JPH0525960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用ランプの取付構造、特に車体
のランプ取付部に対し表面側から装着されるラン
プの取付構造に関するものである。

従来技術とその問題点 従来、この種の表面取付型のランプとしては、
ランプソケツトを保持したランプハウジングから
一体にＵ字形の弾性取付片を突設し、この取付片
に車体のランプ取付部の裏面側に係合する爪部を
設けたものが知られている。

ところが、この場合には、取付片に一種類の爪
部が設けられているに過ぎないため、例えばラン
プ取付部が金属板と樹脂板のように板厚が異なる
場合には、いずれか一方にしか取り付けることが
できない。そのため、厚みの異なる複数種類のラ
ンプ取付部に取り付けるには、これと同種類のラ
ンプを用意しなければならず、コスト高になると
いう問題があつた。

考案の目的 本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、一種類のランプで厚みの異
なる２種以上のランプ取付部に取付可能な自動車
用ランプの取付構造を提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は、ランプ
本体の周部に車体との装着方向へ突出した略Ｕ字
形の弾性取付片を設け、該弾性取付片の外側面
に、車体との装着方向の高さが異なりかつ弾性取
付片の幅方向に異なる位置に複数の爪部を設ける
一方、車体には上記弾性取付片を嵌挿しかつ上記
爪部のいずれかと係合する凹凸部を有する取付穴
を形成し、上記弾性取付片を車体の取付穴に対し
表面側から嵌合することにより、上記爪部のいず
れかを取付穴の裏面側に係止させるようにしたも
のである。これにより、車体の厚みが異なつて
も、複数の爪部のいずれかを車体の取付穴の裏面
に確実に係合させることができる。

実施例の説明 第１図、第２図は本考案にかかるランプの取付
構造の第１実施例を示し、１は車体に設けた薄肉
の金属製取付板、２は取付板１に形成した貫通
孔、３はこの貫通孔２に連設した取付穴の一例で
ある切欠部であり、この切欠部３には両側に凹部
３ａ、中央に内方へ突出した凸部３ｂをそれぞれ
形成してある。なお、この実施例では取付穴（切
欠部）３を貫通孔２と一体的に連設したが、取付
穴３を貫通孔２と別個に形成してもよい。

１０はランプであり、バルブ１１を保持したソ
ケツト１２と、このソケツト１２を保持した樹脂
製ランプハウジング１３と、このランプハウジン
グ１３の前面にバルブ１１を覆うごとく被着され
たレンズ１４とで構成されている。上記ランプハ
ウジング１３は円盤状のフランジ部１３ａを一体
に有しており、このフランジ部１３ａの下部に
は、弾性を有する２個のＵ字形取付片１５と複数
の弾性片１６とが一体成形されている。上記取付
片１５の外側面には、ランプ１０の上記取付板１
への装着方向（図示の場合には上下方向）の高さ
が異なりかつ弾性取付片１５の幅方向に異なる位
置に上下２段の爪部１５ａ，１５ｂが並列に形成
されており、上段の爪部１５ａの先端には舌片１
５ｃが上方へ延長されている。

ここで、上記ランプ１０を取付板１へ取り付け
る方法を説明する。まず、ランプ１０のソケツト
１２を貫通孔２に挿入し、ついで取付片１５を切
欠部３に押し込む。このとき、下段の爪部１５ｂ
は切欠部３の凹部３ａのために切欠部３と係合す
ることなく挿入されるが、上段の爪部１５ａは切
欠部３の凸部３ｂと係合して内方へ撓められ、こ
の凸部３ｂを乗り越えた段階で凸部３ｂの裏面側
に係合する（第２図参照）。この取付状態におい
て、フランジ部１３ａの下面に形成した弾性片１
６が取付板１の表面に圧接し、取付板１の厚みバ
ラツキを吸収しているので、爪部１５ａと凸部３
ｂ裏面との間にカタツキがなく、ランプ１０は安
定に取付けられる。

上記ランプ１０を取付板１から取り外す場合に
は、取付板１の表面側に突出した舌片１５ｃを内
方に変位させることにより、取付片１５を内方に
撓ませ、爪部１５ａと凸部３ｂ裏面との係合を外
すことにより、容易に取り外すことができる。

上記のものはランプ１０を薄肉な取付板１に取
り付ける場合であるが、つぎに上記ランプ１０を
厚肉な樹脂製取付板４に取り付ける場合を第３
図、第４図で説明する。取付板４には第３図に示
すように貫通孔５と、この貫通孔５に連設された
切欠部６とが形成され、この切欠部６には両側に
段部６ａ、中央に凹部６ｂがそれぞれ形成されて
いる。ランプ１０のソケツト１２を貫通孔５に挿
入し、ついで取付片１５を切欠部６に押し込む
と、まず下段の爪部１５ｂが切欠部６の段部６ａ
と係合するため、挿入につれて取付片４は内方へ
撓められる。ついで上段の爪部１５ａは切欠部６
の凹部６ｂのために切欠部６と係合することなく
挿入され、下段の爪部１５ｂが段部６ａを乗り越
えた段階で段部６ａの裏面側に係合し、抜け止め
する（第４図参照）。この場合にも、フランジ部
１３ａの下面に形成した弾性片１６は取付板１の
表面に弾性的に圧接するため、爪部１５ｂと段部
６ａ裏面とガタツキを解消している。

上記ランプ１０を取付板４から取り外す場合に
は、上記と同様に取付板４の表面側に突出した舌
片１５ｃを内方に変位させることにより、容易に
取り外すことができる。

第５図は取付片１５の他の実施例を示し、この
場合には上段の爪部１５ａを２個形成し、下段の
爪部１５ｂを１個形成したものである。この場合
のランプ取付部の形状としては、取付板が薄肉の
場合には第３図の形状とし、厚肉の場合には第１
図の形状とすればよい。この実施例では、弾性係
合力の小さな上段の爪部１５ａを２個形成し、弾
性係合力の大きな下段の爪部１５ｂを１個形成し
たので、取付板の肉厚に関係なく略一定の弾性係
合力を得ることが可能である。

なお、上記両実施例では取付片に上下２段の爪
部を設けた例を示したが、これに限定するもので
はなく、２段以上の爪部を設けてもよいことは勿
論である。

考案の効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれば
Ｕ字形弾性取付片の外側面の食い違う位置に複数
の爪部を設け、取付穴に爪部のいずれかと係合す
る凹凸部を設けたので、車体の厚みが異なつても
ランプを簡単に車体に取り付けることができ、一
種類のランプを厚みの異なる複数種類の車体に取
り付けることが可能となる。また、厚みの小さい
車体の取付穴に弾性取付片を嵌合した場合には、
下段の爪部が取付穴の内縁に係合せず、上段の爪
部のみが取付穴の内縁に係合し、装着が容易であ
るとともに、厚みの大きな車体の取付穴に嵌合し
た場合には、上段の爪部が取付穴の内縁に当たら
ず、下段の爪部が取付穴の裏面側に確実に係合す
る。したがつて、振動などを受けても、爪部が簡
単に外れるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる取付構造を有するラン
プと車体取付板との分解斜視図、第２図はその取
付状態の断面図、第３図は厚肉な取付板の孔形状
を示す図、第４図は上記ランプを厚肉な取付板に
取り付けた状態の部分断面図、第５図は取付片の
他の実施例の斜視図である。 １，４……取付板（車体）、２，５……貫通孔、
３，６……切欠部（取付穴）、１０……ランプ、
１３……ランプハウジング、１３ａ……フランジ
部、１５……取付片、１５ａ，１５ｂ……爪部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ランプを車体に対し表面側から装着するための
   自動車用ランプの取付構造において、 ランプ本体の周部に車体との装着方向へ突出し
   た略Ｕ字形の弾性取付片を設け、該弾性取付片の
   外側面に、車体との装着方向の高さが異なりかつ
   弾性取付片の幅方向に異なる位置に複数の爪部を
   設ける一方、車体には上記弾性取付片を嵌挿しか
   つ上記爪部のいずれかと係合する凹凸部を有する
   取付穴を形成し、上記弾性取付片を車体の取付穴
   に対し表面側から嵌合することにより、上記爪部
   のいずれかを取付穴の裏面側に係止させるように
   した自動車用ランプの取付構造。