JPH05255784A - 耐食性に優れた油井用Ni基合金 - Google Patents

耐食性に優れた油井用Ni基合金

Info

Publication number
JPH05255784A
JPH05255784A JP5283992A JP5283992A JPH05255784A JP H05255784 A JPH05255784 A JP H05255784A JP 5283992 A JP5283992 A JP 5283992A JP 5283992 A JP5283992 A JP 5283992A JP H05255784 A JPH05255784 A JP H05255784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
corrosion resistance
alloy
corrosion
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5283992A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Ueda
昌克 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP5283992A priority Critical patent/JPH05255784A/ja
Publication of JPH05255784A publication Critical patent/JPH05255784A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレメンタルSを含むサワーガスのような一
層過酷な腐食環境下にあっても優れた耐食性および強度
を有する油井用合金の開発。 【構成】 Fe: 7 %以下に制限し、Cu: 0.3 〜3.0 %以
下を配合し、Cr: 15〜25%、Mo≦25%、W≦10.0%、か
つ次式は満足するものとする。 18≦Mo+1/2W≦25 35≦Cr (%) +Mo (%) +1/2W (%) ≦43 【効果】長期間にわたって優れた耐食性を発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、腐食環境下、特に従
来から注目されていたところのサワーガス環境(H2S-CO2
-Cl- 環境) よりもさらに腐食性が苛酷な、元素状のイ
オウ (エレメンタルS) が単体として混入する高温のサ
ワーガス環境下においても良好な耐応力腐食割れ性およ
び耐水素割れ性等の耐食性を有する油井管用Ni基合金に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のエネルギー事情は油井の深井戸化
やサワーガス環境下での掘井が余儀なくされるところま
できており、高価ではあるが、上記のような苛酷な環境
に十分耐えられるような油井用高強度・高耐食性Ni基合
金が開発され、適用されるようになってきた (例えば、
特開昭54−107828号公報や特開昭54−127831号公報参
照) 。
【0003】特開昭54−107828号公報においては、主要
元素として、Crを10〜20wt%、Moを12〜18wt%、Niを40
〜65wt%、W≦5wt%、Feを10〜20wt%に限定してい
る。特開昭54−127831号公報では主要元素として、Crを
12〜25wt%、Moを10〜20wt%、Feを0〜10wt%、Wを0
〜7wt%、残りNiと限定している。いずれも、主に、C
r、Ni、Moで硫化水素環境での耐食性を確保している。
【0004】さらに、特開昭62−158847号公報ではCrを
15〜25wt%、Niを50〜60wt%、Cu、Nbを各々0.3 〜3.0
wt%添加、Moを20wt%以下、Wを5wt%以下に、かつ Cr+10Mo+5W≧180 、 16≦Mo+0.5W≦20 (wt%) に限定し、エレメンタルS含有環境での耐食性を確保し
ている。
【0005】しかしながら、この公報に開示された合金
は、短時間の評価に基づき検討されており、例えば耐食
性に関しては20%NaCl+1g/l S-10atmH2S-20atmCO2とい
うエレメンタルS含有サワー環境下にあって300 ℃で50
0 時間という期間にわたって優れた耐食性を発揮する
が、さらに長時間の評価を実施したところ、この合金で
は耐食性、特に孔食に代表される局部腐食に対する抵抗
性の劣ることが明らかとなり、さらに改良された合金の
開発が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】S含有サワー環境は、
国際会議「CORROSION 89」提出論文(1989 年4月17-21
日) にも記載されているように従来のサワーガス環境に
比べ非常に苛酷な腐食環境である。すなわち、元素状イ
オウ (エレメンタルS) は、溶液中に次式で示すように
自己酸化還元反応で溶解し、その逆反応で材料表面に付
着すると考えられている。
【0007】4S + 4H2O = 3H2S + H2SO4 そして、付着したSは、 S + 2H+ + 2e- = H2S のカソード反応で、材料の溶解を促進する。さらに、こ
の反応で生じたH2S は局部的に高濃度となり、腐食を促
進し、応力腐食割れを促進すると言われている。
【0008】このように、S含有サワーガス環境は非常
に苛酷な環境である。かかる過酷な腐食環境では、従来
の油井管では耐食性および強度が十分確保できず、油田
開発の停滞を招く恐れもある。ここに、この発明の目的
は、上記のような一層過酷な腐食環境下にあっても優れ
た耐食性、特に優れた耐局部腐食性および強度を有する
油井用合金を提供することである。すなわち、長時間に
わたる苛酷な腐食環境下で応力腐食割れのみならず、孔
食に代表される局部腐食を生じない合金を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、そのような課題
を解決すべく、このS含有サワーガス環境での耐食性に
及ぼす成分元素の影響を検討した結果、次のような知見
を得た。
【0010】Cr、Mo、Wを一定の関係で量的に規制す
るとともにFe含有量を抑制したNi基合金が耐食性改善に
非常に有効である。すなわち、Feは腐食したときに密着
性に乏しい硫化鉄の皮膜および鉄イオンで溶解し、鉄水
和イオン (Fe2++H2O =FeOH+ +H+ ) を生成し、pH低
下を生じ腐食および応力腐食割れを生じやすくすると考
えられる。そこで、Fe、Cr、Mo、W含量および 18≦Mo+1/2W≦25 35≦Cr (%) +Mo (%) +1/2W (%) ≦43 を限定した。なお、Cr+Mo+1/2Wが43を越えるとTCP 相
が出やすいので43以下とする。
【0011】さらに、上述のようにFe含量を限定して
高温腐食速度を抑えるとともにCuを添加すれば、高温で
の腐食速度が低減でき、耐SCC 性だけでなく全面腐食性
および局部腐食性をも改善できる。 Nb含量を限定すれば耐孔食性がさらに向上する。しか
し、Cの固定にNbを使う場合、Nb含有量を0.1 wt%以下
にしないと耐局部腐食性を劣化させる。
【0012】 その他、Co、V、Ta、ZrおよびHfは延
性、靱性および耐食性の改善の目的で、希土類元素、Mg
およびCaは熱間加工性の改善の目的でそれぞれ適宜組み
合わせて添加してもよい。 かくして、この発明によれば、250 ℃以下でのS含有サ
ワーガス環境下においても極めて優れた耐応力腐食割れ
性、耐全面腐食性、耐局部腐食性および耐水素割れ性が
改善される。
【0013】ここに、この発明の要旨とするところは、
重量%にて Si: 0.30%以下、Mn:2.0%以下、Cr: 15〜25%、Fe:7%
以下、Nb:0.1%以下、Ti: 2.0 %以下、Al: 1.0 %以
下、N: 0.060 %以下、Cu: 0.3 〜3.0 %以下Moおよび
Wの1種以上:Moは25%以下、Wは10.0%以下であっ
て、かつ 18≦Mo+1/2W≦25 ・・・ (1) 35≦Cr (%) +Mo (%) +1/2W (%) ≦43 ・・・ (2) を満足する量、Niおよび他の不可避的不純物: 残部、さ
らに、不純物中のC:0.01 %以下、P:0.03 %以下、
S:0.0050 %以下から成る成分組成で構成されることを
特徴とする、耐応力腐食割れ性、耐全面腐食性、耐隙間
腐食性および耐水素割れ性に優れた高耐食性Ni基合金で
ある。
【0014】さらに、この発明によれば、重量%にて、
次の合金元素を必要に応じて適宜組み合わせて添加して
もよい。 1)Co: 5.0 %以下、ならびにV、Ta、ZrおよびHfの1種
以上: 各々1.0 %以下から成る群から選んだ1種以上、
そして 2)希土類元素: 0.10%以下、Mg: 0.10%以下およびCa:
0.10%以下から成る群から選んだ1種以上。
【0015】
【作用】この発明において、Ni基合金の組成範囲を前述
のように限定した理由を説明する。なお、本明細書にお
いて特にことわりがない限り、「%」は「重量%」を意
味する。
【0016】C:合金不純物中のC含有量が0.01%を越
えるとM6C タイプの炭化物 (M: Mo、W等) が粒界に析
出し、耐食性、延性および靱性を劣化させるので0.01%
以下に制限する。好ましくは、C含量を0.005 %程度以
下にすると耐食性、延性、靱性は一層顕著に改善され
る。
【0017】Si:Siは、脱酸剤として有効な成分である
ために添加されるものであるが、多量に添加するとσ、
P、Laves 相等の延性・靱性に対して好ましくない金属
間化合物(以下“TCP 相”と略称する) を生成しやすく
する。その上、Si含有量が特に0.30%を越えると、凝固
時のミクロ偏析が助長され、前記M6C およびP相の形成
が著しく促進される傾向がみられる。このような理由
で、Si含有量の上限を0.30%と定めた。
【0018】一般に合金の製造方法として、溶解法と粉
末法が知られており、粉末法では0.30%以下で十分良好
であるが、溶解法の場合は、0.10%以下までSiを低減す
れば、炭化物の粒界析出抑制効果も加わって延性、靱性
ならびに耐食性がさらに向上する。なお、Si含有量が少
ない程、TCP 相ができにくいことより、好ましくはSi含
有量は0.10%以下である。
【0019】Mn:Mnは、通常、脱硫剤として添加される
成分であるが、その含有量が2.0 %を越えるとTCP 相生
成を促進する場合があることから、この発明の合金では
Mn含有量を2.0 %以下と定めた。
【0020】PおよびS:PおよびSは不可避的に混入
してくる不純物であり、合金中に多量に存在すると粒界
偏析により熱間加工性を低下させ、また耐食性をも劣化
させることから、P含有量は0.030 %以下、S含有量は
0.0050%以下とそれぞれ定めた。
【0021】しかしながら、S含有量を特に0.0007%以
下に制限すると合金の熱間加工性が飛躍的に向上し、ま
たP含有量を0.0030%以下に制限することで合金の耐水
素割れ性が著しく改善されるので、好ましくはPおよび
Sの含有量をこのレベルにまで低減するのがよい。
【0022】Cr:CrはMoと共に合金の耐食性および強度
を向上させる成分であるが、この効果は15%以上の割合
で含有させることにより顕著となる。しかし、経済性お
よび加工性を考えて、その上限は25%とする。
【0023】MoおよびW:これらの成分は、Crとの共存
下で合金の強度と耐食性、特に耐応力腐食割れ性を向上
させる作用を有しているので1種以上含有せしめられる
ものであるが、Mo+1/2Wが18%以上、好ましくは20%以
上、25%以下であれば耐食性が良好となる。Moが25%、
Wが10%をそれぞれ越えても経済的に意味がないし、溶
製法ではTCP 相生成を促進してしまうため各々上限を定
めた。
【0024】Fe:Feは、この発明の合金にあって合金の
溶解を促進する。すなわち、Feを7%を越えて含有する
場合は、腐食速度が0.05mm/y以上となると共に応力腐食
割れを生じるようになる。そこでFe含有量を7%以下と
定めた。
【0025】この原因としては、溶解したFeイオンが密
着性の乏しい硫化鉄になるとともにFeOH+ の水和イオン
を生じて Fe2++ H2O=FeOH+ +H+ の反応でpHの低下をきたし、全面腐食を加速し応力腐食
割れを生じやすくすることが考えられる。
【0026】Cu:Cuは耐酸性を改善するのに有効な元素
で、そのため、元素状のSが単体で認められるサワーガ
ス環境下では、Cr、Mo、WとともにCuは腐食速度を0.01
mm/y以下に低減するのに極めて有効な成分であるが、Cu
含有量が0.30%未満では所望の耐食性が得られず、一
方、3.0 %を越えてCuを含有させてもその効果が飽和し
てしまうことから、Cu含有量は0.30〜3.0 %と定めた。
【0027】Ti:Tiは、合金金の微量Cの安定化に有効
であるが、その含有量が2.0 %を越えるとTCP 相が生成
しやすくなることから、Ti含有量は2.0 %以下と定め
た。なお、必要Ti量はC含有量に応じて定まるものであ
り、特にその下限値が定まるものではない。
【0028】Al:Alは有効な脱酸剤として添加されるも
のであるが、その含有量が1.0 %を越えるとTCP 相が生
成しやすくなることから、Al含有量は1.0 %以下と定め
た。
【0029】N:合金中のN含有量は0.060 %を越える
と粗大な窒化物が形成されて延性ならびに靱性が劣化す
るようになることから、N含有量を0.060 %以下と定め
た。
【0030】Nb:Nbは、Tiと同様に合金中の微量Cの安
定化にNbより有効である。しかし、この発明にかかる合
金には、この元素の添加は、Tiより炭化物が生じやす
く、その炭化物が微細で孔食を起点に成りやすく、孔食
発生傾向が認められた。そこで、Cの安定化の目的で加
えるが、Nbを0.1 %以下と限定した。
【0031】Co、V、Ta、Zr、およびHf:これらの成分
には、合金の延性・靱性を改善すると共に耐食性をも改
善する作用があるので、必要により1種以上含有せしめ
らるものであるが、以下、個々の元素について含有割合
を限定した理由を特徴的な作用とともに説明する。
【0032】1) Co:Co成分は、特に合金の耐水素割れ性
の向上に有効なものであるが、その含有量が5.0 %を越
えるとTCP 相が生成しやすくなることから、Co含有量は
5.0 %以下と定めた。
【0033】2) V、Ta、ZrおよびHf:これらの成分はC
の安定化に有効なものであるが、それぞれ1.0 %を越え
て含有させるとTCP 相が生成しやすくなることから、
V、Ta、ZrおよびHfのうちの1種以上の含有量は各々1.
0 %以下と定めた。
【0034】希土類元素(REM) 、MgおよびCa:これらの
成分は、少なくとも1種の微量添加により合金の熱間加
工性を向上させる作用を有しているので、必要により1
種以上含有せしめられるものであるが、希土類元素含有
量が0.1 %を、Mg含有量が0.10%を、そしてCa含有量が
0.10%をそれぞれ越えた場合には、低融点化合物を生成
しやすくなって逆に熱間加工性を劣化するようになるこ
とから、希土類元素含有量は0.10%以下と、Mg含有量は
0.10%以下と、そしてCa含有量は0.10%以下とそれぞれ
定めた。
【0035】Ni:Niはオーステナイト生成元素で、合金
をオーステナイト単相とするために必要であるので残部
成分は実質的にNiとする。
【0036】Cr、MoおよびWの含有量バランス:元素状
のSが含有するサワーガス環境での耐応力腐食割れ性の
感受性は主に、Cr、Mo、Wに依存する。
【0037】すなわち、耐食性はこれらに加え残部のNi
から成る表面皮膜によって確保されるものであり、この
表面皮膜中のこれらの元素の含有量のバランスが耐食性
を左右する上で最も重要な因子となる。上記油井環境下
での応力腐食割れに対しては、MoはCrと同等の効果があ
り、またWはMoの1/2 の効果をもっており、このCr、Mo
およびWが、式 18≦Mo+1/2W≦25、好ましくは、20≦Mo+1/2W≦25 35≦Cr (%) +Mo (%) +1/2W (%) ≦43 をそれぞれ満たすと共に、Crが15〜25%、Moが25%以
下、Wが10%以下であれば、元素状Sを含んだ環境にお
いても応力腐食割れおよび局部腐食に対して優れた抵抗
性を有する耐食性皮膜を得ることができる。そして、Cr
+Mo+1/2Wが43を越えるとTCP 相が生成しやすいので43
以下とした。
【0038】また、18≦Mo+1/2W≦25 の式は、合金表
面に形成される耐食皮膜であるCr酸化物の修復性の指標
であって、これが18、より好ましくは20より高いと長時
間にわたって250 ℃のエレメンタルS含有サワー環境下
で、優れた耐食性 (耐応力腐食割れ性および耐局部腐食
性) を発揮する効果を有する。
【0039】なお、その他のB、Sn、Zn、Pb等の元素
は、微量ではこの発明の合金の特性に何等悪影響を与え
ることがないので、不純物としてそれぞれ0.10%まで許
容されるが、この上限値を越えると加工性や耐食性に悪
影響を与えるので注意を要する。
【0040】この発明にかかる合金は、通常は、いわゆ
る溶解法によって製造されるが、特にCr≧20%、Mo≧22
%のような場合には粉末法によって製造するのが経済性
の点から好ましい。特に、この発明にかかる合金は、油
井管として有用であり、そのような用途には熱間加工に
よる製管工程を経て製品とされるが、粉末法によれば合
金製造と製管工程を同時に行うことができる。次に、こ
の発明の作用効果について実施例によってさらに具体的
に説明する。
【0041】
【実施例】まず、表1および表2に示される化学成分組
成の各合金を溶解した後、熱間加工によって板材とし、
溶体化処理後、これに15%程度の冷間加工を施して所望
の強度 (室温での0.2 %耐力にて70〜110 kgf/mm2)を得
た。
【0042】なお、一部の供試材は、表1および表2に
示されるNi基合金粉末を、加工性の良好な金属性の中空
円筒状容器に充填し、密閉して中空ビレットとなし、こ
の中空ビレットを1000〜1300℃に加熱して熱間押出し、
さらに冷間加工して上記所望の強度を得た。耐水素割れ
試験に供した材料は、300 ℃にて1000h の長時間熱処理
を施した後、試験片とした。
【0043】試験要領は次の通りであった。 (A) 引張試験: 試験温度 : 常温 試験片 : 4.0 mmφで、GLが20mm (B) シャルピー衝撃試験: 試験温度 : 0℃ 試験片 : 10mm×10mm×55mmの2mmVノッチ付。
【0044】(C) 耐応力腐食割れ試験: 腐食溶液 : 20%NaCl+0.5 %CH3COOH 、1g/l S、10at
mH2S+20atmCO2 試験温度 : 250 ℃ 浸漬時間 : 1〜6ヶ月 付加応力 : 1σy 試験片 : 10mm幅×2mm厚×75mm長の0.25U ノッチ付 (D) 耐水素割れ試験: NACE条件 : 5%NaCl+0.5 %CH3COOH 、1atmH2S 試験温度 : 25℃ 浸漬時間 : 720h 付加応力 : 1σy 試験片 : 10mm幅×2mm厚×75mm長の0.25U ノッチ付 このようにして得られた試験結果を、表1および表2に
併せて示す。
【0045】合金の耐食性の評価に当たっては、耐応力
腐食割れ性は、割れ性によって、耐全面腐食性は、腐食
速度によって、そして耐隙間腐食性は、耐孔食性によっ
てそれぞれ評価した。なお、割れの評価は、割れおよび
孔食を生じなかったものを“○”、生じたものを“×”
で示した。
【0046】また、表1および表2には6ヶ月浸漬後の
結果を示した。また更に、図1には、表1および表2の
供試材中、本発明合金 (No.6) と比較合金(No.28、29、
30、41) についての1〜6ヶ月の各浸漬月経過後の結果
を示した。表1および表2および図1に示した結果から
も、本発明合金は250 ℃以下の苛酷な元素状S含有サワ
ーガス環境下であっても長時間にわたって優れた耐食性
を示すことが明らかであるのに対して、合金の成分組成
がこの発明で規定する条件から外れた比較合金では、い
ずれも十分な耐食性を示さないことがわかる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上に説明したごとく、この発明によれ
ば、元素状Sが単体として存在するサワーガス環境下に
おいても抜群に優れた耐食性、特に耐応力腐食割れ性、
耐全面腐食性、耐隙間腐食性および耐水素割れ性を有す
る油井用として好適な高強度Ni基合金が得られるなど、
産業上極めて有用な効果が得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における本発明合金および比較合金の耐
食性に及ぼす試験時間の影響を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて Si: 0.30%以下、Mn:2.0%以下、Cr: 15〜25%、Fe:7%
    以下、Nb:0.1%以下、Ti: 2.0 %以下、Al: 1.0 %以
    下、N: 0.060 %以下、Cu: 0.30〜3.0 %以下Mo: 25%
    以下および/またはW: 10.0%以下、かつ18≦Mo+1/2W
    ≦25 35≦Cr (%) +Mo (%) +1/2W (%) ≦43 を満足する量、 Niおよび他の不可避的不純物: 残部、 ただし、不純物中のC:0.01 %以下、P:0.030%以下、
    S:0.0050 %以下から成る成分組成で構成されることを
    特徴とする、耐応力腐食割れ性、耐全面腐食性、耐隙間
    腐食性および耐水素割れ性に優れた油井用高耐食性Ni基
    合金。
  2. 【請求項2】 さらに、重量%にて、Co: 5.0 %以下、
    ならびにV、Ta、ZrおよびHfの1種以上: 各々1.0 %以
    下のうちの1種以上を含むことを特徴とする、請求項1
    記載の高耐食性Ni基合金。
  3. 【請求項3】 さらに、重量%にて、希土類元素: 0.10
    %以下、Mg: 0.10%以下、およびCa: 0.10%以下のうち
    の1種以上を含むことを特徴とする、請求項1または2
    記載の高耐食性Ni基合金。
JP5283992A 1992-03-11 1992-03-11 耐食性に優れた油井用Ni基合金 Withdrawn JPH05255784A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5283992A JPH05255784A (ja) 1992-03-11 1992-03-11 耐食性に優れた油井用Ni基合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5283992A JPH05255784A (ja) 1992-03-11 1992-03-11 耐食性に優れた油井用Ni基合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05255784A true JPH05255784A (ja) 1993-10-05

Family

ID=12926021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5283992A Withdrawn JPH05255784A (ja) 1992-03-11 1992-03-11 耐食性に優れた油井用Ni基合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05255784A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5529642A (en) * 1993-09-20 1996-06-25 Mitsubishi Materials Corporation Nickel-based alloy with chromium, molybdenum and tantalum
US6280540B1 (en) * 1994-07-22 2001-08-28 Haynes International, Inc. Copper-containing Ni-Cr-Mo alloys
GB2389590A (en) * 2002-06-13 2003-12-17 Haynes Internat Inc Ni-Cr-Mo-Cu alloy resistant to acid attack
GB2390855B (en) * 2002-05-15 2005-10-26 Haynes Internat Inc Ni-Cr-Mo alloys resistant to wet process phosphoric acid and chloride-induced localized attack
EP1887095A1 (en) * 2006-08-09 2008-02-13 Haynes International, Inc. Hybrid corrosion-resistant nickel alloys
JP2020530064A (ja) * 2017-08-01 2020-10-15 ストック カンパニー“チェペトスキー メカニカル プラント” 耐食性合金

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5529642A (en) * 1993-09-20 1996-06-25 Mitsubishi Materials Corporation Nickel-based alloy with chromium, molybdenum and tantalum
US6280540B1 (en) * 1994-07-22 2001-08-28 Haynes International, Inc. Copper-containing Ni-Cr-Mo alloys
GB2390855B (en) * 2002-05-15 2005-10-26 Haynes Internat Inc Ni-Cr-Mo alloys resistant to wet process phosphoric acid and chloride-induced localized attack
GB2389590A (en) * 2002-06-13 2003-12-17 Haynes Internat Inc Ni-Cr-Mo-Cu alloy resistant to acid attack
GB2389590B (en) * 2002-06-13 2005-09-14 Haynes Internat Inc Ni-Cr-Mo-Cu alloys resistant to sulfuric acid and wet process phosphoric acid
EP1887095A1 (en) * 2006-08-09 2008-02-13 Haynes International, Inc. Hybrid corrosion-resistant nickel alloys
JP2020530064A (ja) * 2017-08-01 2020-10-15 ストック カンパニー“チェペトスキー メカニカル プラント” 耐食性合金

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2500162B2 (ja) 耐食性に優れた高強度二相ステンレス鋼
KR101256268B1 (ko) 오스테나이트계 스테인리스강
JPH0593246A (ja) 高耐食二相ステンレス鋼とその製造方法
JP3446294B2 (ja) 二相ステンレス鋼
JP2005023353A (ja) 高温水環境用オーステナイトステンレス鋼
JP3166798B2 (ja) 耐食性、相安定性に優れた二相ステンレス鋼
JPS625976B2 (ja)
EP1263999B1 (en) Corrosion resistant austenitic alloy
US5217684A (en) Precipitation-hardening-type Ni-base alloy exhibiting improved corrosion resistance
JPH05255784A (ja) 耐食性に優れた油井用Ni基合金
JPS6199660A (ja) ラインパイプ用高強度溶接鋼管
JPS61113749A (ja) 油井用高耐食性合金
JPH0371506B2 (ja)
JPS62158844A (ja) 高耐食性Ni基合金
JP3470418B2 (ja) 耐海水腐食性と耐硫化水素腐食性に優れた高強度オーステナイト合金
JPS6144135B2 (ja)
JPS62158847A (ja) 高耐食性Ni基合金
JPS6199656A (ja) ラインパイプ用高強度溶接鋼管
JPH05255785A (ja) 高耐食性、高Mo含有油井用Ni基合金
JPH0674472B2 (ja) 耐食性に優れた高強度Ni基合金
JPS6363609B2 (ja)
KR100215727B1 (ko) 시그마상 형성이 억제된 고내식성 듀플렉스 스테인리스강
JPH08176742A (ja) 硫化水素環境での耐食性に優れた2相ステンレス鋼
JP2833385B2 (ja) 耐食オーステナイト系Fe基合金
JPS62158846A (ja) 靭性の優れた高耐食性Ni基合金

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518