JP3446294B2 - 二相ステンレス鋼 - Google Patents

二相ステンレス鋼

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JP3446294B2 JP06747394A JP6747394A JP3446294B2 JP 3446294 B2 JP3446294 B2 JP 3446294B2 JP 06747394 A JP06747394 A JP 06747394A JP 6747394 A JP6747394 A JP 6747394A JP 3446294 B2 JP3446294 B2 JP 3446294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーステナイトとフェ
ライトからなる二相ステンレス鋼に関し、特に海水を使
用する熱交換器及び耐海水性が要求される化学機器や構
造物、各種化学プラント用配管、ラインパイプ、油井管
等として溶接施工性及び溶接部の耐応力腐食割れ性と靱
性に優れたスーパー二相ステンレス鋼に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、海水を使用する熱交換器および耐
海水性が要求される化学機器や構造物、各種化学プラン
ト用配管、ラインパイプ、油井管等として、耐食性なら
びに溶接性に優れた二相ステンレス鋼の需要が増大して
おり、特に耐食性に対する要求はますます厳しくなって
きている。
【0003】既に実用化されている二相ステンレス鋼は
数多く存在する。例えば溶接可能な二相ステンレス鋼を
紹介した文献(オランダ溶接協会編『溶接用二相ステン
レス鋼およびスーパー二相ステンレス鋼』L.van Nassa
u, H.Meelker, J.Hilker '91)には、下記の(a) 〜(d)
の4種類が、耐食性の低い順に開示されている。
【0004】(a) 23%Cr−4%Ni−0.1 %N ・・
・ (PREN<25) 系二相ステンレス鋼 (b) 22%Cr−5.5 %Ni−3%Mo−0.1 %N・・・ (PRE
N:30〜36) 系二相ステンレス鋼 (c) 25%Cr−6%Ni−3%Mo−0.2 %N−(0〜2.5)%Cu
−(Mn,W)・・・ (PREN:32〜40) 系二相ステンレス鋼 (d) 25%Cr−7%Ni−3.5%Mo−0.25%N−0.6 %Cu−
(0.3〜0.7)%W・・・(PREN >40) 系スーパー二相ステ
ンレス鋼 ただし、PRENは、 (%)Cr+ 3.3×(%)Mo +16× (%)Nで
与えられる耐孔食性の指標でこの値が大きいほど耐孔食
性に優れる。
【0005】スーパー二相ステンレス鋼は、高い機械的
性質と良好な耐食性を有するように、いずれも上記の耐
孔食性指標(PREN)が40を超える値となるように、25%Cr
鋼を基本としてMo、Nを多く含有させることを基本思想
として設計されている。
【0006】特開昭62−56556 号公報には、上記の耐食
性指標(PREN)を PREN = (%)Cr+3.3 ×(%)Mo +16× (%)N−1.6 ×(%)
Mn −122 × (%)S と定義し、このPRENを 39.1 超える値とするほか、Nを
他の成分との関係式に従って多く含有させ、さらにフェ
ライト量を規定した高耐食性と良好な組織安定性を有す
るスーパー二相ステンレス鋼が提案されている。
【0007】また、特開平5−132741号公報には、耐孔
食性指標を PREW= (%)Cr+3.3 ×{(%)Mo +0.5(%)W}+16× (%)
N と定義し、このPREWを40以上の値としたスーパー二相ス
テンレス鋼が提案されている。
【0008】更に、本発明者らは特願平4-293844号によ
って、PREWが43以上、切削性指数が65以下、フェライト
中での耐孔食性指数とオーステナイト中での耐孔食性指
数との差が−3.0 〜3.0 であり、従来のスーパー二相ス
テンレス鋼よりもσ相、χ相等の金属間化合物が生成し
にくい成分系とした溶接部の耐孔食性に優れる二相ステ
ンレス鋼を提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の25%Cr系スーパ
ー二相ステンレス鋼ではMo、Nを多量に含有させるた
め、鋼材の製造時あるいは鋼材の溶接施工時などにおい
てσ相およびχ相等の金属間化合物の析出が著しく促進
される。これら金属間化合物が析出した溶接部近傍は耐
食性が著しく低下し、実用上大きな問題となる。
【0010】特に二相ステンレス鋼を油井管材料として
使用する場合、最近は、油井の運転コストを低減する観
点から生産流体の流速を高速にするため高内圧とする方
向にあり、配管材料には高内圧化した腐食環境(以下、
これを当該腐食環境という)においても耐応力腐食割れ
性に優れていること、具体的には、割れ発生限界応力σ
thが 45.5 kgf/mm2(65ksi)以上であること、および溶接
継手部においても十分な靱性、具体的には−30℃におけ
るシャルピー衝撃値が200J/cm2以上であることが要求さ
れる。
【0011】前述のように耐孔食性能の指標として、従
来は合金の初期組成によって一義的に決定されるPRENあ
るいはPREWの値が使用されてきた。このPRENおよびPREW
は、塩素イオンを含む当該腐食環境における腐食速度あ
るいは耐孔食性と良い対応があるとされ、その値が40を
超えるものをスーパー二相ステンレス鋼と称して、現状
で最も耐食性能の良い合金系と位置付けている。
【0012】しかし、PRENおよびPREWで耐食性が評価で
きるのは、あくまでも熱間加工後に適切な固溶化処理が
施され、オーステナイトとフェライトの二相組織になっ
ている場合である。溶接施工を受けて凝固組織になって
いたり、あるいは均質化材とは異なる熱履歴を受けた溶
接熱影響部 (Heat Affected Zone、以下、HAZと記
す) の当該腐食環境における耐食性能、特に硫化水素を
含む腐食環境下での耐応力腐食割れ性は、合金の平均組
成から求めたPRENあるいはPREWの値で推定できる性能と
必ずしも対応しない。
【0013】前記、特開昭62−56556 号公報および特開
平5−132741号公報に開示されたスーパー二相ステンレ
ス鋼は、溶接性(溶接施工性)および溶接部の耐応力腐
食割れ性と靱性に対しては従来の二相ステンレス鋼にお
けると同様に十分な配慮がなされていないものである。
【0014】本発明者らが提案した特願平4-293844号の
発明の二相ステンレス鋼も、HAZにおける耐孔食性を
向上させる手段として、主にフェライトとオーステナイ
トの耐孔食性指数を制限したことを特徴とするものであ
って、溶接施工性の観点からの検討はなされていない。
また、溶接部の当該環境における応力腐食割れの防止に
も配慮が欠けている。
【0015】二相ステンレス鋼は、油井管、発電所、化
学プラント等の材料として、広汎に使用されるものであ
るが、その場合、耐食性(耐孔食性、耐応力腐食割れ
性)はもとより、溶接施工が容易で、溶接割れ等の欠陥
の発生しにくいことも求められる。
【0016】本発明の第1の目的は、優れた機械的性質
と耐食性を有するとともに、溶接施工性に優れたスーパ
ー二相ステンレス鋼を提供することにある。本発明の第
2の目的は、上記の特性を備えるだけでなく、溶接のま
まの溶接部の靱性と耐応力腐食割れ性にも優れたスーパ
ー二相ステンレス鋼を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スーパー
二相ステンレス鋼が実際に溶接施工される場合の溶接割
れ感受性と材料の化学成分との対応を詳細に検討した結
果、以下のような知見を得た。
【0018】1.スーパー二相ステンレス鋼においても、
溶接施工時に溶接先端部の固相と液相の共存する固液共
存域において平衡状態図でいう液相線(ある組成の合金
が液相(L)から最初に固相(δ)を晶出する温度)と
固相線(同様にL+δが完全に固相δになる温度)の差
が大きい場合に凝固割れが生じ易い。
【0019】2.この凝固割れの防止には適当な溶接条件
の選定が必要になるが、合金組成の調整により液相線と
固相線の温度差を小さくすれば凝固割れをある程度制御
することが可能である。
【0020】本発明者らは、前掲の特開平5−132741号
公報の発明で定義されている耐孔食性指標(PREW)…これ
は、前記のとおり合金の初期組成によって一義的に決定
されるものである…を、二相ステンレス鋼の基本性能で
ある耐孔食性能評価の一つとして位置付けた上、さらに
溶接部の耐応力腐食割れ性を向上させ、生産流体の設計
内圧を上げることができる合金成分系の特定を試みた。
その結果、新たに下記の知見が得られた。
【0021】3.溶接部の応力腐食割れは、大きく分けて
ボンド部での割れと、HAZでの割れに大別されるが、
これらの割れの起点として ボンド部およびHAZにお
けるFe55Cr31(Mo +W)10Ni4系のσ相およびχ相等の金
属間化合物の生成が関与している。
【0022】これらσ相およびχ相の生成に及ぼす各合
金成分の影響を詳細に検討したところ、既存の平衡状態
図からは予測できない析出速度に関する下記のような新
たな知見も得られた。
【0023】4.ボンド部では、溶接金属と母材との混
合、合金元素の希釈、および凝固の過程においてフェラ
イトとオーステナイト間での合金元素の再分配が同時に
進行するが、σ相等の生成を促進するCr、Mo、W等はオ
ーステナイト中での固溶限が低いためフェライト中に濃
化する。ところが、従来のスーパー二相ステンレス鋼で
は凝固・冷却過程においてフェライト量が急激に減少す
るので、フェライトから排出されたCr、Mo、W等はフェ
ライトとオーステナイトの界面にのみ局所的に濃厚偏析
する。その結果、さらに温度が低下してσ相等の析出温
度域に入ると、フェライトとオーステナイトの界面にσ
相等が不均一析出して、その界面が応力腐食割れの起点
となる。
【0024】上述の事実から、次のことが推定できる。
即ち、 (a)上記のフェライト量の減少の割合を小さくす
ることができれば、ボンド部でのσ相の生成を抑制する
ことができるはずである。また、(b) HAZにおいても
同様に熱間加工後の均一化・固溶化処理に至る過程でフ
ェライト量の急激な減少を抑制できれば、たとえ溶接に
よる熱影響を受けてもσ相等の生成に対しては鋭敏でな
くなるはずである。
【0025】上記の推定の下に、凝固温度近傍からの冷
却過程におけるフェライトとオーステナイトの相分率の
変化を小さくできる成分系の特定を試みたところ、特に
Cr、MoおよびWと、Niとの組成バランスを適切に選択す
ることで上記相分率の変化が制御できることを確認し
た。
【0026】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、下記の (1)および(2) の二相ステンレス鋼をその
要旨とする。
【0027】(1) 重量%で、Si:2.0 %以下、
Mn:2.0 %以下、Cr:22.0〜24.0%、 Ni:
4.5〜6.5 %、Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001
〜0.15%、N:0.25〜0.35%を含有し、残部がFe及び不
可避的不純物から成り、不純物としてのCは0.03%以
下、Pは0.05%以下、Sは0.005 %以下であり、かつ、
下記の式で表されるRVS が7以下の値、同じく式で
表されるPREWが 40 を超える値であることを特徴とする
二相ステンレス鋼。
【0028】
【数18】
【0029】
【数19】
【0030】(2) 上記(1) に記載の合金元素に加えて更
に次の第1群元素、第2群元素および第3群元素の少な
くとも1群から選んだ少なくとも1種の合金元素を含有
し、残部がFe及び不可避的不純物から成り、不純物とし
てのCは0.03%以下、Pは0.05%以下、Sは0.005 %以
下であり、かつ、下記の式で表されるRVS が7以下の
値であり、下記の式で表されるPREWが 40 を超える値
であることを特徴とする二相ステンレス鋼。
【0031】第1群元素 Cu:0.01〜2.0 % W:0.01〜1.5 % 第2群元素 V:0.01〜0.50% Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% 第3群元素 Ca:0.0005〜0.010 % Mg:0.0005〜0.010 % B:0.0005〜0.010 % Zr:0.01〜0.50% Y:0.001 〜0.20% 希土類元素:0.0005〜0.010 %
【0032】
【数20】
【0033】
【数21】
【0034】上記(1) および(2) の二相ステンレス鋼
は、さらに下記の式で表されるRSCCが13から18までの
値であることが望ましい。
【0035】
【数22】
【0036】なお、上記のからまでの式には、Wの
含有量が関与しているが、本発明の二相ステンレス鋼の
中には、Wを実質的に含有しないものもある。その鋼に
おいては、上記〜の式のWを0(零)とすることは
いうまでもない。
【0037】
【作用】I.合金元素および不純物について:まず、本
発明合金に含有される元素の量を上記のように定めた理
由を説明する。なお、含有量についての%は、重量%を
意味する。
【0038】Si:Siは鋼を脱酸して耐食性を高めるのに
有効なのでその添加は必須である。このSiは、鋼中にと
どめる必要はなく、含有量の下限は実質的に0(零)ま
たは痕跡量(trace) でよい。一方、Si含有量が2.00%を
超えると鋼が脆化するのでその上限は2.00%とする。
【0039】Mn:Mnは脱酸、脱硫を目的として添加す
る。ただし、その含有量が 2.0%を超えると耐食性に悪
影響を及ぼすので 2.0%以下とした。下限はSiの場合と
同様に実質的に0または痕跡量でよい。
【0040】Cr:Crは二相ステンレス鋼の基本成分の一
つであり、Moと共に耐食性を支配する重要な元素の一つ
である。当該腐食環境において必要とされる高耐食性を
得るには22.0%以上必要である。本発明鋼には耐孔食性
を上昇させるために従来鋼に比較して多量(4〜4.8
%)のMoが添加されるので、Crを24%を超える含有量の
Crはσ相およびχ相等の金属間化合物の析出を著しく促
進する。従って、Cr含有量は22.0〜24.0%とした。
【0041】Ni:Niは、従来、二相組織を得るためにC
r、MoおよびWの含有量、並びにNの含有量との兼ね合
いで添加されていた。本発明鋼では、さらに溶接ボンド
部およびHAZ部の耐応力腐食割れ性および靱性の向上
を支配する最も重要な元素である。所望の高耐食性を実
現するためには、その含有量を 4.5%以上とする必要が
あるが、6.5 %を超えるとσ相の析出量を著しく増加さ
せる。従って、Niは 4.5〜6.5 %とした。
【0042】Mo:Moも耐食性を向上させる元素であり、
当該腐食環境において所望の耐食性を得るためには 4.0
%以上含有させる必要がある。しかし、その含有量が
4.8%を超えると、σ相の凝集粗大化が急激に促進され
ることから 4.0〜4.8 %とした。
【0043】Al:脱酸元素として不可欠であり、十分な
耐食性を得るための酸素低減を目的に添加される。Siお
よびMnの添加量との兼ね合いで添加量を変えることがで
きるが、その含有量が 0.001%未満では十分な効果が得
られず、0.15%を超えるとAlNが析出し易くなり、靱
性、耐食性を劣化させるため、 0.001〜0.15%とした。
【0044】N:Nはフェライト生成元素であるCr、Mo
を多量に含有するスーパー二相ステンレス鋼においては
二相組織を形成するためのオーステナイトを安定化させ
る重要な元素であり、さらには耐孔食性を向上させるの
に最も効果の大きい元素である。これらの作用効果を得
るには0.25%未満の含有量では不十分である。一方、N
が0.35%を超えると大型鋼塊での欠陥(ブロホールな
ど)が多発し、鋼の熱間加工性が著しく低下する。従っ
て、Nは0.25〜0.35%とした。
【0045】本発明の二相ステンレス鋼の一つは、上記
の合金元素のほか、残部はFeと不可避的不純物からなる
ものである。なお、代表的な不純物の許容上限について
は後述する。
【0046】本発明の二相ステンレス鋼のもう一つは、
上記の合金元素に加えてさらに前記の第1群、第2群お
よび第3群の元素群の少なくとも1群から選んだ少なく
とも1種の元素を含むものである。以下、これらの元素
について説明する。
【0047】第1群元素(CuおよびW):これらは、鋼
の耐食性を改善する作用があるので必要により、1種ま
たは2種を含有させる。WはMoの補完的作用を有するの
で、0.01%以上含有させても良いが、1.5 %を超える多
量添加は製造コストの上昇を招く。
【0048】Cuは、鋼の耐酸性の向上に有効なので、必
要に応じて0.01%以上含有させるが、2.0 %を超えると
鋼の熱間加工性の低下を招く。
【0049】第2群元素(V、TiおよびNb):これらの
元素は、いずれも炭化物を安定にし、耐食性を高めるの
で必要に応じて1種またはそれ以上を含有させる。上記
の効果を得るにはそれぞれ0.01%以上必要である。しか
し、それぞれの含有量が0.50%を超えるとその効果は飽
和する。
【0050】第3群元素(Ca、Mg、B、Zr、Yおよび希
土類元素):Ca、Mg、Yおよび希土類元素は、いずれも
それ自身がS−O化合物(硫化物と酸化物の複合化合
物)を形成することによって鋼の熱間加工性を向上させ
る。そのためにはそれぞれ0.0005%(但し、Yは0.001
%) 以上の含有が必要であるが、0.010 %(但し、Yは
0.20%) を超えるとその効果は飽和する。
【0051】BとZrは粒界に偏析して、粒界エネルギー
を低下させ、粒界のファセッティング(facetting) を助
長する。これによって粒界強度を上昇させるために、鋼
の熱間加工性が向上する。その効果は、Bでは0.0005
%、Zrでは0.01%以上で顕著となるが、それぞれ 0.010
%、0.50%を超えるとその効果は飽和するので、これら
を添加する場合、含有量はそれぞれ0.0005〜0.010 %、
0.01〜0.50%が適当である。
【0052】これらの元素の2種以上を添加すれば、複
合効果があることも確認されている。なお希土類元素
は、La、Ce等の単独元素として添加してもよく、ミッシ
ュメタル (misch metal)のような混合物として添加して
もよい。
【0053】次に、不純物について説明する。その主な
ものはC、PおよびSである。
【0054】C:Cは鋼中に含まれる不可避的元素であ
るが、その含有量が0.03%を超えるとHAZに炭化物が
析出し、その耐食性を著しく劣化させるので可及的に少
ない方がよい。許容上限値は0.03%である。
【0055】P:Pも鋼中に不可避的に含まれる不純物
元素であり、熱間加工性、耐食性を劣化させるので、で
きるだけ低くする必要がある。脱隣コストとの兼ね合い
で、その許容上限値を0.05%以下とした。
【0056】S:Sも鋼中に含まれる不可避的不純物元
素であり、二相ステンレスの熱間加工性を劣化させる元
素であるため、可能な限り低くする必要がある。0.005
%が許容上限値である。
【0057】II. PREW、RVS およびRSCCについて:PREW
は、前記式で定義されるものであり、この式自体は前
掲の特開平5−132741号公報によって知られている。本
発明においてもこのPREWを採用する。その値が 40 を超
えるようにするのは、スーパー二相ステンレス鋼の基本
的特性としての優れた耐孔食性を確保するためである。
【0058】本発明では、上記PREWに加えて、新たに溶
接施工時の割れ感受性を評価する指標としてRVS を取り
入れた。さらに、必要に応じて用いられる溶接部の耐応
力腐食割れ性の向上とHAZの靱性を評価する指標であ
るRSCCを導入した。
【0059】RVS は前記の式で求められるものであ
り、溶接施工時の溶接先端部において固相と液相とが共
存する領域における液相線と固相線との温度差の指標で
ある。
【0060】このRVS の値と溶接時の割れ感受性との間
には良い対応関係がある。
【0061】図2は、後述する実施例1の試験に供した
二相ステンレス鋼をTIG溶接した時のバレストレイン
試験での割れ長さとRVS 値との関係を示した図である。
RVS値が7以下の範囲において溶接割れ感受性は低下
し、溶接時の割れ長さは1mm以下となるが、7を超える
と溶接割れ感受性が高くなって溶接割れ長さが1mmを超
えていることがわかる。本発明においてRVS 値を7以下
としたのは、この理由に基づく。
【0062】RSCCは前記の式で定義されるもので、溶
接ボンド部およびHAZ部における高温からの冷却過程
において、フェライト分率の急激な低下によるフェライ
トとオーステナイトの界面でのσ相およびχ相等の金属
間化合物の不均一析出の傾向を表す指標である。従っ
て、このRSCCは、溶接部の耐応力腐食割性および靱性と
よい対応関係にある。
【0063】なお、「フェライト分率」というのは、二
相ステンレス鋼を1100℃に1時間保持した後、水冷した
試験片のフェライト量とオーステナイト量を、例えばX
線回折法によって測定し、下記の式で算出した値であ
る。
【0064】 フェライト分率={ フェライト量/(フェライト量+ オーステナイト量)}×100 (体積%) ・・・ また、次に述べる「フェライト変化率」というのは、二
相ステンレス鋼を1300℃に1時間保持した後、水冷した
試験片について求めたフェライト分率と、前記のように
1100℃に1時間保持した後、水冷した試験片について求
めたフェライト分率との差である。
【0065】図6〜8は、後述の実施例2の試験に供し
た二相ステンレス鋼のフェライト分率、フェライト変化
率、応力腐食割れ発生限界応力および衝撃値と、RSCCと
の関係を示す図である。図6(b) に示すとおり、RSCC値
が13未満ではフェライト変化率が大きく、図6(a) に示
すとおり、RSCC値が18を超えるとフェライト分率が著し
く大きくなって、いずれの場合も靱性が劣化し、図8の
ように衝撃値(vE-30)が 200J/cm2 以下となる。また、
図7に示すように耐応力腐食割れ性が損なわれて、割れ
発生限界応力(σth)が 45.5kgf/mm2以下となる。これ
らの結果から、RSCC値の適正範囲は13〜18であるといえ
る。
【0066】
【実施例】
〔実施例1〕耐孔食性評価指標PREWが 40 を超える値と
なるように成分調整した表1および表2に示す化学組成
の鋼を 150kgの真空誘導溶解炉を用いて溶製し、150 mm
φのインゴットに鋳造した。このインゴットを熱間鍛造
と熱間圧延によって20mm厚の板材とした後、1100℃に1
時間保持してから水冷する固溶化処理を施した。その板
材から溶接試験片を採取した。なお、各表において、本
発明鋼とは本発明の実施例に相当する二相ステンレス
鋼、比較鋼とは特性比較のために用いた鋼、従来鋼とは
既存の二相ステンレス鋼に相当する鋼、である。
【0067】図1は、溶接施工時の溶接割れ感受性を評
価するバレストレイン試験方法を説明する図である。試
験片としては、厚さ12mm、幅50mm、長さ300 mmの板材を
用い、TIG溶接法で材料を溶融させながら同時に曲げ
歪を与え、溶接部に溶接割れを発生させる。その割れの
長さを顕微鏡により100 倍率の視野で実測して、割れの
合計長さで溶接割れ感受性を評価する。ここでは割れ長
さの合計が1mm以下であるものを本発明の目的に適う鋼
とした。
【0068】試験結果をPREW値、RVS 値および参考値と
してのRSCC値とともに表3および表4に示した。また、
図2に溶接割れ長さとRVS 値との関係を示した。
【0069】表3に本発明鋼として示すNo.1〜12は、PR
EWが42.6以上、RVS が4.78〜6.68の範囲にあるので、割
れ長さも 0.2〜0.8mm と短く、割れ感受性の低いことが
わかる。
【0070】表4に比較鋼として示すNo. 13、18、19
は、いずれもRVS が7を超えるため溶接時の割れ感受性
が高く、割れ長さが 1.2、 1.2、1.5mm と長い。No. 1
4、15、16、17は、Cr、Ni、Moのいずれかが本発明で定
めた範囲から外れるため、RVS が7を超える。これらも
溶接時の割れ感受性が高く、割れ長さが 3.1、 2.3、
2.5、1.8mm と長い。
【0071】表3、4および図2から、二相ステンレス
鋼であってもCr、Ni、Moの許容範囲を狭くし、RVS が7
以下になるように成分設計すれば、溶接施工時の割れを
軽減でき、溶接施工が容易になることがわかる。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】〔実施例2〕溶接部の耐食性およびその他
の性能を評価するため、表5、6および7に示す化学組
成の材料について、実施例1と同様な方法で試験材を製
作した。なお、表5、6および7の鋼は、PREW値が40を
超え、比較鋼の一部を除いてRVS 値が7以下になるよう
成分設計したものである。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】図3は、溶接継手部の試験材を得るための
開先加工部を示すものである。実施例1と同様に作製し
た厚さ20mmの試験材から図示のように厚さ9mmの板を切
り出し、同図に示す寸法の開先加工を施した。溶接は、
自動TIG溶接法により入熱15 kJ/cm、溶接速度 10cm/
min で、初層の溶接はフィラーメタルを使用せずに行
い、第2層〜第13層の溶接には 25%Cr−7%Ni−3%Mo−2%
W−0.3%Nのフィラーメタルを使用して行った。
【0081】図4および図5は、溶接継手部から各種試
験片を採取する位置を示した図である。応力腐食割れ試
験片としては、図4(b) に示す位置から厚さ2mm 、幅10
mm、長さ75mmの試験片を採取し、衝撃試験片としては、
図5(a) に示す位置から同図(b) に示すハーフサイズの
シャルピー試験片を採取した。試験条件は下記のとおり
である。
【0082】1.引張試験 温 度 :室温 試験片 :直径 6.0mm、試長(GL) 30 mm 歪速度 :1.0 ×10-3 s-1 試験項目:0.2 %耐力、伸び、絞り 2.応力腐食割れ試験 溶 液 :5%NaCl、0.1atm H2S−30atm CO2 温 度 : 80 ℃ 負荷方法:4点曲げ試験 付加応力:母材の 0.2%耐力値の 0.8倍、0.85倍、0.9
倍、0.95倍、および 1.0倍 浸漬時間:720 時間 3.HAZ部の靱性(シャルピー衝撃試験) 温 度 :−30℃ 試験片 :ハーフサイズ(図5に示す形状) 試験結果を表8から表13までに示す。
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】
【0089】本発明鋼と表示したNo.1〜33は、合金元素
の含有量、PREW値、RVS 値およびRSCC値が発明で定める
範囲に入るものである。従って、前述の実施例1で明ら
かにしたとおり溶接割れ感受性が小さい。そして、表11
および表12に示すとおり、溶接継手部の−30℃における
衝撃値が 212 J/cm2以上、応力腐食割れ発生限界応力が
52.6kgf/cm2 以上と、溶接継手部の靱性と耐応力腐食割
れ性に優れている。
【0090】これに対して、従来の二相ステンレス鋼で
ある No.34〜42は、Cr、Ni、MoおよびNのいずれかが本
発明で定めた範囲から外れ、かつ、No.39 、No.40 及び
No.42を除いては、RSCCが13未満であるため、表13に示
すとおり、溶接継手部の耐応力腐食割れ性に劣り、応力
腐食割れ発生限界応力が 44.6kgf/mm2以下となってい
る。また、一部の鋼は衝撃値も低い。
【0091】比較鋼の No.43〜52は、個々の合金元素の
含有量は本発明で定めた範囲にあるが、RSCCが13未満の
値、または18を超える値になるものである。これらは、
衝撃値または割れ発生限界応力のいずれかが低く、200
J/cm2 以上の衝撃値、および45.5kgf/mm2 以上の割れ発
生限界応力という水準を同時に満足することができな
い。なお、これらのRSCCが13未満または18を超える鋼を
ここでは便宜的に比較鋼と記載しているが、その中で、
PREWおよび RVSが本発明で定める範囲内にあるものは、
広義の本発明鋼である。
【0092】図6は、実施例2で用いた各種二相ステン
レス鋼のフェライト分率とフェライト変化率をRSCCの値
との関係で整理したものである。 (a)に示すようにフェ
ライト分率はRSCCの増加と共にほぼ単調に増加していく
が、 (b)に示すようにフェライト変化率はRSCCが13から
18までの間で安定して小さくなる。
【0093】図7および図8は、実施例2で試験した二
相ステンレス鋼溶接部の応力腐食試験で得た割れ限界応
力(σth)と、溶接試験のHAZ靱性 (vE-30)をRSCCで
整理したものである。耐応力腐食割れ性もHAZ靱性
も、RSCCが13から18の範囲で極めて良好なことが明らか
で、図6との対応関係も明白である。
【0094】
【発明の効果】実施例において具体的に説明したとお
り、本発明の二相ステンレス鋼は溶接施工時の割れ感受
性が小さく溶接施工性に優れたスーパー二相ステンレス
鋼である。また、RSCCが13から18の範囲になっているも
のは、溶接部の耐応力腐食割れ性と靱性にも優れてい
る。これらの鋼は、海水を使用する熱交換器および耐海
水性が要求される機器や構造物、各種化学プラント用配
管、ラインパイプ、油井管等の材料としてきわめて好適
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接時の割れ感受性を評価するためのバレスト
レイン試験方法を説明する図である。
【図2】バレストレイン試験での溶接割れ長さとRVS 値
との関係を説明する図である。
【図3】溶接試験の溶接継手部の開先形状を示す図であ
る。
【図4】溶接継手部の応力腐食割れ試験片を採取する位
置とその試験片の形状を示す図である。
【図5】溶接継手部のシャルピー衝撃試験片を採取する
位置とその試験片の形状を示す図である。
【図6】二相ステンレス鋼のフェライト分率およびフェ
ライト変化率とRSCC値との関係を示す図である。
【図7】二相ステンレス鋼の応力腐食割れ試験における
割れ発生限界応力 (σth) とRSCC値との関係を示す図で
ある。
【図8】二相ステンレス鋼の−30℃におけるシャルピー
衝撃試験(vE-30)とRSCC値との関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 植田 昌克 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 森 友希 和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭61−56236(JP,A) 特開 平4−165019(JP,A) 特開 昭50−91516(JP,A) 特開 昭62−56556(JP,A) 特開 平5−132741(JP,A) 特開 平6−116684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から成り、不純
    物としてのCは0.03%以下、Pは0.05%以下、Sは0.00
    5 %以下であり、かつ、下記の式で表されるRVS が7
    以下の値であり、下記の式で表されるPREWが 40 を超
    える値であることを特徴とする二相ステンレス鋼。 【数1】 【数2】
  2. 【請求項2】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% および下記の第1群元素の1種または2種を含有し、残
    部がFe及び不可避的不純物から成り、不純物としてのC
    は0.03%以下、Pは0.05%以下、Sは0.005 %以下であ
    り、かつ、下記の式で表されるRVS が7以下の値であ
    り、下記の式で表されるPREWが 40 を超える値である
    ことを特徴とする二相ステンレス鋼。 第1群元素 Cu:0.01〜2.0 % W:0.01〜1.5 % 【数3】 【数4】
  3. 【請求項3】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% および 下記の第2群元素の中の1種以上を含有し、残
    部がFe及び不可避的不純物から成り、不純物としてのC
    は0.03%以下、Pは0.05%以下、Sは0.005 %以下であ
    り、かつ、下記の式で表されるRVS が7以下の値であ
    り、下記の式で表されるPREWが 40 を超える値である
    ことを特徴とする二相ステンレス鋼。 第2群元素 V:0.01〜0.50% Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% 【数5】 【数6】
  4. 【請求項4】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% および 下記の第3群元素の中の1種以上を含有し、残
    部がFe及び不可避的不純物から成り、不純物としてのC
    は0.03%以下、Pは0.05%以下、Sは0.005 %以下であ
    り、かつ、下記の式で表されるRVS が7以下の値であ
    り、下記の式で表されるPREWが 40 を超える値である
    ことを特徴とする二相ステンレス鋼。 第3群元素 Ca:0.0005〜0.010 % Mg:0.0005〜0.010 % B:0.0005〜0.010 % Zr:0.01〜0.50% Y:0.001 〜0.20% 希土類元素:0.0005〜0.010 % 【数7】 【数8】
  5. 【請求項5】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% 並びに下記の第1群および第2群の元素の中からそれぞ
    れ選んだ1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純
    物から成り、不純物としてのCは0.03%以下、Pは0.05
    %以下、Sは0.005 %以下であり、かつ、下記の式で
    表されるRVS が7以下の値であり、下記の式で表され
    るPREWが 40 を超える値であることを特徴とする二相ス
    テンレス鋼。 第1群元素 Cu:0.01〜2.0 % W:0.01〜1.5 % 第2群元素 V:0.01〜0.50% Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% 【数9】 【数10】
  6. 【請求項6】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% 並びに下記の第1群および第3群の元素の中からそれぞ
    れ選んだ1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純
    物から成り、不純物としてのCは0.03%以下、Pは0.05
    %以下、Sは0.005 %以下であり、かつ、下記の式で
    表されるRVS が7以下の値であり、下記の式で表され
    るPREWが 40 を超える値であることを特徴とする二相ス
    テンレス鋼。 第1群元素 Cu:0.01〜2.0 % W:0.01〜1.5 % 第3群元素 Ca:0.0005〜0.010 % Mg:0.0005〜0.010 % B:0.0005〜0.010 % Zr:0.01〜0.50% Y:0.001 〜0.20% 希土類元素:0.0005〜0.010 % 【数11】 【数12】
  7. 【請求項7】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% 並びに下記の第2群および第3群の元素の中からそれぞ
    れ選んだ1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純
    物から成り、不純物としてのCは0.03%以下、Pは0.05
    %以下、Sは0.005 %以下であり、かつ、下記の式で
    表されるRVS が7以下の値であり、下記の式で表され
    るPREWが 40 を超える値であることを特徴とする二相ス
    テンレス鋼。 第2群元素 V:0.01〜0.50% Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% 第3群元素 Ca:0.0005〜0.010 % Mg:0.0005〜0.010 % B:0.0005〜0.010 % Zr:0.01〜0.50% Y:0.001 〜0.20% 希土類元素:0.0005〜0.010 % 【数13】 【数14】
  8. 【請求項8】重量%で、 Si:2.0 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Cr:22.0〜24.0%、 Ni: 4.5〜6.5 %、 Mo:4.0 〜4.8 %、 Al:0.001 〜0.15%、 N:0.25〜0.35% 並びに下記の第1群、第2群および第3群の元素の中か
    らそれぞれ選んだ1種以上を含有し、残部がFe及び不可
    避的不純物から成り、不純物としてのCは0.03%以下、
    Pは0.05%以下、Sは0.005 %以下であり、かつ、下記
    の式で表されるRVS が7以下の値、同じく式で表さ
    れるPREWが 40 を超える値であることを特徴とする二相
    ステンレス鋼。 第1群元素 Cu:0.01〜2.0 % W:0.01〜1.5 % 第2群元素 V:0.01〜0.50% Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% 第3群元素 Ca:0.0005〜0.010 % Mg:0.0005〜0.010 % B:0.0005〜0.010 % Zr:0.01〜0.50% Y:0.001 〜0.20% 希土類元素:0.0005〜0.010 % 【数15】 【数16】
  9. 【請求項9】下記の式で表されるRSCCの値が13〜18で
    ある請求項1から8までのいずれかに記載の二相ステン
    レス鋼。 【数17】
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