JPH05255189A - α−ケト酸エステルの製造方法 - Google Patents

α−ケト酸エステルの製造方法

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JPH05255189A
JPH05255189A JP5523792A JP5523792A JPH05255189A JP H05255189 A JPH05255189 A JP H05255189A JP 5523792 A JP5523792 A JP 5523792A JP 5523792 A JP5523792 A JP 5523792A JP H05255189 A JPH05255189 A JP H05255189A
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acid ester
alpha
manganese dioxide
keto acid
alkyl group
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JP5523792A
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Yoshiaki Iwasaki
義昭 岩崎
Fujinao Matsunaga
藤尚 松永
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HONSYU KAGAKU KOGYO KK
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HONSYU KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】α−ヒドロキシカルボン酸エステルを原料とし
て用いて、工業的に安全に且つ容易に、しかも、高収率
にてα−ケト酸エステルを製造し得る方法を提供するに
ある。 【構成】水酸基又はアルデヒド基を含有しない非酸化性
有機溶剤中、例えば、炭化水素系溶剤、ケトン類、アミ
ド類中において、α−ヒドロキシカルボン酸エステル1
重量部とγ−二酸化マンガン3〜15重量部とを20〜
150℃にて接触させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】α−ケト酸及びα−ケト酸エステ
ルは、種々の有機合成反応における合成中間体として、
また、香料、食品添加物、電子材料、医薬品原料等のフ
アインケミカルズ分野において重要な化学品である。本
発明は、このようなα−ケト酸エステルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】α−ケト酸エステルの製造方法として、
従来、(1)乳酸エステルを過マンガン酸カリウムで液
相酸化する方法(Organic Syntheses, Coll. Vol. lV.
467 項(1963年))、(2)乳酸エステルを三酸化タン
グステンの存在下に液相酸素酸化する方法(特開昭58
−062136号公報)、(3)乳酸エステルを二酸化
チタン、二酸化ジルコニウム及び五酸化ニオブの少なく
とも一種の存在下に液相酸素酸化する方法(特開昭63
−132859号公報)、(4)乳酸エステルを白金や
パラジウム等の貴金属触媒の存在下に液相酸素酸化する
方法(特開昭54−138514号公報)、(5)半融
したアルミナに保持させた鉄の酸化物とモリブデンの酸
化物とからなる触媒の存在下に乳酸エステルを気相酸化
脱水素する方法(特公昭38−3662号公報)、
(6)メタバナジン酸アンモニウム、シユウ酸及び水か
らなる混合物をpKa値3.8〜9.8の範囲にある担体に
付着させた後、焼成して得た触媒を用い、乳酸エステル
を気相酸化する方法(特公昭57−24336号公
報)、(7)リン酸塩で処理した銀触媒を用いて、45
0℃で乳酸エステルを酸化する方法(特開昭61−09
7247号公報)、(8)ルテニウム系触媒を用いて、
臭素酸塩で酸化する方法(特開平 1−305053号
公報)等が知られている。
【0003】しかし、上記した(1)の方法は高価な過
マンガン酸カリウムを必要とするうえに、反応後の処理
が工業的に困難である。上記(2)、(3)及び(4)
の方法は、ピルビン酸エステルの収率が低いうえに、ピ
ルビン酸エステルと乳酸エステルとが沸点が近接してい
るので、反応後、蒸留によつてそれぞれを分離すること
が非常に困難である。更に、(5)、(6)及び(7)
の方法においては、用いる触媒の寿命が短かいという問
題や、触媒の再生等を含めて、所要の設備が大規模にな
るという問題がある。(8)の方法は、高価な触媒と酸
化剤を用いており、工業的に安価にピルビン酸エステル
を製造する方法としては好ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
たようなα−ケト酸エステルの従来の製造における問題
を解決するために鋭意研究した結果、α−ヒドロキシカ
ルボン酸エステルを特殊な溶媒中でγ−二酸化マンガン
と接触させることによつて、工業的に安全に且つ容易
に、しかも、高収率にてα−ケト酸エステルを製造し得
ることを見出して、本発明に至つたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるα−ケト酸
エステルの製造方法は、水酸基又はアルデヒド基を含有
しない非酸化性有機溶剤中において、一般式 R-CH(OH)-COOR' (式中、Rは水素、アルキル基、又は置換基を有してい
てもよいフエニル基を示し、R'はアルキル基を示す。)
で表わされるα−ヒドロキシカルボン酸エステル1重量
部とγ−二酸化マンガン3〜15重量部とを20〜15
0℃にて接触させることを特徴とする。
【0006】本発明の方法においては、出発物質とし
て、一般式 R-CH(OH)-COOR' (式中、Rは水素、アルキル基、又は置換基を有してい
てもよいフエニル基を示し、R'はアルキル基を示す。)
で表わされるα−ヒドロキシカルボン酸エステルが用い
られる。
【0007】上記一般式において、Rは水素、炭素数1
〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフ
エニル基であり、R'は炭素数1〜10のアルキル基であ
ることが好ましい。好ましくは、Rは、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル等の
アルキル基、フエニル基又はトリル基等であり、R'は、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、ブチル等のアルキル基である。
【0008】本発明の方法によれば、D−α−ヒドロキ
シカルボン酸エステル、L−α−ヒドロキシカルボン酸
エステル及びDL−α−ヒドロキシカルボン酸エステル
のいずれにも適用できるもので、目的物の収率は、これ
ら異性体の区別による差が余りないことがガスクロマト
グラフ分析により確かめられている。本発明の方法にお
いて、後述するように、酸化剤として、γ−二酸化マン
ガンを用いるので、反応溶剤として、このγ−二酸化マ
ンガンによつて酸化される官能基である水酸基又はアル
デヒド基を含有しない非酸化性有機溶剤が反応溶剤とし
て用いられる。かかる非酸化性有機溶剤として、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素溶剤、ヘキサン等のよ
うな脂環式炭化水素性溶剤、クロロホルム等のような脂
肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、ジオキサン、ジイソプ
ロピエーテル等のような脂肪族エーテル類、アセトン、
メチルエチルケトン等のような脂肪族ケトン類、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のような脂肪酸アルキルエステル
類、アセトニトリルのような脂肪族ニトリル類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のような
アミド類等を挙げることができる。これらの有機溶剤
は、単独で、又は混合物として用いられる。
【0009】本発明の方法においては、酸化剤として、
γ−二酸化マンガンを用いることが必要であつて、その
他のα、β、σ、ε、η等の二酸化マンガンを用いて
も、満足できる結果を得ることができない。γ−二酸化
マンガンは、二酸化マンガンの中の一つの結晶形態を有
するものであり、従来は、ルクランシエ電池用の減極剤
としてのみ、実用的に用いられている。これは比較的貧
弱に成長した結晶相を有する二酸化マンガンであつて、
これには、γ、γ' 、γ" 体の諸相があるが、本発明は
これらをγ−二酸化マンガンと総称することにする。こ
れらγ−二酸化マンガンは、温和な条件下での電解法に
よつて製造られるか、又は化学的な合成法によつて製造
されるが、典型的な結晶性をよく示すγ体は前者によつ
て好都合に生産されているので、本発明の方法において
は、そのような高結晶性のγ−二酸化マンガンを用いる
のが有利である。
【0010】本発明の方法において、α−ヒドロキシカ
ルボン酸エステルとγ−二酸化マンガンとの使用量比
は、本発明の目的物の収率に影響するところが大きく、
重量比にして1:3〜15の範囲であることが必要であ
る。この範囲をはずれるときは、目的とするα−ケト酸
エステルの収率が極端に低下することが多い。更に、本
発明の方法において、反応温度は20〜150℃、特に
好ましくは、30〜140℃である。この温度範囲をは
ずれるときは、目的物を殆ど得ることができないか、又
は収率が極めて低くなる。 実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。 実施例1 ヘキサン260gとベンゼン40gの混合物にγ−二酸
化マンガン240gを懸濁させた。この懸濁液に、攪拌
下に、20〜30℃にて、DL−乳酸メチル20.0g
(0.19mol)を滴下した後、還流下で3時間反応させ
た。次に、反応混合物から無機物を濾別した後、ヘキサ
ンとベンゼンを留去し、生成物を蒸留して、ピルビン酸
メチル10.2g(収率:52.1%、純度:99.0%)を
得た。精製物は、沸点:137℃、n25 D :1.4046
であつた。 実施例2 アセトン250gにγ−二酸化マンガン250gを懸濁
させた。この懸濁液に、攪拌下に、40〜50℃におい
て、L−乳酸エチル25.0g(0.21mol)を滴下した
後、室温で18時間反応させた。次に、反応混合物から
無機物を濾別した後、アセトンを留去し、生成物を蒸留
して、ピルビン酸エチル15.0g(収率:61.1%、純
度:99.2%)を得た。精製物は、沸点:155℃、n
25 D :1.4065であつた。 実施例3 アセトニトリル100gにγ−二酸化マンガン80gを
懸濁させた。この懸濁液に、攪拌下に、20〜30℃に
おいて、DL−乳酸イソプロピル10.0g(0.076mo
l)を滴下した後、室温で10時間反応させた。次に、反
応混合物から沈澱物を濾別した後、アセトニトリルを留
去し、生成物を蒸留して、ピルビン酸イソプロピル5.6
g(収率:55.7%、純度:98.3%)を得た。精製物
は、沸点:51℃/13mmHg、n25 D :1.4036であ
つた。 実施例4 ジオキサン150gにγ−二酸化マンガン70gを懸濁
させた。この懸濁液に、攪拌下に、20〜30℃におい
て、DL−α−ヒドロキシ酪酸エチル10.0g(0.07
6mol)を滴下した後、還流下で2時間反応させた。次
に、反応混合物から沈澱物を濾別した後、ジオキサンを
留去し、生成物を蒸留して、α−ケト酪酸エチル4.6g
(収率:45.4%、純度:97.5%)を得た。精製物
は、沸点:66℃/20mmHg、n20 D :1.1420であ
つた。 実施例5 クロロホルム150gにγ−二酸化マンガン150gを
懸濁させた。この懸濁液に、攪拌下に、20〜30℃に
て、DL−マンデル酸エチル11.0g(0.061mol)を
滴下した後、還流下で5時間反応させた。次に、反応混
合物から沈殿物を濾別した後、クロロホルムを留去し、
生成物を蒸留して、フエニルグリオキシル酸エチル4.5
g(収率:40.8%、純度:98.6%)を得た。精製物
は、沸点:138℃/18mmHg、n25 D :1.5190で
あつた。 比較例1 ヘキサン260gとベンゼン40gの混合物にβ−二酸
化マンガン240gを懸濁させた。この懸濁液に、攪拌
下に、20〜30℃において、DL−乳酸メチル20.0
g(0.19mol)を滴下した後、還流下で5時間反応させ
た。次に、反応混合物から沈澱物を濾別した後、反応混
合物をガスクロマトグラフ分析したところ、ピルビン酸
メチルが収率7%しか生成していないことが判明した。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法によれば、α−ヒドロキシ
カルボン酸エステルを非酸化性有機溶剤中にてγ−二酸
化マンガンと接触させて、酸化することによつて、工業
的に安全に且つ容易に高収率にてα−ケト酸エステルを
製造することができる。従つて、本発明の方法は、中間
体、香料、その他のフアインケミカルズ分野に需要が増
大しつつある高品質のα−ケト酸エステルを安定に供給
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基又はアルデヒド基を含有しない非酸
    化性有機溶剤中において、一般式 R-CH(OH)-COOR' (式中、Rは水素、アルキル基、又は置換基を有してい
    てもよいフエニル基を示し、R'はアルキル基を示す。)
    で表わされるα−ヒドロキシカルボン酸エステル1重量
    部とγ−二酸化マンガン3〜15重量部とを20〜15
    0℃にて接触させることを特徴とするα−ケト酸エステ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記一般式で表わされるα−ヒドロキシカ
    ルボン酸エステルにおいて、Rが水素、炭素数1〜10
    のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフエニル
    基であり、R'が炭素数1〜10のアルキル基であること
    を特徴とする請求項1記載のα−ケト酸エステルの製造
    方法。
JP5523792A 1992-03-13 1992-03-13 α−ケト酸エステルの製造方法 Pending JPH05255189A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0921186A3 (fr) * 1997-12-08 2000-04-26 Firmenich Sa Utilisation du 3-méthyl-2-oxopentanoate d'éthyle en tant qu'ingrédient parfumant
CN104860824A (zh) * 2014-02-24 2015-08-26 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化氧气氧化乳酸酯制备丙酮酸酯的方法

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