく改善しているこ
とが分かる。
【0049】(表2の結果より)比較例−2の塩素化ポ
リプロピレン系のインキはPPフィルムに対し良好な付
着性を示すが、PET、NYフィルムには付着性がなく
実用強度にほど遠い。又、比較例−2のポリウレタン系
のインキはPET、NYフィルムには付着するが、PP
フィルムに対しては付着性が十分でない。実施例−1及
び2はPPフィルムにもPET、NYフィルムにも付着
性が良好で、本発明品が汎用性の高いインキ樹脂である
ことが分かる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化ポリオレフィンに1分子中にエチ
    レン性不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含有する単
    量体をグラフト共重合した水酸基含有塩素化ポリオレフ
    ィン(I)と、有機ジイソシアネート(II)及び高分子
    ポリオール(III) を、反応して得られる樹脂(IV)に、
    更に1分子中にエチレン性不飽和結合を少なくとも1個
    含有する単量体及び/又は1分子中にエチレン性不飽和
    結合と水酸基を少なくとも1個含有する単量体をグラフ
    ト共重合して得られる樹脂を構成要素とする被覆用組成
    物。
  2. 【請求項2】 塩素化ポリオレフィンは塩素含有率が5
    〜50wt%の範囲に塩素化されたものである請求項1記
    載の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂(IV)はイソシアネート基/水酸基
    のモル比が0.1〜0.9の範囲で反応して得られるも
    のである請求項1または2記載の被覆用組成物。
  4. 【請求項4】 塩素化ポリオレフィンが、ポリオレフィ
    ンの塩素化反応中に空気及び/又は酸素及び/又はオゾ
    ンで酸化処理して得られる請求項1ないし3までのいず
    れか1項記載の被覆用組成物。
  5. 【請求項5】 被覆用組成物中に塩素化ポリオレフィン
    が5〜90wt%含有する請求項1ないし4までのいずれ
    か1項記載の被覆用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5までのいずれか1項記
    載の被覆用組成物に、硬化剤としてイソシアネート化合
    物を配合することを特徴とした、塗料及び印刷インキ又
    は接着剤用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (I)と(II)及び(III) を反応させて
    得られる樹脂(IV)に更に1分子中にエチレン性不飽和
    結合を少なくとも1個含有する単量体及び/又は1分子
    中にエチレン性不飽和結合と水酸基を少なくとも1個含
    有する単量体をグラフト共重合させることを特徴とする
    請求項1ないし5までのいずれか1項記載の被覆用組成
    物用樹脂の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2723376A1 (fr) * 1994-08-04 1996-02-09 Jujo Paper Co Ltd Composition de resine de revetement et procede pour sa production

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FR2723376A1 (fr) * 1994-08-04 1996-02-09 Jujo Paper Co Ltd Composition de resine de revetement et procede pour sa production

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