JPH0525677A - 酸性鉄系電気めつきクロム含有鋼板の製造方法 - Google Patents
酸性鉄系電気めつきクロム含有鋼板の製造方法Info
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- JPH0525677A JPH0525677A JP17501391A JP17501391A JPH0525677A JP H0525677 A JPH0525677 A JP H0525677A JP 17501391 A JP17501391 A JP 17501391A JP 17501391 A JP17501391 A JP 17501391A JP H0525677 A JPH0525677 A JP H0525677A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 クロムを３ｗｔ％以上含有するクロム含有鋼
板に、酸性鉄系電気めっきを施す際、脱脂工程に続いて
活性化処理した後、スルホン酸基および／またはアミノ
基が導入された芳香族化合物の誘導体を少なくとも１種
添加剤として０．１〜１０ｇ／ｌ含む酸性鉄系めっき浴
を用いて電気めっきすることを特徴とする酸性鉄系電気
めっきクロム含有鋼板の製造方法。ここで、前記芳香族
化合物は、ベンゼン、フェノール、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン、安息香酸から選び、前記酸性鉄系電気
めっきを施す際の浴のｐＨが２．５以下で浴温が３０〜
９０℃であるのが好ましい。 【効果】 鉄系めっき中に発生することのある応力を低
減することにより密着性に著しく優れる酸性鉄系めっき
クロム含有鋼板を製造することができる。
板に、酸性鉄系電気めっきを施す際、脱脂工程に続いて
活性化処理した後、スルホン酸基および／またはアミノ
基が導入された芳香族化合物の誘導体を少なくとも１種
添加剤として０．１〜１０ｇ／ｌ含む酸性鉄系めっき浴
を用いて電気めっきすることを特徴とする酸性鉄系電気
めっきクロム含有鋼板の製造方法。ここで、前記芳香族
化合物は、ベンゼン、フェノール、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン、安息香酸から選び、前記酸性鉄系電気
めっきを施す際の浴のｐＨが２．５以下で浴温が３０〜
９０℃であるのが好ましい。 【効果】 鉄系めっき中に発生することのある応力を低
減することにより密着性に著しく優れる酸性鉄系めっき
クロム含有鋼板を製造することができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は密着性に優れた酸性鉄系
電気めっきクロム含有鋼板の製造方法に関する。
電気めっきクロム含有鋼板の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、高耐久性の意向から建材用、自動
車用鋼としてクロム含有鋼板の使用が増え、ごく最近で
は、さらに、高耐久性素材として、クロム含有鋼板に、
アルミめっき或は亜鉛めっきを施した素材が開発され
（米国特許第４６７５２１４号）使用され始めている。
しかし、クロム含有鋼板にアルミめっき或いは亜鉛めっ
きを施す場合、クロム含有鋼板には表面に酸化皮膜が存
在するために密着性が悪い。そこで、クロム含有鋼板上
へアルミめっき或いは亜鉛めっきを行う前に、何らかの
前処理が必要となる。酸性鉄系電気めっきは、この前処
理として有効であることが本出願人らの得た実験結果及
び特開昭６４−２８３５１号よりわかっている。しか
し、クロム含有鋼板に酸性鉄系電気めっきを行う際に
も、密着性の点から鋼板表面の活性化のために、何らか
の処理が必要であること、酸性鉄系電気めっきは、表面
に割れが入りやすく、それを起点として、剥離が生じ、
アルミめっき、亜鉛めっき等を行った時に不めっきの原
因となる等の問題を抱えていた。
車用鋼としてクロム含有鋼板の使用が増え、ごく最近で
は、さらに、高耐久性素材として、クロム含有鋼板に、
アルミめっき或は亜鉛めっきを施した素材が開発され
（米国特許第４６７５２１４号）使用され始めている。
しかし、クロム含有鋼板にアルミめっき或いは亜鉛めっ
きを施す場合、クロム含有鋼板には表面に酸化皮膜が存
在するために密着性が悪い。そこで、クロム含有鋼板上
へアルミめっき或いは亜鉛めっきを行う前に、何らかの
前処理が必要となる。酸性鉄系電気めっきは、この前処
理として有効であることが本出願人らの得た実験結果及
び特開昭６４−２８３５１号よりわかっている。しか
し、クロム含有鋼板に酸性鉄系電気めっきを行う際に
も、密着性の点から鋼板表面の活性化のために、何らか
の処理が必要であること、酸性鉄系電気めっきは、表面
に割れが入りやすく、それを起点として、剥離が生じ、
アルミめっき、亜鉛めっき等を行った時に不めっきの原
因となる等の問題を抱えていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】普通鋼に、酸性鉄系電
気めっきを行う方法は、従来からの酸性鉄系電気めっき
条件の範囲が適用できるが、クロム含有鋼板に関して
は、従来の方法では密着性に関して不充分であり、酸性
鉄系電気めっきを行うにはその前処理及び酸性鉄系電気
めっき条件の２点を検討する必要があり、本発明は、こ
の２点を検討した結果、密着性に優れる酸性鉄系電気め
っき鋼板が得られたので、その製造方法に関する技術を
提供することを目的とする。
気めっきを行う方法は、従来からの酸性鉄系電気めっき
条件の範囲が適用できるが、クロム含有鋼板に関して
は、従来の方法では密着性に関して不充分であり、酸性
鉄系電気めっきを行うにはその前処理及び酸性鉄系電気
めっき条件の２点を検討する必要があり、本発明は、こ
の２点を検討した結果、密着性に優れる酸性鉄系電気め
っき鋼板が得られたので、その製造方法に関する技術を
提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するのための手段】密着性に優れた酸性鉄
系電気めっきクロム含有鋼板を得るためには、めっき前
に、鋼板表面に何らかの下地処理を行い、鋼板表面の不
動態皮膜を除去し、活性化をはかることが必要であり、
さらに、活性化処理後のめっき条件としてはめっき密着
性に優れた鉄系めっきを得るためには、めっき皮膜の割
れをなくすことが必要であるという考えに基づき、めっ
き時に発生する応力を緩和する方法を種々検討した結
果、下記の活性化処理を行い、下記のめっき浴を用いて
鉄系めっきを行うのが有効であることを知見して本発明
に至った。
系電気めっきクロム含有鋼板を得るためには、めっき前
に、鋼板表面に何らかの下地処理を行い、鋼板表面の不
動態皮膜を除去し、活性化をはかることが必要であり、
さらに、活性化処理後のめっき条件としてはめっき密着
性に優れた鉄系めっきを得るためには、めっき皮膜の割
れをなくすことが必要であるという考えに基づき、めっ
き時に発生する応力を緩和する方法を種々検討した結
果、下記の活性化処理を行い、下記のめっき浴を用いて
鉄系めっきを行うのが有効であることを知見して本発明
に至った。
【０００５】すなわち、本発明は、クロムを３ｗｔ％以
上含有するクロム含有鋼板に、酸性鉄系電気めっきを施
す際、脱脂工程に続いて活性化処理した後、スルホン酸
基および／またはアミノ基が導入された芳香族化合物の
誘導体を少なくとも１種添加剤として０．１〜１０ｇ／
ｌ含む酸性鉄系めっき浴を用いて電気めっきすることを
特徴とする酸性鉄系電気めっきクロム含有鋼板の製造方
法を提供するものである。
上含有するクロム含有鋼板に、酸性鉄系電気めっきを施
す際、脱脂工程に続いて活性化処理した後、スルホン酸
基および／またはアミノ基が導入された芳香族化合物の
誘導体を少なくとも１種添加剤として０．１〜１０ｇ／
ｌ含む酸性鉄系めっき浴を用いて電気めっきすることを
特徴とする酸性鉄系電気めっきクロム含有鋼板の製造方
法を提供するものである。
【０００６】ここで、前記芳香族化合物は、ベンゼン、
フェノール、トルエン、キシレン、ナフタリン、安息香
酸から選び、前記酸性鉄系電気めっきを施す際の浴のｐ
Ｈが２．５以下で浴温が３０〜９０℃であるのが好まし
い。
フェノール、トルエン、キシレン、ナフタリン、安息香
酸から選び、前記酸性鉄系電気めっきを施す際の浴のｐ
Ｈが２．５以下で浴温が３０〜９０℃であるのが好まし
い。
【０００７】また、活性化処理は下記の方法で行うのが
好ましい。 ３０〜８０℃の１〜４０ｗｔ％塩酸水溶液中に、０．
１〜０．８ｗｔ％のＣｕ或いはＮｉを添加させ、浸漬或
いは電解処理する。 ３０〜８０℃の１〜６０ｗｔ％硫酸水溶液中に、０．
１〜０．８ｗｔ％のＣｕ或いはＮｉを添加させ、浸漬或
いは電解処理する。
好ましい。 ３０〜８０℃の１〜４０ｗｔ％塩酸水溶液中に、０．
１〜０．８ｗｔ％のＣｕ或いはＮｉを添加させ、浸漬或
いは電解処理する。 ３０〜８０℃の１〜６０ｗｔ％硫酸水溶液中に、０．
１〜０．８ｗｔ％のＣｕ或いはＮｉを添加させ、浸漬或
いは電解処理する。
【０００８】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
は、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→酸性鉄系めっき→
水洗→乾燥の工程を経て酸性鉄系電気めっきクロム含有
鋼板を製造するものである。
は、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→酸性鉄系めっき→
水洗→乾燥の工程を経て酸性鉄系電気めっきクロム含有
鋼板を製造するものである。
【０００９】本発明で用いる鋼板基板は、クロムを３ｗ
ｔ％以上含有する鋼板である。クロムが３ｗｔ％未満で
あると、耐食性に劣るので好ましくない。このような鋼
板には、通常その用途に応じ、ニッケル（０〜１５ｗｔ
％程度）、チタン（０〜０．５ｗｔ％程度）、モリブデ
ン（０〜２．５ｗｔ％程度）、ニオブ（０〜０．５ｗｔ
％程度）、アルミニウム（０〜５ｗｔ％程度）、ジルコ
ニウム（０〜０．５ｗｔ％程度）、マンガン（０〜２ｗ
ｔ％程度）、ケイ素（０〜１ｗｔ％程度）、銅（０〜１
ｗｔ％程度）バナジウム（０〜０．５ｗｔ％程度）など
が添加されているが、これらは、その添加量が一般的な
範囲であれば本発明の主旨を損ねることはないので、こ
れらが添加されている鋼板を用いてもよい。
ｔ％以上含有する鋼板である。クロムが３ｗｔ％未満で
あると、耐食性に劣るので好ましくない。このような鋼
板には、通常その用途に応じ、ニッケル（０〜１５ｗｔ
％程度）、チタン（０〜０．５ｗｔ％程度）、モリブデ
ン（０〜２．５ｗｔ％程度）、ニオブ（０〜０．５ｗｔ
％程度）、アルミニウム（０〜５ｗｔ％程度）、ジルコ
ニウム（０〜０．５ｗｔ％程度）、マンガン（０〜２ｗ
ｔ％程度）、ケイ素（０〜１ｗｔ％程度）、銅（０〜１
ｗｔ％程度）バナジウム（０〜０．５ｗｔ％程度）など
が添加されているが、これらは、その添加量が一般的な
範囲であれば本発明の主旨を損ねることはないので、こ
れらが添加されている鋼板を用いてもよい。
【００１０】上記クロム含有鋼板はまず脱脂される。本
発明において脱脂工程は、クロム含有鋼板表面に油等の
汚れがついているとめっきむらの原因となるので不可欠
である。脱脂条件については、クロム含有鋼板表面の汚
れが完全に除去できれば脱脂条件は特に限定しないが、
ＮａＯＨ等のアルカリ性水溶液中で電解脱脂することが
望ましい。
発明において脱脂工程は、クロム含有鋼板表面に油等の
汚れがついているとめっきむらの原因となるので不可欠
である。脱脂条件については、クロム含有鋼板表面の汚
れが完全に除去できれば脱脂条件は特に限定しないが、
ＮａＯＨ等のアルカリ性水溶液中で電解脱脂することが
望ましい。
【００１１】脱脂後は水洗を行い引き続いて、以下に示
す方法で活性化処理を行う。
す方法で活性化処理を行う。
【００１２】（１）３０〜８０℃の１〜４０ｗｔ％塩酸
水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜０．８ｗｔ％含有
する溶液中で浸漬処理或いは電解処理を行う。塩酸濃度
が１％未満であると、液温が高くても、また長時間浸漬
させても鋼板表面は活性化されない。塩酸濃度が４０％
を越えると、鋼板表面の活性化に好影響を与えないばか
りか、塩酸蒸気により、めっき設備の損傷をもたらす。
また、温度が３０℃未満であると、活性化に時間がかか
りすぎ生産性が悪い。一方８０℃超になると、塩酸蒸気
によりめっき設備に損傷をもたらす。Ｃｕ或いはＮｉの
添加量は、０．１ｗｔ％未満であると、鉄系めっき時に
不めっきを生じる。０．８ｗｔ％を越えると逆に活性化
効果を損なう。
水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜０．８ｗｔ％含有
する溶液中で浸漬処理或いは電解処理を行う。塩酸濃度
が１％未満であると、液温が高くても、また長時間浸漬
させても鋼板表面は活性化されない。塩酸濃度が４０％
を越えると、鋼板表面の活性化に好影響を与えないばか
りか、塩酸蒸気により、めっき設備の損傷をもたらす。
また、温度が３０℃未満であると、活性化に時間がかか
りすぎ生産性が悪い。一方８０℃超になると、塩酸蒸気
によりめっき設備に損傷をもたらす。Ｃｕ或いはＮｉの
添加量は、０．１ｗｔ％未満であると、鉄系めっき時に
不めっきを生じる。０．８ｗｔ％を越えると逆に活性化
効果を損なう。
【００１３】浸漬処理の場合、上述の塩酸の適正濃度、
温度範囲で活性化に要する時間は、２ｓｅｃを要するの
で浸漬２ｓｅｃ以上必要である。電解処理の場合、電流
密度は０．１〜１００Ａ／ｄｍ2 であれば、陰極電解、
陽極電解のいずれを用いても活性化に効果がある。ま
た、０．１Ａ／ｄｍ2 未満では、活性化に不十分であ
り、１００Ａ／ｄｍ2 を越えると鋼板表面の活性化が不
均一となるため、電流密度の範囲を０．１〜１００Ａ／
ｄｍ2 とした。活性化に要する時間は１ｓｅｃを要し、
２０ｓｅｃを越えると表面に肌荒れが生ずるため、電解
時間は１〜２０ｓｅｃとする。
温度範囲で活性化に要する時間は、２ｓｅｃを要するの
で浸漬２ｓｅｃ以上必要である。電解処理の場合、電流
密度は０．１〜１００Ａ／ｄｍ2 であれば、陰極電解、
陽極電解のいずれを用いても活性化に効果がある。ま
た、０．１Ａ／ｄｍ2 未満では、活性化に不十分であ
り、１００Ａ／ｄｍ2 を越えると鋼板表面の活性化が不
均一となるため、電流密度の範囲を０．１〜１００Ａ／
ｄｍ2 とした。活性化に要する時間は１ｓｅｃを要し、
２０ｓｅｃを越えると表面に肌荒れが生ずるため、電解
時間は１〜２０ｓｅｃとする。
【００１４】（２）３０〜８０℃の１〜６０ｗｔ％硫酸
水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜０．８ｗｔ％含有
する溶液中で浸漬処理或いは電解処理を行う。硫酸濃度
が１％未満であると、液温が高くても、また、長時間浸
漬させても鋼板表面は活性化されない。硫酸濃度が６０
ｗｔ％を越えると、鋼板表面の活性化に対して、効果に
変わりはないにもかかわらず、生産コストが高くなるた
め、上限を６０ｗｔ％とした。また、温度が３０℃未満
であると、活性化に時間がかかりすぎ生産性が悪い。一
方、８０℃以上になると、液の蒸発が著しく濃度管理が
難しくなる。Ｃｕ或いはＮｉの添加量は０．１ｗｔ％未
満であると、鉄系めっき時に不めっきを生じる０．８ｗ
ｔ％を越えると、逆に活性化効果を損なう。
水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜０．８ｗｔ％含有
する溶液中で浸漬処理或いは電解処理を行う。硫酸濃度
が１％未満であると、液温が高くても、また、長時間浸
漬させても鋼板表面は活性化されない。硫酸濃度が６０
ｗｔ％を越えると、鋼板表面の活性化に対して、効果に
変わりはないにもかかわらず、生産コストが高くなるた
め、上限を６０ｗｔ％とした。また、温度が３０℃未満
であると、活性化に時間がかかりすぎ生産性が悪い。一
方、８０℃以上になると、液の蒸発が著しく濃度管理が
難しくなる。Ｃｕ或いはＮｉの添加量は０．１ｗｔ％未
満であると、鉄系めっき時に不めっきを生じる０．８ｗ
ｔ％を越えると、逆に活性化効果を損なう。
【００１５】浸漬処理の場合、上述の塩酸の適正濃度、
温度範囲で活性化に要する時間は、２ｓｅｃを要するの
で浸漬２ｓｅｃ以上必要である。電解処理の場合、電流
密度は０．１〜１００Ａ／ｄｍ2 であれば、陰極電解、
陽極電解のいずれを用いても活性化に効果がある。ま
た、０．１Ａ／ｄｍ2 未満では、活性化に不十分であ
り、１００Ａ／ｄｍ2 を越えると、鋼板表面の活性化が
不均一となるため、電流密度の範囲を０．１〜１００Ａ
／ｄｍ2 とした。活性化に要する時間は１ｓｃを要し、
２０ｓｅｃを越えると表面に肌荒れが生ずるため、電解
時間は１〜２０ｓｅｃとする。
温度範囲で活性化に要する時間は、２ｓｅｃを要するの
で浸漬２ｓｅｃ以上必要である。電解処理の場合、電流
密度は０．１〜１００Ａ／ｄｍ2 であれば、陰極電解、
陽極電解のいずれを用いても活性化に効果がある。ま
た、０．１Ａ／ｄｍ2 未満では、活性化に不十分であ
り、１００Ａ／ｄｍ2 を越えると、鋼板表面の活性化が
不均一となるため、電流密度の範囲を０．１〜１００Ａ
／ｄｍ2 とした。活性化に要する時間は１ｓｃを要し、
２０ｓｅｃを越えると表面に肌荒れが生ずるため、電解
時間は１〜２０ｓｅｃとする。
【００１６】活性化処理後は、水洗を行い酸性鉄系めっ
きを行う。酸性鉄系めっき浴としては、一般的に知られ
ている鉄めっき、鉄−ニッケル合金めっき、鉄−りん合
金めっき、鉄−ホウ素合金めっき等のいずれかの浴を用
いる。本発明においては、これらの浴に添加剤として、
スルホン酸基および／またはアミノ基が導入された芳香
族化合物の誘導体の少なくとも１種を０．１〜１０ｇ／
ｌ添加された浴を用いる。
きを行う。酸性鉄系めっき浴としては、一般的に知られ
ている鉄めっき、鉄−ニッケル合金めっき、鉄−りん合
金めっき、鉄−ホウ素合金めっき等のいずれかの浴を用
いる。本発明においては、これらの浴に添加剤として、
スルホン酸基および／またはアミノ基が導入された芳香
族化合物の誘導体の少なくとも１種を０．１〜１０ｇ／
ｌ添加された浴を用いる。
【００１７】ここで、芳香族化合物としては、ベンゼ
ン、フェノール、トルエン、キシレン、ナフタリン、安
息香酸などを用いることができる。これらの化合物に上
記のスルホン酸および／またはアミノ基を導入し、その
誘導体を添加剤とする。誘導体はその塩も含む。さら
に、スルホン酸基およびアミノ基双方を含有する化合物
においては両者はイミド基を形成していてもいいし、他
の官能基と環を形成していてもよい。
ン、フェノール、トルエン、キシレン、ナフタリン、安
息香酸などを用いることができる。これらの化合物に上
記のスルホン酸および／またはアミノ基を導入し、その
誘導体を添加剤とする。誘導体はその塩も含む。さら
に、スルホン酸基およびアミノ基双方を含有する化合物
においては両者はイミド基を形成していてもいいし、他
の官能基と環を形成していてもよい。
【００１８】本発明で用いることのできる芳香族化合物
の代表例を以下に列挙すると、ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、ｐ−アミノフェノール、ベンゼンスルホン
酸、サッカリンナトリウムなどがある。
の代表例を以下に列挙すると、ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、ｐ−アミノフェノール、ベンゼンスルホン
酸、サッカリンナトリウムなどがある。
【００１９】上記添加剤を含む酸性鉄系めっき浴を用
い、ｐＨ２．５以下、浴温３０〜９０℃でめっきを行
う。ｐＨ２．５より高ければ、酸性鉄系めっきの密着性
が著しく低下する。また浴温３０℃未満ではめっきが出
来ず、９０℃を越えると、めっき表面に焼けが入る。さ
らに、添加剤の量としては、０．１ｇ／ｌより少なけれ
ば、密着性に効果がなく、１０ｇ／ｌより多ければ、均
一なめっき皮膜が得られない。
い、ｐＨ２．５以下、浴温３０〜９０℃でめっきを行
う。ｐＨ２．５より高ければ、酸性鉄系めっきの密着性
が著しく低下する。また浴温３０℃未満ではめっきが出
来ず、９０℃を越えると、めっき表面に焼けが入る。さ
らに、添加剤の量としては、０．１ｇ／ｌより少なけれ
ば、密着性に効果がなく、１０ｇ／ｌより多ければ、均
一なめっき皮膜が得られない。
【００２０】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。表１に示す組成のクロム含有鋼板に、表２に示
す条件で電解脱脂を行った後、表４に示す条件で活性化
処理を行ない、表３に示す組成を主成分とする酸性鉄系
めっき浴に表４に示す添加剤を含有せしめて表３に示す
条件で鉄系電気めっきを行った。
明する。表１に示す組成のクロム含有鋼板に、表２に示
す条件で電解脱脂を行った後、表４に示す条件で活性化
処理を行ない、表３に示す組成を主成分とする酸性鉄系
めっき浴に表４に示す添加剤を含有せしめて表３に示す
条件で鉄系電気めっきを行った。
【００２１】酸性鉄系電気めっきを行った後の密着性に
ついてはデュポン衝撃試験（ポンチ径１／４インチ、落
下高さ５００ｍｍ、荷重２ｋｇ）で、できためっき面の
凸部をテープ剥離テストし、凸部の剥離面積が０％の時
Ａ、剥離面積が１〜２０％の時Ｂ、剥離面積が２１〜５
０％の時Ｃ、剥離面積が５１％以上の時Ｄと評価し、こ
の結果を表４に併せて示す。
ついてはデュポン衝撃試験（ポンチ径１／４インチ、落
下高さ５００ｍｍ、荷重２ｋｇ）で、できためっき面の
凸部をテープ剥離テストし、凸部の剥離面積が０％の時
Ａ、剥離面積が１〜２０％の時Ｂ、剥離面積が２１〜５
０％の時Ｃ、剥離面積が５１％以上の時Ｄと評価し、こ
の結果を表４に併せて示す。
【００２２】
【００２３】
【００２４】
【００２５】
【表１】
【表２】
【表３】
【００２６】
【発明の効果】酸性鉄系電気めっきにおいては、塩化物
浴鉄−リンめっきでは、電析効率が高い反面、密着性が
悪いという問題、その他、鉄−ニッケル、鉄−ホウ素、
硫酸浴Ｆｅ−Ｐめっきにおいても、めっき厚が厚くなる
と密着性が劣る等の問題があった。以上の現象はめっき
時に発生のある応力によるものである。本発明において
はその応力を低減することで、密着性に著しく優れる酸
性鉄系めっきが得られる。
浴鉄−リンめっきでは、電析効率が高い反面、密着性が
悪いという問題、その他、鉄−ニッケル、鉄−ホウ素、
硫酸浴Ｆｅ−Ｐめっきにおいても、めっき厚が厚くなる
と密着性が劣る等の問題があった。以上の現象はめっき
時に発生のある応力によるものである。本発明において
はその応力を低減することで、密着性に著しく優れる酸
性鉄系めっきが得られる。
Claims (5)
- 【請求項１】 クロムを３ｗｔ％以上含有するクロム含
有鋼板に、酸性鉄系電気めっきを施す際、脱脂工程に続
いて活性化処理した後、スルホン酸基および／またはア
ミノ基が導入された芳香族化合物の誘導体を少なくとも
１種添加剤として０．１〜１０ｇ／ｌ含む酸性鉄系めっ
き浴を用いて電気めっきすることを特徴とする酸性鉄系
電気めっきクロム含有鋼板の製造方法。 - 【請求項２】 前記芳香族化合物は、ベンゼン、フェノ
ール、トルエン、キシレン、ナフタリン、安息香酸から
選ばれる請求項１に記載の酸性鉄系電気めっきクロム含
有鋼板の製造方法。 - 【請求項３】 前記酸性鉄系電気めっきを施す際の浴の
ｐＨが２．５以下で浴温が３０〜９０℃である請求項１
または２に記載の酸性鉄系電気めっきクロム含有鋼板の
製造方法。 - 【請求項４】 前記活性化処理が、３０〜８０℃の１〜
４０ｗｔ％塩酸水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜
０．８ｗｔ％含有する溶液中での浸漬或いは電解処理で
ある請求項１〜３のいずれかに記載の酸性鉄系電気めっ
きクロム含有鋼板の製造方法。 - 【請求項５】 前記活性化処理が、３０〜８０℃の１〜
６０ｗｔ％硫酸水溶液中にＣｕ或いはＮｉを０．１〜
０．８ｗｔ％含有する溶液中での浸漬或いは電解処理で
ある請求項１〜３のいずれかに記載の酸性鉄系電気めっ
きクロム含有鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17501391A JPH0525677A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 酸性鉄系電気めつきクロム含有鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17501391A JPH0525677A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 酸性鉄系電気めつきクロム含有鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0525677A true JPH0525677A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=15988693
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17501391A Withdrawn JPH0525677A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 酸性鉄系電気めつきクロム含有鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0525677A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113881991A (zh) * | 2021-11-19 | 2022-01-04 | 山东省路桥集团有限公司 | 钢结构桥梁涂装前处理方法 |
-
1991
- 1991-07-16 JP JP17501391A patent/JPH0525677A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113881991A (zh) * | 2021-11-19 | 2022-01-04 | 山东省路桥集团有限公司 | 钢结构桥梁涂装前处理方法 |
| CN113881991B (zh) * | 2021-11-19 | 2023-08-11 | 山东省路桥集团有限公司 | 钢结构桥梁涂装前处理方法 |
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Legal Events
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